あらすじ
奈良・猿沢池の畔に鎮座する「采女神社」は池に背を向け、平素は固く門を閉ざしている。昔、入水した采女の霊を慰める祭では、門が開かれるというのだが……。そもそも、なぜ下級女官の鎮魂が連綿と続いているのか。春日大社から壬申の乱、皇位継承の闇、平城京の怨霊封じに続く謎。民俗学者、小余綾俊輔の推理が、隠された古代史を解き明かす。鍵を握る采女とは何者か。歴史真相ミステリー。(解説・北夏輝)
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Posted by ブクログ
采女神社の謎から始まり、壬申の乱、春日大社、三井寺など、さまざまな謎が浮かんできて、最後は史実を大胆な推理でまとめあげていく様は圧巻。
歴史は勝者のものが残っていて、我々の目に見えている。それは往々にして勝者の都合で隠されたり、捻じ曲げられたりする。だからほころびも出てくるのだけど、それを読み解くにはやはりかなりの知見が必要。
筆者の謎解きと、それを物語にのせて語る手腕に舌を巻く。
あっという間の楽しい時間だった。