すべての高評価レビュー
-
無料版購入済み
ミカ様の施術
主人公の野路子さん、色々あってずっと気を張り詰めているようで、辛そうです。
ただそこに1階上に住んでいる不思議な青年が絡んできて、心身をほぐしてくれるところで何かが変わっていきそうでした。
彼女の彼氏さんも生きづらさを思いっきり抱えているようです。
-
Posted by ブクログ
1.なにのために戦うか。
諸悪の根源のように描かれていたジョン・ポールにも、明確な行動原理があった。彼は「破壊するために戦った」のではなく、「守るために破壊した」。単純な善悪の対立ではなく、葛藤のなかで揺れ動く主人公クラヴィスを通して、それぞれの「正義」の輪郭を見ていく物語だった。誰もが誰かを守ろうとしているのに、結果として誰かを殺してしまう。そこに人間の矛盾が凝縮されていた。
2.SF的な要素
IDタグ、環境追従迷彩、人工筋肉……。「ありそうな未来」を想像させるテクノロジーの描写がリアルで良かった。倫理と科学がどこで交わり、どこで断絶するのか。虐殺器官という発想も、単なる空想のようには思え -
-
Posted by ブクログ
プラトン対話篇の中でまず最初に読んだら良いのは迷わず『ソクラテスの弁明』である。しかし、「プラトンとの対話」を、あるいは「プラトンの対話」を味わいたい読者に勧めたいのはメノン、それも渡辺邦夫訳のメノンである。本書は他書には見られない、プラトンに初めて出会う読者にとってあらゆる障壁を取り除く工夫がなされ、生き生きとした対話の様子を再現していることから、まず勧めたいと思う本なのである。
メノンは奴隷の少年が幾何学を習っていないにもかかわらず平方根を用いて問題を解くに至る様子を克明に記録した対話篇である。これは対話を通して少年が自らの内に宿している真理を見出していく様子を描き、真理が一人ひとりの -
-
Posted by ブクログ
本書は印象的な引用についての言及から始まる。引用のない哲学史は「まるで、詩そのものを一行も引用していない、詩の歴史のようなものではないでしょうか」、と。本書はまさしく、手に取ってパラパラとめくるだけでも、全体の五分の一ほどが引用に充てられていることがわかる。それでも本書は、本文250ページに対して各章17ページほどの15章で構成されており、紀元前6世紀から西暦1500年という2000年にわたる期間の思想史をその根本的な特徴を捉えながらも全く窮屈さを感じさせることなく、核となる哲学的思考を生き生きと再現する哲学史である。
思考の原初に立ち返るかのように引用された文章を読み解く著者の筆致は、地
表示されていない作品があります
セーフサーチが「中・強」になっているため、一部の作品が表示されていません。お探しの作品がない場合は、セーフサーチをOFFに変更してください。