高田崇史のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
畿内から九州に攻め込んだ饒速日命(天照ー日本の命名者)は隼人たちを平らげた神武天皇に謀殺され天岩戸に葬られ、その代わりに卑弥呼が天照大神祭り上げられた。しかし卑弥呼も日蝕時のスケープゴートとして殺害される。台与(市杵嶋姫命)も神武の東征の際に殺害され、宇佐に葬られる。伊勢神宮も宇佐神宮も殺害された者たちの鎮魂の社なのだという。うーむ、すごい説だ。読んでいると納得させられてしまう。これに絡んで殺人事件がいくつも起こるのだが、無理やり作ったあり得ない事件で、茫然としてしまうが、まあそこは…。とにかく著者の説を押し通すための小説なのだ。面白いですが。
-
Posted by ブクログ
ネタバレ「鬼門の将軍」「七夕の雨闇」に出ていた萬願寺響子&漣の従兄弟コンビのシリーズ。
すっかり忘れていましたが、今回事件に巻き込まれる主人公たちは先の作品に既に登場していたようです。しかしながら、結局のところ謎解きするのはQEDシリーズの桑原クン。毒草師の御名形史紋とも繋がりがあるため、彼もちょっぴり名前だけ登場。
正直なところ、高田作品の読者に事件ミステリの謎解きを期待している人はほとんどいらっしゃらないと思うので、、、とりあえず歴史ミステリの薀蓄をひたすら説いていただきたいのが本音。なので、響子と漣のくだりは正直要らない、、、(苦笑)まぁ、響子が歴史にど素人な分、初歩的な説明から入れたのは良か -
Posted by ブクログ
ネタバレ今回のQEDは熊野三山。学薬旅行の旅に事件にと思うのだけど、タタルと奈々ちゃんを東京外に引っ張り出すためにはこれしかないか(笑)。
途中途中で入る語り手の独白が敢えて同一人物のかのように混乱させるよう な構成になっているけど、結構早い段階から家族構成で気づいてしまうオチ(笑)あり。とはいえ、今回は本題は事件ではなくて熊野三山に隠された歴史の方。熊野は行ったことないながらまったく畑違いだけど、Great traversを見ていたので、大峯奥駈道、那智、吉野あたりは映像で頭に残っていたので助かった。。。(QEDは読むときに地図とか神々の家系図とかが必須) -
Posted by ブクログ
読書録「QED河童伝説」3
著者 高田崇史
出版 講談社文庫
p275より引用
“「しかし、ちょっと待てよ。ということは、
そのゴルフクラブだ、コースだのっていう代
金は、もしかして全て薬の代金に乗っかって
るってことかよ」
「そう……いうことですね。こりゃ酷い」
「なんだよ。結局はその金は、我々と健康保
険組合とで支払っていることになるじゃない
か。随分とまた嫌な話だな」”
目次より抜粋引用
“山童
水虎
兵主部
駒曳法師
川太郎法師”
博学な変人薬剤師とその後輩を主人公とし
た、長編ミステリ小説。同社刊行作文庫版。
シリーズ第十三弾。
夏も本番に差し掛かろうとする七月半 -
Posted by ブクログ
読書録「QED東照宮の怨」3
著者 高田崇史
出版 講談社文庫
p246より引用
“ 色々な知識は、持っているに越したこと
はないが、持っているからといって、それ以
上先に進まなければ、何の意味もない。自分
が、辞典やCD-ROMになるのではなく、それを
活用してこそ、その人間にも資料にも、初め
て価値が出てくるのだから。”
目次より抜粋引用
“阿形
其の市
其の爾
其の惨
其の死”
博学な変人薬剤師とその後輩を主人公とし
た、長編ミステリ小説。同社刊行作文庫版。
シリーズ第四弾。
忙しい夏場を乗り切り、少し落ち着いて薬
局の仕事に励む主人公・棚旗奈々。次に来る
風邪のシー -
Posted by ブクログ
読書録「QED百人一首の呪」3
著者 高田崇史
出版 講談社文庫
p239より引用
“「いいか、呪というのは『言葉』のことだ。
まさかお前は、言葉も存在しない、とまでは
言わないだろうな」
「馬鹿を言うな。実際こうして使って話して
るじゃねえか」
「それならば、同時に呪も存在する。言葉と
呪は同一のものだ。どちらも相手の脳に向け
て発信される信号だからな。ウイルスのこと
だよ」”
目次より抜粋引用
“うきよのたみに
ゆくすゑまでは
ものをこそおもへ
やどをたちいでて
たまそちりける”
博学な変人薬剤師とその後輩を主人公とし
た、長編ミステリ小説。同社刊行作文庫版。
第9回メフ -
Posted by ブクログ
ネタバレひさしぶりの百人一首の謎モノ。楽しかった。
ミステリー仕立てになっているけど、実は、それはどうでも良かった。いや、物語構成としては、有りだと思う。ミステリーのカラクリや種明かしだけだと、なんとも普通の、どうでも良さそうな話なので(苦笑)。 かといって、百人一首の謎を解き明かす過程と、その解が、ミステリーの解明に寄与したのか、その関連性は、はなはだ希薄とも言える。
ので、これがミステリーとして面白いのかはさておき、ということになる。
とはいえ、百人一首の謎解きとして信憑性があるのかというものフィクション(ミステリー小説のネタ)としての扱いとなり、結局は中途半端な内容ではあるのだけど、百 -
購入済み
考古学ミステリーというよりも
作者の考古学ミステリーが好きで、ストーリー同一時間帯のスピンオフという事で購入。ただ、後半に行けば行くほど考え方が伝奇ものよりになっていくので注意しといた方がいい。別段、ファンタジー的要素は無いけれど、だんだん鼻についてくる。