あらすじ
「七福神は呪われている」明邦大学を震撼させた連続怪死事件以来、その研究はタブーとなっていた。しかし、棚旗奈々の後輩・貴子は兄の遺志を継ぎ、論文を完成させようとする。そして新たな事件が!? ご存知、桑原崇が歴史の闇に隠された「七福神」と「六歌仙」の謎を解き明かす。大人気シリーズ第2弾!
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Posted by ブクログ
いやー、面白い。
日本史に疎いゆえに、理解力は低いけれど
それでも面白かった。
よもや、六歌仙と七福神にこんな繋がりを見出すなんて。
読んでてドキドキしました。
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QEDシリーズ2作目
六歌仙の暗号とあるのに、七福神の話から始まったので、「??」と思っていましたが、読み終わるとこのタイトルで納得です。
六歌仙と七福神についての話はすごく面白かったです!
2つがきれいに繋がるところが壮大で、夢中で読みました!!
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シリーズ中で個人的に一番好きな話であり、QEDシリーズを人に勧める際に一番最初に読ませるのがこの「六歌仙〜」である。○○に見せかけて実は・・・といった仕掛けの施し方は、後の東照宮〜にも通じる。乳鉢を使う上で常識の話も化学関係者には心当たりがあるはず。オススメ。
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ボサボサ頭で興味ある分野だけ博覧強記な祟が歴史上の謎と現実の犯罪事件を解決するQEDシリーズ2作目。1作目は百人一首で続編たる本作は六歌仙と七福神の謎に挑む。相変わらず主である犯罪事件より謎解きの方に比重が高い。個人的には本作の方が繋がりが分かった時の爽快感があった。
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七福神と六歌仙。
神と人との対応はいいとして、数が違うではないかとの声を力技でねじ伏せる博覧強記。
分析とこじつけのコラボレーションに、頭がくらくらしてくる。(いい意味で)
明邦大学では「七福神」の研究をすると不審死を招くことから、その研究はタブー視されていた。
その時点で、大学の姿勢って、研究者の矜持って何よと思うが。
しかし兄の遺志を継いで七福神研究をしたいという貴子が、棚旗奈々を通じて桑原崇とともにその謎を追う。
という建前の割に、これから卒論の準備をするという、まだ研究の端緒にも立っていない状態というのを差し引いても、貴子の知識がほぼなくて、桑原崇が一人で畳みかけてくる。
異論をさしはさませることなく、「~とはこういうことだ」「~だからこうなる」「つまりから~だ」という断定の連続。
ああ、このスタイルがそもそも呪(しゅ)なのだな。
しかし、一族の秘密を守るために家族をも手にかけてしまうというのは、なんてすさまじい呪、呪いであるのか。
しかも、その秘密ってのがさあ…。
京都弁の、裏の意を含んだ柔らかい表のことば。
それはすなわち、平安の時代の人たちが、人を呪ったり魔を避けるために日常的に使っていた生活の知恵なんだろう。
と思うと、時代を重ねてあることの重さ、というものが強く感じられる。
少なくとも「ぶぶ漬けいかかですか」と言われたら「あ、どうも、ご馳走になります」とありがたくいただいてしまう道産子には、思いもよらないくらいの重さなのだろう。
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七福神について調べていた男子学生が交通転落事故で死亡し、その学生が所属していた大学の薬学部教授が実験中に中毒死、死亡した教授の助手をしていた男性が自宅で刺殺される・・・という事件が立て続けに起きた、タタルの母校。
事故死した男子学生の妹で、その大学の現役学生である貴子から、奈々にタタルとともに兄の死と七福神の呪について調査したいという依頼?があり、3人で京都に向かう。
タタルの七福神、そして古今和歌集の六歌仙についての知識があいかわらず膨大!
現代で起きた事件と、歴史ミステリーの二本立てのような感じだ。
歴史ミステリが、現代の事件の動機に関わっているので、どちらも大事です。
昨年の大河ドラマで注目をあつめた「平安時代」、藤原氏の栄えた時代の闇について、考えさせられる。藤原氏同士でも相当争っていたから他の氏についてあまり考えが及ばなかったものの、ほかの氏も当然に存在したわけで。
紀貫之、在原業平は有名なので、私も知っている(そしてこの本には登場しないものの、菅原道真は身分にあわない出世をしたことで追い落とされて流罪になったんだっけか。そういう時代ってことだよなぁ)。
奈々が「平安時代って、全然平安ではないじゃないか。平安でないからこそ、平安であれと願って名付けられたのか」と納得していたけど、その通りだったのでしょうね。学校の歴史授業で上澄みを撫でるように知識入れただけじゃ、全然わからないことでした。
タタルがこの本で語っていることは、私の母(歴史好き・この本は読んでない)も同じことを言っていたので、作者の妄想や捏造ではなく、結構角度の高い知識なのでしょう。1999年という、ようやく携帯電話が普及し始めたような時代、インターネットで調べ物をすればすぐに答えが出る現代とは異なる時代に、これほどの知識が頭に入っているというのが・・・すごいわ。
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六歌仙がなぜこの6人なのか。
七福神と呪、怨霊が交錯する日本の思想から推理していく様は圧巻!
好説とも言える高田節でスッキリと日本の連綿と続く思想を説いている!
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第二弾は六歌仙と七福神の謎がテーマ。
平安時代の和歌の位置付けは、現代のような雅な文化に留まらず、政治的駆け引きや怨念すら言霊に込める非常に重要なツールであり、当時の常識ではその効果が信じられていたという説明は、目から鱗であると共に非常に納得できるものでした。
六歌仙と七福神の関係についての考察までいくと理解力が足りないので半分流し読み的になってしまいましたが、それでも説得力があるように感じられた。
このような深い知識と考察を織り込んだ作品をシリーズ化できるとは、高田氏の能力は類い稀なるものだと思います。
Posted by ブクログ
再読。
相変わらず、きらびやかさや陰鬱さが目に浮かぶような巧みな描写でした。
全然本筋ではないのですが、ちょうど鎌倉殿の13人を追っかけで見ていたので、史実ながらもこれからの先のネタバレ!と思いながら読んでいました。
そういう意味では、和歌もよく取り上げられていましたし、良いタイミングでの再読だったかもしれません。
Posted by ブクログ
QEDシリーズ第2弾。この作品から事件の「歴史離れ」が進行し始めるわけです。とはいっても、一部は(無理やりの感はありますが)かかわりがあるみたいです。 歴史薀蓄に溢れた作風には力強さが出てきたかな、という感じがする作品ですね。作者の仮説もまあ「納得」できなくもない、というか納得させられる論理を展開してくれちゃってます。ということで、まぁこの作品は結構気に入られている方は多いと思います。
Posted by ブクログ
読書録「QED六歌仙の暗号」4
著者 高田崇史
出版 講談社文庫
p295より引用
“「今、説明したばかりじゃないか。きみは
すぐに前後・左右・黒白と分けようとする。
世界はもっと混沌として存在しているんだ。
何故、漢方と近代医学を分ける必要があるん
だ?同じ人間の体についてのことじゃないか。
俺は両方信じているし、同時に両方信じてい
ない」”
目次より抜粋引用
“一諾千金
二仏中間
三界諸天
四方四仏
五里霧中”
博学な変人薬剤師とその後輩を主人公とし
た、長編ミステリ小説。同社刊行作文庫版。
シリーズ第二弾。
ひどい花粉症を口実に、京都への出張を上
司から押し付けられた主人公・棚旗奈々。も
う一人の主人公・桑原とも京都で合流するこ
ととなり、もやもやと考えを巡らせていると
き、大学の後輩から電話がかかってきた…。
上記の引用は、世の中にある区別について
の桑原の台詞。
良いか悪いか二つに一つで判断できるなら、
悪い方を排除するだけで物事は良くなるので
しょうが…。なかなかそんなに簡単にはいき
ませんね。少しずつ様子を見ながら、うまく
バランスを取れるようになりたいものです。
身近に昔からある縁起物の神様と歴史上の
出来事が、糸をより合わせるように絡みなが
ら、綺麗に結末へと向かっていきます。
日本史と古典をしっかりと学んできた人ほど、
より面白さを味わえる作品ではないでしょう
か。
ーーーーー
Posted by ブクログ
QED-2。
/七福神と六歌仙のなぞ。七福神を調べたことで死がまっている。
どちらともさして興味はなかったけれど読むとおもしろい。ミステリーの推理より歴史のほうが印象深い。
C0193
Posted by ブクログ
好みにドンピシャでした!
前作の百人一首も好きでしたが、今回は七福神、六歌仙と、よりわかりやすいしインパクトが大きいネタで、すごく興味深かったです。
平安の歴史にものすごく興味をひかれます
事件は、ほとんどおまけみたいな感じですが
Posted by ブクログ
面白いのか。そう問われると微妙な気もするが、知的好奇心を多々満たされる。ミステリーとしてのストーリーより七福神と六歌仙から導かれる日本の歴史がとても興味深くて面白い。
本来ならば古今和歌集を片手に読み進めたいところだ。それができない時間的・精神的余裕が無いことが非常に残念。
さて、ミステリーとしてのラストは不満が残る。専門用語で言うならば、なんだかなぁ。である。やはり歴史ミステリーに力が行ってしまったため、彼女らの運命は救われなかったのかもしれない。
Posted by ブクログ
再読。
やや強引さを感じつつも六歌仙と七福神の謎解きはおもしろかった。和歌の奥深さが新鮮。詠み人や編纂人の歩んだ人生から隠された意図を探る解釈もできるのかと歴史のロマンを感じる。
事件の行方も謎解きもインパクトあり。
Posted by ブクログ
QEDシリーズ2作目。今回のテーマは六歌仙と七福神の関係について。
1作目の百人一首より今回の方が分かりやすくて面白かった。まぁ、1作目を読んで予備知識が頭にある程度入っていたからかもしれないけれど。本来のミステリより、薀蓄の方に相当ページ数が割かれており、このジャンルが苦手な人には不向きかもしれないが、私は大好物なので、意外な2つの関係に興味津々、楽しく読めた。
Posted by ブクログ
前回の百人一首よりも読み飛ばすところは少なくなった(笑)
今回は七福神と六歌仙の関係を紐解いている。
前回よりも読みやすく感じたのは、慣れとより身近な題材だからであろう。
ダヴィンチコードが好きな人にはハマると思う。
Posted by ブクログ
六歌仙と百人一首は同じ…で何故七福神と六歌仙が同じ意味を持つのか…頭の中が色々な言葉で、人物で、まとめる事は難しい。平安時代にそこまで考えて封印として和歌を残したのか暗号にするのか…。他の書物でも調べてみたい。
Posted by ブクログ
百人一首の謎に続き和歌集にまつわる謎に挑むQED第二弾。相変わらず饒舌に語られる薀蓄が凄い。
恨みを持って憤死した人物が怨霊になるというのは平安あたりの時代では当たり前に考えられていた。知識では知っていたけど、その当時の市井の人々の知識水準に合わせてそのことを考えたことはなかった。
それにしても、この六歌仙と七福神の謎を解き明かすタタルも凄いけど、再興のときを待ち続けて代々秘密を守り抜いてきた木村家の人々の執念がおぞましくも物悲しくて、なんとも切ない物語でした。
Posted by ブクログ
とか云って、読むんだけどね、2作目も。
2作目、と云っても下敷きが百人一首と六歌仙ということで、どことなく2作で1編のような雰囲気もある。
そのぶん、必要な予備知識に大きく差がないので読みやすいとも、云える。というか実際には、平安の和歌、というものをちょっと本格的に調べて、考えに考えれば、本の2、3冊くらい書けてしまうということなんだろう。
本書の目玉とも云える証明は、そのものずばり、『六歌仙=七福神』。ここだけをこうやって書くとお前何云ってんの的な視線がぐさぐさと突き刺さってくる気がして、その証明手順を事細かに説明したくなるんだけれど、まぁそこは読んでみて、信じるか信じないかはあなた次第、というやつである。
オレはどちらか、と云われると困るのだけれど、喜撰法師「わが庵は…」の歌を、節を組み替えて解釈する部分に関しては少し無理があるようにも思う…けれど、それって、ドラえもんはどら焼きの餡と皮とどっちが好きでしょう? ってクイズと同じレベルで、「あんあん餡、とっても大好き」だから餡が好き、っていう解釈も、「餡、取っても大好き」だから皮が好きという解釈もまかり通る。まかり通ってる?
つまり、解釈可能性の問題と、その可能性を信じている人間が居る、という問題。
いま自分たちが認識している歴史も、構造としてはこれと同じでしょう? という、恐怖もある。
せめて、自分自身ですべてを解釈し直しておかないと、きっといつか、何処かで後悔するんじゃないか。
…なーんて。
取り敢えず、だけど、ダ・ヴィンチ・コードとかで熱くなるより先に、こういうの読んだら? と思うところでは、ある。
Posted by ブクログ
2014.3.20処分
Q.E.Dシリーズ2作目。
六歌仙と七福神の謎について検証されている。
六歌仙=七福神という説はとても面白く、和歌の裏の意味や暗号としての有り様など、興味深かった。
もうそれが正解なのではないかと思うくらい論理的に解明されていくので、ミステリーというより専門書としての印象が強い。
ミステリーとしては…一応密室と思われる状況が出てきたり、犯人の逃走経路に疑問があったりするのだけれど、ありがちな解決で今ひとつ印象に残らなかった。
Posted by ブクログ
七福神に関していろいろ
知ることができておもしろい。
寺院巡りがしたくなる。
高田さんの作品は
新しい知識が得られるので
楽しく読める。
前作はすっきり!だったけど
二作目は事件解決!って感じでは
なくてなんだか複雑なラストでした。
Posted by ブクログ
六歌仙の謎をテーマにした歴史ミステリ。六歌仙というか、七福神というか、ここまで書くとネタバレっぽいが、これにまつわる殺人事件が起きて、事件と歴史の謎を同時に解決していく展開。
Posted by ブクログ
またしても和歌が登場して、その歌と歌とが繋がって…というシーンがあり、前作と似たような雰囲気だったのは少しばかり残念。でも良く言うならば、前作でその辺りの勉強が出来ていたおかげで、和歌が登場してもスッと入って行けました。
犯人や、その動機については前作より心に残りました。本当に「家」って何なんだろうなぁ…。そこまで「家」に縛られて、最後にはあんな運命を辿るなんて悲しくて、遣る瀬無いです。