【感想・ネタバレ】十二単衣を着た悪魔 源氏物語異聞のレビュー

あらすじ

59もの会社から内定が出ぬまま大学を卒業した二流男の伊藤雷。それに比べ、弟は頭脳も容姿も超一流。ある日突然、『源氏物語』の世界にトリップしてしまった雷は、皇妃・弘徽殿女御と息子の一宮に出会う。一宮の弟こそが、全てが超一流の光源氏。雷は一宮に自分を重ね、光源氏を敵視する弘徽殿女御と手を組み暗躍を始めるが……。エンタメ超大作!!

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Posted by ブクログ

正直なところ私は源氏物語は全く詳しくなく、ほぼ何も知らない状態から読んだ。
しかしとても読みやすく、面白く、サクサク読むことができた。

内容的には最近流行りの異世界転生ものっぽい感じがあり、物語序盤で主人公が手にするあらすじ本が言わば未来視のチートアイテムのような感じもある。
(とか言っておきながら、実は私自身は異世界転生ものは読んだことがないのを詫びたい)
そう書くと転生先でやりたい放題かと想像するが、作者自身のあとがきで記載の通り、しっかりと弘徽殿女御を中心とした源氏物語の世界に沿って話は進んでいく。

物語の中では主人公や弘徽殿女御周辺の人物の心理描写を中心として描かれており、現代の便利さなど一ミリもない平安時代の世の中でも、人の愛や嫉妬、母の強さなどは変わらないのだろうなと想像させる。

神の子とされるほどの美しさ、上品さ、人を惹きつける魅力を放つ光源氏も本作の中では性欲モンスターとして描写が強く、読んでいて呆れるというか、本当に「お前なぁ・・・」という気持ちに何度もさせられた。
私自身男性であるが、光源氏のように下半身に主導権を握られたくないものである。

ラストに向けた描写は大筋は想像通りだったものの、前向きな終幕となりすっきりした気持ちで読み終えることができた。

一番最後に衝撃だったのは、作者紹介欄に記載のあった作者の生まれ年。
1948年と書いてあり、本日時点で御年75歳。
あまりにも現代的な文で読みやすく、作者は30代かそうでなくとも40代くらいだと思っていたので、想像を遥かに超えていた驚きで読後感が吹っ飛んでしまった。
タイトルもプラダを着た悪魔をもじったのだろうと初見からわかっていたが、この映画も公開は2006年で全く想像がつかない。

作中にスマートフォンというワードも出てくるが、この本のリリースは2012年5月であり、当時のスマートフォンはiPhone 4Sの世代。
作中後半に出てくることを加味しても、執筆中はもう少し前のはずなのでiPhone4世代だと考えられる。
まさにスマホ黎明期でスマートフォンを持っている人のほうが圧倒的に少なかった時期。
そんな時代から当たり前のように作中にスマートフォンというワードが登場するあたり、作者の若さに本当に驚かされた。

最後にもしかしたらこの投稿を読んでいるかもしれないこの本を貸してくださった方へ。
4年も本借りっぱでごめんなさい。明日返します。

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2024年09月03日

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気付いたら源氏物語の中に入り込んでいた…と聞いただけでワクワクするような話だと思った。
私は源氏物語を一切読んだことがなく、全く源氏物語の内容がわからないで読み始めた。

読み進んでいるときには感じなかった、源氏物語への思いが読み終わった後に爆発した。
もっと源氏物語を知りたい、読みたい。
もっといろんな人達の心に触れてみたいと思った。
近々源氏物語をちゃんと読んでみようと思う。

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2024年08月13日

Posted by ブクログ

源氏物語をほとんど読んだことがないのだが,この超大作は面白すぎる!
浦島太郎の反対バージョンにもなってるのかな?

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2023年11月05日

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タイトルにひかれて軽く読み進めていたら、ぐんぐん引き込まれて一気に読んでしまったお話。
歴史ファンタジー、ではあるのだけれど、登場人物の心情がとても繊細に描かれていて、切なくて泣けます。

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2023年10月10日

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プラダを着た悪魔 が大好きで、それに通じるものがあるのかと思って手に取りました。
十二単を着た悪魔は、本当に悪魔のようでした。笑

その時代の立場や役目は生まれた時から決まっているようなものだけど、現代よりもシビアな女の争い、いかにしたたかに賢く振舞うか。読んでいて本当に面白かったです。

女性として生きた証を残せるような人になりたいと思いました!

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2023年10月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

源氏物語の時代へタイムスリップする話。
歴史は詳しくもなく好きでもなかったが、どんどん読み進めていた。
生活様式がリアルに描かれていたと思う。
源氏物語の悪役?である弘徽殿女御をただの悪役に書かないところに作者の愛が
詰まっているのではないかと感じた。
もし平安時代へタイムスリップしたら、どうやって生きてこうかなーと考えてみるもの楽しかった。

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2023年05月02日

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ネタバレ

源氏物語は、授業で習った程度でいつかちゃんと読みたい。と思っていたことから、興味を持ち手に取りました。
よくできた弟を持つ自分に劣等感を持つ主人公の人物描写にどんどん引きこまれました。
物語の中にタイムスリップするという変わった設定が、とても面白かったです。

はじめは、弟が優秀すぎて引け目を感じる、そんなことがあってはいけないな!と親目線で読んでいましたが、最後まで読むと、みんな人知れずコンプレックスを持っているものなんだな、と考えさせられました。

物語の世界で生きる中でふと主人公が思い出した、化石ができると思って庭に葉っぱを埋めて、母と一緒にやった実験。母からの愛情溢れる接し方、いいなあ。と思いつつ、本人はそれに気づいていないのかな、と寂しくもなりました。

主人公が何年も妻と子を想い続けているのがなんともリアルで、心に響きました。

いつ現代に戻ってしまうんだろう・・とハラハラしながら読み、戻ってしまった後は、読んでいる自分も、その後の世界はどうなったのだろう、と気になってソワソワしました。
こういう読書体験も良いものですね。

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2023年04月04日

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ラブコメちっくな実写版はあまりタイプではなかったけれど、弘徽殿の女御の台詞がとてもよくて、、!
これは原作だったらめちゃめちゃおもしろいのではないか?と思い手に取りました。

結果、毎晩ベッドで夜更かししてしまうほどとてもおもしろかった。
平安時代の物語の世界へタイムスリップという、「ありえない×ありえない」な設定なんだけど、平安の時代情景までもしっかり書かれていて想像力が掻き立たされました。

私も一度でいいから平安時代の新鮮な空気を吸って、真っくらな夜を体験してみたい、、✨

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2022年10月19日

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とても面白かった。
源氏物語に詳しくないけれど、弘徽殿女御のキャラに惹かれ、どんどん読み進めていけました。
色々考えさせられる事や、共感や感心などもあり、色んな面白さで楽ませんてもらいました。
後書きも面白くて、だからこの題名なのね!と納得したりして、最後の最後まで楽しませてもらいました。

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2022年10月17日

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ネタバレ

就職活動で、59社目の不採用通知を受け呆然とする主人公・雷は卒業後、派遣で製薬会社が主催するイベント会場の設営をすることとなる。『源氏物語と疾患展』というイベントで、光源氏等の登場人物の病気について現代だとどんな病気に当てはまるのか、その病気に効果がある薬品が展示されるといった内容のものだ。源氏物語に全く興味のなかった雷だが、賃金プラス薬品サンプルとパンフレットなどが手渡される。退勤後、彼女と会うも別れを切り出され、弟の京大医学部現役合格を知り、帰宅の足取りが重くなっていたところに見知らぬ路地が出現、更には巨大な火の玉が雷を直撃し、目を覚ますとそこは源氏物語の世界だったーー。

源氏物語の内容覚えてないし、正直光源氏とか藤壺ぐらいしか名前聞いたことなかったけれど、むしろ先入観ないまっさらな状態で読んだことで、個人的にはとても面白く読めた。

面白いなと思ったところ
・光源氏の女たらしっぷりが想像の域を超えていた点
・主人公の雷が派遣仕事でもらったパンフレットを頼りに高麗からやってきた陰陽師を名乗り、先見の目があると周囲に感じさせ、また、薬品サンプルで登場人物の病を治したりする、現代の力で源氏物語の世界で生きていこうとするところ
・弘微殿女御の性格がキツすぎて平安時代ではまあそぐわないだろう点(個人的にはすごく好き)

創作とはいえ、桐壺更衣や雷の妻&娘の倫子と風子、葵の上や桐壺院などが亡くなって各登場人物が喪失感を覚え引きずるところはリアリティがあって、『想い供養』という言葉が特に心に残った。

朱雀帝と光源氏の絆は読んでいてほっこり。光源氏は女たらし、よりも人たらし?の印象が強すぎるけれど悪い男ではないというのはよくわかった。
最終的に源氏物語の世界で生きると決めた雷が、現代に戻されて戻りたいと願う場面は切なかったけど、その世界を経験したことで大学院を受けるという気持ちになって終わり、という締め方はとても良かったと思う。
それと「学問は背骨になる。生きていく自信になる。」という光の言葉が響いた。源氏物語、きちんと読んでみたいな……

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2022年06月01日

購入済み

題名がピンとこない。

源氏物語に題材をとった作品は多いが、脇役悪役憎まれ役の弘徽殿女御をヒロインに仕立てた着眼点が素晴らしい。更にこのヒロインのキャラクター作りが実にいい。兄弟愛 親子愛 男女愛 権力愛と今も昔も変わらない愛情の描き方もすっと頭に入ってくる。(当時の人としてはあまりにも現代風の思考形態になっているような気がするが)
ただ題名がピンとこない。作者は随分なこだわりがあるようだが。

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2021年09月01日

Posted by ブクログ

源氏物語では一瞬しか出てこない人をメインキャラにして、現代と当時の日本を比較(大体現代の方が下)しながら話が進んでいくのが面白かった。

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2021年06月11日

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源氏物語が好きなのだが、設定が微妙だなぁと思いつつも内館牧子ワールドに魅了された。とにかく面白い!痛快!読みながらニヤニヤしてしまった。

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2021年06月04日

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とても面白かった。同じ人についてでも、見方によってこんなにも変わるのかと。
弘徽殿女御、光源氏、藤壺女御…特定の人についての評価というのは、評価される側だけの要素ではなく、評価する側の要素も多分に含まれるものなんだと知った。評価する側のフィルター(それまでの人生、価値観、コンプレックス)を通してのものなのだと。そう考えれば、「みんなによく思われる」というのは所詮不可能だし、意味がない。そう思うことができて、心が楽になる。そんなお話でした。

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2021年05月29日

ネタバレ 購入済み

おもしろかった

久しぶりに夢中になって読んだ。源氏物語は読んだことがなかったけど、とても勉強になったしそっちも読んでみたいなと思った。
作者の作品に対する愛情がたくさん感じとれてすごく大好きになった。
もう一度読みたくなる作品。

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2021年04月10日

購入済み

良かった

終わり良ければ全てよし。最後、主人公がスッキリとした気持ちで終わったので、良かったです。男前なこきでんの女御がとてもカッコ良かった。素晴らしい。

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2020年11月07日

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内館牧子にはまり、本を色々集めて読んだ。
でもこういうタイムスリップ、しかも小難しい源氏物語なんて食わず嫌いで全く興味がわかなくて、しばらくの間、読む気にはならなかった。
ある日読むものがなくなり仕方なく読み始めたら!
もう面白い!ワクワクが止まらない!終わらないでくれー!
結局、内館牧子の中で1番になった。
映画にもなるんだってね。
早く見たいな。

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2020年10月04日

購入済み

サクッと読めて面白い!

割引きになっていたのでたまたま購入しましたが、思いの外面白くて満足。
俺TUEEEEって感じではありませんが、異世界召喚系のライトノベルが好きだったら楽しく読めると思います。

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2019年08月11日

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ネタバレ

マンガでしか知らなかった源氏物語。内館さんなら読みやすいかなと思って手に取りました。
面白かった。
マジの源氏物語ファンにはどうなのかわからないけど、私にとってはめちゃ興味深い。現代人がトリップしちゃうって設定だからかな、読みやすい。当時のことをところどころ、現代の言葉に例えてくれるのも笑える。
からない言葉は雷もわからない体でさらっと説明してくれるし。
それに人物相関が複雑だけど、そこはベストセラー。ネットに相関図があふれてるので、一番、見やすいのを手元において読み進めたよ。

それにしても、倫子と風子を思い続ける雷鳴は切ない。。。。

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2025年06月16日

Posted by ブクログ

4.5
最初はコメディーだと思って読み始めたので、だいぶ本格的な源氏物語が出てきて良い衝撃を受けた。
源氏物語がどんな話かは知らない私でも、現代風の言葉でわかりやすく書かれている、本作は読みやすかった。源氏物語では脇役にあたる弘徽殿女御にフォーカスして話は展開される。私は本を読むとき、いつも主人公やその周辺の人物ばかり注力してみてしまうので、脇役のことが気に入り、本まで書き上げてしまう作者は面白いなぁと思った。1000年以上も前に書かれた源氏物語が今も現代に伝わっているなんて本当に凄いことだと思う。文学の素晴らしさを改めて感じる1冊でした。

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2024年11月15日

Posted by ブクログ

何をやってもダメな兄、雷はなんでもできる弟の水に引け目を感じていた。

就職もできず彼女にフラれた雷はある日、源氏物語の世界に迷い込み、陰陽師として生きることに。

源氏物語の世界を分かりやすく示した物語。

光源氏がただのセックス依存症のラテン系男だということが分かった。愛憎劇ドロドロの物語。

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2024年08月01日

Posted by ブクログ

荒唐無稽な話でしたが、とても面白く(興味深い)いっきに読んでしまいました。最終章もよかった。成長した雷にもう一度会いたいと思った。

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2024年06月27日

Posted by ブクログ

弘徽殿の女御!
源氏の身近にいても愛人にならなかった強い女というか敵として捕らえられがちな
彼女目線の源氏世界は現代感覚アレンジも違和感なくておもしろかった。
源氏は誰目線で読み解くかでほんと印象変わるし、なんとなく流されて自分がなさげだったり刹那的で八方美人だったりみたいな印象が強い人たちでさえ実はみたいな強かさや苦しさがあったりするのがおもしろいな、だからこう1000年も読み継がれ研究されありとあらゆる二次創作が生まれてくるんだなあ

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2024年06月06日

Posted by ブクログ

源氏物語にワープしてしまった若者といえば、光源氏の関係者の頭中将か、源氏付き人の惟光の近辺にいる人にするのか、と想像するのは平凡。陰陽師を持ってきた作者の発想は、ヒロインが弘徽殿女御であるからなるほどと思う。

なにしろ弘徽殿女御は超オカルトチックに、政的の恋人に憑りついて殺人までするのだから、陰陽師という現代から見るといかがわしくも怪しい職業なのでさもありなんと、一応は源氏物語を知っているのでわくわくする。

その若者「雷」君はトリップする前に現代社会では、大学卒業したけれど受けた全社落ち、フリーターになってしまい、行き場を探している青年というわけで、古文の文芸の世界で何を得るのかが興深い。

このエンターテインメントが幕開は、雷青年の現世では兄が容姿端麗・頭脳明晰とちょうど光源氏のようで、光源氏の兄に当たる弘徽殿女御の息子一宮という、皇太子候補なのに影薄い君に味方するのは、出来すぎの兄弟を持ったよしみで同情したので助けることになった。

源氏物語の筋をたどり、そう来るかと、むふふふと作者の機知を楽しんだ。
けれど、
あれぇ?須磨の巻までなの?
落ちがそれ!と思いがけなくて、脱落したのでありましたが。

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2023年12月19日

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源氏物語はとても昔に漫画で読んだことがある程度で、前知識が零に近い状態で読みました。
タイムスリップという実際にはお目にかかれないフィクションを交えて書いてあるこの本はとても読みやすく、それぞれのシーンが想像しやすい表現でした。

私が源氏物語の世界に行けたら、一目でいいので光の源氏を見たいです。

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2023年10月19日

Posted by ブクログ


内館さんの本はおそらく初見。
弘徽殿女御にスポットライトを当てた珍しい小説。ところどころ、あれ?と思うところはあった(夕顔と会う時に源氏が仮面をつけていたとところ等)が、そこは小説なので都合よく解釈しているのだろう。私も女御に関心を持ったことがなかったので、自分の中に新しい観点が生まれたような気分になった。

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2022年10月10日

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別の視点から考えることはとても楽しい!正解することが全てじゃない!

この物語も正解ではないし、自分だけの、自分なりの考えを持つことこそ至高だと感じた

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2021年09月15日

Posted by ブクログ

内舘牧子さんの作品。源氏物語がテーマなのですが、嫌われ役の弘徽殿女御にスポットを当てています。

時には視点をずらすことも大事ですよね!

源氏物語を読んでいると、桐壺更衣が可哀想と思いがちですが、人には様々な感情がありますからね。

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2021年09月07日

Posted by ブクログ

源氏物語は昔マンガで読んで、だいたいのあらすじを知っている程度で、弘徽殿女御のことは、「夫に愛されることがなかった、恐い女性」ぐらいにしか思っていませんでした。

誰もが幸せになるために、なりふり構わず必死に生きている
端からは恵まれているように見えても、人それぞれ悩みはある
いつの時代も、現実世界でも物語の中でも、人の考えることは変わらない

一人の登場人物の目線で語られると、こんなにも物語がイキイキするんだなと思いながら読みました。

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2021年06月06日

Posted by ブクログ

源氏物語に興味がある人の一歩目にちょうどいいと思います。
主人公が、いきなり迷い込んだ源氏物語の世界を受け入れるのが早かったり…非凡だと言うのに適応能力が高かったり…少し突っかかる部分がありました。ただとても読みやすく、平安時代の人間関係や思惑などが覗き見てれて内容も面白いので、すぐ読み終わりました

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2024年11月01日

Posted by ブクログ

なんと、「源氏物語」の中にタイムスリップしてしまうという語。
時代へではなく、物語の中へ。
しかも、59社を受けても採用されないという男、伊藤雷。
全く「源氏物語」なんて興味もない奴がなぜ?
雷には水という、それは優秀な弟がいる。
タイムスリップした際に、光源氏を弟に持つ一宮に自分に重ねたりする。
そして、その一宮の母、弘徽殿女御がこの話の軸となる。
この時代にこんな女性が?!と驚くような強い女性。
雷は徐々に「源氏物語」の世界で生きてくことに喜び感じるようになる。
「源氏物語」を知らなくても楽しめる。
もっと早くにこの小説があれば、もっと勉強したかもしれない…

2022.8.6

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2022年08月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

長かったのに一気読み!これはおもしろかったです!
タイムスリップものはたくさんあるけど、まさかの「源氏物語」の中にタイムスリップとは!
二流の大学を卒業しても就職先が決まらない、文武両道&イケメンの弟との差は開くばかりのさえない主人公、雷は彼女にも振られてなんのために生きているのか・・・焦ってたとこにいきなりなタイムスリップ!しかも平安時代!
これどうなるの??どうなるの??と止まりませんでした☆彡
光源氏はもちろん、名前すらよくわからない登場人物がイキイキと描かれてて、もうオススメ以外ないっす!

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2022年02月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

映画があまりにもおもしろくなくて、ビックリして原作を調べたら内館牧子さん。原作はおもしろいはずでは…?と思い逆に気になって読みはじめました。
ストーリーの流れは大きく変わってはおらず、主人公の雷が優秀な弟水にコンプレックスをいだいていて、その弟の大学合格祝いの日に雷に打たれ源氏物語の世界に迷い込んでしまう…というもの。
源氏物語の時代の人はあまりお風呂に入れないから臭いとか、そう言われればそうだよなぁってことも書かれていたり、源氏物語の世界を主役ではない弘徽殿の女御側から描いている。映画には須磨の辺りからは書かれていないけど、そこも結構重要なシーンだと思う。
最後の急にバタバタ話が展開した感は小説でも少し感じたけど、映画の比にはならないほど小説の方が面白かったです。

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2021年07月26日

Posted by ブクログ

サラッと読めるエンタメ小説。
源氏物語にほとんど登場しない弘徽殿の女御に焦点を当てて物語が進んでいく。
優秀な弟にコンプレックスを持ち、人生に落ちこぼれてしまったと悩むフリーターの主人公の雷。ある日突然源氏物語の世代にタイムスリップし、毒舌で気の強い女上司女御の元で陰陽師として働くことになる。

の寵愛を受けることよりも、息子の安全や帝としての身分安定を願う女御の姿は、現代に生きる女性の姿に通じる。(もっとも、ここまで気が強く行動にも移せる人も珍しいが)

主人公の雷や女御の息子である一宮(朱雀帝)の身近な兄弟と比較し自身の能力のなさに嘆く気持ちも、兄弟がいる身としては何となく分かるものもあった。

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2021年07月06日

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