koccoさんのレビュー一覧
レビュアー
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ネタバレ
正に『新たなる視点』!
2022年5月読了。
以前から積ん読状態だったもので、気には成っていたのですが、中々手が出なかったものです。
「科学的見地から歴史を考える」という発想は非常に斬新。著者は「歴史自体の専門家では無いので…」と謙遜されていますが、これだけの検証が今までされていなかった事自体に、正直驚きました。
既に沢山のレビューが上がっていますので、内容全部には触れませんが、どの考察も得心、感心するばかり…。秀吉の件は、先日NHKでも紹介されていましたね。確かに「海路」と云うのは盲点でした。
但し、この考え方を進めて「秀吉陰謀説」を語る方々には賛同し兼ねますが…。
街道(道路)整備及び兵站の下準備については、「信長への出陣要請を出している」事を考えれば「上様の為に…」と用意周到に手を回していたと考えるのが普通では無いでしょうか?
四国もまだ長宗我部氏と決着が付いていない状態だったのですから、信長が海路を選ぶとは思えません。そして、婚姻まで使って漸く長宗我部氏との話を取り纏めつつあった光秀に、全てを反故にして「四国召し上げ」と手を翻した信長への光秀の怒りを考えれば、この手の「真犯人は?」の問いにも自ずと答えは出るのではと。
戦中派以前の方は「戦艦大和」の存在を、戦後小説が発行されてから知った、と云う事も初めて知りました。ちなみに「大和ホテル」よりも前に戦艦長門が「長門ホテル」と呼ばれており、山本長官もそちらの「ご宿泊」の方が長かったのは有名ですw。
とにかく「目からウロコ」本ですので、文系理系を問わず興味の有る方にはお薦めします。
ただ、読後一番印象に残ったのは、終章に書かれている著者の「日本の未来への不安」です。
ココに、現代日本の問題点が凝縮されている様に感じて読了しました。
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ネタバレ
気合の入った力作ながら…。
2022年5月読了。
「鴨川ホルモー」で心を奪われて以来、ずっとずっと大好きだったのですが、「偉大なる…」で心底ガッカリしてしまい、万城目先生の著作からは一歩引いておりました。
ある日、「久々の大作!」と書店で見かけて購入したものの、長らく積ん読しておりましたが、縁有って今回読破いたしました。
「本当は熱い歴史小説が書きたいんだけど、時代的にありきたりに思われたら嫌だから、作者独特のとてもヒン曲がった角度から歴史を描く」と云う稀有な作家さんだとズ~ッと思ってきたのですが、
やっぱり此処(大坂の陣の時の京大坂!!!)の部分だけは、同時代の視点で描かなくてはいけないと、思い入れ充分で望まれたんだろうなぁと推察しました。
いつもの万城目テイストに、「トヨトミ…」へと繋がる物話をこのボリュームで描ききった労力には、先ず拍手を送りたいです。
京都の市井の生活から、大坂の陣前後の世相をふんわりイメージさせながら始まるのは、いつも通りで良かったですし(京~大坂間の物理的・心理的な距離感の表現は最高です)、
いろんな意味で拗らせている主人公も「正に万城目テイスト」なのですが、物語後半、世相や戦況が差し迫って来るに従って「そこいら辺に拘る気持ちも分かるけど、事態が切迫してきてるんだから、もう少し話をテキパキ進めてくれない?!」と、かえってストレスを感じてしまう部分が、残念ながら少なく有りませんでした。
登場人物も、(歴史上の)有名人をほぼ一切出さないので、前半部のニートな主人公と伊賀仲間との関係性を読ませる部分では良くても、戦争が本格化する後半に入ると、状況の推移がほぼ又聞きに成り、その時点で誰(武将達)が何処に居るのかすら曖昧になり、こんな戦時下でそんなに個人的な人間関係の話やケンカをする余裕が有るの?!と疑問に思いました。
特に終盤部等は、アクション重視の描写にすればかなりの大迫力に成ったと思いますし、会話を控えればもっと(亡くなっていく)人物への想いなんかもググッと盛り上がったと思うのですが、
「戦う者同士が、戦場の真っ只中でこんなお喋りしてたら、戦が終わっちゃうよ?」「大坂城って、燃え落ちそうに成ってからが強い、スゴい耐火構造にでも成ってたの?」と云う嫌味が言いたくなるくらいのもどかしさが残りました。 -
タイトルの時点で「勝ち!」
2021年2月読了。
これはもう、このタイトルを付けた時点で勝ちですよww、京都好きの者にとっては。
京都の「いけず」は有名ですが、ここまで内幕を暴露(?)した本は少ないのではないですかね。
「洛中か洛外か」による差別の話等は、流石地元民ならではのお話で、あの〇沢先生までそんな「いけず」を言っていたとは…ww。
決して糾弾している訳ではなく、かといって過剰に褒めている訳でもなく、このバランス感で書かれた「京都本」は、本当に希少価値が有るものだと思います。
万人が、笑いながら京都の細かい部分について学ぶことの出来る良書だと思います。実際ヒットしましたもんね、この本は。
お陰で私は井上先生のファンに成りました。
ただ惜しむらくは、コレの続編とか書いたことw。出版社がいけない事は重々分かってますが、「過ぎたるは猶及ばざるが如し」ですよ、井上先生。
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ネタバレ
歴史小説のお手本。
もう何度も読んだのに、やっぱり手元に持っていたくて、電子書籍にて購入しました。
一応大河ドラマの原作扱いに成っていますが、余りそこには拘らなくて良いかと思います。
自分の武田好きは、中井貴一さんの方の『武田信玄』から始まっているのですが、ドラマ先行で原作を読んだせいか、新田次郎と云う作家の感性とはちょっと合わない部分を感じました。
その後の『武田勝頼』も読みました。
「つまらない」「嫌い」というのではなく、「合わないなぁ」という感じです。
と云う訳で本書は、初め殆ど期待せずに読んだのですが、この文量でこの物語の芳醇さは何処から出てくるのか、本当に唸らされました。
決して(お話の)視界が狭い訳でもなく、キチンと目配せの利いた人物の扱い方をしているし、
それでいて合戦シーンみちゃんと書き込まれています。川中島の「風」さえ感じられたと言っては褒め過ぎかなw。
こういう「手練れ」の作品に出会ったのは、その当時殆んど無かったので、一読して驚きました。由布姫と勘助の関係も、変にベタベタしていないところが素晴らしい。寧ろ大河ドラマの内野聖陽さんの方が力みかえって演じられていたので、原作の良さが活かされていない感が有りました。
とにかく武田好きの方には、絶対に読んでほしい名作だと思います。
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購入済み
「新本格」ブームを思い出した。
2022年4月読了。
ココのレビューを書いている皆さんは、かなりお若い方々なんでしょうね。中盤から終盤にかけての、探偵と元(?)探偵のやり取りを読んでいて、若干気恥ずかしい様な、ムズムズする感覚を憶えたのですが、皆さんのレビューを読んでいて色々と思い出しました。
20年程昔に成りますが、島田荘司先生が音頭を取って、講談社と仕掛けて大成功を納めた「新本格」ブームと云う事象が有りました。
その中でも、内省的な作風で他者とは明瞭に異なっていた「法月綸太郎」先生の著作を思い出したからです。
『名探偵は「推理マシーン」で良いのか?!』と云う、フィクション(虚構)の中なのに、「真実を導き出す事」の本質論に悩む探偵を描き出し、
「エラくめんどくさい事に悩む探偵さんだなぁ~」と思って読んでいました。
「読者を差し置いて、本の中の探偵が先に本質論を語っちゃ野暮でしょうよw」等と一人前のクチを利きつつも、熱心に読んでいたのですから、まだまだ自分も若かったんだなぁと思った次第です。若い方には新鮮に映りますよね。
さて本作、根本的なトリックやロジックはしっかりしていますので、問題無く楽しめましたが、読者がトリックを探そうとする前から、探偵役が(上記について)悩む場面を書いてしまうと、「事件の真相などどうでもいい事だ」と言っている様に見えてしまいます。
「A⇒B⇒C⇒真相」と、レール式に当たり前の様にサラッと真相が分かってしまう「推理小説」ばかりで良いのか?! と云う作者の意気込みは買いますが、法月先生もこのやり方でその後悩んでおられましたし、オッサン読者としても「苦悩や理屈はいいから、早く話を進めなさいよ」と感じたのは、年齢のせいだけでは無いとも思いましたので、ちょっと厳しい判定です。
興味の有る若い方は、法月先生の諸作を読んで見ることをお奨めします。
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購入済み
自分の中では、篠田作品No.1
もう初版が出た時に読んでますから、20年以上は経ってますよね。
紙媒体(ハードも文庫も)だって持ってるのに、いつでも読める様にしておきたいが為に電子にて購入しました。
内容については、他の方のレビューで沢山書いてあるので、そちらをご覧くださいw。
とにかく、自分の中では篠田節子さんの作品で断トツのNo.1だと、力強く言い切れる大傑作です。
物語の殆どが、頭の中に映像化されて保存されていて、こんなに物語に没入して頭から離れない作品はそうそう有りません。
それぐらいの圧倒的な興奮、感動を喚ぶ、極めて優れた娯楽小説です。作中作の方すら書籍化して欲しいぐらいです。
それまで小馬鹿にしていた青森の恐山に対しての認識が、180度変わったのも、この作品と出逢えたお陰だと思います。亡くなった人への「想い」の強さに心を打たれました。
何度も読み返したくなる事請け合いの名作です。 -
ネタバレ
一読惚れ…。
もうかれこれ30年近く経ったんですかね、この作品が出版されてから…。
確かその頃自分は高校生だったと記憶していますが、テスト勉強そっちのけで読破し、正に「一読惚れ」してしまった作品です。懐かしいなぁ…。
島田先生は改版がお好きで(これはこれで愛読者にとっては迷惑w)、自分が読んだ頃とは大分変わってる気はしましたが、このロマンチックなストーリーを読むと、熱中していたあの頃の自分を思い出して、恥ずかしくもあり懐かしくもありで、忘れられない作品です。確か直木賞の候補作には入ったんですよね、これで。
賞とは何故か縁遠かった島田先生ですが、今やミステリ界の大御所と成った今を考えると、コレか「占星術…」で乱歩賞を獲れなかった事は、未だに残念な想いが脳裏を過ります。
中高生ぐらいの方(特に男子!)が読んだら、胸キュン必至の素敵な小説です。だから「『異邦の騎士』と似てるね」とか、言っちゃダメなんですよ、ファンの方はww!!! -
永遠のヒーロー、柳生十兵衛。
著者の作品は、ほぼ必ず「かの国」が絡んでくるため食わず嫌いと云うか、素直に読めない気持ちが先行して、ヒット作を量産していた頃でも中々手を出せなかった。
そんな自分が「柳生十兵衛なら多少我慢すれば読めるかな…?」ぐらいの気持ちで手に取ったのが本作だった。
正直、「かの国」の呪術や何やかやは読んでいて愉快なものでは無かったが、著者が(私の大好きな)山田風太郎先生を敬慕しており、あの十兵衛像を傷付けない作風を考えて書かれているのが読んでいてもスゴく良く伝わり、とても楽しめた。
この作品を読んで、著者の柳生物についてはほぼ全て読破したのは云うまでも無い。
山田風太郎好きな方なら、心配無く楽しめるので、まだ未読の方々には是非お奨めしたい。 -
ネタバレ
「世界の」ジャイアント馬場!
2022年4月読了。
もう他の方のレビューで内容等については語られてるので、多くは省くが、'70年後半~'80年中頃位までがオンタイムで熱狂していた世代なので、これだけの質量共に充実した「馬場さんの本」に出逢えた事に感謝したい。
当時は、外人レスラーが豊富な全日、猪木のストロングスタイルが華々しい新日、テレ東でヒッソリ放送され、余程の通か好みの方にしか愛されなかった国際(失礼)、の三つだった。
自分の関心は、全日から入って新日へ移り、業界全体が四分五裂状態に成る前に興味を失ったので、今の新日にも、PRIDE等の「格闘技」とやらにもあまり関心が無いので、テレビの前で手に汗握って見ていた頃の部分には、懐かしさと共に、当時プロレスがいかに熱かったかを思い出させてくれた。「スピニング・トー・ホールド」の曲がエンドレスで脳内再生された程w。
昔からプロモーターとしての馬場さんの有能さは聞いていたが、これ程生々しい話は初めてで、知らないことばかりだった。そして、プロレスラー達独特の、自分の話を「盛って話す」所も、微笑ましさと懐かしさを強く感じた。
それは、故中島らもさんがミスター・ヒトと云うアメリカで活躍した日本人レスラーと対談した本『クマと闘ったヒト』を読んだ時に、「事お金に於いて、あざとくないレスラーは一人も居ない」と言うような話を聞いていたので、興味の有る方は是非お読みいただきたい。あの、お二方共に結構キツい真実が語られておりますので…w。
しかし、終章辺りに書いてあったが、「もし」あのまま馬場さんがアメリカに残っていたら…と云うIfは、心踊らせる気持ちにさせられた。「巨人症」と云う成長ホルモンの異常から「大きく成った」人は、その分だけ寿命が短いという事も初めて知って驚いた。
最後に、自分がまだ幼い頃に読んだ『プロレス・スーパースター列伝』という漫画はほぼ全て嘘だと云う事がよ~く分かった。もう故人だけど、ヤったな梶原一騎ww!!! -
暴かれるのは、公的機関の闇…。
著者の徹底した取材姿勢には「桶川事件」の本を先に読んでいたので知っていたが、この本は…犯人を指差している?!
いつの日かは分からないが、著者の見立て通りの犯人が、少しでも早く逮捕される事を願うのみだ。警察がもっと謙虚に成れればの話だが…。
それにしても警察や検察等の司法機関って、頭が硬いと云うか……、「謝罪すら出来ないのであれば、今後この様な無様な事件は絶対に(!)取り締まれよ!」と言いたくなった。
最後に、他の方のレビューで、この著者の著作と個人ルポライターである一橋文哉氏の著作とを比べて「こっち(清水氏)の方が信憑性が有る…」的な感想を書いておられたが、日本テレビと云う報道機関に属している人と個人ルポライターでは、調査方法等が全く異なるもので、一概に優劣を語るべきではないと思ったので附言しておく。 -
これで「確定」でしょ?!
他の方々のレビューで「(この著者の書いてる事が)本当かどうか…???」みたいな感想の方が割と多い気がしたのですが、
自分としては「な~んだ、もう全部分かってるんじゃん」とすら思えるぐらい、こじつけ感も無くスンナリと理解出来ました。
そりゃ筆者個人のルポルタージュだから、当然公的な御墨付き等は付きませんが、これだけ調べて、これだけの証言が挙がってるなら、これでほぼ「確定」なのではないでしょうか?
日本の警察が縦割り組織で、頭が硬く融通が利かないのは周知の通りなので、國松長官狙撃事件もこの件同様、事実上お宮入りさせちゃった事を考えれば、この方の出した見解で十二分に説得力が有ると思います。
ただ、警察側にその意思が無い限り、この線で今後事態が動く訳も無いわけで…、お気の毒な事だと御遺族や関係者の方々には深く同情申し上げます。 -
一言だけ言わせて!
長年のファンとしてちょっと言わせていただきたい。
其々の作品の中身については、山田風太郎先生の確かな筆捌きと、着想の豊かさに溢れた名作ばかりなので、未読の方には是非とも読んでいただきたい…のだが、
この刊行順は一体何ですか?!特に柳生十兵衛シリーズは順番が、もう滅茶苦茶!!!
版権の有無は仕方無いとしても、書かれた順番位はくれぐれも守っていただきたい!
他のだって、伊賀と甲賀を並べるとか、関連付けを配慮して欲しかったですね…。
初読の方は、くれぐれも出版年月を別途調べて、順番に読むことを強く、つよ~くお奨めします!! -
ネタバレ
社長、カッコいい!!!
北方謙三が、文学的要素を一旦端に置き「とにかく面白くて売れるもの」に集中して作った物語だと、聞いたことがあります。
映画で言えば日活とか大映の作品みたいに、わざとらしいぐらいにカッコ良くて、スキッとするお話だけどそれ以上は何も無い、みたいな路線だったそうです。
でも、一読者から言わせていただければ、その後、別の「街シリーズ」に参入、合体するくらいの面白さを内包しているのが、このシリーズだと思います。
「そんなクサい台詞、現実で言う奴は居ないだろ」とか、そんな陳腐な皮肉等を跳ね返すような躍動感がこのシリーズには確固として在ります。
一冊読んで気に入った方はどうか、このシリーズを通して読んで欲しい、出版社の手先みたいな事wを敢えて言いたくなる、そんな魅力的な作品です。 -
ネタバレ 購入済み
偏向メディアの醜怪な歴史。
2021年10月読了。
長らく積ん読していたものを、ようやく読んだ(結論が読む前から分かってるので、中々手が伸びず…w)。
それにしてもこの新聞社の面の皮の厚さには畏れ入った。戦前から今現在に至るまで、結果的に一度も「真摯なる反省」なんてしてないじゃないか!ちゃんと謝ったのは「やらせサンゴ事件」の時ぐらいかww。
この著者とて、こういう隠された社史を徹底検証する事で感謝されるどころか、もう「元社員」として正式な古巣への取材や出入り等一切出来ないのだろうと思うと、他人事ながら気の毒さすら感じた。
昔は朝日を批判するだけで「右翼」呼ばわりされたものだが、現在はいよいよ「左翼偏向新聞」として、世間からようやく認知されつつあるのは大変結構な事だが、この本はそれを証明する事に於いて、何よりの論拠と成り得るものだ。
しかし当の本人達が未だにそれを認めず、あまつさえ毎日・TBS 系列等の偏向メディアと連繋して「開き直り」とも思える無茶苦茶な「日本国憲法=不磨の大典論」を現在も振りかざしているのだから手に負えない。更に「従軍慰安婦問題」に於いて、日本の国益を損じさせ続けている罪科の大きさに至っては、計り知れない屈辱的な損失だ。
彼等が今でも「角度を付けた記事」とやらを書く程の暇が有るのなら、この本に対する明確な根拠に基づいた反論記事でも書いてみろと、読了後つくづく思った。
未だに朝日だけを読んでいる様な方々に、真っ先に読んで欲しい「元社員からの告発本」として強くお奨めする。そして、この新聞社から来た「解説委員」とやらが、朝のテレビ番組で言いたい放題やっている事の醜悪なまでの愚かさを、より多くの国民に強く認識していただく為の論拠としても、本書をお奨めしたい。
会社が財務的に逼迫している噂は昨今よく聞いてはいるが、倒れるとしてもそれ以前に「報道メディアとして失格である」事を衆目に曝け出し、謝罪してから倒れなさいよ。 -
キツネ目 グリコ森永事件全真相
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購入済み
ネタバレ 購入済み未だ事件は終わっていない…。
2021年10月読了。
10年程昔に放送され話題を呼んだNHK の「未解決事件」で、本物の子供の音声テープを聞かされて鳥肌が立った時以来、この事件については継続的に関心を持っている。『塩の声』も面白かったがあれはあくまで創作話。とにかく真実が知りたいのである。
本書は新聞書評にて採り上げられていた為、購入。著者が十年近い歳月を掛けて書いたものだけあって、細部まで綿密に調べ上げられていると思った。脅迫された企業側の声が聞けた事が、何よりの収穫だろう。又、滋賀県警本部長の自殺のくだりは涙が出そうになった。
しかし、本書は肝心の犯人像へ迫っている告発本と云う位置付けではなく、あくまで「当時の、細部まで突き詰めた詳細な調査資料」に過ぎないと感じてしまったのは、著者に対してやや酷だろうか…?
犯人にいきなり捕えられ、運転手役を強要された方等、一生心の傷は癒されないのかと思うと、この極悪事件の首謀者に対して限りなく怒りを憶えると共に、
当時のタテ割り組織丸出しな大阪府警を初めとする警察組織の相次ぐ失態には、何ともやるせない気持ちにさせられてしまう。
オウム事件にしろ、國松長官殺人未遂事件や世田谷一家殺人事件にしろ、警察組織内の意思疏通の悪さが如実に現された事件についての本を読んでいると、「お役所のタテ割り行政の典型」を見せ付けられているようで、本当に心が萎えてしまう。
「今後はもうこんなみっともない事は起こさせませんよ!」と云う、警察側からの何らかの決意表明があって欲しいし、物事をあやふやにしない強固な姿勢こそが、市民からの信頼を勝ち取る最良の手段なのだと、心から警察関係者の皆さんにはお伝えしたい。 -
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ネタバレ
田中角栄は無罪!!
2021年9月読了。
数年程前にNHKの「未解決事件」で、ロッキード事件について扱われ興味深く見たのだが、その内容たるや、
「アメリカが真面目に資料を見せてくれない」だの、「丸紅ルート、全日空ルートはともかく、児玉・小佐野ルートが皆目掴めない」…等と云う、「検察側のグチ」に終始し、田中首相の「犯罪」については殆ど触れず仕舞いで、えらく肩透かしな内容で腹立たしい記憶ばかりが残ったため、本書を手に取った。
事件関係人物や当時の政治家名を読んでいるだけで、あの頃の懐かしい思い出が甦ったが、確かに当時の世間は「田中派=金権政治=悪」と云う事が、世間では当たり前のように人口に膾炙されていたことを思い出す(今となってはごめんなさい)。
読後の感想としては、一連の事件全てがアメリカCIAによる謀略であり、クリーンでも風見鶏でも、誰であっても当時では(現在も?)逆らえない状況下に起こった、悲しい「安全保障上の政治悲劇」だということだ。日本の司法制度もメチャクチャにされた。
アメリカと云う国家組織は、自国の大統領ですら暗殺したり、わざと落選させたり出来、その記録を半永久的に非公開にしてしまう様な国家なのだ。アメリカの傘の下に居る日本等では一溜りも無かった事だろう。その冷徹さは、彼の国の同盟国として、私達自身も肝に銘じて置かなければならないのだ。でなければ「ファイブ・アイズ」になど今後入れて貰える理由が無い。
しかし、アメリカはこういう事ばかりしてきた事の対価として、現在ウィキリークスや、敵対国からのサイバー攻撃等のしっぺ返しに遭っている事を思うと、やはり「因果応報」と云う言葉を想起せざるを得ない。何十年経っても、「見せたくないモノは見せない」積もりだろうが、いずれ更にみっともない形でバラされる日が来る気がする。ちなみに、キッシンジャー氏もユダヤ系であることを付言しておく。
最後に、石井さんの個人的な「俺とオヤジとのアツい想い出」は、別の本か何かで書いてくださいよ。ロッキード事件と関係無い部分を取り除いたら、この本の文量はきっと半分ぐらいに成りますよw。その分だけ★はマイナス。 -
ネタバレ 購入済み
グッダグダなのは日本だけ…?
2021年9月読了。
「自分は世界史を採らなかったから…」なんて云う馬鹿な言い訳はさておき、新聞等で国際情勢を読む際にいつもアラブ~中東領域が、地理的にも世界情勢的にも中々頭に入らない自分を戒める意味も込めて本書を購入、読了したのだが、これは大変に貴重な学習に成った(地理オンチは相変わらずなのでw、今後も二読三読すると思うが)。
全体の感想としては、アメリカの部分だけ非常に粗雑な印象だったものの(民主党の選挙不正問題はそんなに簡単に全否定出来る程、底の浅い話では無い!)、
ヨーロッパから中東に至る長い歴史や細かい情勢の変化を、ここまで気持ち良く整理、俯瞰して読める本は中々少ないと思える好著。
それにしてもまぁこんなに浅ましくも残酷な争いが、歴史や宗教問題と某かの利権が絡まってしまうと、世界中どこでも簡単に繰り広げられてしまっているとは、呆れるばかりだ。矢鱈「大義」を掲げる奴ら程、それがヒドいんだから…。
「アナタの国の宗教は、本来何の為の宗教なの?!」と、本気で問い質したくなる国がザラザラと出てきた。
その点で、著者が言うように「世界中の国の指導者はグッダグダ」では決して無いと思う。むしろ皆さん気持ちが良い位の醜い野心丸出しの欲得ずくの方々ばかりで、思わず笑ってしまうほど…。それも「国益」ではなく「利権」が真っ先なのが露骨に理解出来た。
サミットで、北朝鮮や中国の問題がいつも矮小化されてしまうのもむべなるかなとも感じた。
又、三流と呼ばれて久しい「グッダグダ」な日本の政治家が能天気な位のんびりしていると見えても、それだけ世界の紛争地域よりかは「まだまだ平和」な事を学べた気がした。
ま、それはそれで決して宜しい事では無いんだけどねぇ…。
最後に、「陰謀論なんて所詮まやかし」の論説部分についてのみ、そう簡単に決め付ける著者の方が甘いのでは?と思った事だけを付言しておく。 -
ネタバレ 購入済み
日本人の未来の為に…!
2021年8月読了。
木村氏の前著『COVID-19 新型コロナ、 本当のところどれだけ危険なのか』を読み、いたく感銘を受けた為、本書も直ぐに購入。
わが国の『宿痾』と言っても良い、「空気読め」、「こんな非常事態に不謹慎な…!!」、「何歳であっても生命は生命、(どんな手段を使っても延命させて)絶対死なせてはいけない!」…、
これらのよく聞かれる言説が、この国を、国民を如何に歪めてきたか、本書を読んで本当に身を斬られる程の痛みを伴って痛感させられた。
これは「コロナ禍」だけについて書かれた本ではない。日本人の「死生観」についての覚悟までを問う、大きなテーマについて語り尽くされた画期的な告発本だ。
「そんなの眉唾だ」と思う方々は、騙されたと思って是非とも読んでみていただきたい。
今、世間が毎日毎日騒いでいるコロナという病が私たち国民に突き付けている事、その核心は一体何なのか、
「菅総理が悪い」「政府が悪い」「自治体が悪い」…と、日々悪者探しをして常に『何かを糾弾し続ける(しかし決して自省はしない)メディア』の罪深さ、「ポリティカル・コレクトネス」の意味を履き違えている人々、それらに踊らされている国民、、、
全ての人々に大いなる反省を(自戒を含めて)促したい。
このように心底腑に落ちる感想を持たせてくれたこのお二人には、今年一番の収穫だったと心から感謝したい。
これこそが正に『いま、全国民必読の書』なのだ。
それでも「最近は若年層の重症者が…」等と言う輩が居たら…、「そんなことよりも、遥かに大事な事があるだろう」とハッキリ言いたい。 -
ネタバレ 購入済み
欧州ハ複雑怪奇ナリ。
2021年9月読了。
過去から現在に至る世界全体の見方が、180度変わってしまった様な気分です。著者の本は初めてだったので、ひっくり返る程驚きながら読み終えました。他の方のレビューの様に、ただの『トンデモ本』扱いされても致し方無いのかもしれません。ただ、自分の受け止め方は違いました。
学生時代の話ですが、様々な国の歴史や政治史を学んでいた頃、ふと「あれ、ココはどうしてこんなに不自然な説明しか書かれていないのかなぁ…?」と感じる事が、少なからず有りました。
「通説」とされて当たり前の様に書かれている事象(歴史)に於いて、只の学生である自分から見ても、「話の辻褄が合っているとは到底思えない」部分が有るのです。
周囲や世間は「そういう歴史なんだ」と決めて掛かって居るけれども、どう考えても…?と云うしっくり来ない違和感でした。
そしてこの本を読み、その記憶が甦り、恐ろしい程に若い頃の「それらの違和感」に対してピタリピタリと筋の通った説明が可能となると分かった時、背筋が凍る程恐ろしくなりました。まさか、あのJFKもその事実を知っていたとは…。
この本を「トンデモ本」扱いするのは簡単ですが、著者の主張を裏打ちする公的な資料がこれだけ列挙されていては…、もはや『何をか言わんや』です。旧約聖書から元ソ連外相の回顧録に至るまで、ですよ!!
例えばロッキード事件は、現在追加公表された資料に因って「田中角栄元首相無罪説」が有力に成ってきましたが、彼自身は「キッシンジャーに嵌められた」と側近に語っていたそうです。
著者の主張を「都市伝説」扱いする方々は、彼の主張を引っくり返すだけの論拠、出典を明示してからでなくては、全否定することは出来ません(最後の「日本人の霊性」辺りは別として)。
『ある〇〇〇人の懺悔』とやらもいつか読んでみたいですし、これから世界がどう変わっていくのか、日本はどういう立ち位置に居れば良いのか、自分達が政治家ではなくとも、より多くの方々が本書を読んで、容易くメディアのデマに流されない、強い叡智と意志を持つべき時が来たのだと、今だからこそ強く言いたいです。 -
購入済み
厚労省、日本医師会の罪。
2021年8月読了。
自身2度目のワクチン接種をつい先日終えたのを機に、ようやく手をつけて読み出したが、読み始めるや血圧が爆上がりするかと思う程の怒りや絶望感に襲われ、このままでは日本は滅びるのではと冗談ではなく心底思った。
これほどの恐ろしい事実(ファクト)が有りながら一切外へ出さず、何ら建設的な対策を立てようとしない無責任な厚労省を始めとする行政機関と、国民に我慢を強いるだけで自分達は汗をかこうとしない日本医師会、不安を煽るばかりで正確な理解を妨げるだけのメディア、一知半解の知識で騒ぎ立てるSNS…、日本人は一体どう成ってしまったのだろうか。
自分達は何もせず「人流を5割」?! 馬鹿を言うな!
また本書は今年の2月刊行だから、新しいデルタ株やラムダ株についての直接の言及は無いが、「今後も新形株が発生する事は当然」と語っており、ワクチンの有効期間等について「それは今現在の株でも同じこと。長い期間で測らなければ分からない部分は有る」旨の言及もあり、従って本書を「資料(情報)が古い」と云う浅薄な批判は当たらない。そんな事を言っていたら、いつまで経っても「ジャストタイム」な本など有りはしない。
それよりも、BCGワクチン接種の対コロナへの有効性への言及や、世界中の研究者が今も血眼に成ってこのウィルスを研究している現状等も細かく紹介し、「ただの風邪程度と見くびるのは論外だが、不治の病の様に畏れおののく必要も無い」事を、本書は分かりやすく解説してくれている。
そして日本人が深層心理として、いつまでも「ゼロコロナ」だけを「絶対的ゴール」と決め付けている事に対し、もっと冷静且つ厳密な基準や枠組を早急に作る必要性が有ること、「広義なパブリックヘルスの確立」を繰り返し説いている。
正しい情報とは、こういう耳の痛い事実も含んでいるのであり、私たち国民はただ我慢だけするのではなく、こうした事から多くを学び、主張すべきであることを痛感した。
最後に、今回の件で菅内閣や自民党をこき下ろす輩が沢山居るが、「3・11」だけでなく2009年の新型インフル騒ぎの際も「民主党政権」であり、各種法整備や公官庁の統率が進んでいない事を含めて、与野党同罪である事実を付け足しておく。 -
ネタバレ 購入済み
質の悪い反日本。
「中立性を保って…」と言いながら、中韓側の事情ばかり優しく斟酌し、
日本のやり方は「稚拙」「傲慢さが目立つ」「歪んだナショナリズムでは碌な結果ももたらさない」と酷評。
尖閣諸島問題も、靖国問題も、ぜ~んぶ日本側の主張や論理には不利又は過失があると断じるなど、〇日新聞的な主張が全開。
こんな本を読んで「そういう事だったのかぁ…」等と呑気な感想を持つ、ノンポリな人々が今時早々居るとは思えないが、
自分の国や祖先を辱しめて何の良心の呵責も持たない方々は、そうやって生きて滅んで行けば良いだろう。
ここまで偏向した「国際関係の解説本」は珍しい。そういう意味で、お暇な方は一読するのも一興かと。 -
ネタバレ
中国と云う脅威。
2021年8月読了。
実はもう一年以上前に本書を購入していたのだが、何故だか怖くて手が出せずに放置していた。最近、著者の作品を立て続けに読む機会があり、その勢いを借りて一気に読んでしまった。
確かに一年以上前の出来事までしか書かれていないので、情報のギャップは否めないが、逆に時間を置いたことで当時の世間の右往左往振りや、訳も分からず「PCR検査をもっと大々的に拡充しろ!」等と一知半解の知識で喚いていた(いる)ワイドショーのコメンテイター等を思い出し、一歩引いた視点で読み終える事が出来た。
今現在ワクチン接種に対して「ヒステリックな拒絶派」や「何だかとにかく不安な方々」にも、落ち着いて初めからの経緯を知っていただくには良いと思う(勿論、元来身体が受け付けない方は別ですよ)。
この本では恐ろしい事実が突き付けられている。先ず「ウィルス発生起源」についてだが、著者個人のルポルタージュである以上、犯人が中国だと断定するのは不可能とは言え、本書に挙げられた数々の状況証拠だけでも「限りなくクロ(に近い灰色)」と断定して差し支えないだろう。
そして、今回の件を機に、中国の国民感情が「個人のプライバシーや自由な言動が許されない(党政府への)漠とした不安や不満」から、「これだけ一所懸命やったのに、(自国が)犯人呼ばわりされる事への欧米に対する怒り」へと擦り変わり、嘗ての中華思想にも似た恐ろしい感情を持ち始めたことである。習体制への絶対服従は党や軍部は勿論、王毅外相ですら軍の(海外への)挑発行為に対して何も云えない状況を考えると、本当に空恐ろしい感慨を持った。
次に、わが国の政治家は勿論、全省庁の中央官僚や財界に至るまでチャイナスクールが存在し、中国への厳しい対応を具申しようものなら、「何処からともなく上の人間がやってきて、やんわりと恫喝される」と云う衝撃的な事実は、もはや我が国が国としての主権を放棄しているに等しい事だ。
最後に、こうした事実を知りながら一向に報道しようとしない日本の全てのメディアに対しても、やりきれない失望感と怒りに駆られた。
「著者の話を鵜呑みにするなよ」と嘲笑してくるような類の人には何も言わない。これは大きな国家危機の序章であると、コロナからは離れてしまったが、強く感じた次第である。 -
死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発
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購入済み
ネタバレ 購入済み正しく「反省」「学習」する事。
著者のあとがきにも有りましたが、「3・11」の悲劇を、只管に悲しんだり嘆いたり、悪者探しする事だけではなく、
「二度と同じことを繰り返さない為に、現実的に何が必要か、何を準備すべきなのか」を、冷静且つ実務的に事態を改善しなければ、いつか又同じことの繰り返しが起きてしまう可能性が有ること、この点が一番恐ろしいと思うのです。どれだけ「反省」して「お詫び」しても、その後に「学び」が残らなければ意味が無いのです。
電力会社は、政府は、メディアは、そして私達国民全体は、「喉元過ぎて熱さ忘れる」雰囲気に成っていないと言い切れるのでしょうか?!
今現在も、日本の好きな場所へ向けてミサイルを発射出来、甚大な被害を及ぼすことの出来る国家が普通に存在しています。当然自衛隊は対応しますが、核や生物化学兵器を弾頭としたミサイルの場合、どの時点で撃ち落とせたとしても国内に少なくない被害を被るのは、全く否定しようのない事実です。
著者同様、「自然災害」と「テロ」、これらに対して私たち日本人はあまりにも暢気過ぎるのではないでしょうか。
イデオロギーで反原発を騒いでいる方々もそうですが、例え今直ぐ廃炉しても使用済み核燃料の問題は未来永劫残るし、現在原発を停めている分の「代替」をしている火力発電は、更なる大気汚染を誘発するだけであるし、「環境に優しい代替可能エネルギー」とやらにはコストも危険性も非効率性も付いて回ると云う事実、等をもっと冷静且つ現実的に考えていただきたいです。
資源に乏しく、人口も減っていくわが国が経済力を維持する為に、原発は急に無くせるモノではない事も、感情論等を抜きにして考えるべき問題だと思うのです。
本書は、そうした将来の日本を考える上で「原発の危険性から目を背けない」為の、決して読み捨ててはいけない重要な一冊だと思います。
映画は観ていませんが、「熱しやすく冷めやすい日本人」にとっては、本書を詠むことを強くお奨めします。
最後に、日本の為に生命を賭けて懸命に作業してくださった全ての方々に、心からの感謝と追悼の言葉を贈ります。ありがとうございました。
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何で書き換えた?!
この新潮文庫版は、著者の意向で改稿が為され、他の方がレビューしている「ラストの一行」が全く異なる形に書き換えられています。
著者の考えの中で「体言止め」や「単語」で〆る書き方が気に入らなくなったのか何なのか知りませんが、その書き方で多くのファンから「シミタツ節」とまで称された文体を、改版を機会に書き換えてしまうと云うのは、読者に対して傲慢過ぎると思うのです。
昔通りの美文体を読みたい方は、御面倒でも旧版の「講談社文庫」を古本にてお買い求めください。
中味云々の問題では有りませんが、こういうやり方は嫌いなので、敢えてキツいレビューを投稿いたしました。すみません。 -
購入済み
「本田」から世界のHONDAへ
F 1と云う世界一のモータースポーツに魅せられた本田宗一郎氏と彼の部下達が、文字通り「徒手空拳」で挑み、長い苦悶の末に栄光を掴むまでの道程を、著者ならではの視線で描き出した、日本工業界の中でも燦然と輝くサクセスストーリーです。
読んでいて、何度と無く鳥肌が立ち、一緒に喜びを分かち合った様な気持ちにさえ成りました。
経営的にかなりギリギリのラインでやりくりしていた当時の実態等は、佐藤正明氏の『ホンダ神話』の方が詳しいですが、こちらの方がテーマをF 1に絞っているお陰で、読んでいて自然と涙が出てくる様な感動に溢れています。
刊行後、相当の月日が流れ、当時のF1と現在とはすっかり様相も変わってしまいました。
それでも、ホンダの「挑み続ける精神」が未だに続いていることには変わり有りません。
この世界についてあまり詳しくない方でも、「熱い開発者魂」を感じられるには最適の一冊です。 -
2021年7月読了。
近年、日本のメディアにおける「偏向報道」について、左右両側から意見やコメントが発される機会が、市民レベルにおいても増えてきたと感じている。
少なくとも私の幼少時には、「公平中立」「不偏不党」を自認し、「社会の木鐸たらん」と意思表示を示す(今から思えば、その時点で既に充分傾いてはいたがw)メディアも多かったと記憶している。公共放送もね。
しかし、現在において六本木や赤坂のテレビ局や、その背後に有る「夕日ではない」新聞、「隔週ではない」新聞等を、「左傾化したメディア」と呼ぶ事に大きな違和感を抱く国民は、ここ数年でも激減したのではないかと感じている。
本書は、そうした国内の偏ったメディアがしばしば大事に「参考記事」として有り難がる「海外の主要メディア」に於いても、そうした「偏向報道」が厳然として存在し、更にその背後には、未だに拭いがたい徹底した「欧米至上主義による人種差別意識」がその源泉と成っている事を告発している。
正に「警世の書」と言っても良いだろう。
このJAPAN Forwardなる団体が、少しでも多くの海外の人々へ、「本当の日本」について今なお発信し続けている事に愁眉を開く思いがしたのと同時に、
こうした活動に対して、日本政府は全く支援すらしないと云う「公平性」に対して、「自分の国を大事に思う事」が教育の場に於いて「要らざる事」とされている、わが国の将来に対して暗澹たる気持ちにも成ってしまった。
「愛国心」という言葉が(余計な政治的意味合い等を抜きに)、本当の意味で語られることがタブー視されない健全な社会が一刻も早く訪れる事を強く望む。
最後に、PHP出版さんへ苦言を。
本書はある意味「活動報告書」であり、引用記事や論説が多用されている事を考えると、いくら日本語の書とは言え「縦書き」では読みにくい事この上無い。次回の出版の際には是非とも「横書き」で出されることを強くお勧めする。
又、引用記事についても補足解説等を付けた方が、「初心者」にも読み易く本としてのボリューム感も宜しいかと。 -
黄門様は水戸学の開祖。
「本物の黄門様は諸国漫遊などしなかった」「若い頃は結構なヤンチャ者だった」…
ぐらいの事は知っていたのですが、御父上様を含めてw、こんなに豪快で魅力的な人物だったとは、全く知りませんでした。
もちろん本書とて「時代小説」ですから、一から十まで真実ではない事は重々承知してますが、史実として残っている部分だけを考えても、戦乱が去ったあの時代の中では「異彩を放つ物凄い人物」だったんだろうなぁと、つくづく感じ入りました。
ただ、彼があそこまで命懸けで作り上げようとした『大日本史』は、現代の歴史資料としては結局「偏った思想に基づく歴史観」や「歴史資料としての中立性に欠ける」点等を理由に、全く顧みられる事も無く、その評価や価値はあの世の黄門様には申し訳無いほど、低いものに成っているのが実状です。本書を読むと、その落差に愕然とし、哀しみすら憶えます。
2021年の大河ドラマ『青天を衝け』では、その水戸藩が前半の主たる舞台として登場しています。
あれを見ていると本当に辛いです。元を辿れば、その黄門様の勤王思想こそが幕末の水戸の悲劇の根元である事がハッキリしてしまうからです。
水戸藩の内戦~天狗党の乱など一連の悲劇は、その点を避けては語れないし、また語られるべきではないと思います(NHKは上手に逃げてましたが)。しかし、明治維新から近代へと日本が突き進む最初の大きな原動力と成ったのも又、黄門様の思想であった事は疑いの余地すら有りません。
現代では「勤王思想」を学ぶなど以ての外、学術的な研究も恐る恐るで無闇に口にする事すら憚られる時代に成りました。大東亜戦争の過去を思えば妥当なのかも知れませんが、一度「悪」の烙印を押された物には「見るも触れるも一切禁止」とばかりに決め付けてタブー視するのも、自分には極端過ぎる気がするのです。
そうした振り子の様に極端な振れ幅の思想の変わり方、「空気読め」に代表される同調圧力の強さ等は、日本人古来のモノなのでしょうか?
安直に「タブー」を作り、その中身を敢えて学ぼうとしない姿勢も、反省の無い愚行に思えます。
話が逸れましたが、こんな日本だけど、こんな現代だからこそ、黄門様が熱く抱き続けた想いを、私達はもっと冷静且つ真摯に学ぶべきなのではないかと、心から思いました。 -
真実は此処に在る…!
2021年8月読了。
この前に著者の『沙林』を読んで大いに心を動かされ(これはこれで必読!)、長らく積ん読状態だった本書を読んだ。
和歌山カレー事件は、オウム同様についこの前の出来事ぐらいの認識だったが、あれからもう20年以上経つのか…。
先日加害者家族(=「林真須美死刑囚」の家族)のドキュメンタリー番組を見たばかりであったのと、その直前には「(彼女の)長女が幼い娘と心中自殺」と云う報道も有った為、この事件の真実は何だったのかを改めて確かめたい思いも有った。
地下鉄サリン事件の方も凄まじかったが、こちらの方も何と凄惨な事件だった事か…、文中にも出てくる「ガヤガヤと騒々しいメディアやワイドショーの類の取材攻勢」ばかりが記憶に残っていたので、本書で綴られる詳細を読み、改めてこの事件の残酷さに言葉を失った。
上記の番組で、事件後あの家は放火され全焼したと知り、「そこまでしなくとも…」と云う気持ちも多少有ったのだが、事件の仔細を知るにつれ、誰が放火したのかは知らないが「(決して良い事ではないが)止むにやまれぬ気持ちが有ったのかもしれない」と、思い直す気持ち
に至った。
それにしても一審判決から最高裁まで、「物的証拠が確定」していたとは…。
「本人自供(無し)」にばかり拘るメディアに翻弄され、騙されていた様な気分にも正直成った。詳しくは本書を読んでいただきたい。
これでは再審請求など今後も通らないだろうし、刑の確定は必然と思うが、本人が真実を語らぬまま執行される日が来るのかと思うと、オウム事件同様やるせない気持ちにさせられる。
又、前著『沙林』同様、こんなにも毒物の検出や対策が困難であった事、更にこの主人公が居なかったらこの事件とてこんなに迅速且つ正確な捜査~公判には到らなかった事などを読むにつけ、改めて当時の関係者の苦労と主人公の活躍に心から敬意を捧げたい。
日本国民であれば一度は読むべき貴重な労作だと強く推奨する。 -
京極堂物では一番かな…。
すみません、数十年前に初版で読了w。
京極先生の作品は毎度毎度分厚い文量で、要るのか要らないのか分からない位の衒学趣味に付いていけるかどうかが、評価の分かれ目だと思います。「全然話が進まないじゃん!」と、途中で読む手が止まってしまう様な方は、早々に諦めた方が時間の無駄に成らないと思います。
敢えてタイトルは挙げませんが、正直文量の割に結果がショボい残念な作品も京極先生には有りますけど、その中でも今作は「長~い講釈をず~っと聞かされた苦労」がかなり報われる結末であり、推理小説としても大変貴重なトリック(と言えるのかw?)が用いられ、読後感は爽やかだと思います。
但し、こういう小説に中高生がハマると、夏休みの宿題や夏期講習の課題対策にものすご~く悪影響を与える、膨大な時間を使ってしまいますので、若い方々は心して読むようにww。
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購入済み
真の『ガバナンス』とは…?
2021年8月読了。
当該の地面師の事件だけは何となく憶えていましたが、それが積水ハウスを相手にした、これ程「根深い性悪」な事件であったとは全く知りませんでした。そして、まだ「決着」が付いていない事にも…。
それにしても、積水のやり方(社史)は良くも悪くも「日本的企業経営」の典型なんですねぇ…。高度経済成長期等を思えば、一概に「悪い」と斬って捨てる訳にもいかず、さりとて「クーデター」の詳細を読めば、自己保身にのみ長けた経営陣の浅ましさが際立っており、耐えられずに辞職された方々の気持ちを思うと居たたまれない気持ちに成りました。
私たち日本人は、もう一度「資本主義」について学び直さなくてはならない時なのかもしれません。そんな謙虚な気持ちにさせてくれた本作は、企業人はもちろんより多くの方々にも、目を通していただきたい貴重なレポートであると思いました。 -
ネタバレ 購入済み
何処の世界もコネクション…。
最近、反響が大きい本との風聞で読む。
事の理非はさて置き「餅は餅屋」の諺どおり、警察関係者の内輪話は読んでいて飽きることが無い。又「どんな世界でも、こういう駆け込み寺的な存在は必要なんだなぁ…」と痛感、「起業」と云う意味でも勉強に成った。
未来永劫甦る事は無いあのバブル期の異常さも、当事者ならではのヒリヒリする熱さで再現されている。第三者の視点が無いので「ちょっとカッコ良すぎない?」と思われる箇所も有ったが、平和ボケと云われて久しい日本国民に「危機管理意識を持つことの重要性」を教えてくれる本書は、一読に価するものだと思う。
それにしても著者は勿論、著者と袂を別った故佐々淳行さんにせよ、恐ろしい程の「記録魔」振りには畏れ入る。自分のやってきた事にしても、ここまで詳細に記憶している筈が無いからだ。日記でも手帳でも何十年間、毎日コツコツ書き留めて置いていなければ絶対に無理。
でも、それは「元警察官あるある」では無くて、コレって正に「ザ・公務員」なんだよなぁと読後に苦笑した。判る方には判りますよね…w?
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