大塚久雄の作品一覧
「大塚久雄」の「社会科学の方法 ヴェーバーとマルクス」「最終講義」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「大塚久雄」の「社会科学の方法 ヴェーバーとマルクス」「最終講義」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
日本のマックス・ヴェーバー研究の第一人者である著者の講演録をもとにした名著。
マルクス経済学とヴェーバー社会学の比較を通じて社会科学を考察する内容でもあり、ヴェーバーの宗教社会学のアプローチはもっと学んでみたいと思いました。
特に、「ヴェーバーの『儒教とピュウリタニズム』をめぐって」の章で述べられる、ヴェーバーの両宗教の比較分析にはもの凄く興味をそそられる。
儒教は世界の現状を肯定し尊重するが故に受動的な態度になり、近代資本主義を生み出すには至らなかったのに対し、ピューリタニズムは悲観主義のもと現世を否定するが故に、行動的禁欲という形で現世に強く働きかけ変革していこうとする大変な精神的エネルギ
Posted by ブクログ
労働が美徳なのは、他者への貢献と共に「禁欲自体」が美徳だからとも言える。自らの労働を売り渡す行為は、その契約の範囲での脱人格化を含むが、脱人格化は「禁欲」の類型である。本源的な生存競争をいかに強化するか、そのために集団化し、国家は成立してきた。それを統制するために共同幻想が必要となり、それぞれの領域間での交換が行われてきた。この共同幻想に従う個体には「忠実性」が求められる。つまり、競争のために労働に費やす脱人格化はすなわち忠誠であり、これを美徳として組み込んだものが、あらゆるイデオロギーの根本にある、と考える。この「禁欲」を考察したのがマックス・ヴェーバーだ。
イデオロギーと書いたが、同書が