【感想・ネタバレ】QED 諏訪の神霊のレビュー

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Posted by ブクログ 2011年09月18日

本シリーズの他作品と同様、歴史の裏側に隠された事柄を推測しつつ、現実の事件も解決してしまう。
ワンパターンという声もあるが、僕はそこが大好きだ。
主人公の崇の謎解きに唸るしかない。
それと、このシリーズのもう一つの魅力は、舞台となる場所の魅力もある。今回は諏訪大社だったが、これまでも日光東照宮、鎌倉...続きを読む、熊野古道などがあり、読むとガイドブック片手に行きたくなることうけあい。
なんにせよ、お気に入りのシリーズだ!

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年08月20日

2011/8/15 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。
2021/8/16〜8/20

QEDシリーズ。今回は諏訪の謎に挑む。
諏訪大社の祭神が建御名方神で、出雲の国譲りの際に諏訪に逃れてきたことや、御柱祭が行われること、冬の御神渡りくらいは知っていたが、あまり馴染みのない諏訪大社の謎に挑むタタルと...続きを読む奈々。訪れた諏訪の地で奇妙な連続殺人が発生。両方の謎を諏訪の謎に絡めて解き明かす。なかなか良くできたストーリー。

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Posted by ブクログ 2019年11月15日

いつもながら歴史の一つの見方として眼から鱗です…私が付いて行けてなかったせいか、いつもの切れ味が今ひとつだった感じです
この後、奥さんに回すのですが、戻ってきたら、もう一度読み直そうと思います

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Posted by ブクログ 2017年03月12日

なんか、物凄い勢いで謎が提示されたと思ったら、そのまま置き去りにされたものが少なくないような。

四方に立てる御柱の長さがちょっとずつ違うとか、入ってすぐ右のが一の柱ではなく二の柱なのはなんでか、とかはなんだったんだ。

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Posted by ブクログ 2015年10月08日

いつもより読みやすかったー

物語をかき混ぜるさおりがいないからか?
鴨志田くんや友達が沙織のちょっと歴史詳しいパートを担当の方って感じ。

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Posted by ブクログ 2014年12月04日

事件の解明までには犯人は検討がついたのですが、いくらタタルくんのいう人それぞれとはいえ理由が今を生きるひとにはちょっと足りないかな。蘊蓄は相変わらずためになります。かわりばんことかなるほどと思えます。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2014年11月27日

遠足の事前学習④。諏訪大社の秘密が結構納得のいく形で説明されている。史実ではないけれど、難しい諏訪信仰をよくとらえている。と思う。

 面白かったんだけど、難しいね。諏訪に行く前の勉強で読んだから楽しめたけど、諏訪に興味がない人だったら読み疲れそう。

 ミステリーとしては若干無理矢理感が強いと思う...続きを読む。つーか諏訪の怨霊信仰と殺人動機を関連付けるにしては弱すぎる。その点、気に入られないかもですね。

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p15  可愛い
 「可愛い」の語源は「顔はゆし」からきており、労しい、可哀想、不憫な、という意味である。可哀想でとても見てられないのが「可愛い」ということ。注意。
 愛という言葉自体が、不憫だから何か施すという意味を持っているのだよ。

p42 岡本太郎
 岡本太郎が御柱祭に参加しようとしたことがある。柱によじ登ろうとするのを下ろされてものすごい抵抗したそうな。

p78 諏訪の由来
 諏訪の由来は「州の端」という意味で、海の端という意味があるらしい。湖の端かな?
 この本では、州の端は「国の端」という意味で、彼岸と此岸の境という意味があるとみている。つまり、建御名方命はこの世ではなくあの世へ封印したということを表しているのだと…

p96 御柱祭
 延暦17年(798年)の寅年に坂上田村麻呂が征夷大将軍になった翌年に第一回御柱祭が行われた。
 それから申年と寅年に欠かさず行われ続けている。

p145 注連縄
 注連縄はあの世とこの世の境目を表している。御柱祭の柱は、坂を下り、川を渡り、「注連掛」とよばれる注連縄の結界の場で休まされる。なぜ結界を張られるのか。神聖なものが穢れないように??それとも穢れが漏れないように??

p158 人と妖怪
 かつては殿上人だけが人で、それ以外の人は人でなかった。殿上人に刃向ったものは「土蜘蛛」や「鬼」と呼ばれ、敗れた者は「河童」や「狐狸」とよばれ、山に逃げ込んだものが「天狗」と呼ばれた。

p167 耳裂
 御頭祭とよばれる祭りでは鹿の頭が45頭分供えられる。そのなかに耳の裂けた鹿が含まれる。この耳裂け鹿は「神の矛にかかった」とされる。
 この耳裂けはミシャグチ神を表す。そうするとミシャグチ神がどこぞの神の矛にかかったということだ。

p178 浅草寺と浅草神宮
 浅草寺の本質はその横に小さくたたずむ浅草神社にある。

p184 物部氏
 大伴氏と物部氏は大化の改新以前から朝廷の軍事面・外交面の忠臣であった。だから武士を物部から変化した「もののふ」という。

p191 洩矢神
 土着の神:洩矢神と流れてきた神:建御名方命が天竜川付近で力比べをして、洩矢神がやぶれたとなっている。この戦いで敗れたから建御名方命がこの地に居座るようになった。出雲から追い出された神が玉突きのように洩矢神をはじき出してしまった構図である。
 ミシャグチ神がこの洩矢神だとするなら、諏訪大社にミシャグチ神が祀られていないのは、追い出した神だからではないだろうか。だから別祀しているのではないだろうか。

p223 真澄
 諏訪の地酒。香り高い、喉越しの良い酒のようだ。飲みたひ。(๑╹ڡ╹๑)

p229 聖武天皇の禁牛令
 聖武天皇が牛の屠殺禁止令を出したのは有名。仏教が絡んでいるとかあるが、一番は使役用の牛を確保するためだという。恭仁宮の都造営に必要だったからそのお触れが出たという。桓武天皇の時にも、長岡京を造るために牛の屠殺禁止令が出ている。

p251 物忌令
 御柱祭の年におけるタブー
①結婚・元服の禁止
②家の新築禁止
③葬式の禁止(仮埋葬して翌年に本葬)
④木材の他国流出禁止
 特に①②は祭りの予算確保のためにそうされる。

p259 出られないようにする
 御柱祭の四本の柱は諏訪大社の建御名方命を守護するために建てられるのではなく、彼を諏訪の地から出られないように閉じ込める役割があるのではないか。もともと建御名方命は諏訪を出ないという約束をしている。しかし、あくまで約束、それを監視するものが必要で、それが4本の柱であり、ミシャグチ神ではないか。

p284 建御名方命>ミシャグチ神
 建御名方命は軍神であり、それを封印するとされたミシャグチ神より強いはずである。そのミシャグチ神が見張り役に立つというのは道理に合わない。ミシャグチ神には建御名方命を見張るうえで何か特別な力が付されているのではないか…

p299 贄の河衆
 蛙狩神事という神事がある。元日に上社では、本宮前の御手洗川で冬眠中の蛙を捕まえて、矢で射殺し生贄に捧げる。
 こういう生贄に出てくる蛙は「河衆」という河辺に住む人々のことを指し、つまり、人を生贄に捧げていたのを隠喩していたのである。

p305 上社と下社
 諏訪大社が二分されていたのは、朝廷に敗れて幽閉されていた軍神:建御名方命の勢力をさらに弱めるため、強制的に分離させられた、という説。
 上社は神別(従来の神)、下社は皇別(朝廷の息のかかった神)という形で二分され、勢力半減、または内部分裂を目論まれた。

p319 守屋山を睨む
 春宮・秋宮で拝殿を拝むと東北に拝むことになる。鬼門である。これは別の見方をすれば、拝殿に祀られている御神体が南西の方向を睨んでいる。つまり上社の方向を…。
 上社の本宮では南西を拝むことになる。その先には守屋山(ミシャグチ神が祀られる、上社の神体山)がある。つまり、下社のご神体は守屋山を監視しているのだ。
 朝廷の息のかかった神が、諏訪の土地神(建御名方命)を睨みつけている。

p322 源平池の因縁
 鶴岡八幡宮の源平池には呪詛が込められている。左手の小さな平氏池には小島が4つ浮かぶ。(死)右手の源氏池には小島が3つ浮かぶ。(産)
 こんな数にちなんだ因縁が古いものにはたくさんある。
 ちなみに諏訪大社の神紋には梶の木が描かれるが、上社は根が4本、下社は根が5本ある。これもまた、死と護を表すのかな?

p349 春宮と秋宮
 諏訪の古俗には、春夏は普通の住宅に住み、秋冬は土中の室を作って寒さをしのいだという。だから新たに追加で造営した下社には、春と秋の両方の社を立てて、土地の人の暮らし方を反映させたという説がある。
 ただ、確証じゃない。ピンとこない。

p379 産鉄神
 諏訪大社は産鉄の神としても崇められてきた。しかし、諏訪の地は言うほど鉄資源に恵まれているわけでもない。それでもそういわれるのは、建御名方命が出雲から流れてきた神だからであろう。出雲は日本有数の産鉄地である。そこの神が来たから、諏訪も産鉄神と言われるようになった。

p384 鉄の輪と藤の蔓
 洩矢神と建御名方命が戦った際のそれぞれの武器は「鉄の輪」と「藤の蔓」である。この藤の蔓は藤原=朝廷の力を借りたということを隠喩しているのかもしれない。この戦いで敗れて洩矢神はミシャグチ神になった。御石神、つまり石のように物言えぬ神だ。と

p388 大祝
 御頭祭には江戸時代まで御神(おこう)というものがあった。赤い着物を着た8歳くらいの少年が「御贄柱」と呼ばれる柱にくくりつけられたと伝えられる。江戸時代にはその子供は神事ののちに解放されていたが、その昔はどうだったかわからない。
 上社にはご神体がなく「大祝」という神官が神として祀られる。「おおほうり」というのは「屠り」と似ている。つまり、かつて大祝は生贄を務める神官の家系だったのかもしれない。

p440 鹿の需要
 室町・江戸時代には弓入れなどの武具に使うため、鹿の皮の需要がいっきにに高まり、中国から輸入するほどになった。

p443 御頭祭の本質
 「耳裂鹿 神の矛に かかったという」
 という耳裂け鹿の説明文は、ミシャグチ神が大国主命の子孫である建御名方命に敗れたということを表す。
 祭で捧げられる45頭分の鹿の頭は、鹿島神宮(建御雷命を祀る)を意味する。建御雷命は建御名方命を出雲で倒した神である。その象徴を差し出すという。
 この祭りの本質は、諏訪の後釜の神:建御名方命に鹿を生贄に捧げつつも、耳裂け鹿を混ぜることによって、地元本来の神:ミシャグチ神を忘れず伝承するという、メッセージが込められている。

p444 御柱祭の本質
 御柱祭は建御名方命を4本の柱で封印するという意味があると考えられた。しかし、その見張り番である柱はミシャグチ神であり、かつて建御名方命に敗れた神である。弱い神が強者を監視するという道理に合わないことになっている。しかし、御柱祭で大祝が生贄がささげられることが分かった。生贄となった者は怨霊となり、強い力を得る。その力を持ってミシャグチ神の一つとなり、建御名方命を監視する。
 その怨霊を作り出すための祭りが御柱祭である。

p451 樅の木
 御柱祭で使われるのはモミの木である。モミの字はキヘンにシタガウつける。
 従=家臣を意味する。主君に従がい生贄になる従臣のことだ。ちなみに4本の柱、1~4を足すと十になる。
 お~~~~~。

p463 春と秋
 春は青春つまり「青」、秋は白秋つまり「白」という陰陽五行の方位を導く。この青と白を合わせると「晴」という字が完成する。晴れは公という意味もあるし、太陽は天照大御神である。つまり、下社は朝廷の物ということを表している。
 やはり、下社は朝廷(此岸)、上社は州の端(彼岸)ということを表している。

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 日本の怨霊信仰というのは面白いんですよ。
 
 このQEDシリーズは名前は知っていたが、中身は全然知らなかった。ガリレオ的なのかと思ってた。
 こういう怨霊信仰的なのをよく扱ったもののようだから、一通り目を通したいな。

 日本神話は面白いなー。



 怨霊神話は歴史に残せない、影の歴史と言える。だから証拠は残っていない。だから想像するしかない。
 この本に出てくる説が絶対に正しいとは言えない。でも、信じたくなるような説得力だった。

 諏訪旅行が楽しみになった。殺人事件に巻き込まれませんよーに 

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Posted by ブクログ 2012年02月17日

QEDシリーズ15作目。

シリーズ完結まであと2巻。全てを理解したとは言い難いが、祟の薀蓄がとにかく好き。歴史上の謎って他にもイロイロあるだろうし、もっと読んでいたいなぁ。
今回の舞台は諏訪。いつも諏訪湖のSAに立ち寄るだけだけれども、読後はすっかり行く気満々。この本片手に、祭り見物に行きたいもの...続きを読むです。
今作では前作に続き鴨志田翔一が登場。カンナシリーズはまだ未読だけれども、リンクしているのかな。

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Posted by ブクログ 2015年02月19日

奇祭・御柱祭の謎を解く。そもそも何が謎なのかをほぐすことから始めるので、よく知らない題材でも読み終えた頃には一気に詳しくなれる。シリーズを貫く歴史観の、応用編といったところ。

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Posted by ブクログ 2014年01月30日

今回は2人旅、となってしまったお祭りへの旅。
その地で待ち受けていたのは、彼の中学校時代の同級生と
前の事件で一緒だった女性の妹と、彼らの近所に住む女性。

結局最後には事件に巻き込まれました?
妹さんは最初に予備知識として出てきただけ。
そしていつもの大きな熊(仮)は出てこないかと思いきや…。

...続きを読むしかしこれをするに当たって土地を売ったのかと思うと
ものすごい頑張りです。
それをいうなら、今回のお祭りに対し導き出された答えも
そこまでするのか!? と驚くものです。
言われると納得、なものですが。

極端な話、と言われましたが、理解できない、という点では
確かにどちらも一緒。
本人にしか分かり得ないものがある行動を
きちんと説明されても分からないものです。
むしろ本人でさえ説明できない場合もありますし。

ところで、近場に置いた動物達。
彼らは一体どこから仕入れてきたのでしょう?
自力捕獲??

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Posted by ブクログ 2013年02月05日

今までよんだシリーズの中で、一番よくわからなかった。
諏訪大社にいまいち興味を持てないからだろうか。残念。

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Posted by ブクログ 2012年09月19日

いつにも増して血なまぐさい展開。
QEDシリーズは好きで、タタルさんの蘊蓄にもいつの間にか中毒状態だが、今回は歴史的下地と現実の事件が、あまりきれいにリンクしていない気がする。
それにしても、タタルさんと奈々ちゃん、進展しないねえ。

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Posted by ブクログ 2011年12月05日

諏訪の御柱が題材(諏訪は父親の実家)かつ、冒頭から目黒区祐天寺(独立するまで住んでた)などと書かれると他人事とは思えない小説になってしまう。
ついつい読んでしまいました。

しかしミステリーものって、なぜ最後の1/3くらいになると一気に読んでしまうんだろう?

ちょっと前作も気になったので、しばらく...続きを読むしたら読んでみようかと思います。

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Posted by ブクログ 2011年09月27日

いつもどおりの凄まじい薀蓄の嵐。丁寧に読むとへぇ~~と思う。
が、事件の裏にあったものと通じるものがあるかどうかには納得しきれない。

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