池上彰のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
豊富な知識を持った二人が、テーマに沿った書籍について、縦横無尽に評を述べていく対話形式。読んだばかりの『実力も運のうち』、『人新生の資本論』も第1章で出てきたので、のっけから充分に楽しめた。同じ書籍を読んでも、ここまで感想や考え方に深みが異なるのか、と痛感した。
日本の政治家の愛読書という、今まであまり考えたことがないような切り口のテーマも秀逸。政治家がなぜ哲学書や思想書を読みたがらないのか、その根幹への想像も説得力があるもので腹落ちした。とはいえ、「菅義偉の『君主論』が愛読者」に対して、衒学的な傲慢さも少し垣間見れたのは残念。
「タイトルは変えた方がいい」との意見も見られたが、「読解力を育むことで、こんなふうに物事や人物の本質を考えることができるよ!」というように、読解力の必要性を訴えかけるいいタイトルになっていると思う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ池上彰の新聞勉強術 2006/9/14
メディアリテラシーを身につける事ができる
2010年10月6日記述
2006年出版の本。
新聞の作られ方からテレビ局との関係や報道される記事がどう影響しあい、実際にどのようにつくられるか、新聞記事の主張と事実の違いの見分け方など丁寧に解説している。
ただ本書終わりに紹介される池上彰氏のように切り抜き記事をまとめ抜く作業は日本の住宅事情や個々人の時間の都合上、簡単にマネできるものではないのでその点は差し引いて読む必要はあるが、全体として読み終わった後にすっきりした感覚が残る。
書籍でも罵詈雑言の嵐のような書き方で読む者をうんざりさせる本も出回る中、池上彰氏の書籍は氏の書籍という事だけで安心して手に取れる。
日本の新聞社、放送局の事情などについても知りたい方は一読してみると良いだろう。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ池上彰の新聞活用術 2010/9/30
洞察力や文章力アップも期待できる
2010年11月3日記述
最近よくTVの解説番組でよく見る池上彰氏の本。
本書はタイトル通り、世の中にあふれる情報の中で特に新聞をどう読み、どう活用するべきかを示している。
池上氏の以前の著作である新聞勉強術などと内容がかぶる箇所もある。ただ池上氏と言えど大きな書店でも無い限りちょっと前に出版した本でも店頭になかったりするので、その意味でありがたい事だ。
特に今まで新聞を何となくしか読んでいなかった人や中学高校生などに特にオススメできると思う。
基礎的なメディアリテラシーのないままやみくもに新聞やニュースを見るよりはしっかり新聞やニュースがどう作られどう読むべきかわかった上で読んだりする方が良い。
新聞独自の書き方、読み方も書いてあり、この本を読んだ後には新聞の読み方が変わる事は間違いない。
また本書は新聞から推察できることや文章の書き方や伝える力を伸ばすための注意点も述べている。
このテーマはベストセラーの「伝える力」に通じるものがある。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ先送りできない日本 “第二の焼け跡”からの再出発 (角川oneテーマ21) 2011/8/10
主に貿易自由化について多く書かれている
2011年6月2日記述
池上彰氏による著作。
本書では主にTPPや農業、またそれに絡む政治問題などについて解説している。
分かりやすい解説に定評があった池上氏の本なのでニュースの話題に疎い人であっても
日本の問題点について把握できるだろう。
本書を読んで感じるのは今日本国内で閉塞感が覆っている要因のひとつが貿易自由化の問題である。
特に韓国にいたっては日本以上にアメリカとの自由貿易化を進めており日本もTPP参加をしない場合、
国際競争に打ち勝っていけるのだろうか?
また同時に日本国内の農業も10年も経てば担い手の高齢化がますます進み立ちゆかなくなる可能性が極めて高い。
農地の集約化も進めていく必要もあるが
戸別所得補償制度によって(兼業農家が専業農家に貸していた土地の返還を求めるようになったため)
それも上手く進んでいない。
あちらを立てればこちらが立たずと言った状態で動けない内に先送りできない状況に日本が追い込まれている事がよく分かります。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ伝える力 2 もっと役立つ! 「話す」「書く」「聞く」技術 (PHPビジネス新書)
2011/12/15
本書で学んだことを当たり前に出来るようにしたい
2011年12月18日記述
池上彰さんの書籍。
伝える力2という題名になっています。
本書はいわゆる実用書のつくり、雰囲気ではありませんでした。
3月の大震災を振り返りつつ原子力用語の解説に苦心し工夫したこと、学べるニュース等で気づいたことを振り返りつつどう相手に表現するかを示しています。
(もちろん学べる点は多いです)
個人的には要点をまとめた欄を作って欲しかった。
まえがきにもあったが、購入者層を幅広く想定したためなのか実用書としての編集の良さが前作に比べなくなっているように感じた。
1と比べ文章全体が詰め詰めになっていて、見やすさが落ちているのは残念
特に重要と思えた指摘は以下の通りです。
・一文は短く、話は具体的にする、固有名詞、数字を活用する、
・業界内用語は外に向かっては使わない → 一般的な言い方に変える
・名称の由来やそもそも話を説明し話しのつかみに使う。
・意識的にゆっくり話す。時にはメリハリをつけて。
・用語で曖昧な点は辞書を引き調べる。
・興味を持つ→調べる→伝える→さらに詳しく知る と言った知の循環をつくる。
上にあげたような、やるべきことを地道に繰り返すことで伝える力は伸びていくと思う。
ざっと読んでみてそれくらい分かっているよという人も多いだろう。
しかし、できているだろうか?
わかっただけでは意味がない。
本書で学んだことを当たり前に出来るようにしたい。
個人的には第一章で紹介していたイギリスのリスク・コミュニケーションの話題を全く知らずにいたので
勉強になった。
他の欧米諸国とは違い主席科学技術顧問の進言に従い判断したキャメロン首相やイギリスの制度には日本も学べる点があるだろう。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ知の越境法~「質問力」を磨く~ (光文社新書) 2018/6/20
知らないことを知って、停滞を破る
2018年12月14日記述
池上彰氏による著作。
2018年6月20日初版1刷発行。
帯に左遷云々と書かれている。
しかし池上氏の経歴を見る限り左遷とは思えないが・・・
その辺りは方便のように感じた。
組織人である以上、何らかの人事異動は誰にとっても
発生するものに違いない。
はじめにに書かれているのだが、
「自分にとって異なる文化と接すること。
自分が所属している組織に異質な存在を送り込むこと。
それによって多様性を生み出すこと。
自分を、そして組織を活性化するには、それが必要なのではないでしょうか。
越境の意味はそこにあると考えます。」
本書の大半は池上氏の半生、職業人生の棚卸しとも言える。
内容的に「記者になりたい」と一部かぶる。
印象に残った部分を紹介してみたい
専門家と渡り合えるところまで来たなと自分で思えるのはどういうときか?
→専門用語を使って説明する専門家の言葉を瞬時に小学生にも分かる言葉に翻訳して説明できることです。
他人に説明できるまでに理解できたと言えるようになる為には自分が学んだり見聞きしたりした内容をどう相手に伝えるかを常に意識することが重要です。
そうだったのか現代史の参考図書は131冊に及んだ。
そうだったのかアメリカの主要参考文献は146冊。
(今、自称通史として売り出している百田尚樹氏の日本国紀には参考文献の記載がまるで無い。Wikipediaからの引用も多いと判明。百田尚樹氏には池上彰氏の姿勢を見習って欲しいものだ)
質問をする為には何が分からないか分かっていないと駄目なのです。
越境の醍醐味
1知らないということを知る。
「無知の知」(こどもの視点)
2知らないことを知って、停滞を破る
(未知の人や土地に越境する)
3離れているものどうしに共通点を見出す
(イランの聖者廟(びょう)
4知らないことを知ることで多数の視点を持つ。自分を相対化する
こういう多角的な視点を持つことは、本来は非常に大事なことなのですが、いまは多くの人が、その面倒くさい作業に耐えられなくなりつつあります。
自分のいままでの意見は変えたくない。世界が複雑化し、物事の白黒が簡単にはつけられなくなってきているだけに、人は複雑なことを考えたくなくなっています。
フェイクニュースに惑わさらないためには、面倒臭く、地味で、長い時間がかかっても、意見を突き合わせ、つまり越境して自分の視点を鍛えるしかありません。
そのときに役立つのは、信頼性のある新聞などのメディアだろうと思います。
個人がやっている、聞いたこともないようなウェブサイトは、注意が必要です。
裏を取る、つまり確認をとることを知らない人たちが、大勢ネットに関わっているからです。
もう一つ、記事以外にアーカイブがしっかりしているかどうか、というのもサイトを判断する基準になります。
そのサイトに、過去の記事が検証できる形で掲載されているか、ということです。
過去の記事を検索すれば、とんでもないことを主張していたりしないか、見通しを間違えていたりしなかったか検証できます。
検証できなければ、検証に耐えられない文章ばかりを書いてきたのではないかと疑ってかかることです。
過去の予測が外れたことを率直に認める記事を掲載していた場合は、信頼度が高まります。
予測が外れた記事をこっそり削除する。
こういう態度を取っていては、信頼できません。
↑の池上氏の指摘は大変重要だと思う。
本書で一番重要な点だと思う。
今でも、いや昔以上にネット上で胡散臭いニュースが増加したように思う。
皮肉にも大手メディアがなぜ大切なのかを示していると思う。
自分もNHKオンラインをまず確認するし。 -
Posted by ブクログ
歴史を見るときは、現代のモラルの尺度ではなく、その時代背景を踏まえて考えないといけない。と以前出口治明さんの本から学んだ。池上さんも似たようなことを言われており、歴史の正しい見方とはこうあるべきなのだと改めて感じた。ひとつの衝突から始まった出来事が、どんどん他の場所にも影響して波紋のように広がっていく様子を分かりやすく解説してくれている。
以下、本書より抜粋
「どちらの国から見るかによって、同じひとりの人物が英雄になったり、テロリストになったりする。世界の歴史はそういう視点を持って読み解かないといけない場合もある。ということを知っておいてください。」