koccoさんのレビュー一覧
レビュアー
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購入済み
作者の真摯な姿勢に拍手!
2022年5月読了。
真田をテーマにした小説は巷間かなり多い中、そこへ敢えてチャレンジした作者の気概に先ず感心した。
そして何より、偶像化した「幸村像」等に頼ること無く、当時の一次資料からかなり綿密に調べ上げ、自分なりの史実解釈にまで至っている。
これは生中な努力で出来ることでは無い。
「真田好き」を自認する私でも、成るほどと思わせる点が多かった。
そして何より「歴史小説として面白いのか」と云う、作家であれば誰も逃げられない大きな命題も、新しい「佐助」像を中心に据えることで、ドラマチックな展開を読者に味会わせてくれた。
中盤でやや中弛み感が有ったので、もう一つ盛り上げる -
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正に『新たなる視点』!
2022年5月読了。
以前から積ん読状態だったもので、気には成っていたのですが、中々手が出なかったものです。
「科学的見地から歴史を考える」という発想は非常に斬新。著者は「歴史自体の専門家では無いので…」と謙遜されていますが、これだけの検証が今までされていなかった事自体に、正直驚きました。
既に沢山のレビューが上がっていますので、内容全部には触れませんが、どの考察も得心、感心するばかり…。秀吉の件は、先日NHKでも紹介されていましたね。確かに「海路」と云うのは盲点でした。
但し、この考え方を進めて「秀吉陰謀説」を語る方々には賛同し兼ねますが…。
街道(道路)整備及び兵 -
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気合の入った力作ながら…。
2022年5月読了。
「鴨川ホルモー」で心を奪われて以来、ずっとずっと大好きだったのですが、「偉大なる…」で心底ガッカリしてしまい、万城目先生の著作からは一歩引いておりました。
ある日、「久々の大作!」と書店で見かけて購入したものの、長らく積ん読しておりましたが、縁有って今回読破いたしました。
「本当は熱い歴史小説が書きたいんだけど、時代的にありきたりに思われたら嫌だから、作者独特のとてもヒン曲がった角度から歴史を描く」と云う稀有な作家さんだとズ~ッと思ってきたのですが、
やっぱり此処(大坂の陣の時の京大坂!!!)の部分だけは、同時代の視点で描かなくてはいけないと、思い入れ -
タイトルの時点で「勝ち!」
2021年2月読了。
これはもう、このタイトルを付けた時点で勝ちですよww、京都好きの者にとっては。
京都の「いけず」は有名ですが、ここまで内幕を暴露(?)した本は少ないのではないですかね。
「洛中か洛外か」による差別の話等は、流石地元民ならではのお話で、あの〇沢先生までそんな「いけず」を言っていたとは…ww。
決して糾弾している訳ではなく、かといって過剰に褒めている訳でもなく、このバランス感で書かれた「京都本」は、本当に希少価値が有るものだと思います。
万人が、笑いながら京都の細かい部分について学ぶことの出来る良書だと思います。実際ヒットしましたもんね、この本は。
お -
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歴史小説のお手本。
もう何度も読んだのに、やっぱり手元に持っていたくて、電子書籍にて購入しました。
一応大河ドラマの原作扱いに成っていますが、余りそこには拘らなくて良いかと思います。
自分の武田好きは、中井貴一さんの方の『武田信玄』から始まっているのですが、ドラマ先行で原作を読んだせいか、新田次郎と云う作家の感性とはちょっと合わない部分を感じました。
その後の『武田勝頼』も読みました。
「つまらない」「嫌い」というのではなく、「合わないなぁ」という感じです。
と云う訳で本書は、初め殆ど期待せずに読んだのですが、この文量でこの物語の芳醇さは何処から出てくるのか、本当に唸らされました。
決して -
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「新本格」ブームを思い出した。
2022年4月読了。
ココのレビューを書いている皆さんは、かなりお若い方々なんでしょうね。中盤から終盤にかけての、探偵と元(?)探偵のやり取りを読んでいて、若干気恥ずかしい様な、ムズムズする感覚を憶えたのですが、皆さんのレビューを読んでいて色々と思い出しました。
20年程昔に成りますが、島田荘司先生が音頭を取って、講談社と仕掛けて大成功を納めた「新本格」ブームと云う事象が有りました。
その中でも、内省的な作風で他者とは明瞭に異なっていた「法月綸太郎」先生の著作を思い出したからです。
『名探偵は「推理マシーン」で良いのか?!』と云う、フィクション(虚構)の中なのに、「真実を導 -
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自分の中では、篠田作品No.1
もう初版が出た時に読んでますから、20年以上は経ってますよね。
紙媒体(ハードも文庫も)だって持ってるのに、いつでも読める様にしておきたいが為に電子にて購入しました。
内容については、他の方のレビューで沢山書いてあるので、そちらをご覧くださいw。
とにかく、自分の中では篠田節子さんの作品で断トツのNo.1だと、力強く言い切れる大傑作です。
物語の殆どが、頭の中に映像化されて保存されていて、こんなに物語に没入して頭から離れない作品はそうそう有りません。
それぐらいの圧倒的な興奮、感動を喚ぶ、極めて優れた娯楽小説です。作中作の方すら書籍化して欲しいぐらいです。
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一読惚れ…。
もうかれこれ30年近く経ったんですかね、この作品が出版されてから…。
確かその頃自分は高校生だったと記憶していますが、テスト勉強そっちのけで読破し、正に「一読惚れ」してしまった作品です。懐かしいなぁ…。
島田先生は改版がお好きで(これはこれで愛読者にとっては迷惑w)、自分が読んだ頃とは大分変わってる気はしましたが、このロマンチックなストーリーを読むと、熱中していたあの頃の自分を思い出して、恥ずかしくもあり懐かしくもありで、忘れられない作品です。確か直木賞の候補作には入ったんですよね、これで。
賞とは何故か縁遠かった島田先生ですが、今やミステリ界の大御所と成った今を考えると、コ -
永遠のヒーロー、柳生十兵衛。
著者の作品は、ほぼ必ず「かの国」が絡んでくるため食わず嫌いと云うか、素直に読めない気持ちが先行して、ヒット作を量産していた頃でも中々手を出せなかった。
そんな自分が「柳生十兵衛なら多少我慢すれば読めるかな…?」ぐらいの気持ちで手に取ったのが本作だった。
正直、「かの国」の呪術や何やかやは読んでいて愉快なものでは無かったが、著者が(私の大好きな)山田風太郎先生を敬慕しており、あの十兵衛像を傷付けない作風を考えて書かれているのが読んでいてもスゴく良く伝わり、とても楽しめた。
この作品を読んで、著者の柳生物についてはほぼ全て読破したのは云うまでも無い。
山田風太郎好きな方なら -
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「世界の」ジャイアント馬場!
2022年4月読了。
もう他の方のレビューで内容等については語られてるので、多くは省くが、'70年後半~'80年中頃位までがオンタイムで熱狂していた世代なので、これだけの質量共に充実した「馬場さんの本」に出逢えた事に感謝したい。
当時は、外人レスラーが豊富な全日、猪木のストロングスタイルが華々しい新日、テレ東でヒッソリ放送され、余程の通か好みの方にしか愛されなかった国際(失礼)、の三つだった。
自分の関心は、全日から入って新日へ移り、業界全体が四分五裂状態に成る前に興味を失ったので、今の新日にも、PRIDE等の「格闘技」とやらにもあまり関心が無いので、テレ -
暴かれるのは、公的機関の闇…。
著者の徹底した取材姿勢には「桶川事件」の本を先に読んでいたので知っていたが、この本は…犯人を指差している?!
いつの日かは分からないが、著者の見立て通りの犯人が、少しでも早く逮捕される事を願うのみだ。警察がもっと謙虚に成れればの話だが…。
それにしても警察や検察等の司法機関って、頭が硬いと云うか……、「謝罪すら出来ないのであれば、今後この様な無様な事件は絶対に(!)取り締まれよ!」と言いたくなった。
最後に、他の方のレビューで、この著者の著作と個人ルポライターである一橋文哉氏の著作とを比べて「こっち(清水氏)の方が信憑性が有る…」的な感想を書いておられたが、日本テレビと云う報 -
これで「確定」でしょ?!
他の方々のレビューで「(この著者の書いてる事が)本当かどうか…???」みたいな感想の方が割と多い気がしたのですが、
自分としては「な~んだ、もう全部分かってるんじゃん」とすら思えるぐらい、こじつけ感も無くスンナリと理解出来ました。
そりゃ筆者個人のルポルタージュだから、当然公的な御墨付き等は付きませんが、これだけ調べて、これだけの証言が挙がってるなら、これでほぼ「確定」なのではないでしょうか?
日本の警察が縦割り組織で、頭が硬く融通が利かないのは周知の通りなので、國松長官狙撃事件もこの件同様、事実上お宮入りさせちゃった事を考えれば、この方の出した見解で十二分に説得力が有ると思いま -
一言だけ言わせて!
長年のファンとしてちょっと言わせていただきたい。
其々の作品の中身については、山田風太郎先生の確かな筆捌きと、着想の豊かさに溢れた名作ばかりなので、未読の方には是非とも読んでいただきたい…のだが、
この刊行順は一体何ですか?!特に柳生十兵衛シリーズは順番が、もう滅茶苦茶!!!
版権の有無は仕方無いとしても、書かれた順番位はくれぐれも守っていただきたい!
他のだって、伊賀と甲賀を並べるとか、関連付けを配慮して欲しかったですね…。
初読の方は、くれぐれも出版年月を別途調べて、順番に読むことを強く、つよ~くお奨めします!! -
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社長、カッコいい!!!
北方謙三が、文学的要素を一旦端に置き「とにかく面白くて売れるもの」に集中して作った物語だと、聞いたことがあります。
映画で言えば日活とか大映の作品みたいに、わざとらしいぐらいにカッコ良くて、スキッとするお話だけどそれ以上は何も無い、みたいな路線だったそうです。
でも、一読者から言わせていただければ、その後、別の「街シリーズ」に参入、合体するくらいの面白さを内包しているのが、このシリーズだと思います。
「そんなクサい台詞、現実で言う奴は居ないだろ」とか、そんな陳腐な皮肉等を跳ね返すような躍動感がこのシリーズには確固として在ります。
一冊読んで気に入った方はどうか、このシリーズを通して読ん -
ネタバレ 購入済み
偏向メディアの醜怪な歴史。
2021年10月読了。
長らく積ん読していたものを、ようやく読んだ(結論が読む前から分かってるので、中々手が伸びず…w)。
それにしてもこの新聞社の面の皮の厚さには畏れ入った。戦前から今現在に至るまで、結果的に一度も「真摯なる反省」なんてしてないじゃないか!ちゃんと謝ったのは「やらせサンゴ事件」の時ぐらいかww。
この著者とて、こういう隠された社史を徹底検証する事で感謝されるどころか、もう「元社員」として正式な古巣への取材や出入り等一切出来ないのだろうと思うと、他人事ながら気の毒さすら感じた。
昔は朝日を批判するだけで「右翼」呼ばわりされたものだが、現在はいよいよ「左翼偏向 -
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購入済み
ネタバレ 購入済み未だ事件は終わっていない…。
2021年10月読了。
10年程昔に放送され話題を呼んだNHK の「未解決事件」で、本物の子供の音声テープを聞かされて鳥肌が立った時以来、この事件については継続的に関心を持っている。『塩の声』も面白かったがあれはあくまで創作話。とにかく真実が知りたいのである。
本書は新聞書評にて採り上げられていた為、購入。著者が十年近い歳月を掛けて書いたものだけあって、細部まで綿密に調べ上げられていると思った。脅迫された企業側の声が聞けた事が、何よりの収穫だろう。又、滋賀県警本部長の自殺のくだりは涙が出そうになった。
しかし、本書は肝心の犯人像へ迫っている告発本と云う位置付けではなく、あくま -
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ネタバレ
田中角栄は無罪!!
2021年9月読了。
数年程前にNHKの「未解決事件」で、ロッキード事件について扱われ興味深く見たのだが、その内容たるや、
「アメリカが真面目に資料を見せてくれない」だの、「丸紅ルート、全日空ルートはともかく、児玉・小佐野ルートが皆目掴めない」…等と云う、「検察側のグチ」に終始し、田中首相の「犯罪」については殆ど触れず仕舞いで、えらく肩透かしな内容で腹立たしい記憶ばかりが残ったため、本書を手に取った。
事件関係人物や当時の政治家名を読んでいるだけで、あの頃の懐かしい思い出が甦ったが、確かに当時の世間は「田中派=金権政治=悪」と云う事が、世間では当たり前のように人口に膾炙されていた -
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グッダグダなのは日本だけ…?
2021年9月読了。
「自分は世界史を採らなかったから…」なんて云う馬鹿な言い訳はさておき、新聞等で国際情勢を読む際にいつもアラブ~中東領域が、地理的にも世界情勢的にも中々頭に入らない自分を戒める意味も込めて本書を購入、読了したのだが、これは大変に貴重な学習に成った(地理オンチは相変わらずなのでw、今後も二読三読すると思うが)。
全体の感想としては、アメリカの部分だけ非常に粗雑な印象だったものの(民主党の選挙不正問題はそんなに簡単に全否定出来る程、底の浅い話では無い!)、
ヨーロッパから中東に至る長い歴史や細かい情勢の変化を、ここまで気持ち良く整理、俯瞰して読める本は中々少ないと -
ネタバレ 購入済み
日本人の未来の為に…!
2021年8月読了。
木村氏の前著『COVID-19 新型コロナ、 本当のところどれだけ危険なのか』を読み、いたく感銘を受けた為、本書も直ぐに購入。
わが国の『宿痾』と言っても良い、「空気読め」、「こんな非常事態に不謹慎な…!!」、「何歳であっても生命は生命、(どんな手段を使っても延命させて)絶対死なせてはいけない!」…、
これらのよく聞かれる言説が、この国を、国民を如何に歪めてきたか、本書を読んで本当に身を斬られる程の痛みを伴って痛感させられた。
これは「コロナ禍」だけについて書かれた本ではない。日本人の「死生観」についての覚悟までを問う、大きなテーマについて語り尽くされ -
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欧州ハ複雑怪奇ナリ。
2021年9月読了。
過去から現在に至る世界全体の見方が、180度変わってしまった様な気分です。著者の本は初めてだったので、ひっくり返る程驚きながら読み終えました。他の方のレビューの様に、ただの『トンデモ本』扱いされても致し方無いのかもしれません。ただ、自分の受け止め方は違いました。
学生時代の話ですが、様々な国の歴史や政治史を学んでいた頃、ふと「あれ、ココはどうしてこんなに不自然な説明しか書かれていないのかなぁ…?」と感じる事が、少なからず有りました。
「通説」とされて当たり前の様に書かれている事象(歴史)に於いて、只の学生である自分から見ても、「話の辻褄が合っているとは到底思 -
購入済み
厚労省、日本医師会の罪。
2021年8月読了。
自身2度目のワクチン接種をつい先日終えたのを機に、ようやく手をつけて読み出したが、読み始めるや血圧が爆上がりするかと思う程の怒りや絶望感に襲われ、このままでは日本は滅びるのではと冗談ではなく心底思った。
これほどの恐ろしい事実(ファクト)が有りながら一切外へ出さず、何ら建設的な対策を立てようとしない無責任な厚労省を始めとする行政機関と、国民に我慢を強いるだけで自分達は汗をかこうとしない日本医師会、不安を煽るばかりで正確な理解を妨げるだけのメディア、一知半解の知識で騒ぎ立てるSNS…、日本人は一体どう成ってしまったのだろうか。
自分達は何もせず「人流を5割」? -
ネタバレ 購入済み
質の悪い反日本。
「中立性を保って…」と言いながら、中韓側の事情ばかり優しく斟酌し、
日本のやり方は「稚拙」「傲慢さが目立つ」「歪んだナショナリズムでは碌な結果ももたらさない」と酷評。
尖閣諸島問題も、靖国問題も、ぜ~んぶ日本側の主張や論理には不利又は過失があると断じるなど、〇日新聞的な主張が全開。
こんな本を読んで「そういう事だったのかぁ…」等と呑気な感想を持つ、ノンポリな人々が今時早々居るとは思えないが、
自分の国や祖先を辱しめて何の良心の呵責も持たない方々は、そうやって生きて滅んで行けば良いだろう。
ここまで偏向した「国際関係の解説本」は珍しい。そういう意味で、お暇な方は一読するのも一興 -
ネタバレ
中国と云う脅威。
2021年8月読了。
実はもう一年以上前に本書を購入していたのだが、何故だか怖くて手が出せずに放置していた。最近、著者の作品を立て続けに読む機会があり、その勢いを借りて一気に読んでしまった。
確かに一年以上前の出来事までしか書かれていないので、情報のギャップは否めないが、逆に時間を置いたことで当時の世間の右往左往振りや、訳も分からず「PCR検査をもっと大々的に拡充しろ!」等と一知半解の知識で喚いていた(いる)ワイドショーのコメンテイター等を思い出し、一歩引いた視点で読み終える事が出来た。
今現在ワクチン接種に対して「ヒステリックな拒絶派」や「何だかとにかく不安な方々」にも、落 -
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購入済み
ネタバレ 購入済み正しく「反省」「学習」する事。
著者のあとがきにも有りましたが、「3・11」の悲劇を、只管に悲しんだり嘆いたり、悪者探しする事だけではなく、
「二度と同じことを繰り返さない為に、現実的に何が必要か、何を準備すべきなのか」を、冷静且つ実務的に事態を改善しなければ、いつか又同じことの繰り返しが起きてしまう可能性が有ること、この点が一番恐ろしいと思うのです。どれだけ「反省」して「お詫び」しても、その後に「学び」が残らなければ意味が無いのです。
電力会社は、政府は、メディアは、そして私達国民全体は、「喉元過ぎて熱さ忘れる」雰囲気に成っていないと言い切れるのでしょうか?!
今現在も、日本の好きな場所へ向けてミサイルを発射 -
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何で書き換えた?!
この新潮文庫版は、著者の意向で改稿が為され、他の方がレビューしている「ラストの一行」が全く異なる形に書き換えられています。
著者の考えの中で「体言止め」や「単語」で〆る書き方が気に入らなくなったのか何なのか知りませんが、その書き方で多くのファンから「シミタツ節」とまで称された文体を、改版を機会に書き換えてしまうと云うのは、読者に対して傲慢過ぎると思うのです。
昔通りの美文体を読みたい方は、御面倒でも旧版の「講談社文庫」を古本にてお買い求めください。
中味云々の問題では有りませんが、こういうやり方は嫌いなので、敢えてキツいレビューを投稿いたしました。すみません。 -
購入済み
「本田」から世界のHONDAへ
F 1と云う世界一のモータースポーツに魅せられた本田宗一郎氏と彼の部下達が、文字通り「徒手空拳」で挑み、長い苦悶の末に栄光を掴むまでの道程を、著者ならではの視線で描き出した、日本工業界の中でも燦然と輝くサクセスストーリーです。
読んでいて、何度と無く鳥肌が立ち、一緒に喜びを分かち合った様な気持ちにさえ成りました。
経営的にかなりギリギリのラインでやりくりしていた当時の実態等は、佐藤正明氏の『ホンダ神話』の方が詳しいですが、こちらの方がテーマをF 1に絞っているお陰で、読んでいて自然と涙が出てくる様な感動に溢れています。
刊行後、相当の月日が流れ、当時のF1と現在とはすっかり様相も -
2021年7月読了。
近年、日本のメディアにおける「偏向報道」について、左右両側から意見やコメントが発される機会が、市民レベルにおいても増えてきたと感じている。
少なくとも私の幼少時には、「公平中立」「不偏不党」を自認し、「社会の木鐸たらん」と意思表示を示す(今から思えば、その時点で既に充分傾いてはいたがw)メディアも多かったと記憶している。公共放送もね。
しかし、現在において六本木や赤坂のテレビ局や、その背後に有る「夕日ではない」新聞、「隔週ではない」新聞等を、「左傾化したメディア」と呼ぶ事に大きな違和感を抱く国民は、ここ数年でも激減したのではないかと感じている。
本書は -
黄門様は水戸学の開祖。
「本物の黄門様は諸国漫遊などしなかった」「若い頃は結構なヤンチャ者だった」…
ぐらいの事は知っていたのですが、御父上様を含めてw、こんなに豪快で魅力的な人物だったとは、全く知りませんでした。
もちろん本書とて「時代小説」ですから、一から十まで真実ではない事は重々承知してますが、史実として残っている部分だけを考えても、戦乱が去ったあの時代の中では「異彩を放つ物凄い人物」だったんだろうなぁと、つくづく感じ入りました。
ただ、彼があそこまで命懸けで作り上げようとした『大日本史』は、現代の歴史資料としては結局「偏った思想に基づく歴史観」や「歴史資料としての中立性に欠ける」点等を理由に、全 -
真実は此処に在る…!
2021年8月読了。
この前に著者の『沙林』を読んで大いに心を動かされ(これはこれで必読!)、長らく積ん読状態だった本書を読んだ。
和歌山カレー事件は、オウム同様についこの前の出来事ぐらいの認識だったが、あれからもう20年以上経つのか…。
先日加害者家族(=「林真須美死刑囚」の家族)のドキュメンタリー番組を見たばかりであったのと、その直前には「(彼女の)長女が幼い娘と心中自殺」と云う報道も有った為、この事件の真実は何だったのかを改めて確かめたい思いも有った。
地下鉄サリン事件の方も凄まじかったが、こちらの方も何と凄惨な事件だった事か…、文中にも出てくる「ガヤガヤと騒々しいメディ -
京極堂物では一番かな…。
すみません、数十年前に初版で読了w。
京極先生の作品は毎度毎度分厚い文量で、要るのか要らないのか分からない位の衒学趣味に付いていけるかどうかが、評価の分かれ目だと思います。「全然話が進まないじゃん!」と、途中で読む手が止まってしまう様な方は、早々に諦めた方が時間の無駄に成らないと思います。
敢えてタイトルは挙げませんが、正直文量の割に結果がショボい残念な作品も京極先生には有りますけど、その中でも今作は「長~い講釈をず~っと聞かされた苦労」がかなり報われる結末であり、推理小説としても大変貴重なトリック(と言えるのかw?)が用いられ、読後感は爽やかだと思います。
但し、こういう小 -
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真の『ガバナンス』とは…?
2021年8月読了。
当該の地面師の事件だけは何となく憶えていましたが、それが積水ハウスを相手にした、これ程「根深い性悪」な事件であったとは全く知りませんでした。そして、まだ「決着」が付いていない事にも…。
それにしても、積水のやり方(社史)は良くも悪くも「日本的企業経営」の典型なんですねぇ…。高度経済成長期等を思えば、一概に「悪い」と斬って捨てる訳にもいかず、さりとて「クーデター」の詳細を読めば、自己保身にのみ長けた経営陣の浅ましさが際立っており、耐えられずに辞職された方々の気持ちを思うと居たたまれない気持ちに成りました。
私たち日本人は、もう一度「資本主義」について学び直 -
ネタバレ 購入済み
何処の世界もコネクション…。
最近、反響が大きい本との風聞で読む。
事の理非はさて置き「餅は餅屋」の諺どおり、警察関係者の内輪話は読んでいて飽きることが無い。又「どんな世界でも、こういう駆け込み寺的な存在は必要なんだなぁ…」と痛感、「起業」と云う意味でも勉強に成った。
未来永劫甦る事は無いあのバブル期の異常さも、当事者ならではのヒリヒリする熱さで再現されている。第三者の視点が無いので「ちょっとカッコ良すぎない?」と思われる箇所も有ったが、平和ボケと云われて久しい日本国民に「危機管理意識を持つことの重要性」を教えてくれる本書は、一読に価するものだと思う。
それにしても著者は勿論、著者と袂を別った故佐々淳行さんに
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