あらすじ
石田三成とは、何者だったのか。加藤清正、片桐且元、福島正則ら盟友「七本槍」だけが知る真の姿とは……。「戦を止める方策」や「泰平の世の武士のあるべき姿」を考え、「女も働く世」を予見し、徳川家に途方もない〈経済戦〉を仕掛けようとした男。誰よりも、新しい世を望み、理と友情を信じ、この国の形を思い続けた熱き武将を、感銘深く描き出す正統派歴史小説。吉川英治文学新人賞受賞。(解説・縄田一男)
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石田三成をキーマンとして、同じ世代の武将たちが新たな解釈で歴史を紐解く連作短編小説。読み尽くした戦国時代を新鮮な物語に生まれ変わる。そして「八本目の槍」の意味が…。同志の絆は様々だが、温かみがある。今村翔吾の著作は初めてだが、その才能は出色。
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賤ヶ岳七本槍プラス石田三成
彼らは秀吉の小姓仲間で幼馴染
石田三成ってすーっごく頭いい人やったんやなぁ!
歴史に疎くて、(今から詳しくなるもんっ)
7本槍の人も加藤清正って名前はギリギリ分かるかなー程度。
でももう佐吉に虎之助!賢くなった!
7本槍それぞれの視点で石田三成こと佐吉との関わりや関ヶ原前後のことが語られていて、関ヶ原で敵味方になったり寝返ったり、それにもそれぞれちゃんと事情があって。。
読み進めるにつれて繋がっていくと同時に大人になって大名になったりですれ違いながらも、最後はなんだかんだみんなお互いを思いやっている幼馴染の感じがすごくよかった。
読みながら助右衛門辛かったねぇ
孫六も色々あったんやねぇーって
ほんまの話と思って読んでるけど、今村翔吾さんその時代に一緒に生きてないよね?笑
今村翔吾さんは人物の描写がすごく上手で、みんなのことを好きになる!
この本三成の大河ドラマにならないかな(笑)
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とても良かった。
石田三成は、元々日本史の授業で名前を聞いたことがある程度だったが、とても好きになった。
まず、小姓組の絆が良かった。
若い頃の青い日々やかけがえのない仲間、大人になって立場やプライド、背負うべきものが増え昔のように会えないもどかしさ、大人になってしまった寂しさ、それでもどこかで繋がっている絆など、色んなことを感じた。
そして佐吉の真っ直ぐで信念を持ち続ける生き方、深い深い慈愛は、とてもかっこいい。
佐吉のように、大人になって持つべきものが増えても、若い頃の情熱や真っ直ぐさを捨てないようにしたいと思った。
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じんかんで得られたあの読後感は、この本にもあった。
歴史小説は、かつて夢中になって読んだ司馬遼太郎のように、その作の主人公に肩入れしないという書き方もあれば、山岡荘八のように思い切り主人公贔屓の書き方もある。山岡荘八の後に司馬遼太郎を読んだからか、すごく新鮮に思えたものだけど、この八本目の槍の今村翔吾という人は、山岡荘八寄りだけど、司馬遼太郎のような視点も流れていて、そもそも歴史小説はここ一、二年あまり読んでいなかったのだけど、久しぶりにこんな面白い小説が読めて良かった。
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各章で語られる7本の槍。どの登場人物もそれぞれの個性が際立ち、信念を感じる。想いは全員一緒。そしてタイトルでもある8本目の槍。この人物こそが‥。非常に引き込まれるし、現代風の歴史小説といった感じか。とても面白かった。
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おもしろかったーーー!!!まずはこの一言です。
昨年、大河ドラマの「どうする家康」を一気見しており、ちょうどこのあたりの時代の時系列が頭に入っていたのが幸運でした。お恥ずかしい話、ドラマ視聴前は「関ヶ原で家康と戦った相手………はて?」ってレベルだったので、その頃に読んでたらおもしろさ半減だったかも(^^; 最低限の歴史の流れと、石田三成のキャラクター性の知識がある方が楽しめる作品ですね。
この作品の主人公は石田三成。と言っても彼の視点から物語を語るのではなく、幼馴染みの7人それぞれの視点から三成との絡みを描くことで、この作品における三成像を形作っていく手法。7人のエピソードはそれぞれ独立しているので、スピンオフ7本読んで最終的に本編の流れが明確になる感じ。こんな作品読んだことなかったので、とても新鮮でした。
個人的には助右衛門と助作のキャラクターが好きでした。2人とも切なくてキュンキュンしました。
映画化とかしたら、おもしろそうだなぁ。
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賤ヶ岳の七本槍、それぞれの視点から石田三成を描いた作品。
各エピソード単体だけでも面白いのに、全話を通して八本目の槍という存在を見事に表していて、思わず唸るようなお勧めな一冊。
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初めて読んだ歴史小説。
戦国も歴史もゼロベースの興味と知識で、読破できる自信もゼロで読みました。
今村翔吾さん、すごいです。
あっという間に引き込まれ、手が止まらない。
後半は涙が止まらない。
私が戦国武将の世界観にどっぷりハマるきっかけになった1冊です。
武将の名前と幼名がなかなか一致しないので、ネットで検索して照らし合わせながら読みました。
どの角度から見るかによって、悪人にも善人にも捉えられるのが歴史ものの面白さだと思うのですが、ここに出てくる8人の武将たちの人となりは、このあと戦国小説や大河ドラマを見るにあたって「基準点」となった気がします。
この小説から戦国好きが始まったので、好きな武将は?と聞かれて「石田三成」と答えるたびに「珍しいね!」と言われます。
爽やかで現代的。初めて歴史小説を読む方には今村翔吾さんの作品をおすすめします。
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戦国という厳しい時代を描いてるのに清々しい一冊。石田三成は全然好きでなかったというか興味もなかったけれど、七本槍各々が語る佐吉は間違いなくこの物語の主人公で家を守ってきたと強く感じられて急に興味が湧いてきた。わたしが生きてる今の時代は佐吉が見通した未来とおんなしかな。
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読んでよかった。皆さんの星が高いのも納得。今村さんは、小姓組にいたんですか?関ヶ原前後、近くで観察していたんですか?て感じ(*゚▽゚*)
いやーあ、、、面白かった興味深かった、非常に引き込まれた。ここ数日ずーーっと、わたしも上から観察しているような気分でした。
東だ西だ、ころっころと寝返ったり味方になったり、殺し合うような敵に対しても敬称をつけて呼んだり、この時代のマナー全般がわたしには理解不可能だけれど(*_*)、読んでよかった。今村さん、ありがとう、、、て感じ。
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初めて今村作品を読みましたが、久し振りに歴史小説で感動する自分がいました。コメント見ると色々ありますが、素直に感動出来る作品に出会えて、良かったと読み終わった感想です 日々歴史小説読んでいますが、10年に1冊出るか出ないかの名作だと思います
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石田三成の聡明さ、先見の名、人間らしさが、どれも初めて知ることで、さらに知りたくなった。
落ちぶれてしまった権平が、落ちた理由を真正面に伝える、彼が理解できることを信じて自分の策を伝える、また信じられた権平はそれを12年もの時をかけて立証する、すべては佐吉の聡明さを証明するため。権平の物語がもっとも刺さった。
秀吉に仕えた8人の仲間の絆が、成長してそれぞれの事情を生み出してもなお、生き続ける物語だった。
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もう一冊、今村翔吾氏の作品です。
戦国時代の歴史小説で、豊臣秀吉が力を付けて
頭角を現す場面では必ず出てくる「賤が岳の七
本槍」。
加藤清正などの有名な武将が世に知られる契機
となった戦いです。
しかし、そこには知られざる八本目の槍が存在
した、というのが本書の設定です。
多くの歴史小説では悪役とされる石田三成がそ
れです
歴史小説である以上、結果は変わりません。関
ヶ原の戦いで石田三成は敗れ、討ち取られるの
はそのままです。
しかし彼には未来が見えていたのが本書のキモ
です。
戦いのない世の中を望み、女性も働くことがで
きる世の中を望み、武力ではなく経済によって
世の中が変わる、という未来が見えていました。
歴史で「IF」を使ったらどんな絵空事も描けて
しまいます。
しかし結果は我々が知る内容とは変わっていな
いのです。ならば「もしかしてこの人はこう思
っていたのかも」と想像するのは楽しいです。
「そんなことがあるわけないだろう」と感じる
人もいるかもしれないですが、非常にロマンを
感じずにはいられない一冊です。
歴史好きには読んでほしい
七本槍それぞれの視点で書かれる幼少からの話がみんな面白く、読むにつれて三成に対する印象が変わっていき、読み終わったあと「もう一回読み直したい」って思う小説でした。
歴史は好きですが、基本漫画ばかりです。小説はハマらないとなかなか読まないのですが、今村先生のストーリーはのめり込んでまるでその人物になりきっているような面白さを感じます。次の作品も楽しみにしています!
新しい視点からの戦国絵巻!!
2022年6月読了。
新しく見付かった一次史料等も織り込ませて、「もう書く事が無いだろう」と云うくらいに沢山の小説や映画で取り上げられてきた秀吉~家康の時代を、全く新しい発想・視点から描き出した、大変に優れた連作短編集である。
確かに「賤ケ岳七本槍」自体は有名だが、その一人一人に着目した小説は意外と少なかったかもしれない。
その七人の青春時代(出逢い)から人生や様々な想いに至るまでを緻密に描くことで、実はその七人と密接な関係に有った「八人目」の石田三成を、鮮烈なイメージで浮かび上がらせる、この着想が先ず素晴らしかった。
主題の七人も、それぞれ複雑な事情やコンプレックスを抱えて何とか生き延びてきたが、過去を振り返る時には必ず傍には佐吉(=三成)が居て、「今にして思えば…」と感慨を持つ者や、「あの時自分が賛同してあげたら…」と後悔する者も居て、最後には「佐吉が、この日本と云う国に本当に必要だと云うもの」とは…が浮かび上がってくる結末には、気宇壮大な理想が表され、感嘆せずには居られなかった。
勿論、現実に石田三成がそんな「日本の未来は〇〇〇〇が良い」とまで考えていたとは、全く思わないが(その時点の南蛮国にすら欠片も無い思想)、何かと評価を貶められがちな彼であっても、これだけの事を実行し、後世の事まで考えていたのかもしれないと云う歴史小説ならではの浪漫は、読者の心を掴んで離さないだろう。
歴史小説の世界を全く新しい視点で照らし、「まだまだ我が国も(歴史も)捨てたもんじゃない」と思わせてくれた作者には、最大級の賛辞を送りたい。
「幸村を討て」はかなりミステリーの要素が強かったので、本書は「これぞ新しい時代の歴史小説だ」と万人にお奨め出来る作品だと強く思った。
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七本槍の面々の目から見た三成が語られる。秀吉の子飼いたちがなぜあんな裏切り方をしたのかが、作品に書かれている。なかなかに入り組んでいたが、すんなりと楽しめた。
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AIに書けない文とは、こういうものか。この本の主役は石田三成である。しかし物語は石田三成を中心には展開せず、賎ヶ岳七本槍のそれぞれのエピソードが紹介される中で、八本目の槍=石田三成という人物が浮かび上がってくる。
加藤清正、福島正則、片桐且元といった、秀吉小姓衆から大名となった人物は多い。賎ヶ岳七本槍と呼ばれる個性豊かな彼らも、譜代の家臣が少なかった秀吉が殊更にその功績を喧伝した、フィクション的要素が強い。そして武芸ではない面で台頭した石田三成こそが、小姓衆の出世頭であった。
天下統一、朝鮮出兵、関ヶ原の戦い、大阪の陣、、この時代の変動期にいかに平民出な若者たちが立身出世していったのか。そして徳川家康という巨大な壁に対峙していったのか。青春群像劇と歴史小説の融合した傑作である。
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第41回吉川英治文学新人賞
第8回野村胡堂文学賞
史実に忠実ながらも、今村翔吾さんはドラマティックに創り上げるのが抜群にうまい。
賤が岳の戦いで活躍した7人が、それぞれの視点で語る石田三成とのストーリー。
若かりし日の共に過ごした思い出や仲間意識が、その後の展開をより切なくさせている。
きっと武士同士にも人間的な繋がりがあったのだろうなぁ。
実際は石田三成と七本槍のメンバーの折り合いは悪かったとされているし、小説での三成は知と情に富んだカリスマ的な存在として持ち上げられすぎている気はするけど、三成がどこまで本当に将来を見据えて豊臣家のために奮闘していたのかは気になる。
歴史小説のなかに経済の話が出てくるのも印象的だった。
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賤ケ岳7本槍+石田三成は小姓仲間の幼馴染、秀吉の元団結していた彼らだったが、それぞれの気持ちはやがて離れて行ってしまう…。でもね!っていう話。
加藤清正、福島正則は知っていたけど、それ以外のメンバーを今回初めて知りました。
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感想
加藤清正が元々吏僚で、戦に自信を持っていなかった形で書かれている。福島正則と並んで豪傑なイメージしかなかったので、そこが意外。
どの話も人間関係が交錯する仕掛けがあり、面白い。
あらすじ
賤ヶ岳七本槍のそれぞれから見た八本目の槍の三成像が書かれる。
共に吏僚出身で清正が朝鮮出兵から帰ってきたところから始まる。吏僚出身である清正は、三成の凄さも、徳川から豊臣を守ろうとしていたことも分かっていた。賤ヶ岳で自身は七本槍に数えられるも、三成は入っていなかった。戦に自信がなかったが、その才を三成が見抜いて大将に抜擢し、見事に応える。その後は三成と違え、徳川に仕える。
志村助右衛門は、播州の小寺家の寄力の嫡男として育つ。別所が織田に謀叛を起こしたことをきっかけに兄と対峙することになる。助右衛門は、羽柴の旗下に入り、戦うも実の兄を手にかけて、悪夢を見るようになる。賤ヶ岳七本槍に数えられるも、兄を討った影響でその後は奮わず、関ヶ原にて散る。
脇坂甚内安治は女のために出世することを志す。丹波の地で出会った八重は実は間者であり、大野家を守るために行動する。それが分かった後も甚内は大野家を保護する。時は流れ、甚内が大名になった頃、八重は拾いの乳母になり、子も豊臣に取り立てられていた。大野治長である。八重は恩返しの意を込めて、甚内が内府に通ずる道を作る。
片桐助作は欲がなく凡庸に生きてきたが、秀吉の最後に秀頼を頼むと言われて、付家老になるが、大野治長と淀殿の無茶な策に翻弄される。最後まで豊臣を守ろうと奮闘するも、改易されて大坂城を去り、豊臣恩顧の大名が亡くなった原因を作った者に葬りさられる。
孫六は三河出身であるが、父親が一向一揆に参加したため、放逐され、秀吉に拾われる。しかし、その実は一族を人質に徳川に内通を強いられた。徳川に従うことで豊臣恩顧の大名を次々に手にかけ、ついには助作をも手にかける。
平野権平は、村では神童であったが、召し抱えられた秀吉の小姓組では仲間に敵う部分がなく、劣等感を持っていた。七本槍の仲間が次々と大名になる中、自身だけ加増されずに燻っていた。佐吉が訪れ、権平が出世出来なかった理由を語る。その後、関ヶ原の前、佐吉は権平に徳川方について功を上げて大名になるように進める。ここでも活躍ができず権平は関ヶ原の戦いを分析し、佐吉が何を狙っていたかを分析する。
福島市松は、東軍に味方して関ヶ原を戦ったが、佐吉の足跡を辿りながら彼が家康に残した呪詛と時を稼ぐ法を解き明かして行く。佐吉と七本槍が頑張って稼いだ時であったが、最後は秀頼と淀殿によって気泡に帰す。市松は全ては八本目の槍の所業であると言い残して大坂城を去る。
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面白かった!七本槍をそれぞれ連作短編にして上手く絡ませつつ、その繋ぎに八本目としての三成っていう構成がうまい!
仕方ないけどみんな幼名的に呼ばれるから誰が誰かがわかりづらいのだけあれやったな・・・
Posted by ブクログ
2/16〜2/20
歴史に関してもっと詳しければ、さらに面白く感じられたと思う。
でも歴史にかなーーり疎い私でも面白く読めた。
石田三成の存在は名前しか知らなかったけれど、この本を通して、石田三成だけではなく七本槍のことも知れて良かった。
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「八本の槍」ではなく「八本”目”の槍」というタイトルのうまさが最後、福島正則の七本目でわかります。
最初は「石田三成って諸葛孔明みたいじゃん」とあまり入れ込んでよんでませんでした。ちょっとカッコよく書きすぎじゃないの、なんて思ってました。
読み終わった今は、この本は間違いなく傑作です。
歴史本好きなら間違いなく読むべき、絶対お薦めです。
Posted by ブクログ
『八本目の槍』
一本槍 虎之助は何を見る
二本槍 腰抜け助右衛門
三本槍 惚れてこそ甚内
四本槍 助作は夢を見ぬ
五本槍 蟻の中の孫六
六本槍 権平は笑っているか
七本槍 槍を探す市松
佐吉:石田治部少三成
と
「賤ヶ岳の七本槍」
虎之助:加藤清正
助左衛門:糟屋武則(かすやたけのり)、加藤清正と同い年、槍で古今無双
甚内:脇坂安治(わきざかやすはる)最年長
助作(助佐):片桐且元
孫六、佐馬助:加藤嘉明(よしあき)
権平:平野長泰(ながやす)
市松:福島正則
第一章の時点で既に泣く
佐吉と虎之助の絡みは胸熱なんよなぁ、、、
甚内の惚れた女、八重が大蔵卿局で驚いた(((゜Д゜;)))あ、大野、、、大野!!???って気づくのが遅れました
大蔵卿局が徳川と繋がっていたり和議を結ぼうとしているのは史実?フィクション?
『真田丸』の印象が強すぎて、、、
孫六、、、これ史実?史実??本当にすごい
こういう間者って、、、こういう、、、ちょっと辛かったな
単に一人一人の人物について解説するような内容ではなく、それぞれの話の中で繋がりが見えるし、一本槍で虎之助に助言する甚内の情報源が分かるのは惚れてこそ甚内の章だし、惚れてこそ甚内~助作は夢を見ぬ~蟻の中の孫六の流れが見事でした
長浜で過ごした昔を思い出す拾様との謁見のシーンはなかなか胸熱でした。ドラマ化してほしい。
孫六が法華寺で伝え聞いた佐吉の“解っている……”には泣いた、、、
最終章で虎之助が市松に語った、佐吉が武士の世(佐吉の想定する“豊富の世”ではなく“徳川の世”だったとしても)が300年続くのが限界で、その後は民に返すなんて夢物語っていたのだとすれば、本当になんというかとんでもない奴だなと。家康に敗れ徳川の世になったとしても佐吉の夢は明治維新に向かってると思った。まぁまさかね。ここまでは、、、とは思いますが夢ある話だなと。“佐吉には見えていたのかもしれぬ……千年後の国の形が”
佐吉の呪詛、経済戦、、、物語の序盤からずっと伏線ありでした
それにしても石田治部は本当に不憫なやつ、、、て思いつつ、読み進めるにつれて佐吉を取り囲む小性組の幼なじみ感があたたかかった、、、若干ビビりなところ、臆病なところがあると小姓組だけが知る佐吉が愛おしい
この関ヶ原をめぐる史実は、本当にいろんな解釈ができうるんだなぁと、、こうであってほしいという気持ちも込めて。
Posted by ブクログ
物語は、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康などの動乱期における家臣・武士たちの葛藤と生き様を石田三成を中心に描いており、八人の武士たちがそれぞれの信念と運命に挑む姿(忠誠心と裏切り、個人の誇りと義務、時代の変化と人間の絆)を、藩の命令や個人的な使命に従いながらも、時代の変遷に抗い、自己の誇りと生きざまを貫こうと、人間の心理や人生の選択を深く掘り下げた作品だ。気になったのは、石田三成の「冷酷な官僚」と言うイメージから未来に向けた社会「武士を減らし、経済や女性の活躍を重視する社会”を構築しようとする姿や、脇坂安治(甚内)が一目惚れした人妻「八重」(密偵となり敵味方の出方次第で判断する)の家系が生き残るための「女」のあり方など勇気あり力強く面白い。
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今を見る武士とはるか未来を見る武士の溝が見える作品。
秀吉と七本槍の視点から形作られ、語られる石田三成という人物。
助作と権六の話が好き。
七本槍の出自〜関ヶ原という大筋を味変で7回連続読むという感覚に陥り、今の僕の趣味とは異なるものでした。
加藤純一さんが言っていた、今の積み重ねの先が未来っていう言葉を思い出し、見えすぎるのも辛いだろうなと思いました。
当時を生きていたら、虎之助のように今生きている人の命を救いたいと思うのが人情なのかなと。
五葉のまつりは、5人それぞれが主役になって、異なる物語が読めるといいな。
文庫本p.254の、
水の張られた田に陽射しが差し込み、銀の鱗を撒いたように輝いている。
この一文が、すごく活き活きした表現で好き!