【感想・ネタバレ】QED 源氏の神霊のレビュー

あらすじ

宮中を悩ませた妖怪・鵺を退治、
獅子王と呼ばれる刀を拝領したほどの武勇を誇り、
和歌にも秀でていた源頼政。
従三位を賜り、満たされていたはずの晩年、なぜ彼は挙兵したのか。
墓である頼政塚は、どうして祟りをなすと伝承されるのか。
京都・亀岡の頼政塚に放置された惨殺死体、
壇ノ浦で碇のオブジェに繋がれた遺体の連続殺人を軸に、
桑原崇が源平合戦の真実を解き明かす。
QEDシリーズ長編!

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

ネタバレ

ついこの間、平家物語をモチーフにした『茜唄』を読んだばかりなのに、これもまた、壇之浦の合戦が裏テーマになっている。
本に呼ばれたということなんだろうか。
たまにあるよね、こういうシンクロニシティ。

現実の殺人事件はもういいよ。
こんな理由で人を殺すことも、自殺することも、あまり考えられないし。

ポイントは、安徳天皇は女の子だったって説。
これ、事実だとしたら恐ろしいことになる。
いくら形だけの中宮などを置いても、子どもができなければ清盛の血筋は絶える。
でも、中宮に平家の男の子どもを産ませれば、そして口封じができたら、天皇家は乗っ取られてしまうことになるんだよね。

あと、鎌倉幕府を支えた北条家を始め三浦家や和田家など主だった豪族はみんな平氏だったということ。
だから源平合戦ではなく、平平合戦だった、と。
…だから、源氏の血はあっけなく断絶させられたのか…。
平平合戦という言葉は聞いたことがあるし、北条氏が平氏なのは知っていたけど、その他の豪族たちもみんな平氏とは知らなかったなあ。

勉強になりました。

0
2025年12月04日

Posted by ブクログ

本の雑誌2024年3月号の「メフィスト賞を探検せよ」を読み、受賞作QED百人一首の呪を本屋に注文した際に、棚にあった本書を購入。奥付きに2023年9月15日第1刷発行とあるから、シリーズ1号と最新作を読んだことになるかもしれない。

読後、あれ、と思ったのは探偵役のタタルは犯人の目星をつけていたんだろうかといこと。歴史談義を続けていたら、たまたま犯人が割り出されたような気がする。
しかし、不思議に違和感がないんだな。文体なのか、話の筋立てなのか。上手いということなんだよな。

タタルの歴史に関する考察は、今回は源頼政や義仲。頼朝より頼政が源氏の本流とかあって、へ~と感じる。清盛に唯々諾々と従っていた年寄りが急に反抗した歴史の小さなエピソードぐらいに感じていた。大きな思い違いだとある。
本書の論は説得力あると思う。

特に安徳帝の秘密は驚いた。

歴史ミステリーはもう食傷気味と思っていたんだが、このシリーズはもう少し手に取ろうと思う。

0
2024年04月06日

Posted by ブクログ

このシリーズを読んだのはじめてだったのですが、歴史好きにはたまらない話ばかりでしたね。ずーっと歴史講釈が続いた後、さらっと殺人事件も解決。源氏や平氏を意識している家系がどのぐらいあるのか全く身近ではないので、動機のあたりはピンときませんでしたが、このシリーズは殺人と歴史の融合を楽しむものなのかなあと。他のものも読みたくなりました、

0
2024年06月02日

Posted by ブクログ

円熟味を増すQEDシリーズ。
今回は鵺退治の英雄で77歳という高齢で挙兵した源頼政の謎にスポットライトが当てられ、タタルがその謎と共に源平合戦の真実を解き明かしていく。
『平家』という強大な敵に対して、ここまで自らの正義や信念を最後まで貫いたカッコいい生き様の武将がいたとは知らなかった!
タタルと奈々の寺社巡りの裏で起きた殺人事件にもやはり源氏と平家が絡み、犯人より歴史の解釈に圧倒されっぱなし。安徳天皇の考察にも説得力があった。
歴史の本当の真相はわからないが、古に生きた人の息吹と想いは色褪せずそこにある。

0
2023年11月05日

「小説」ランキング