【感想・ネタバレ】キツネ目 グリコ森永事件全真相のレビュー

あらすじ

147通にも及ぶ膨大な脅迫状、600点以上の遺留品、さらには目撃、尾行までされながら、ついに時効の彼方へと逃げ込んだ「グリコ森永事件」犯人グループ。
その中心人物、かつ司令塔となったのが、「キツネ目の男」だった。
グリコの江崎勝久社長を自宅から拉致して監禁、身代金を要求するという「実力行使」から、青酸入りの菓子と脅迫状の組み合わせによって裏取引し、企業からカネを奪おうとする「知能犯罪」、そしてメディアや世論を巻き込んだ劇場型のパフォーマンスまで、日本の犯罪史上に残る空前絶後の事件だ。
しかし、犯人グループは、その「痕跡」を消しきれていなかった。
当時、第一線で捜査にあたった刑事、捜査指揮した警察幹部、犯人グループと直接言葉を交わした被害者、脅迫状の的になった企業幹部など、徹底した取材で事件の真相をえぐり出す。
「少なくとも6人いた」という犯人グループの、役割分担、構成にまで迫る!
「キツネ目と仲間たち」の全貌が、闇の向こうから浮かび上がる――。

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Posted by ブクログ

すでに何度も書籍化、物語化された「グリコ
森永事件」のノンフィクションです。

あれから40年近く過ぎて、事件は事項を迎え
てしまいましたが、劇場型犯罪と言われてい
ただけに、多くの人に記憶に残っていると思
います。

それゆえ、本書の内容は事件を細かく時系列
で追うのではなく、警察と犯人が最も近づ
機会であった「現金引き渡し」の場面が中心
に描かれています。

そこで知らされる事実に対する率直な感想は
「ここまで犯人に近づいていたのにどうして
警察は捕まえることができなかったのか」と
いう驚きです。

昭和の事件とはいえ、警察の「思い込み」「
準備不足」などの失態がかなり浮き彫りにさ
れています。

戦後の未解決事件として、永久に刻まれる事
件の記録の掉尾を飾る一冊です。

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2021年04月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

グリコ森永事件が起きたときは7歳でなんとなくしか覚えていない。
映画『罪の声』を見て事件について知りたくなり読んだ。2010年から2011年にかけての執筆ということで本書の内容は最新の情報なのだろうか。警察は2度、犯人を逮捕できるチャンスがありながら失敗している。一般人を利用した一度目のすれ違いは運もあるかもしれないが2度目の高速下での取り逃しは捜査情報の秘匿が裏目に出た…というかそもそもすぐ情報を漏らす大阪府警の体質に問題がある。犯人グループは運がよかった。

脅迫文はひらがなを多用していたのは知っていたので無学な人間によるものかと思ったが、本書で多く読むうちに正反対の印象を持った。少なくとも無学ではない。金を運ぶ時間を計算していたり用意周到でかつ慎重、かなりの頭脳犯だろう。そして金を欲していながら金に困っていない、だから少しでも異変を感じたらサッと手を引ける。


しかし本書ではキツネ目がリーダーとされているのには根拠があるのだろうか。犯人はキツネ目と、脅迫電話をかけてきた35歳前後の女性、二人の男児、ビデオに映った男、運転手の少なくとも6人と見ている。そもそも本当にキツネ目の男が犯人で合っているのか。女の似顔絵はどうか。また、本書では犯人グループが裏取引によってどこかの企業から金を脅し取ったのが事実なようにも書かれているが、その根拠について書かれていないのはなぜか。書けないのか。『罪の声』で動機としていた株価操作については否定されている。

日本の犯罪史上初の劇場型犯罪といわれる。失態を繰り返し一向に成果を挙げられない警察と、それを揶揄する犯人グループ。当時、後者に肩入れするような庶民がいたとしてもおかしくないが、マスコミが脅迫文を取り上げ過ぎたことで、陽性な、義賊的な犯人像を作ってしまった部分もありそう。キツネ目の男は今も生きていれば70代。生きているのだろうか。

裏取引で1億払って解決、ただし露見したら社会的信用を失うリスクを取るか、正道を行って100億の損失を出すか、企業経営者としては苦しすぎる選択。事件の概要は掴めたので他の関連書籍も読んでみたくなった。

0
2023年02月19日

Posted by ブクログ

Yahooニュース✕本屋大賞のノンフィクション本大賞の候補作となりずっと読みたかった本。
塩田武士さんの罪の声、高村薫さんのレディジョーカーなど小説化、ドラマ化、映画化されている未解決事件。
正確な真相は犯人が知っている。
告白本でも出版してみては?

0
2022年03月15日

Posted by ブクログ

昭和の未解決事件の一つグリコ森永事件。リーダー格とされるキツネ目の男を中心に、事件を総括した緊迫の作品。

1984年の事件。誘拐、脅迫と毒入りのお菓子。社会を震撼させた事件。事件から30年を過ぎて改めて総括。

完璧なようで実は隙の多かった犯人。幾度かの犯人確保のチャンスを警察は取り逃がす。

際の事件、それも未解決であることからサスペンス調で楽しめた作品。

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2021年08月02日

Posted by ブクログ

これだけの関係者に話を聞いて細かく取材して…というのは並大抵ではないと思って読んでいたら巻末に本の出版まで約10年と書かれていて納得。
被害を受けた会社の中心人物、襲撃事件の被害者、当時捜査に携わった警察関係者、マスコミ関係者、犯人として嫌疑をかけられた人たちまでと、とにかくすごいとしか言えない。

私はかなり幼い頃の事件なのでほとんどこの騒ぎを覚えていないけれど、今知れば知るほどに被害会社や被害者はもちろん食の安全を脅かされた一般家庭もパニックだったろうと思う。結局ギリギリのところで犯人は捕まらず完全な時効を迎えてしまった。今も生きていれば普通に生活しているのかと思うと恐ろしくもあり、生きているうちに真相を語ってほしいと思う部分もあり複雑な気持ちになった。
犯行に使われた電話の声の子供も、おそらく私より少し年上ぐらい。その当時は意味が分からなくても、きっと今でも記憶に残ってるんじゃないだろうか。その子達が今何を思って生活しているのかと思うとやはり複雑な気持ちになった。この犯罪が直接人を殺したりはしていないけれど、責任を感じて自殺してしまった警察関係者や襲われた事で心に傷を負い人生が変わってしまったカップルの話を読むと、誰も傷つかない犯罪なんてないんだなと改めて思った。

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2021年08月26日

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読み終わった後、もう少しスッキリしているかと思ったが、そうでもなかった。
まだまだ書けないことがたくさんあるのだろう。

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2021年08月15日

Posted by ブクログ

マスコミ・警察関係だけではなく、企業関係者やアベック襲撃事件の当事者にも取材しているところが新しい。ただ、全真相と銘打つ割には、特に真犯人に迫っているわけではない。
これまでもグリコ森永事件については色んな本を読んできた。中には思わせぶりに逮捕あと一歩まで捜査が肉薄したかのように書かれているものもあったが、本書は逆にそうした見込み・当込み捜査が的はずれであったことを指摘していて、物足りない反面、誠実な「真相」ではあるのだろう。
この事件がなぜグリコ「森永」事件と呼ばれるのか?発端となったグリコはともかく、他の被害企業とは一線を画すほど森永が狙い撃ちにされたのは、本書によれば事件に対する経営者の姿勢に理由があった。企業によっては裏取引も確実にあったであろうし、なぜ取引しないのかとの業界上げての圧力もあったそうで、いつの世も正論を通すのは骨の折れることである。

1
2021年07月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

時系列に沿って書かれているので非常にわかりやすい。
文章も、平易でありながら、読みやすく理解しやすくて、面白かった。

サブタイトルにある「全真相」はまあ、言い過ぎだろう。
だって犯人が逮捕どころか、特定もされてないんだもの。
でも、私が社会に出たか出なかったかくらいの頃の大事件。
リアルタイムでニュースを見ていたとはいえ、知らなかったことは多い。

誘拐・脅迫事件のため、犯人に存在を勘づかれないように秘密の保持に力を入れすぎたため、基本の捜査ができなかったり、捜査方針の徹底ができなかったりで、逮捕に至れなかったのは不運というしかない。
それと同時に、警察の捜査がいかに柔軟性に欠けているかが明らかになる。
臨機応変に対処する犯人とは対照的だ。

犯人と裏取引をしなかった企業が執拗に狙われたために有名になってしまったが、裏取引をした企業もあったようだ。
企業倫理より企業防衛を優先した、と著者は言うけれど、まあそういうこともあるだろう。

逆に、企業倫理を優先したために経営が悪化したのにもかかわらず、同業他社から「うまい事はやく解決しろ」とプレッシャーをかけられた企業には、本当によく耐えて脅しに屈することなく業績を立て直したと思う。
こういうトップになら、ついて行きたいと思う。

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2025年11月22日

Posted by ブクログ

罪の声を読んでより詳しく知りたくなった。自分の身近な場所の名前がこんなに出てするとは思わなかった。
犯人たちは今どこで何をしてるのだろうか。

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2025年05月03日

Posted by ブクログ

事件が発生した時は中学生。キツネ目の似顔絵やビデオの男は印象深く残っているが、事件の詳細までは知らなかった。後になってからは何とでも言えるのだろうけど、こんなに何度も逮捕する機会があったのか、いくつか指紋などの証拠を得る機会を逸しているのかと知り、もしもあの時…と思わずにはいられない。また犠牲者は出なかったと思っていた。直接的な原因とは言えないかもしれないけど、警察官が焼身自殺をしているというのは衝撃的だった。今、70代くらいと言われるキツネ目の男はどこで何を考え暮らしているのだろう。

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2022年12月25日

Posted by ブクログ

生まれる前に起きた事件で詳細を知らなかったこともあり、まるでフィクションかのように読みました。まさに劇場型犯罪。読む手が止まりませんでした。こんな壮大な犯罪を完全犯罪にした犯人達はすごい…当時の捜査に後悔や反省があると知ると警察も所詮人間の集まりなんだなと感じます。
食の安全はこんなに脆いものだったのかと驚愕するとともに、犯人にお金を払うべきか犯罪に屈せず業績悪化を受け入れるか、被害企業の苦悩を想像すると、こんな事件があっても持ち堪えた被害企業に敬意を表します。

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2022年10月22日

Posted by ブクログ

新聞の書評で知る。

渾身のノンフィクション。

警察関係者、間接的な被害者、脅迫を受けた企業関係者への取材を通し、「今だから語れる事件」を時系列にまとめてある。

感じたことは
・県をまたがる広域捜査が圧倒的に苦手である
・前例がない犯罪も苦手である
・捜査手法に偉い人が絡むと後手に回る

ことである。

小説「罪の声」でも滋賀県での捕り物が取り上げられ、ここから潮目が変わったとあるが、実際の事件でも滋賀県の1件から潮目が変わる。

また、今まで誰も死んでいないと思っていたが、この件で滋賀県警の本部長が定年間際で焼身自殺という衝撃的な最期を遂げたことは知らなかった。

金の受け渡しで子供の声が使われたことは事実。
生きていれば40代後半になっている。
「罪の声」のような不幸な人生を歩んでいないことを願うばかりだ。

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2022年05月09日

Posted by ブクログ

興味深く読むことができた。
日本中を巻き込んだ事件の真相に迫る。
かなり犯人に近いところまで行ったようだ。

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2022年03月11日

Posted by ブクログ

この事件については最近、罪の声、真相と読んできて、これで三冊目だが、それぞれの解釈はそれぞれで面白かったのだが、今回のこれが一番リアルだなと思った。他の二つは小説なのに対して、これはドキュメンタリーだから当たり前といえば当たり前なんだけど、事実(だろう、だけど)の積み上げと洞察はより真に迫るものがあったように思う。ただ、犯罪としては時効になり逃げ切れたようには思えても、この本で書いてる通り、ここまで証拠が残っているのだから、(多分、法が変われば)捕まる可能性はあるのだろうし、心に蟠るそれは、一生背負って生きていかなければならないと述べているところについては、少し言葉が足りないように思えたので、もっとページを割いて、もっと深い思いを読みたかったと思う。

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2022年01月29日

Posted by ブクログ

キツネ目の男とコンビニに毒入りのお菓子を置いた男は同一人物だと思っていた。
今からでもなんとかなんないのかね。

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2021年05月21日

Posted by ブクログ

圧倒的な取材!特に事件当時の各当事者へのインタビューは生々しい。途中で話しが行ったり来たりしており、読んでいて時系列に迷子になってしまうところがあった。しかし読み終わって、巻末に事件年表があった。事件年表が最初にあったらよかったな〜。
こういう未解決ノンフィクションものを読んでいるといつも思う。真犯人が、読んだらどんな心境になるんだろう。今までどこで何を思い生きてきたんだろう。

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2021年04月24日

Posted by ブクログ

文章の構成が独特で時系列が飛び飛びになりあっちに行ったりこっちに行ったり。
一つ一つの事象はきちんと書かれているが全体像を捉えるのが難しかった。

構成だけでなく文章そのものも倒置法ではないけどいきなり結論から入って戸惑ったり起承転結の承から始まったりのようにまっすぐな文章というのがあまり見られず、作家さんの癖なのかもしれないがとにかく読みにくかった。

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2025年11月28日

Posted by ブクログ

安倍晋三と昭恵婦人のなれそめ 毒入り菓子で販売中止に追い込まれた森永製菓を自民党食品産業振興議員連盟の会長 安倍晋太郎が支援措置を決めた。この時の秘書官が安倍晋三。そして交際していたのは当時の森永社長の長女昭恵166

キツネ目を取り逃した滋賀県警の本部長は9ヵ月後焼身自殺した。その2ヶ月前からノイローゼの兆候は現れていて、本部長を訪れた旧知の同僚は本部長から乃木希典の話を延々聞かされた。「同郷の乃木を尊敬している」のだと231

グリ森犯人グループにはイラスト・商業美術関係者がいる。デザインで仕様するリムーバーを使い菓子の梱包開封を行っている241

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2025年09月17日

Posted by ブクログ

グリコ森永は、リアルタイムで体験した世代なので、この手の本はつい手にとってしまう。後発本なので、新しい情報でもと期待したが、既知の情報が多く満足度は今ひとつ

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2025年03月16日

Posted by ブクログ

インパクトがある表紙が気になって読んでみた。
起こったことが淡々と書かれており頭の中で想像しやすかった。
犯人は今どこで何をしてるんだろう。

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2024年03月22日

Posted by ブクログ

【感想】
本書でグリコ森永事件を初めて知ったが、心から驚いた。これほどまで大掛かりな脅迫事件を演出した犯人の知能の高さと、実際に複数の企業から数千万円を奪った実行力の高さ。そして時効まで行方をくらますことに成功した運の良さ。
脅迫企業の裏で警察が動いていることを犯人に悟られてはならないため、警察は表立って活動できない。その状況を逆手に取り、何度も要求を繰り返しては現金受け取りをキャンセルすることで、警察側を焦らして慎重にさせ、捜査を後手に回らせる。その後「約束を破って警察に通報した罰として、毒入りの菓子を置く」と脅し、株価を暴落させる。そして企業や警察の反応を世間に喧伝することで、「かい人21面相から脅迫が来たときは、警察に届け出るよりも、裏取引に応じるほうが損害は少なくて済む」と他企業に思わせ、秘密裏に金をせしめる。
企業、警察、消費者の心理を逆手に取って、ここまで見事な大立ち回りを演じられるのが本当に信じられない。間違いなく日本犯罪史に残る劇場型犯罪であり、その詳細を事細かに知ることができるいい一冊だ。

――グリコ森永事件を担当した元一課長のひとりも、こう言った。「われわれがそれまで相手にしとった粗暴犯には及びもつかん、計画性と知恵のある連中やった。だから、現金を取りに来た者だけを捕まえるという大方針ができた。周辺をウロウロしている者を引っ張っても、結局、警察が捜査しているのがバレるだけで、うまいこといかん。肝心の主犯を捕まえられんかったら、被害企業への報復がものすごいことになるのは、目に見えている。それに」と、一呼吸おいてから語を継いだ。「現場捜査で失敗すると、警察庁から大阪府警に来ている本部長や刑事部長にキズをつけてしまう。自分たちの責任だけですまんから、この事件、勝負をかけられへん苦しさがあった。選択肢は現行犯逮捕だけやった」
官僚機構の弊害が生み出した捜査方針は、信じられないことだが、捜査の基本である証拠の収集と現場検証を犠牲にするという事態も生み出していたのである。

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2023年04月06日

Posted by ブクログ

あの当時、地方に住む身にとって、事件の大きさの割には他所ごとと傍観していた。地元の店舗の菓子に毒を盛られる危機感はなく、菓子を求める年齢は過ぎていた。それでも、あのキツネ目の似顔絵はいかにも不気味で、あれだけ執拗に脅迫を繰り返す犯人をなんで捕まえられないんだろうとは感じていた。塩田武士の『罪の声』を読み、小説ながら当時は知りえなかった事実に触れた。ここでは当事者の声とともに、時間を経てこそ明かされる真相に驚く。捜査体制にお粗末な要因はあれど、なんとしても解決しなければならず、またできた事件だったのだろう。

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2022年02月06日

Posted by ブクログ

自分が子供の頃に起きた事件。
犯人の異常性を改めて感じたのと、信念を持って悪に屈しなかった企業には感服した。

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2022年02月05日

ネタバレ 購入済み

未だ事件は終わっていない…。

2021年10月読了。

10年程昔に放送され話題を呼んだNHK の「未解決事件」で、本物の子供の音声テープを聞かされて鳥肌が立った時以来、この事件については継続的に関心を持っている。『塩の声』も面白かったがあれはあくまで創作話。とにかく真実が知りたいのである。

本書は新聞書評にて採り上げられていた為、購入。著者が十年近い歳月を掛けて書いたものだけあって、細部まで綿密に調べ上げられていると思った。脅迫された企業側の声が聞けた事が、何よりの収穫だろう。又、滋賀県警本部長の自殺のくだりは涙が出そうになった。

しかし、本書は肝心の犯人像へ迫っている告発本と云う位置付けではなく、あくまで「当時の、細部まで突き詰めた詳細な調査資料」に過ぎないと感じてしまったのは、著者に対してやや酷だろうか…?

犯人にいきなり捕えられ、運転手役を強要された方等、一生心の傷は癒されないのかと思うと、この極悪事件の首謀者に対して限りなく怒りを憶えると共に、
当時のタテ割り組織丸出しな大阪府警を初めとする警察組織の相次ぐ失態には、何ともやるせない気持ちにさせられてしまう。

オウム事件にしろ、國松長官殺人未遂事件や世田谷一家殺人事件にしろ、警察組織内の意思疏通の悪さが如実に現された事件についての本を読んでいると、「お役所のタテ割り行政の典型」を見せ付けられているようで、本当に心が萎えてしまう。

「今後はもうこんなみっともない事は起こさせませんよ!」と云う、警察側からの何らかの決意表明があって欲しいし、物事をあやふやにしない強固な姿勢こそが、市民からの信頼を勝ち取る最良の手段なのだと、心から警察関係者の皆さんにはお伝えしたい。

#切ない #深い #怖い

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2021年10月05日

Posted by ブクログ

小説「罪の声」は以前読んでいて映画も観ていたが、
グリコ森永事件に関しては、当時かなりの割合で新聞でキツネ目の似顔絵を見ていた…の記憶のみ。
紙面をじっくりと読んでなかったのかもしれない。

これは、ジャーナリストが12年もの歳月をかけて取材したもので年表と地図でも詳細に記している。
それだけでも世間をかなり騒がせた事件だとわかる。

そして知らないことも多く、グリコ森永だけではなく、他にも被害にあった企業があったこと。
一般市民が、犯人に拉致されたこと。誤認逮捕されたこと。
そして滋賀県警本部長の悲劇…なんともやるせない気持ちになる。

このような事件は二度と起きてほしくない。

 

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2021年09月30日

Posted by ブクログ

タイトル通り、“グリコ・森永事件”を検証し直したノンフィクション。
この事件はリアルタイムで報道に接していたこと、菓子会社という身近な企業がターゲットとされたことでとても関心がある。誰も死んでないしね。過去に一橋文哉さんの『闇に消えた怪人 グリコ・森永事件の真相』も読んだが、20年以上前のことで読んだ記憶しかない。先日映画化された塩田武士さんの『罪の声』もこの事件を題材にしたものだった。
本書はNFとしてはオーソドックスな構成だったが、私感や思い込みを排除した内容でわかりやすかった。

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2021年09月18日

Posted by ブクログ

「裏取引をした方が得」そんな時代だったとは隔世の感がある。今やコンプライアンスの時代。失うものは支払った金額の何倍にもなることは誰もが自覚している。犯人は”怪盗”ではない、運がよかっただけ。不甲斐なく思われた警察。それも紙一重で起きたこと。罪を償わせることができなかった当時の社会。デジタル化が進み、監視カメラも張り巡らされる現代。犯人にとって幸運が巡る確率はかなり下がった。今ならば、捕まえられる?いや、それはわからない。犯行に及んだ動機。そこに至らせた何かを撲滅できているのか?それも謎のまま。

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2021年09月03日

Posted by ブクログ

所謂、グリコ森永事件を扱ったノンフィクション。当時のことを思い出す。
ただ、ここまで不手際があったことや、亡くなった方々がいたことは覚えていなかった。
憶測で書かれている部分は、真実に近い内容かもしれないが、真相は犯人のみが知ってるんだろうな。

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2021年07月11日

Posted by ブクログ

少し前にグリコ・森永事件を題材にした小説「罪の声」を読んで、よりこの事件のことを知りたくて読んだ。興味深かった。

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2021年06月03日

Posted by ブクログ

昭和史に残る犯罪、グリコ森永事件の全貌。
改めて事件を見直すと、なぜ警察は犯人グループを逮捕できなかったのか?と無念さが強く残る。あれほどまでに追いつめ、その素顔に迫ってさえいたのに。
時効を迎えた彼らはその後どのように生きているのか?何事もなかったかのように暮らしているのかと思うと恐ろしい。

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2021年05月13日

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