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Posted by ブクログ
ネタバレ何の罪もない愛美ちゃんがあまりにも理不尽な形で命を奪われたことが辛く、だからこそ最後に加害者へ相応の罰が下される展開には強烈なカタルシスを感じた。
特に印象的だったのが、加害者である二人の生徒の対照性。母親の愛に飢れ、その愛を得ることに執着するAと、母親の過保護の中で育ったB。正反対ともいえる家庭環境で育ちながら、どちらも歪んだ形で事件へと至ってしまう。その動機に至った背景は理解できても、あまりに身勝手で到底納得できるものではなかった。
また、この作品を通して少年法についても考えさせられた。加害者の更生を重視することと、被害者や遺族の感情に向き合うことをどう両立させるべきなのか。簡単に答えを出せる問題ではないからこそ、読後にも強く残った。
そして何より衝撃的だったのがラスト。森口先生が「本当に更生したのか」を試すかのように仕掛けた復讐は、あまりにも残酷で皮肉。それまで積み重ねられてきた人物の心理が最後の一撃へとつながる構成が本当に秀逸だった。
最後の最後まで『告白』というタイトルに相応しい、凄まじい作品だった。 -
Posted by ブクログ
平野啓一郎さんの作品は、これが初めてでした。
これまで読んできた小説の中には、物語としては最後に大きく盛り上がって「面白かった」と思えるものの、そこにたどり着くまでの文章は比較的平凡で、最後まで読むこと自体に少し頑張りが必要な作品もありました。
その点、この本は少し違いました。
物語全体としての評価は、自分の中では星4つくらい。ただ、それ以上に印象に残ったのは、一つ一つの文章そのものの面白さでした。言い回しや表現が独特で、何気ない一文にも惹かれるものがあり、「次はどんな文章が出てくるんだろう」と思わせてくれます。
だから、結末が気になるから先を読むというより、本を開いて文章を読むこと自体が楽しい。隙間時間があれば、少しだけでも開いて読みたくなるような本でした。
「最後まで頑張って読めば面白い」のではなく、「開けば、もう面白い」。
他の作品も同じような読み味なのかはまだ分かりませんが、少なくとも『ある男』を読んで、平野啓一郎さんの文章そのものをもっと読んでみたいと思いました -
Posted by ブクログ
ラジオ業界で活躍してきた作者ならではの話が小説になっています。
ある作品はラジオドラマのように、ある作品はエッセイのように、ある作品は手記のように、ある作品は業界人の経歴書のように、インサイダーからの興味深い話が数々綴られています。
秋の夜長はラジオの深夜放送が似合う。
本書を読みつつ、深夜ラジオも楽しんでみられてはいかがでしょうか♡
〔作品紹介・あらすじ〕
わずか数分の街角リポートを懸命にこなす女性タレントと駆け出し放送作家の、中継を通じての淡い交流(「4分50秒の恋人」)。
現在は裏方に徹しているかつての名局アナと今をときめく人気お笑いコンビのパーソナリティー対決(「空気に飛ばして」)。
海岸通りにほど近い喫茶店の女主人が語る、店と番組との不思議な因縁(「黄昏ラジオ」)。
――ラジオ局を舞台に繰り広げられるさまざまな人間模様を、甘く切なくコミカルに描く、しゃれっ気いっぱいの8篇+1!
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