大塚久雄のレビュー一覧

  • プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神
    キリスト教を背景として論が進められる点、なるほどヨーロッパらしい視点だ、という感想です。特に天職の件と、禁欲倫理との結びつきの件は面白かったです。現在に通じる起源を見る感じがしました。
  • プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神
    現代がいかにキリスト教世界の理論を原理として成立してきたのかを理解できる。自身の世界の成り立ちと現代における社会に対する評価基準を再考できる。
  • プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神
    広義の資本主義は歴史上どこでもあったが、近代の資本主義は様相が異なる。昔は幸せに暮らせれば働くことは最低限に、という捉え方。今ではとにかく働くことが第一優先みたいな捉え方。自らの職種を天職と捉え、労働に勤しみ、合理的な手段で営利を獲得し、日々の生活では禁欲的な行動を促す倫理観、世の中の雰囲気、資本主...続きを読む
  • プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神
    今年は著者没後100年(1920年6月14日没)。

    これまでは、資本主義の歴史、宗教教示の諸相、近代社会についての著者の警鐘といった点に注目していたが、再読にあたっては”労働”や”日常生活”をキーワードにしたい。

    経済成長には、永続的な生産性向上や効率化が必要ならば、それは可能なのだろうか。否応...続きを読む
  • プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神
     本書を初めて読んだのはもう30年近く前のこと。少しは自分も成長したから感じるところに違いもあるだろう、と思ったが読後感は当時とほとんど変わらないものだった。すごく「綺麗」で「強い」本だ、という印象。しかも、一旦興奮が覚めた後には「しかしこれで本当に説明になっているのだろうか?」という、疑いの残響が...続きを読む
  • プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神
    古くから経済活動は行われていたが、近代資本主義のような拡大性を有さなかった。では近代資本主義を勃興させた駆動力はなんだったのか?
    近代的企業家の多くがプロテスタント的色彩帯びている事に着目し、その精神性から駆動力を紐解いた論文。

    清貧を掲げるキリスト教と、富を増大させる資本主義は一見相反するが、...続きを読む
  • 社会科学の方法 ヴェーバーとマルクス
    1966年刊行のかなり古い本になるが、『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』以降、マックス・ヴェーバーに惹かれる自分があり、解説本として定評があったこの本を手に取った。なお、著者の大塚久雄さんはヴェーバー研究の大家で、岩波版の『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』の翻訳者としても知ら...続きを読む
  • プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神
    一章は面白く読んだが、二章にはいってキリスト教の色いろな宗派や人物が出てきて詰んだ。でもそこを我慢するとまた面白くなった。禁欲が資本主義の精神に繋がったという逆説はとにかく緻密で説得力があり、こんな社会で生きてゆくには読んでおくべきだと感じる。
  • プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神
    近代資本主義の出自を、
    カトリックからプロテスタントへの転換、ピューリタニズムへの先鋭化から表出した
    世俗的禁欲からの発露だと主張する名著。
    丁寧、多角的に分析・批判され導出される論理にはやはり説得力があり
    いわゆる儲け事などは良しとしない禁欲的精神から逆説的に資本主義が発達していったというのは大変...続きを読む
  • プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神
    【再読】初めてこの本を読んだのは大学2年生の時。日本語なのに最初から最後まで何が書いてあるかさっぱりわからなくて辛かった。“一冊の本を理解するためにはその本を読むだけでは十分でない”ということを教えてくれた転機となる本。以来、「自分がどの程度まで来たか」ということを確かめるために、繰り返し読んでいる...続きを読む
  • プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神
    作者自身が書いているが、プロテスタンティズムが唯一決定的な作用を果たした訳では無いでしょう。
    しかし、禁欲主義を徹底したカルヴァン派が、結果として資本蓄積のプロセスを合理的にし、地上の富を築くことになるといった、一見逆説にみえるこの論は、繁栄し前期的資本に充分でありながら資本主義に至りえなかったそれ...続きを読む
  • プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神
    そもそも難しい!笑
    しかし、プロテスタンティズムの発展の中で資本主義の精神が形成されていく過程がはっきりと理解された。
    宗教の本というのは抽象的概念を取り扱っているという点で頭を良くするのにすごく有効だと思った。
  • 社会科学の方法 ヴェーバーとマルクス
    ウェーバの「儒教とピュウリタニズム」の解説が一番分かりやすい。
    東洋の文化と西洋の文化を対比することにより、それぞれの文化の補完可能性を模索しているようにも読める。
  • 社会科学の方法 ヴェーバーとマルクス
    学生時代に先生に勧められて読みました。先生は大塚久雄をよく研究されており、かなり影響を受けたものです。歴史学はもちろん経済学等の社会科学を学ぶ学生には、必読書だと思います。
  • 社会科学の方法 ヴェーバーとマルクス
    マルクスとウェーバーの共通性や相違点など、大事な点が要所要所で繰り返されていてすごくわかりやすい。
    ただ、この類の内容は、自分の血肉として語るのが難しい。うまく浸透してこない。
    やはり原典を当たらねば。。。
  • プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神
    解説が丁寧で分かりやすい。武器としての哲学の推薦本であったが、解説によると宗教社会学であり、社会学の一部分である。近代資本主義が発展したのはカトリックからプロテスタンティズムになったためである、ということが首尾一貫して書かれている。いまではだれでもが知っていることであるがそれを説明した最初の本である...続きを読む
  • プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神
    最も有名な古典の一つ。近代資本主義がどのように出現したか、何にドライブされて形成されてきたかをマックス・ヴェーバーが解き明かした一冊。

    ヴェーバーによれば、近代資本主義の勃興を促進した心理的起動力はキリスト教的禁欲主義だった。

    ルッターによる宗教革命の際、はじめて「天職思想」(世俗的職業の内部に...続きを読む
  • プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神
    カトリックの国でもギリシャ・ローマでもなく、仏教の国でもなく、なぜ資本主義はプロテスタントの国から発生したのか?神の栄光のために禁欲的に、勤勉に生きる人々が結果として、富を蓄積し、その生き方が資本主義を発展させる流れに強く結びついたからである。
    マックス・ウェーバーの名著で、以前、小室直樹氏の書で感...続きを読む
  • プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神
    非常に難解。
    本文読む→訳者解説読む→本文精読→注釈も合わせて精読 が良さそう。

    資本主義の精神の促進を担ったのは、実は営利的な精神を批判する、キリスト教(特にプロテスタンティズム)の禁欲的精神だった。

    しかし、資本主義はキリスト教精神の賜物とまで考えるのは拡大解釈である。(私も読前には、本書は...続きを読む
  • プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神
    社会学は多元論。〜宗教、経済の因果は単純ではない〜

    ■所感と評価
    ウェーバーは多元論を用いるが単純化しないと理解難しいので、あえて単純化すると「天職を全うするという倫理が世俗内に広まった結果、富の蓄積につながり、皮肉にも営利主義→資本主義の精神を生んだ」と強引に解釈できる。ただこれだと語弊があり過...続きを読む