大塚久雄のレビュー一覧

  • プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神

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    非常に難解。
    本文読む→訳者解説読む→本文精読→注釈も合わせて精読 が良さそう。

    資本主義の精神の促進を担ったのは、実は営利的な精神を批判する、キリスト教(特にプロテスタンティズム)の禁欲的精神だった。

    しかし、資本主義はキリスト教精神の賜物とまで考えるのは拡大解釈である。(私も読前には、本書は上記のことを言ってるものだと勘違いしていた)

    そして、「歴史的にキリスト教的基盤を持ち得ない地域(例えば日本)でも資本主義は成立しているから、ヴェーバーは間違っている」との批判も当たらない。

    なぜならば、本書最終章でヴェーバーが述べるように、キリスト教的禁欲精神が資本主義の社会構造を強固なものと

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    2023年10月26日
  • プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神

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    社会学は多元論。〜宗教、経済の因果は単純ではない〜

    ■所感と評価
    ウェーバーは多元論を用いるが単純化しないと理解難しいので、あえて単純化すると「天職を全うするという倫理が世俗内に広まった結果、富の蓄積につながり、皮肉にも営利主義→資本主義の精神を生んだ」と強引に解釈できる。ただこれだと語弊があり過ぎるので、様々なキーワードの定義とそれらが生まれた背景と与えた影響を丁寧に見ないといけない。
    そもそも我々は戦後のパラダイムやレジームが当たり前の様に感じるが、歴史で見るとまだまだ浅く、今後新しい概念が何から生まれるかは非常に複雑であり、単純にVUCAや情報化社会といったことからだけでは予測できない

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    2022年02月20日
  • プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神

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    ネタバレ

    世界史や思想史で頻繁に言及される本書。高校時代や予備校で耳にしたことがある方も多いと思います。で、その趣旨たるや、「天が授けた過分の賜物。この賜物を用いて天職を全うし蓄財することこそ神の栄光に適う行為である。そしてこのエートスこそ、近代資本主義の一因となった。」
    こんな感じだと思います。

    私は、まっさらな状態から本を読みだすというより、本当に上記のようなことが書いてあるのかな、と探り探り読んでいく形のアプローチをとってみました。

    その点で結論を言えば、大体書いてあった。こう言えると思います。

    ・・・
    その中でも、本書での一番の出色は、資本主義の発展(「お金」)とプロテスタントの倫理規範(

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    2021年09月29日
  • プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神

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    禁欲(清貧・純潔・服従)を守りながら、勤労にはげめ。祈り、働け。『ベネディクトゥス戒律』539  ※モンテ・カシノ(伊の中部)の山の上にある修道院。

    あなたが神に救われるか、救われないか。それは神によってすでに決められている(カルヴァン予定説)。あなたの運命はすでに決まっている。この世での善行は関係ない。儀礼(サクラメント)をしても救われる保証はない▼人は自分が救われるのか分からない。不安。孤独。自分は神に選ばれた人間だと確信したい。欲望を克服し、自然からできるだけ遠い地点に行くことができる。それは選ばれた(救われる)人間にしかできないはず▼禁欲に勤めよう。職業労働を頑張ろう。安息日以外は週

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    2025年11月03日
  • プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神

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    一度読んだだけでは、とても理解しきれない奥の深い内容。巻末の解説が充実していて、理解を助けてくれる。

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    2021年01月30日
  • プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神

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    ネタバレ

    ライフワークやキャリアデザインという言葉がもてはやされている。少し違和感があったし、日本と西洋の企業の職務分担がどうしてこうも違うのか不思議だった。
    本書では宗教改革により、腐敗した教会・修道院に反する立場から世俗の労働が尊重されるようになり、カルヴイニズムでは救済されていることを常に自己審査し証明するために労働が信仰の手段として組織化・合理化をたどった説く。
    富の追求を目的とすることは邪悪だが、敬虔な労働に勤しんだ結果富を成すのは神の恩寵だという!

    西洋の労働観がどのように生まれ資本主義に組み込まれ現在に至るのかその源流を紐解いてくれる。そしてアメリカでこの禁欲的労働観は救済の証明という宗

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    2019年06月23日
  • プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神

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    よくストイックと言われる理由は、中高のプロテスタント教育のせいだったんだ、と改めて思った!天職としての職業を全うするという思想がプロテスタントにはあって、それが資本主義の発展に一役買った。あとは、政治などの本流に行けない層が、経済の分野で一旗あげようとするというのにも納得した。

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    2017年08月09日
  • プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神

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    タイトルから感じる印象ほど読みにくい本ではなかったです。すごく読みやすくもないけど。

    冒頭で、平たく言えば

    「カトリックの支配は、プロテスタントの支配にくらべればかなりユルかった。
     ユルい支配に対して『こんなんじゃヌルい!』と宗教改革が起こった。 でもこれってよく考えると不思議じゃないですか?
     キツい支配に対して『うるせーほっとけ!』と反乱が起きるならわかるけど・・・」

    という問題提起があります。 
    確かに不思議だ!と問いに引き込まれて、そこから先は一気に読みました。

    天職義務を全うして職業労働に邁進することは、最初はプロテスタントたちにとって「救いへの道」だった。 だからがんばれ

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    2017年05月20日
  • プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神

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    自らが、神によって救われる人として「選ばれている」という確証を得るために、ひたすら禁欲的態度で日々の労働に打ち込む。そして、その労働によって対価が得られれば得られるほど、「選ばれ」が確実なものになるという信仰。プロテスタンティズム諸派の歴史的変遷を追いながら、その生活様式が日々の労働とどう結びついていったのかということが丁寧に考察されている。
    さらには、労働によって利得したものを生産的に利用するために、さらに投下資本として活用していくことが、初期資本主義と結びついていったという考察は、前半のプロテスタンティズムについての論考から、たいへんに説得力のあるものとなる。
    今まで読もうとして何度か挫折

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    2016年11月30日
  • 社会科学の方法 ヴェーバーとマルクス

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    「大塚史学」、当方が学生時代のときでさえ既に死語的扱いがなされていたように記憶するが、その後も同様では?
    科学の特性の一つとして進歩が挙げられるとすれば、何も「大塚久雄の見方は古い」イコール価値無き考えではないはず。
    どんな学問も先人の研鑽の上に成り立つものなのに、どうも社会科学(ことに経済学)は学問としての基本的振る舞いがもしかするとできていないのかもしれないな。
    それはともかく改めて同著を読んで思ったのだが、ヴェーバーの方に軍配を挙げたくなるものの、(ヴェーバー自身も認識しているが)ヴェーバーの成果はマルクスの成果(というかその他多くの賢人の遺産)の上に成立している観点である。
    つまり同著

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    2013年04月03日
  • 社会科学の方法 ヴェーバーとマルクス

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    [ 内容 ]
    自然現象とちがい、生きた人間の日々の営みを対象とする社会科学において、科学的認識は果して成り立つものだろうか。
    もし成り立つとすれば、どのような意味においてか。
    この問題に正面から取り組んだ典型的な事例としてマルクスとヴェーバーを取りあげ、両者の方法の比較検討の上に立って社会科学の今後の方向を問う。

    [ 目次 ]
    1 社会科学の方法―ヴェーバーとマルクス
    2 経済人ロビンソン・クルーソウ
    3 ヴェーバーの「儒教とピュウリタニズム」をめぐって―アジアの文化とキリスト教
    4 ヴェーバー社会学における思想と経済

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度

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    2011年05月18日
  • 社会科学の方法 ヴェーバーとマルクス

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    面白い。ロビンソン・クルーソーの話とか、大学でそのままやった授業なので懐かしくて泣きそう…。

    「そもそも社会科学って何なの?人間は自分の意志をもってるのに、どうして科学の対象にできるの?」ということからスタート。岩波版プロ倫の訳者の講義録ということで、読み進められるか不安だったが、語り口が上手く、引き込まれる文章。イメージの湧きやすい比喩もすてき。じっくり読みたい。

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    2011年04月22日
  • 社会科学の方法 ヴェーバーとマルクス

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    ウェーバーとマルクスって書いてあるけど主にウェーバーの社会科学の方法について。

    大塚久雄のウェーバー解釈の特徴は、ウェーバーとマルクスを相反する経済思想家と見るのではなく、両者に共通するものがあるとしている点にある。巷では「マルクスと対峙する」と形容されるウェーバーは、マルクスを批判することによってマルクスの見解を相対化しながら自分の立場に大きく取り入れていったのだとか。また、よくある「ウェーバーは宗教のみで世界の動きを説明しようとしている」というウェーバー批判をばっさり斬り、「宗教に焦点を当てているのみで宗教のみで説明しようとしているわけではない」とウェーバーを擁護し、その社会学における洞

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    2009年10月04日
  • プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神

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    「宗教を学べば経営が分かる」という本を読み、そこで池上彰さんが課題図書としていた本の1つ。上記本の中で資本主義の発展にプロテスタントの思想が影響していると出てきて、本当に??という気持ちもあったのだが、バランスを保った視点で丁寧に論説されていて、とても説得力あり、さもあらんと思うに至った。
    翻って、日本の最近の表面的な勤労意欲を高めようという施策、それで良いのかなどなど考えさせられる。
    恥ずかしながら注釈はほぼ飛ばして読んだけど、どこかで腰を据えて注釈も読みたい。

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    2025年08月11日
  • 社会科学の方法 ヴェーバーとマルクス

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    大塚久雄が経済学の専門でありそこから社会科学を経済との関連で考えたものである。そこにはマルクスとウェーバーを基本的に考えている。講演を本にしたものであるから理解は容易なように書かれているが実はそれほど簡単ではない。マルクスとウェーバーについて全く読んだことがない学生にとっては理解が難しいかもしれない。最もわかりやすいところはロビンソン・クルーソーについてであるが、それもロビンソン・クルーソーの物語を読んだことがない学生にとってはちんぷんかんぷんかもしれない。「世界史の考え方}(岩波新書)で分析と推薦された本であるが、「世界史の考え方」と照らし合わせて読むのがいいのかもしれない。

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    2024年08月18日
  • プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神

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    文章は何を言っているか分かるけど、恥ずかしながらトータルとして何を言わんとしているのか、さっぱり入ってこなかった。学生時代に文系科目やってたときのあの感覚。。自分のようなバックグラウンドの人間が3倍速で適当に聴いて何かを得られる書籍では無かった。ただ、これをじっくり聴いて理解することで、何か面白いという感情が得られそうかというと、そんな匂いは感じなかった。分野が合わなすぎるのだろう。。

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    2024年07月05日
  • プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神

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    初の古典。とにかく日本語が意味がわからない。最後の解説から読めばよかったと読み終わったあとに気づく。

    解説いわく、宗教的な強制的禁慾という精神が、本当の意味での資本主義を形成していき、最終的にな宗教的倫理観に基づく禁欲行動が形骸化してしまい、鉄の檻として、自分たちを資本活動に邁進させてしまっている。そんな分析をしている本だと分かった。
    鉄の檻という言葉を使っているから、ヴェーバーは資本主義の活動自体を、生活を制限するものとして考えていたのかな?とか考える。
    ただの漢字と平仮名に目を通す作業だったが、背景がわかったうえでもう少し読んでみても面白いのかもしれない

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    2024年02月14日
  • プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神

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    著者が生涯を賭けた広大な比較宗教社会学的研究の一部である本。
    難解すぎ。独学の技法で学んだ線引き読解をすること決意。
    【関連書籍】
    イエスの生涯

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    2023年12月01日
  • プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神

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    ●営利を敵視するピューリタンの倫理が、逆説的に近代資本主義を生む貢献をした※「大阪には商人精神が広がっているので、近代資本主義が自生的に生まれるはず」とは言えない
    ●“労働は自己目的であり私の「天職」”との倫理的雰囲気(=エートス)は、長い年月の宗教教育(ルター)で培ったもの。
    ●資本主義の精神に内から突き動かされている人は、目先の欲求を抑制することを知っている
    ●田舎の職人達が天職の職業活動に専心→無駄な消費はしない→金が貯まる→隣人愛のために使う→意図せずに資本主義に→禁欲を強制させられる→信仰心が薄らいだ

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    2021年01月05日
  • プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神

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    ピューリタニズムが持っていた、禁欲的・反営利的な倫理的諸信念が、近代の「資本主義の精神」を育てた。
    「資本主義の精神」とは、エートス(社会心理)のようなものであり、天職義務のことである。
    カルヴァンの予定説から、自分こそ救われるべき人間であるという証明のため、人々は職業に邁進した。

    通称プロ倫(小並感)
    自分の知識不足ゆえ、難しくてあんまりわからず
    星3…。出直したい。

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    2020年08月13日