あらすじ
59もの会社から内定が出ぬまま大学を卒業した二流男の伊藤雷。それに比べ、弟は頭脳も容姿も超一流。ある日突然、『源氏物語』の世界にトリップしてしまった雷は、皇妃・弘徽殿女御と息子の一宮に出会う。一宮の弟こそが、全てが超一流の光源氏。雷は一宮に自分を重ね、光源氏を敵視する弘徽殿女御と手を組み暗躍を始めるが……。エンタメ超大作!!
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Posted by ブクログ
源氏物語の時代へタイムスリップする話。
歴史は詳しくもなく好きでもなかったが、どんどん読み進めていた。
生活様式がリアルに描かれていたと思う。
源氏物語の悪役?である弘徽殿女御をただの悪役に書かないところに作者の愛が
詰まっているのではないかと感じた。
もし平安時代へタイムスリップしたら、どうやって生きてこうかなーと考えてみるもの楽しかった。
Posted by ブクログ
源氏物語は、授業で習った程度でいつかちゃんと読みたい。と思っていたことから、興味を持ち手に取りました。
よくできた弟を持つ自分に劣等感を持つ主人公の人物描写にどんどん引きこまれました。
物語の中にタイムスリップするという変わった設定が、とても面白かったです。
はじめは、弟が優秀すぎて引け目を感じる、そんなことがあってはいけないな!と親目線で読んでいましたが、最後まで読むと、みんな人知れずコンプレックスを持っているものなんだな、と考えさせられました。
物語の世界で生きる中でふと主人公が思い出した、化石ができると思って庭に葉っぱを埋めて、母と一緒にやった実験。母からの愛情溢れる接し方、いいなあ。と思いつつ、本人はそれに気づいていないのかな、と寂しくもなりました。
主人公が何年も妻と子を想い続けているのがなんともリアルで、心に響きました。
いつ現代に戻ってしまうんだろう・・とハラハラしながら読み、戻ってしまった後は、読んでいる自分も、その後の世界はどうなったのだろう、と気になってソワソワしました。
こういう読書体験も良いものですね。
Posted by ブクログ
就職活動で、59社目の不採用通知を受け呆然とする主人公・雷は卒業後、派遣で製薬会社が主催するイベント会場の設営をすることとなる。『源氏物語と疾患展』というイベントで、光源氏等の登場人物の病気について現代だとどんな病気に当てはまるのか、その病気に効果がある薬品が展示されるといった内容のものだ。源氏物語に全く興味のなかった雷だが、賃金プラス薬品サンプルとパンフレットなどが手渡される。退勤後、彼女と会うも別れを切り出され、弟の京大医学部現役合格を知り、帰宅の足取りが重くなっていたところに見知らぬ路地が出現、更には巨大な火の玉が雷を直撃し、目を覚ますとそこは源氏物語の世界だったーー。
源氏物語の内容覚えてないし、正直光源氏とか藤壺ぐらいしか名前聞いたことなかったけれど、むしろ先入観ないまっさらな状態で読んだことで、個人的にはとても面白く読めた。
面白いなと思ったところ
・光源氏の女たらしっぷりが想像の域を超えていた点
・主人公の雷が派遣仕事でもらったパンフレットを頼りに高麗からやってきた陰陽師を名乗り、先見の目があると周囲に感じさせ、また、薬品サンプルで登場人物の病を治したりする、現代の力で源氏物語の世界で生きていこうとするところ
・弘微殿女御の性格がキツすぎて平安時代ではまあそぐわないだろう点(個人的にはすごく好き)
創作とはいえ、桐壺更衣や雷の妻&娘の倫子と風子、葵の上や桐壺院などが亡くなって各登場人物が喪失感を覚え引きずるところはリアリティがあって、『想い供養』という言葉が特に心に残った。
朱雀帝と光源氏の絆は読んでいてほっこり。光源氏は女たらし、よりも人たらし?の印象が強すぎるけれど悪い男ではないというのはよくわかった。
最終的に源氏物語の世界で生きると決めた雷が、現代に戻されて戻りたいと願う場面は切なかったけど、その世界を経験したことで大学院を受けるという気持ちになって終わり、という締め方はとても良かったと思う。
それと「学問は背骨になる。生きていく自信になる。」という光の言葉が響いた。源氏物語、きちんと読んでみたいな……
おもしろかった
久しぶりに夢中になって読んだ。源氏物語は読んだことがなかったけど、とても勉強になったしそっちも読んでみたいなと思った。
作者の作品に対する愛情がたくさん感じとれてすごく大好きになった。
もう一度読みたくなる作品。
Posted by ブクログ
マンガでしか知らなかった源氏物語。内館さんなら読みやすいかなと思って手に取りました。
面白かった。
マジの源氏物語ファンにはどうなのかわからないけど、私にとってはめちゃ興味深い。現代人がトリップしちゃうって設定だからかな、読みやすい。当時のことをところどころ、現代の言葉に例えてくれるのも笑える。
わからない言葉は雷もわからない体でさらっと説明してくれるし。
それに人物相関が複雑だけど、そこはベストセラー。ネットに相関図があふれてるので、一番、見やすいのを手元において読み進めたよ。
それにしても、倫子と風子を思い続ける雷鳴は切ない。。。。
Posted by ブクログ
長かったのに一気読み!これはおもしろかったです!
タイムスリップものはたくさんあるけど、まさかの「源氏物語」の中にタイムスリップとは!
二流の大学を卒業しても就職先が決まらない、文武両道&イケメンの弟との差は開くばかりのさえない主人公、雷は彼女にも振られてなんのために生きているのか・・・焦ってたとこにいきなりなタイムスリップ!しかも平安時代!
これどうなるの??どうなるの??と止まりませんでした☆彡
光源氏はもちろん、名前すらよくわからない登場人物がイキイキと描かれてて、もうオススメ以外ないっす!
Posted by ブクログ
映画があまりにもおもしろくなくて、ビックリして原作を調べたら内館牧子さん。原作はおもしろいはずでは…?と思い逆に気になって読みはじめました。
ストーリーの流れは大きく変わってはおらず、主人公の雷が優秀な弟水にコンプレックスをいだいていて、その弟の大学合格祝いの日に雷に打たれ源氏物語の世界に迷い込んでしまう…というもの。
源氏物語の時代の人はあまりお風呂に入れないから臭いとか、そう言われればそうだよなぁってことも書かれていたり、源氏物語の世界を主役ではない弘徽殿の女御側から描いている。映画には須磨の辺りからは書かれていないけど、そこも結構重要なシーンだと思う。
最後の急にバタバタ話が展開した感は小説でも少し感じたけど、映画の比にはならないほど小説の方が面白かったです。