大塚久雄のレビュー一覧

  • プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神
    世界史や思想史で頻繁に言及される本書。高校時代や予備校で耳にしたことがある方も多いと思います。で、その趣旨たるや、「天が授けた過分の賜物。この賜物を用いて天職を全うし蓄財することこそ神の栄光に適う行為である。そしてこのエートスこそ、近代資本主義の一因となった。」
    こんな感じだと思います。

    私は、ま...続きを読む
  • プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神
    清貧・純潔・服従(禁欲)を守りながら、勤労にはげめ。祈り、働け。『ベネディクトゥス戒律』539  ※モンテ・カシノ(伊の中部)の山の上にある修道院。

    あなたが神に救われるか、救われないか。それは神によってすでに決められている(カルヴァン予定説)。あなたの運命はすでに決まっている。この世での善行は関...続きを読む
  • プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神
    一度読んだだけでは、とても理解しきれない奥の深い内容。巻末の解説が充実していて、理解を助けてくれる。
  • プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神
    ライフワークやキャリアデザインという言葉がもてはやされている。少し違和感があったし、日本と西洋の企業の職務分担がどうしてこうも違うのか不思議だった。
    本書では宗教改革により、腐敗した教会・修道院に反する立場から世俗の労働が尊重されるようになり、カルヴイニズムでは救済されていることを常に自己審査し証明...続きを読む
  • プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神
    よくストイックと言われる理由は、中高のプロテスタント教育のせいだったんだ、と改めて思った!天職としての職業を全うするという思想がプロテスタントにはあって、それが資本主義の発展に一役買った。あとは、政治などの本流に行けない層が、経済の分野で一旗あげようとするというのにも納得した。
  • プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神
    タイトルから感じる印象ほど読みにくい本ではなかったです。すごく読みやすくもないけど。

    冒頭で、平たく言えば

    「カトリックの支配は、プロテスタントの支配にくらべればかなりユルかった。
     ユルい支配に対して『こんなんじゃヌルい!』と宗教改革が起こった。 でもこれってよく考えると不思議じゃないですか?...続きを読む
  • プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神
    自らが、神によって救われる人として「選ばれている」という確証を得るために、ひたすら禁欲的態度で日々の労働に打ち込む。そして、その労働によって対価が得られれば得られるほど、「選ばれ」が確実なものになるという信仰。プロテスタンティズム諸派の歴史的変遷を追いながら、その生活様式が日々の労働とどう結びついて...続きを読む
  • プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神
    禁欲的なプロテスタント(ピューリタン)
    がもつ反営利的な倫理観(プロテスタン
    ティズムorピュウリタニズム)が、実は
    近代資本主義の成長を内面から推し進めた
    ”資本主義の精神”を形成した原動力と
    なった、という歴史を逆説的に解明した
    論考。

    昔、世界史を勉強した時、マックス・
    ウェーバーの名前と本...続きを読む
  • 社会科学の方法 ヴェーバーとマルクス
    「大塚史学」、当方が学生時代のときでさえ既に死語的扱いがなされていたように記憶するが、その後も同様では?
    科学の特性の一つとして進歩が挙げられるとすれば、何も「大塚久雄の見方は古い」イコール価値無き考えではないはず。
    どんな学問も先人の研鑽の上に成り立つものなのに、どうも社会科学(ことに経済学)は学...続きを読む
  • 社会科学の方法 ヴェーバーとマルクス
    [ 内容 ]
    自然現象とちがい、生きた人間の日々の営みを対象とする社会科学において、科学的認識は果して成り立つものだろうか。
    もし成り立つとすれば、どのような意味においてか。
    この問題に正面から取り組んだ典型的な事例としてマルクスとヴェーバーを取りあげ、両者の方法の比較検討の上に立って社会科学の今後...続きを読む
  • プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神
    数十年前に格闘した書籍を再読しようと思ってます。若い頃に読むには難しい。50代になって二日で読み終えた。とてもよくわかった。それだけ、色々な知識を必要とされるのかも。
  • 社会科学の方法 ヴェーバーとマルクス
    面白い。ロビンソン・クルーソーの話とか、大学でそのままやった授業なので懐かしくて泣きそう…。

    「そもそも社会科学って何なの?人間は自分の意志をもってるのに、どうして科学の対象にできるの?」ということからスタート。岩波版プロ倫の訳者の講義録ということで、読み進められるか不安だったが、語り口が上手く、...続きを読む
  • 社会科学の方法 ヴェーバーとマルクス
    人間の「疎外」に立ち向かったマルクスとマックスウェーバーを比較検討した本です。
    マルクスは封建社会から分業が成長していった結果、自由を手にしたように見えたが、むしろ人間から大きな力が働いて人間から離れて行き「疎外」が生まれていく。これを解決しなければならないと考えた。
    マックスウェーバーは、歴史のダ...続きを読む
  • 社会科学の方法 ヴェーバーとマルクス
    ウェーバーとマルクスって書いてあるけど主にウェーバーの社会科学の方法について。

    大塚久雄のウェーバー解釈の特徴は、ウェーバーとマルクスを相反する経済思想家と見るのではなく、両者に共通するものがあるとしている点にある。巷では「マルクスと対峙する」と形容されるウェーバーは、マルクスを批判することによっ...続きを読む
  • プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神
    初の古典。とにかく日本語が意味がわからない。最後の解説から読めばよかったと読み終わったあとに気づく。

    解説いわく、宗教的な強制的禁慾という精神が、本当の意味での資本主義を形成していき、最終的にな宗教的倫理観に基づく禁欲行動が形骸化してしまい、鉄の檻として、自分たちを資本活動に邁進させてしまっている...続きを読む
  • プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神
    著者が生涯を賭けた広大な比較宗教社会学的研究の一部である本。
    難解すぎ。独学の技法で学んだ線引き読解をすること決意。
    【関連書籍】
    イエスの生涯
  • プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神

    ●営利を敵視するピューリタンの倫理が、逆説的に近代資本主義を生む貢献をした※「大阪には商人精神が広がっているので、近代資本主義が自生的に生まれるはず」とは言えない
    ●“労働は自己目的であり私の「天職」”との倫理的雰囲気(=エートス)は、長い年月の宗教教育(ルター)で培ったもの。
    ●資本主義の精神に...続きを読む
  • プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神
    ピューリタニズムが持っていた、禁欲的・反営利的な倫理的諸信念が、近代の「資本主義の精神」を育てた。
    「資本主義の精神」とは、エートス(社会心理)のようなものであり、天職義務のことである。
    カルヴァンの予定説から、自分こそ救われるべき人間であるという証明のため、人々は職業に邁進した。

    通称プロ倫(小...続きを読む
  • プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神
    評価できるほど理解できてないが・・・倫理の資料集で概略をつかんでから読んだので、なんとか読み通すことができた。しかし、常識として出てくるキリスト教諸派の違いが全く分からないのは、日本人だしね! ということでよいだろうか。
  • 社会科学の方法 ヴェーバーとマルクス
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    フランスの文化が占めている地位を、アジアで占めているのは中国文化、それから古代ギリシャやイスラエルの文化が占めている地位をアジアで占めているのは古代インドの文化だというのです。

    ところがアジアでは、結局はっきりとイスラエルにあたる役割を...続きを読む