すべての高評価レビュー
-
Posted by ブクログ
〝お前の承認欲求満たせりゃいいんだろ?なら、俺が満たしてやるよ(由良)〟
Eros度★
おやおや。疎遠だった幼馴染が、秘密を知った途端にやたらと構ってくる。由良の強引な近づき方には思わず頬が緩みますが、本作でじっくり見つめたいのは、礼が「かわいい」と言われる喜びの、その先にあるものです。
優等生の礼は、頼まれると反射的に「はい」と答えてしまう。メイクをして写真を投稿する時間は、普段しまい込んでいる自分を表に出せる、大切な居場所なのでしょう。だから由良にアカウントを知られる場面は、趣味がばれた気まずさだけでは済まない。誰にも見せてこなかった寂しさまで見抜かれそうで、礼の戸惑いが胸に迫ります。
一方の由良は、口が悪くて独占欲も隠しません。「お前が初めて作るもんは、俺が一番に食いてーし、お前が笑うとこ見るの、一番多いのは俺が良い」。こんなことを真顔で言う年下の幼馴染、ずるいですね。礼が赤くなって考え込む顔を好きだと言うところにも、長く目で追ってきた人ならではの愛情がある。ただ、由良の魅力は囲い込みたい気持ちだけでは語れません。「はい、じゃなくていい。ヤダとか無理とかちゃんと言え。お前が笑えないことすんなよ」。礼を自分の望む通りに動かすより、礼自身が嫌だと言えることを大事にしている。この一言で、ぶっきらぼうな優しさの深さが見えました。
礼の側も、由良に褒められて嬉しいだけで結論を急がない。「自分の承認欲求に、由良の優しさを利用してるんじゃないか」と疑い、胸の苦しさや、そばに行きたい気持ちを一つずつ確かめていく。由良が待つ時間の切なさと、礼が自分の答えにたどり着くまでの慎重さ。二人の視点で追うと、すれ違いさえ愛おしいです。
女装アカウントの発覚から始まり、日常の世話焼き、嫉妬、離れて過ごす時間へと進む構成も巧み。礼の世界が友人との交流によって広がるため、恋だけに閉じない成長も感じられます。触れ合いは全体に甘く控えめで、近づくたびに緊張する二人の表情がたまりません。番外編では由良の熱がもう少し素直に表れますが、そこにも礼を大切にしたい気持ちが通っています。
-
無料版購入済み
ファンタジーの顔をした本格SF
十年も前の作品なのに、寡聞にして今日まで知りませんでした。
本格ポストアポカリプスSFだよこれは。
なんでジャンルが少女マンガなのか。掲載誌がボニータだったからか。
容赦なく人が死ぬ。まず1巻で、これからキーパーソンになるだろうと確信してた人物があっさり死ぬ。
おそらくこれからもそうだろう。
難解で複雑でしんどい。
最初の何巻しか出ていないところでアニメ化しているから、おそらく漫画の方のストーリーはさらに複雑なのだろう。ナウシカだってアニメは漫画版の序章だけだった。
全23巻か。とりあえず全巻買って今から全部読むわ。これはただものじゃない。 -
Posted by ブクログ
【礼依…可愛い。俺の花嫁…(一夏)】
Eros度★★★★★★★★
おやおや。幼い日の結婚の約束を、十年経っても人生の真ん中に据えていたとは。休職を機に蔓手村へ戻った礼依を待つのは、異様な嫁取り祭と、美しい着物姿の次期当主・一夏。かつての「なっちゃん」が告げる「俺の花嫁は礼依だけだ。これは厳然たる事実だ」には、年下攻めの一途さと、相手の逃げ道まで塞いでしまう危うさが同居している。
社に閉じ込められた礼依の「どうしてなっちゃんがこんな…監禁みたいな真似するんだよ!」が痛い。懐かしい相手だからこそ、今の一夏が分からない。一方の一夏は約束を疑わず、礼依を失うことへの怖さを、強引な求愛に変えてしまう。互いを見つめているのに、見ている時間が違う。そのずれが少しずつほどけていく構成に引き込まれた。
祭りのざわめき、閉ざされた社、祠の怪しさを描く美麗な作画も見事。とりわけ一夏の静かな表情と、熱に揺れる礼依の顔が、言葉にならない感情を伝えてくる。濃密な場面は単なる刺激に終わらず、独占したい一夏と、抗いながらも過去の情を確かめる礼依、その距離の変化を映す。甘さが増すにつれ、礼依自身の気持ちが前に出てくるところにも心が弾んだ。
因習村、花嫁、執着年下攻め、監禁や触手を伴う濃厚な世界観が刺さる読者におすすめ。 -
Posted by ブクログ
シリーズ4巻目も期待以上の素晴らしさでした
主要な登場人物たちが大活躍(という表現が合うかわかりませんが笑)しています
彼らの物語も大きく動きました
これから先、彼らはどうなってしまうのでしょう
本作は性産業で使い捨てにされる女性たちにスポットライトをあてた内容になっています
相変わらずの胸糞ですが、ただの胸糞では終わりません
何度も問題提起され、それについて深く考えさせられます
なんて惨いんでしょうね
この惨さに気付かないまま女性を性的に搾取し続ける男性を心の底から軽蔑します
この作品に低評価つける男性はミソジニストなのでは…?
わざわざ4巻目まで読んだ上で、この世界観を理解しているはずなのに低評価をつける意味がわかりません
女性軽視の思想の持ち主以外に低評価をつける人なんていないのでは…?
グロい描写が苦手な人はそもそも4巻目まで読みませんよね、1巻目で挫折するはずです
高評価をつけろという話をしているのではありません
わざわざ4巻目まで読んだ上で低評価をつける意味がわかりません、と話しています笑 -
Posted by ブクログ
心臓移植を題材にした物語で、フィクションの面白さと医療制度についての学びを同時に味わえる一冊。現実にはどこまで起き得るのだろうと設定を自分なりに推し量りつつ、読み終える頃には制度や倫理への理解が少し深まった気がした。
心臓移植を受けた主人公が、術後に自分でも説明のつかない変化を感じ始めるところから物語が動き出します。ドナーの記憶や仕草が移るという設定は物語ならではだと思いながらも、食の好みや体質の変化なら現実にも起こり得る気がして、フィクションとリアルの距離が少し近づくような不思議な読み心地でした。また、自分の身に起こる変化を不思議に思いながらも、ただ翻弄されるのではなく“救われた命を大切にしよう”と前を向く主人公の姿がとても気持ち良かったです。
さらに、作中では移植医療の制度や術後ケアについて丁寧に触れられていて、物語を追いながら自然と知識が積み上がる構成。脳死判定や臓器提供の流れなど、普段あまり考える機会のない領域に触れることで、倫理観について立ち止まる場面も多かったです。
展開に都合の良さを感じる部分もありましたが、それ以上に「学び」の比重が大きく、読後は満足感が勝ちました。エンタメとして楽しめて制度の理解も深まる、今回は迷わず☆5です。
表示されていない作品があります
セーフサーチが「中・強」になっているため、一部の作品が表示されていません。お探しの作品がない場合は、セーフサーチをOFFに変更してください。