高田崇史のレビュー一覧

  • クリスマス緊急指令 ~きよしこの夜、事件は起こる!~

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    高田崇史短編集。高田崇史といえば歴史ミステリーですが、ユーモアミステリーの「迷人対怪探偵」、群像劇の「オルゴールの恋唄」、私小説のような「茜色の風が吹く街で」とバラエティに富んだ内容になっています。歴史ミステリーももちろん収録。

    印象に残った作品について。
    「迷人対怪探偵」のシュールさが心地よい。やはり、高田崇史がこのテイストを書くのか、といった驚きが忘れられないですね。振り切って書いたのだと思います、いいです。

    「オルゴールの恋唄」の歯車が噛み合ってゆくかのような心地よさ。この感覚を初めて覚えたのはゲームの『街』なんですが、噛み合ってきたぞの疾走感が楽しい。

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    2023年09月18日
  • 神の時空 鎌倉の地龍

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    シリーズ1作目、にしては、あまり説明もなく話がどんどん進んでいく。ある程度日本史が頭に入っていること前提で定説を覆す感じ。歴史好きな人は楽しめるかと。歴史は不得意だけど、怨霊祓う系が好きなのでシリーズ読もうかな。

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    2023年08月02日
  • 読んで旅する鎌倉時代

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    それぞれの作者によって書かれた短編作品なので、色んな視点と手法で新鮮な気持ちで読むことが出来る。歴史的解釈はそれぞれなので、大河ドラマ鎌倉殿の13人とセットで見るための付録的な立ち位置で読むと面白い。

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    2023年07月12日
  • QED 憂曇華の時

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    QEDシリーズ、長編。

    今回の舞台は安曇野。筑前博多近郊の古代海人・安曇族が移り住んだという地で起きた哀しい事件の因果を桑原崇が解き明かす。

    事件そっちのけで歴史蘊蓄を楽しむのがこのシリーズの醍醐味だが、今回は意外とダイイングメッセージとかちゃんと繋がっていて、ミステリらしさが出てたかな。とは言え、一方的なタタルの蘊蓄披露は現実的では全くないけれども。
    安曇族の謎も面白かったけど、神功皇后のくだりは結構踏み込んでいて興味深かった。

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    2023年06月14日
  • 神の時空 鎌倉の地龍

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    鎌倉幕府のひとつの説としては面白いと思うけど、主要人物の事がよく分からないまま進むので、最後までよくわからなかった。
    巻が進めば面白くなるかも?

    鎌倉・伊豆に行く予定ができたら、もう一度見たい。

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    2023年04月18日
  • QED Another Story 毒草師

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    ネタバレ

    QEDシリーズよりおどろおどろしいというか…

    一つ目の化け物とか、水子とか、横溝正史感ある。

    家系図書くと結構酷い話。

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    2023年03月22日
  • QED 東照宮の怨

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    東照宮の秘密がおもしろい。一度は行ってみたいな。
    殺人の動機がそれとはね。
    まあ人それぞれ。動機もそれぞれ。そんな殺人も歴史の中にはあるのかもしれない。

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    2023年03月16日
  • 謎の館へようこそ 黒 新本格30周年記念アンソロジー

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    タイトルに「新本格」と銘打ったアンソロジーなのに、ミステリ的にどうかと思うような作が多くて戸惑う。メフィスト賞関係の作家さんが多いだけに、むしろこれはミステリというジャンルの拡張だと肯定的に捕えるべきなんだろう。個人的ベストはクローズドサークルの定番をツイストしてみせる「囚人館の惨劇」。恩田陸氏の理瀬シリーズの番外編はやはり愉しい。

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    2023年03月06日
  • 源平の怨霊 小余綾俊輔の最終講義

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    難しかったけど思ったより食いついていけた!ボリュームあった。もともとの知識が乏しいけど、馴染みのある地名がたくさん出てきて親しみやすかった。解説がまたおもしろかった。

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    2023年03月03日
  • 卑弥呼の葬祭―天照暗殺―(新潮文庫)

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    神話の解釈は新しい視点でなかなか興味深い まあ逆張りっぽいと言えなくもないけど これは再読しつつDynalistに整理したい
    天照が神々に謀殺されてしまうのはなぜ? その理由が説明されてなかった まあいろいろと説明はつくんだろうけれど

    一方ストーリーのほうはミステリー小説としてはちょっと弱すぎるというか 漣が行方不明 響子が九州に飛ぶ 神社を巡りながら神話の紹介 いきなり崇が登場して後は全部説明してしまう 漣の拉致監禁もあっさり解決しちゃうしちょっとなあ

    解釈は★4 ストーリーは★2 あわせて★3というところ

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    2023年02月20日
  • 鬼門の将軍 平将門(新潮文庫)

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    将門公のことは、歴史の授業でもドラマや映画でも見て知ってはいるものの、この本のように掘り下げて認識している訳ではないので新鮮でした。
    しかし、事件との結びつけ方がイマイチかな…

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    2023年02月18日
  • QED ベイカー街の問題

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    ネタバレ

    ホームズはコナンと大逆転裁判での知識しかないにわかですが、何とかギリギリついていけました。
    きっともっと理解出来てた方が面白い気がします。

    全編を通して古典文学ならではの議論と言うか…誰にも答えが分からないあの感じ…最高に好きです!
    作者様( コナン・ドイル )が本当は何を考えてそうやって描写したのか…気になってしまいます。

    事件の方は相変わらず『オマケ』のような感じで、それ以外がメインです。
    ホームズ=モリアーティ教授説はにわかの私でも知っている位の説なので、出てきた時に「知ってる!これ知ってる!」と思いましたが、それすらにわかでした…笑

    色々な説を読むうちに本当はどうだったのか…とて

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    2023年02月10日
  • QED 憂曇華の時

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    地元の安曇野が舞台ということで否応なしにテンションが上がる。諏訪の時もそうだったが、行ったことがある場所だと興味が更に倍増。
    安曇族という古代海人たちが辿った過酷な歴史を安曇野の地の謎と共にタタルが解き明かしていく。
    付随する殺人事件の関係者がその遠い昔の因縁を知らず知らずのうちに引き摺っているパターンと独特な殺人動機はいつもながら、そこがまた綿々と続く歴史の断ち切れない重い鎖を感じさせられてやるせないなぁ。
    鵜飼いから古代天皇の話まで広がりに広がった風呂敷を始まりの鵜飼いに戻って畳む見事なQEDだった。

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    2023年01月25日
  • QED 出雲神伝説

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    出雲、神話、神社、忍などなど題材は面白い。
    ミステリーとしては雑だなという感想しかない。
    この人の小説はミステリー小説というより歴史書として読むほうがいいかも。
    にしても、奈々ちゃんはタタルの言うことをなんでもかんでも「きっとそうなのだろう」って思ってちゃだめでしょ。

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    2023年01月25日
  • QED 百人一首の呪

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    QEDシリーズの第一弾。自宅で殺害された企業のワンマンオーナーの犯行現場に残された百人一首はダイイングメッセージのようであり、百人一首に込められた藤原定家の意図を解明しながら事件の真相を探る歴史ミステリー。
    百人一首に関する知識が圧倒的に不足しているので充分に楽しめたと言い難いものの、こういった雰囲気はとても好きなので続けて読んでみたい。

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    2023年01月20日
  • 謎の館へようこそ 黒 新本格30周年記念アンソロジー

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    ネタバレ

    『白』に続き『黒』。結構どれも特殊だった。以下、印象に残ったお話。
    ◆はやみねかおるさんのが一番好きかな。一番平和でした。初読みだったけど、『ディリュージョン社~』は読んでみたいと思った。
    ◆恩田陸『麦の海に浮かぶ檻』。死の味のキス。◆高田崇史さんの『QED~』もなかなか面白いと思った。へ~なるほど、と。
    ◆白井智之さんのはなぜかスラスラ読めてしまった。そして作者さんがこんなお話をサラッと普通に書いているように感じがして凄く怖い。好きだけど嫌いなやつ。いや、個人的にはあまり好きな話ではない。「本当に気持ち悪い」

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    2023年01月14日
  • 謎の館へようこそ 黒 新本格30周年記念アンソロジー

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    新本格30周年記念アンソロジー…アンソロジーってあまり手に取ることはこれまでなかったけど、どうしても読みたかった恩田陸先生の 『麦の海に浮かぶ檻』を読むために手にしました。やっぱりいいなぁ…『麦の海に沈む果実』の番外編、主人公はあの人!だから、今そうなんだぁ~と納得できました。読めてよかったです!

    他の作品では、綾崎隼先生の『時の館のエトワール』:時間が狂う館、「時の館」に修学旅行で宿泊することになった女学生…時間が狂うとはどういうことなのか…。
    井上真偽先生の『囚人館の惨劇』:兄妹の乗ったバスが転落事故を起こす…生存した他の乗客と一緒に近くにあった館で救助を待つことになったが…その館は囚人

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    2022年12月30日
  • QED 東照宮の怨

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    久し振りのQED。きたぜ南光坊天海。行きたいぜ日光東照宮。胡散臭さも含めて納得したような気になる安定のお楽しみ蘊蓄。主人公たちの人間関係も健全な学生集団のように安定してる。作者はいじる気ないのかな。いつもはおまけでしかない事件も今回は唖然。これはバカミスの括りでいい気がする。ちょい役にはもったいない外嶋の出番増を期待したい。数年前、京博で「佐竹本三十六歌仙絵と王朝の美」をやってたな。和歌自体はようわからんけど観たかった。

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    2022年12月23日
  • 読んで旅する鎌倉時代

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    大河ドラマに合わせて書かれた短編小説
    ドラマも終盤になった今、逸話の違いが面白い。歴史上の事実だけは変えず、具体的な物語にするなら同じ逸話も印象が真逆な話にもなる。大河ドラマと小説とのコラボ、面白かったです

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    2022年10月19日
  • 神の時空 伏見稲荷の轟雷

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    シリーズ⑥東京へ帰る途中、立ち寄った京都で再び不穏な空気が流れる中、伏見稲荷大社の鳥居に、4人の遺体が吊るされているのを発見される。そして、ドミノ倒しのように次々と倒壊する千本鳥居。『「お稲荷さん=狐」は大いなる勘違い!?』の帯が付いた今作。お稲荷さんの正体と狐との関係、そして注連縄などに飾る垂の本当の意味に驚きの連続。今回は長男が全く出番なし。だが、神器2つゲットで大きく進展した。

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    2022年10月16日