【感想・ネタバレ】日本史サイエンス 蒙古襲来、秀吉の大返し、戦艦大和の謎に迫るのレビュー

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匿名 2023年05月16日

船の設計者さんが、その技術者的な観点で歴史の新しい解釈に挑んだ本です。
恐竜絶滅の真相を見いだした天文学者、地質学者の親子のように、色んな角度から分析することで、さらに高次元な解釈ができそうですね。刺激的で面白かったです。

#感動する #深い #アツい

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Posted by ブクログ 2023年11月29日

 これ面白い本です。歴史上の不思議な「事実」を科学の目で見ると,違うことが見えてくる…という。以前,板倉聖宣氏が『歴史の見方考え方』(仮説社,1986)という本で,人口の増減で見る新しい日本の歴史というものを提案して《日本歴史入門》という授業書を作ったことがあります。数量的にもの(歴史)を見ることで...続きを読む,これまでとは違ったことが見えてくるんですね。それでワクワクしたことを思い出します。
 さて,本書の中身も似ています。扱っている内容は,3つしかありませんが,いずれも,具体的に数量的な基準を出してくることで,これまで一般的に言われてきた歴史的な事実?に対して「それはありえんな」「そんなばかな」「どこかに脚色があるのか」という疑念が沸いてきます。
 例えば,1582年本能寺の変のあと,明智光秀の謀反を知った秀吉が,毛利と休戦を結んで「中国大返し」をして京都に戻って光秀を討ったという話。
 その秀吉軍2万人が,数千頭の馬と共に,たったの数日間で京都まで行けたというのは,本当なのか。それを,2万人+馬分の食糧調達,2万人+馬分の糞尿の処理,武器や弾薬を持って歩くという強行軍,2万人分の寝る場所…などなどを考えると,とても急にこれだけ準備するのは難しい。しかも,やっとの思いで京都に着いたらすぐに光秀軍と戦う力は兵隊に残っているのか…これもまた,不思議だといいます。
 文献の解釈は歴史家に任せるとして,科学的に考えると,どうなのか。そういう本なのですが,わたしは,こういう数量的な見方・考え方をしっかりしてこそ,歴史学者と言えるのではないか…と思います。古文書の解釈ばかり詳しくしても,それが事実かどうかは,分かりません。こういうことは,すでに40年近くも前に『歴史の味方考え方』に書かれています。
 解釈ではなく,予想を立てて数量的に考えていく。それにより,本当の姿が見えてくるのではないでしょうか。
 最後に,筆者の言葉を引用しておきます。

蒙古の撤退にしても秀吉の大返しにしても,歴史の謎とされているものは,「奇跡」とか「伝説」といった文言を纏っていることが多いようです。それが後世の人間の目までも曇らせているのかもしれません。歴史の研究の本道が文献の発掘や精査であることはもちろん承知していますが,人間が行う解釈という作業にはどうしても先入観を排除しきれないところがあります。物理や数学の観点も採りいれた研究によって、日本史の未解決問題の謎解きが進むことを願わずにいられません。(本書,227ぺ)

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Posted by ブクログ 2023年11月05日

造船に携わっていた著者ならではの、日本史をサイエンティフィックな視点で解析し直すのが斬新で面白かった。特に船という観点で蒙古襲来などを振り返っており、船酔いで体力低下説とかはとても面白かった。

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jn
2023年02月09日

船、という観点からここまで話題を広げられることにまず驚きました。普通の歴史本と違い、著者の熱量も十分に感じられるので、結構没入して読めました。面白い。

#深い #タメになる

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Posted by ブクログ 2022年05月27日

造船のエンジニアが、科学技術と数字に基づいて歴史を読み解く本。誰もが一度は疑問に思い、なんとなく聞くに聞けずそのままにしてきたこと例えば大軍の糞尿の処理をどうしていたろうとか、も突き詰めていて面白い。
検証の1つ目は弘安の役で、蒙古の撤退は台風や威力偵察だったからではなく、純粋に武士が追い返したから...続きを読むというもの。まずは高麗が命令された大型軍船300隻を作るのが、大型軍船1隻あたりの木材使用量と加工前木材から合計15万㎥、東京ドーム約150個分の広さになること。その他にも必要な労働力、建造期間から新造船が150隻にも満たなかったことを明らかにする。また、船員や馬の1隻あたりの数、船酔いのシミュレーション、上陸に要する作業と時間、水深から投錨に適した位置、日本の弓や刀の優れていたことなど、徹底して数字をもとに科学的に考察している。
続いて秀吉の中国大返し。METzから必要な食糧として1日おにぎり40万個、野営と不衛生による戦力低下、水運を利用した仮説、AHPと呼ばれる意思決定分析。
そして戦艦大和。大和の船体や武器だけでなく、戦後日本のものづくりの基盤となった上、大和の存在を知った日本人の心の支えとなったこと。

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正に『新たなる視点』!

2022年05月25日

2022年5月読了。

以前から積ん読状態だったもので、気には成っていたのですが、中々手が出なかったものです。

「科学的見地から歴史を考える」という発想は非常に斬新。著者は「歴史自体の専門家では無いので…」と謙遜されていますが、これだけの検証が今までされていなかった事自体に、正直驚きました...続きを読む

既に沢山のレビューが上がっていますので、内容全部には触れませんが、どの考察も得心、感心するばかり…。秀吉の件は、先日NHKでも紹介されていましたね。確かに「海路」と云うのは盲点でした。
但し、この考え方を進めて「秀吉陰謀説」を語る方々には賛同し兼ねますが…。

街道(道路)整備及び兵站の下準備については、「信長への出陣要請を出している」事を考えれば「上様の為に…」と用意周到に手を回していたと考えるのが普通では無いでしょうか?
四国もまだ長宗我部氏と決着が付いていない状態だったのですから、信長が海路を選ぶとは思えません。そして、婚姻まで使って漸く長宗我部氏との話を取り纏めつつあった光秀に、全てを反故にして「四国召し上げ」と手を翻した信長への光秀の怒りを考えれば、この手の「真犯人は?」の問いにも自ずと答えは出るのではと。

戦中派以前の方は「戦艦大和」の存在を、戦後小説が発行されてから知った、と云う事も初めて知りました。ちなみに「大和ホテル」よりも前に戦艦長門が「長門ホテル」と呼ばれており、山本長官もそちらの「ご宿泊」の方が長かったのは有名ですw。

とにかく「目からウロコ」本ですので、文系理系を問わず興味の有る方にはお薦めします。

ただ、読後一番印象に残ったのは、終章に書かれている著者の「日本の未来への不安」です。
ココに、現代日本の問題点が凝縮されている様に感じて読了しました。

#アツい #切ない #タメになる

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Posted by ブクログ 2022年03月05日

歴史の疑問を現実的数値から読み解いていくのはとてもわくわくしました!証明問題は苦手だったけど、こういうのはいいと思います!

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Posted by ブクログ 2021年09月28日

船の専門家の視点で歴史の謎に迫る。単純に兵士の人数や船の数だけでなく、実際に動かすときに何が起きて何が必要なのかを説明。「AHP」や「ランチェスターの法則」のような検証方法や、実際の地図やデータを用いると通説では確かに説明しきれない部分が出てくるため見方が変わって議論のもとになると思う。また「アルキ...続きを読むメデスの大戦」を読みたくなってきた。

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Posted by ブクログ 2023年04月22日

猛虎襲来や秀吉の中国大返しなど、歴史的なミステリーを科学的に解析している一冊。

歴史が好きでないと、捗らないかも。

読んでいて、なるほど!と思ってしまうほど、解説は分かりやすかった。

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Posted by ブクログ 2023年04月01日

蒙古襲来、秀吉の中国大返し、戦艦大和の3つのトピックについて、その実現可能性や代替策を考察する一冊。
著者は三井造船の設計技術者だった方ということで、特にロジスティクスの観点で冷静な分析をされている。
蒙古襲来については、冬の荒れる玄界灘、上陸に時間がかかり戦力逐次投入となった可能性にスポットが当た...続きを読むっている。
秀吉の中国大返しでは、二万の本隊とは別の海上移動、事前の根回しの可能性にスポットが当たっている。
今となっては分からないことばかりだが、こういうナゾに迫るのは面白い。

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Posted by ブクログ 2023年03月01日

過去のイベントについて技術的な観点からの考察・主張が分かりやすくまとめられている。歴史の専門家でない、と著者はいうが、色々な視点での考察を重ねることは有意義な作業だと感じた。

他にもやっていただきたい考察あるな、と思っていたら、本書の第二弾もあるとのこと。世の中にも好評だったのでしょう。

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Posted by ブクログ 2023年02月26日

数十年前に歴史専攻の会社の先輩が歴史は文学でなく科学だ、と言っていたが、まさに理系技術者が書いた歴史分析本として世に放たれた本。リアリティのある歴史本として傑作だ。

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Posted by ブクログ 2023年01月11日

蒙古襲来は日本の武士団もよく戦った、そもそも元と高麗の大軍が天候と海流の隘路を押して攻めてくるというのは並大抵の事ではなかった。兵員の疲労と上陸地や天候の問題があり時間をかけられなかったという事がすべて。
秀吉の中国大返しは信長継承への強い意志による、決戦のための情報入手・事前準備・周辺調略・海路利...続きを読む用等があった上で部隊の装備・食糧・排泄・軍馬や宿泊対応等総合ロジスティック戦の勝利であった。
戦艦大和は日本の技術が誇る世界一の能力を使いきれなかった指導体制・戦略の敗北でもあった。GDPの3%を費やし46センチ砲や鋼鉄強度と速度の卓越性は実現したが防御面で設計段階からの構造的欠陥が命とりになる。
いずれも、歴史の通説に対しては固定観念を捨てて現実を見据えデータで検証し柔軟に思考する事が肝である。

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Posted by ブクログ 2022年06月29日

通説に疑問を呈する著者によるシミュレーションがなかなか面白い。文献中心の研究による世の通説に関して、サイエンスの視点による精査が必要であることを痛感する。歴史学も文理を超えた学際的な研究に進まなければならないのではないか?

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Posted by ブクログ 2022年06月06日

造船技術者としての立場から見た日本史上の大事件の検証もの。技術者としての立脚点から語られている範囲ではなかなか面白いのだが、それ以上の考察になると「〜と思う」で語る部分が増えてしまっていたのが残念。
蒙古襲来については、船の設計建造についての考察が技術者らしく興味深いのはもちろんだが、「上陸」につい...続きを読むての視点と考察が大変良いと思った。船が身近であった人ならではだろう。海峡を隔てているというのは日本の安全保障上大きな利点であったことを改めて感じる。
秀吉の大返しについては、近年、兵站も網羅した軍事技術的な研究が増えているので、秀吉が海路を取った可能性も含めてあまり目新しいところはなかったように思う。秀吉が資金を潤沢に持っていたことと、兵站を重視する実務家だったことが大返しにおいては欠かせなかったと思うのだが、この点にあまり触れられていなかったことも残念。
戦艦大和については確かに時代遅れ説が巷間で語られがちだが、ドレッドノートを分水嶺として大型戦艦は建造に費用がかかりすぎ見直さざるを得ない時期を迎えていたのも定説である。それよりは、陸軍よりはリベラルとされがちな海軍においても、偉い人の設計ミスを指摘できないという組織的な問題により、致命的な構造欠陥が引き継がれていたという指摘の方が面白かった。
まあ結局けっこう面白かった。

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Posted by ブクログ 2022年05月30日

日本史について数学的視点で分析した一冊。

リアル空想科学読本ともいうべき本で、その分析の信ぴょう性はともかく、とても興味深かった。

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Posted by ブクログ 2022年02月18日

元寇
秀吉の中国大返し
戦艦大和

いずれの戦いや行動の可否、戦力などを数学や科学で検証。
元寇については神風が吹いて元寇は失敗し、集団戦法で戦う元に対して、ひとりで立ち向かう日本の武士というステレオタイプの考えがありました。
実際は台風はなかったし、日本の武士の騎馬隊の活躍、敵方の戦意の低さや、地...続きを読む形などで存分な戦力を送り込むことができなかったことが原因でした。
秀吉の中国大返しについても、陸路でなく海路を利用したのではというお話や、2万人の戦力を当てにしていなかったことも面白い話だと思いました。
大和についても、ほとんど活躍の機会が与えられないまま海の藻屑と消えましたが、当時にして最先端の戦艦を作り出せた日本人の凄さを目の当たりにした感じがします。
どんなに素晴らしい技術的があっても、それを活かせるのは、結局は人なんですよね。
未来においても技術立国と呼ばれる様な舵取りを、本気で政治家のひとには考えて頂きたいです。

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Posted by ブクログ 2022年01月27日

タイトルに魅かれて読んでみました。歴史は「素人」だとおっしゃる、船の設計者の方が書かれた本でした。
なるほど、タイトルが「日本史」+「サイエンス」なのはそういうことなのですね。

蒙古襲来の謎を、船の設計者の視点で検証するところからこの本が企画されたそうです。
面白い見方ですよね。

まるでイノベー...続きを読むション。既知のものと既知のものの組み合わせで新しいものができる。新たなジャンルの誕生ですね。

蒙古襲来の謎を解いた後は、本能寺の変。
移動距離、兵士や軍馬の数、物資、気候、地理的条件から考察するという、これもまた面白い切り口だと思いましたが、よく考えたら当たり前のことですよね。

学校教育の「日本史」ですり込んだ見方が頭に凝り固まっている自分に気づかされました。

最後に、時代は進んで戦艦大和が取り上げられています。単に、軍用というだけでなく、日本経済の発展に寄与したこと、確かにそうだと思いました。

3つの史実を、少し違った角度から分析するという面白い内容でした。様々な専門家が、このような切り口で過去の出来事を紹介してくれると、歴史的事実を立体的に理解できるでしょうね。

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Posted by ブクログ 2021年11月02日

造船エンジニアが計算で読み解く日本史。
詰めの甘いところや推測で補っている部分はあるものの、特に中国大返しの現実的な考察は面白い。

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Posted by ブクログ 2021年09月03日

日本史の謎を船の科学で仮説、検証し、読み解く意欲作。教科書、小説で語られる、あの歴史がリアリティを持って、ベールを脱ぐ。続編もあれば、読みたい。

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Posted by ブクログ 2021年05月27日

造船技術者の目から、日本史上の伝説?を検証してみた本。

蒙古襲来についてはとても納得できる。

秀吉の大返しは、手段としての海路はそうかなと思うが、信長の悲報から即座に行動できた背景については本書の対象外とされてしまった。

戦艦大和(や当時の軍艦一般)の構造的欠陥について専門的視点からの指摘はさ...続きを読むれているが、本項での著者の問題意識はむしろ戦艦大和の戦略的使われ方にあるようで興味深い。

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Posted by ブクログ 2021年04月15日

リアリティのある具体的な検証が非常に興味深いです。特に、戦艦大和は単なる無用の長物ではなく、戦後の復興や日本人の誇りとして役立った話は嬉しくなりました。

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Posted by ブクログ 2021年04月15日

歴史上の事象を、科学の目で新たに切る。

面白い。

元寇は、果たして一方的にやられたのか。

ンなのは、考えづらい。

秀吉は、果たして大返しに成功したのか。

成功したのは事実だが、その形は思っていたものと違ったのでは。

大和は、果たして無駄だったのか。

活躍の場なく、沈んだが、戦略のまずさ...続きを読むでは。

歴史を考えるのに、こうした視点を取り入れるのは大切なんだろう。
難点は、エピソードが三つしかないところ。
続編が欲しい。

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Posted by ブクログ 2021年04月14日

・元寇、秀吉の大返し、戦艦大和について検証。
元寇はベースになっている通説が「八幡愚童訓」であることを主張しているが、もう「通説」ではないだろう。この史料を否定する本はかなりの数にのぼるので、今更感もある。
元寇のところで上げている参考文献は全部読んだことがあった。船酔いに関しては北岡氏の著作からの...続きを読む引用だろうか。
弘安の役については、記載がない。
秀吉の中国大返しは、兵站の考察が面白かった、どこから物資をかき集めたのか?その準備時間は?ってのを考えると確かに面白いかもしれない。
大和に関しては、考察が古いです。大和については出尽くしている話なので、一般啓蒙書レベルだとアウトレンジ戦法とか論じているくらいの深さで仕方ないかなと思う次第。

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Posted by ブクログ 2023年06月03日

企画として「と学会」ぽくて面白い。造船のプロである播田さん一人の視点で書かれておりまとまっている。次巻にも期待。

※終章に福島第一原子力の発電機仕様が米国式〜との記述があるが、2011年の時点では911を受けて米国NRCの要求が変わっており米国に素直に追随してれば被害が軽減できていた可能性あったこ...続きを読むとは指摘したい。

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Posted by ブクログ 2022年12月29日

元軍の話と秀吉の話が面白かったです。
ただ単に、そんなことあるわけない。昔の人が話を大きくしているだけ!というのではなく
なかなかハードだけど、実現させるなら…という視点で考えているのがよかったです。

よく◯万人の兵士とか、◯隻の船で…などと教科書に書いてあって、すごい数だなぁと思いますが
必要な...続きを読む食料、排泄、衣類、武器、それを運ぶ馬、馬の食料…も必要で。
当たり前のことですが、視野が広がり、また違った見方ができるかなと思います。

上司が貸してくれた本で、普段読まないジャンルなのでなかなか読み終わりませんでしたが、投げ出さなくてよかったです笑

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Posted by ブクログ 2022年10月30日

生物学者が恐竜絶滅の原因を生物学的な学説で説明したいと思うように、
歴史学者も歴史上の出来事を組織学や、ある人物の優れた戦略や統率力の賜物だとして説明したがる傾向がある。

900隻もの大群で九州に押し寄せた蒙古軍が九州を攻め落とせなかったのは、神風が吹いたからと言われていて漠然と日本は運がいいねと...続きを読む思っていた。
日本は海に囲まれており、しばしば暴風雨に見舞われるので確かに攻め入るほうにとっては厳しい条件だろう。

だが、冷静に状況を考えてみると気象条件が全てではない。
何百隻もの船が着岸し人や物の乗り降りをするのにどれだけの時間がかかるのか。
何万人もの蒙古軍が、一斉に上陸して攻めてくるなんて無理だということが分かる。

本書は、物理学、気象学、統計学を駆使して、歴史上の出来事を科学的に検証してみたものだ。

戦艦大和については、実際にどんな活躍をしたのか(別段興味もなく)知らなかったが、活躍することなく敵の攻撃であえなく沈没していた。
時代は既に空中戦に突入していたということだ。
まさに今ウクライナ戦争で、ロシア海軍の艦船が相次いで黒海で炎上・沈没しているのも同じ理由だ。

私にとっては、戦艦大和は宇宙戦艦ヤマトに姿を変え宇宙船として大活躍した姿しか記憶にない。

歴史好きの人が読むと少しくどいと感じそうですが、私のような理系人間が歴史的事件の真相に触れるにはいい本ですね。

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Posted by ブクログ 2022年09月25日

蒙古襲来、中国大返し、戦艦大和という三つの歴史的事件に焦点を当てて、大胆な仮説を立てた本書。
著者は船の設計者であり、歴史学者ではないので、歴史学的に見れば一笑されるものかもしれない。
(私も詳しいわけではないので、何がおかしいのか、といった指摘はできない)
だが、中国大返しに船を使ったのでは?とい...続きを読むう仮説はとても興味深い。
現代人の体力(訓練された自衛隊員)と当時の騎馬武者の体力、兵站など考えなくてはいけないことはたくさんあるが、そこで船を使えば早かったのでは、なんて今までに聞いたことがない!

蒙古襲来も、いかにも船の技術者と言った内容。
造船技術、航海技術その他従来の歴史書では捉えられてこなかった視点が面白い。
実際に模型まで作っているのだから、技術者とはすごいもんだと感嘆する。

歴史学者だけではなく、このような技術者の視点というものも必要と感じた。
大発見やパラダイムシフトは、専門家だけではなく、門外漢からだって何度も生まれているのだから。

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Posted by ブクログ 2022年09月09日

蒙古襲来、秀吉の大返し、戦艦大和の3点について歴史家の立場よりプロジェクトを策定するマネジメントの視点から、従来の定説に挑んだブルーバックス本。
3つとも歴史好きにとっては必ずと言っていいほど取り上げられるテーマで、それだけに関連図書も多い。
諸説様々、思い入れの強い人もいて批判めいたコメントも散見...続きを読むされる。
個人的には、蒙古襲来は「神風などではない」これは常識。「上陸の不備」これも常識。何処か何かの本で読んでいる。
秀吉の大返しはNHKで何度も取り上げられているのを見た。
戦艦大和については、子供の頃の記憶に頼るしかなかったので興味深く読ませてもらった。
ただし、太平洋戦争史に関わる記載については異論が出るに違いないと感じられた。
理系ブルーバックスの編集だから出せた内容なのだろうが、同時にその事により裏切られた感も否めない。

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Posted by ブクログ 2022年04月22日

3.8。異業種ならではの着眼が面白かった(信頼のブルーバックスだからこそだが)各章で扱ってる内容に強い歴史研究専門の人の意見も載ってたら良かったな。というか見たい。

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Posted by ブクログ 2021年10月13日

 鎌倉時代に、900隻の大船団が押し寄せ、すぐさま全軍上陸して、武士団をさんざん打ちのめし、謎の撤退をして日本は救われた・・・そんなわけあるかい!ということから検証した結果、どうなのかは本書に譲るとして、神風、奇跡などは心地がよくロマンはありますが、古書・伝説・伝承の通り実行するならこういう条件が必...続きを読む要なはずだ、その条件は満たせるとは到底思えない、だから本当の歴史は○○と推察される、という姿勢が必要という指摘はその通りだと思います。
 著者は、長年、船に関わる仕事をしてきて趣味も古船というオタクであると告白し、船への興味から、蒙古襲来について調べ、海洋関係者の集まりで発表してみた結果、本になったとのことで、船にまつわる話題として、秀吉の中国大返し、と戦艦大和を題材に推理のごとく進んでいきます。
 ブルーバックスらしい切り口で興味深かったですが、各話題をもう少し短くして、ネタを増やしてほしかったな、と思いました。他の著者でもいいので新しい歴史の捉え方として、日本史サイエンス”シリーズ”みたいな感じで続巻を期待したいところです。

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Posted by ブクログ 2021年09月30日

このサイトでのプレゼント企画に釣られて購入。船舶設計をされている著者が、その独自の視点から「蒙古襲来」「中国大返し」を考察した前半と、戦艦大和についての持論を展開した後半に分かれる。特に前半部分は面白く読めた。これらの考察から「兵站」ってこうやって考えるのかと、色々と勉強になった。戦艦大和については...続きを読む、個人的には同意できない部分もあるが、こういう考え方もあるのかという意味で参考になった。

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Posted by ブクログ 2021年06月08日

・元寇で元軍は攻めていたにも関わらず、何故か進撃せずに一夜にして兵を引き、その夜に台風で難破した。こう書くと確かに神風神話を感じさせる。これを人員や船の規模などを勘案し、科学的に推測したその説を理解したら、全く妥当な状態だったと感じる。改めて数値的論理的説明の力を知った。
・通説、伝説の前に、巨大な...続きを読む数字のリアリティ、物理的なリアリティに目を背けない。

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