あらすじ
経済はむずかしい。簡単に理解できる本はないだろうか。
こんなことが言われるのは、日本だけではないのですね。アメリカでもしばしば聞かれる声だそうです。では、それに応えよう。こうして生まれたのが、この本です。
この本は、『スタンフォード大学で一番人気の経済学入門 ミクロ編』に続くものです。原著は1冊にまとまっていますが、日本語版は、読者の便宜を考え、2冊に分けました。
まずはミクロ編を読んだうえでマクロ編に進んでほしい。著者は、そう考えて、この順番にしています。
マクロ経済学の「マクロ」とは巨視的な見方のこと。単にミクロ経済学を大きくしたものではなく、経済全体を大づかみにする学問です。
個々の企業や人びとの経済活動を分析するのがミクロ経済学ですが、そうした個々の活動の集大成の結果、一国の経済や世界経済は、思わぬ動きをすることがあります。
それを分析するのがマクロ経済学です。
著者のティモシー・テイラー氏は、経済学者。アメリカ経済学会発行の雑誌の編集に長年携わってきました。全米各地の大学で経済学の講義も担当し、スタンフォード大学とミネソタ大学では「学生が選ぶ講義が上手な教師」の1位を獲得しています。
アメリカの有名大学といえば、東はハーバード、西はスタンフォードです。極めて優秀な学生たちが熱狂したテイラー先生の講義とは、どんなものだったのか。この本で体験してみましょう。その教え方のうまさは、実際に本文を読んでいただければ明らかです。
経済の基本を、身近な具体例を引きながら、鮮やかに説いていきます。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
マクロ経済学の入門書。数式はほとんど出てこず、豊富な事例とともにマクロ経済学のトピックが網羅的に書かれているる。自分はマクロ経済については初学者だが、非常にわかりやすくストレスなく読むことができた。マクロ経済学の全体観を掴む上では非常に有用だと感じた。ただし、2013年に出版された本なのでトピックが少し古い
Posted by ブクログ
貿易ってなんか、国内の産業を衰退させる、悪い面があるイメージがあったんですけど、全くもって知識不足でした。グローバリゼーションはゼロサムじゃないんですね。
Posted by ブクログ
大学を卒業するのに必要な最低限度の経済学しか学んでおらず、かつそれらをすべて忘れてしまっていたので、AさんがBさんが、と例を交えて解説してくれる本書は非常にありがたい。量的緩和とか利上げとかインフレとかそういう仕組みなんね、、
終盤のグローバリゼーションのところ以外は筆者独自の価値判断も少なく、初学者にはかなりよさそうである。
Posted by ブクログ
先日レビューを上げさせて頂きました”スタンフォード大学で一番人気の経済学入門”のマクロ編です。GDP, インフレ・デフレ, 為替, 需要と供給等, 普段よく耳にするキーワードの多くが解説されています。とても判り易く、おすすめの一冊です。
Posted by ブクログ
マクロ経済について詳細に具体例を用いて説明している入門書であり、経済学に苦手意識を抱いている私にとっても非常に読みやすく理解しやすい一冊であった(わかった気になっているだけかもしれないが)
小難しい言葉ではなく平易な文章であるため、サクッと読める。興味があれば一読するのも良いだろう。
なお、本書の姉妹編であるミクロ経済学を先に読むことが推奨されているが、特に順番にはこだわらずとも理解できるという印象であった。
ミクロ経済学の方を読んだらまた違う感想になるかもしれない?
Posted by ブクログ
ミクロ編と合わせて読みました。
ミクロ編を読んでからマクロ編を、とのことでしたがどっちからでも変わらないかな…。むしろ日々のニュースをより深く理解するならマクロの知識があれば十分なのでマクロ編でも良いかも。
ミクロ編では基本一つの国の政策や補助金・給付金、お金の巡り方について語られていましたが、マクロはもっと大枠の金融政策・財政政策の話、貿易・為替が絡んできます。
よくニュースで目にする公定歩合とかそういったところです。
ざっくりとした考え方でも日頃のニュースの読み解き方が変わると思うので一度読んでおいて損はないと思います。
特に今の円安状況でネタには事欠かないかと。
Posted by ブクログ
約8年前の出版のため、ちょっと古いなと思う部分もあったが、大まかな経済の流れがよく理解できた。
何度も読みたい書。個人的にはミクロ版より分かりやすかった。
これ読んでから、もう一回ミクロ読むとまた理解が進むかも。
Posted by ブクログ
マクロ経済のマクロとは、巨視的な見方のこと。単にミクロ経済を大きくしたものではなく、経済全体を大掴みにしたもの
マクロ経済の目標は
1、経済成長
2、失業率の低下
3、インフレ率の低下
4、持続可能な国際収支
GDP=消費+投資+政府支出+輸出ー輸入
2種類の需要と供給を足したものは必ず等しくなる
「国民貯蓄」+「国外からの資金流入」(供給)=「民間の設備投資」+「政府の借入」(需要)
経済を考えるときには「短期的な対策」と「長期的な展望」をうまく共存させなければいけない。
Posted by ブクログ
マクロ経済には4つの目標がある。
・経済成長
・失業率の低下
・インフレ率の低下
・持続的な国際収支
経済成長には物的資本、人的資本の増加、技術の進歩が必要である。
失業には景気の影響によって増える失業と景気とは関係のない自然失業率あり、景気による失業を減らし、自然失業率に近づけることが重要である。潜在GDPが達成されている時失業率はゼロになる。
インフレかお金が多過ぎて商品が追いついていない状況である。
国際収支とはある国が一定期間に行った外国との経済取引の全体的な状況を示すものである。
金融資本の需要量と供給量は常に一致する。
需要→国内の物的資本への投資需要と政府による借入需要
供給→国内の貯蓄と国外からの金融資本の流入
貿易政策のみによって経常赤字が生まれるわけではない→保護貿易に経常赤字を減らす効果はない。
需要と供給のバランスを整える。
財政赤字を抑えて民間への投資を増やすことが経済成長のためにも必要。国外からの投資に頼らない財政政策が必須。
自由貿易
たとえあらゆる分野に強みがあったとしても規模の経済を利用してコストを下げるという点でも、分業した方が効率的であり、自由貿易は合理的であると言える。
為替市場
自国の通貨が強い時外国からの投資が増える。
自国の通貨が弱い時外国への投資が増える。
長期的に為替ルールは妥当な水準にある。
→購買力平価説
Posted by ブクログ
ミクロ編を読んでから読むのがおすすめ。マクロ経済の基本が分かるし、特にアメリカの景気対策の理解が深まる。マクロ経済を勉強すると、環境問題や紛争問題、移民や人権に関する問題についても理解が深まるだろう。
Posted by ブクログ
MBAのマクロ経済学の下準備のために購入。
非常にわかりやすい。
マクロ経済は比較的一般的知識で理解できそうとわかっただけで良かった。
所々池上さんの日本向けの注釈があり、ただ直訳を求めている人には不要かと思うが、私のような素人には助けになりました。
Posted by ブクログ
トランプ大統領の影響で保護貿易のことをニュースなどでよく聞くため、保護貿易の章が面白かったです。
経済学を学ぶことで、視野が広がると思いますし、少しずつより深く勉強していきたいと思います。
Posted by ブクログ
本格的な本に見えるけど、たぶん基本的なところを概要だけって感じだと思う。良い本なんだけど、改めて「この世で一番おもしろいマクロ経済学」は良書だったんだな、と。あっちは漫画だけど、改めてこっちの本を読んでみても、あまり新しいことを覚えた感じはしませんでした。
Posted by ブクログ
ミクロ編よりは難解だったが読み終えた。マクロの視点を学ぶと、個々の事象にどのような政策が効いてるのかを考える土台を培うことができると思う。今後は日本銀行や政府の政策のニュースを見て、自分の頭でどのようなことが行われているのか考えてみたい。
Posted by ブクログ
マクロ経済学の目標を示し、インフレを避ける理由、お金と銀行の仕組み、貿易の必要性など経済の基礎を例えを交えつつ、わかりやすく解説。アメリカ視点ながらもそれに捉われることなく、世界的な視野で解説しているので読みやすい。
Posted by ブクログ
金融資本の需要料と供給量は必ず一致する。
国民貯蓄+国外からの資金流入=民間の設備投資+政府の借入
国際収支が赤字ということは、国外からの資金の流入が多いといいうことだから、他の三つのいずれかが変化しているはず。経済成長で経常赤字を減らすには国民貯蓄率を上げればいい。貿易が増えるから形状赤字が生まれるわけではない。外国の貿易政策を経常赤字の理由とするのは間違い。
Posted by ブクログ
ミクロ経済に続き、一国や世界全体として経済を捉えること、マクロ経済を学ぶことの重要性を理解する。
普段何気なく見ているニュース、経済成長、インフレ率、失業率、貿易による国際収支、為替変動、株など、それぞれがどのような仕組み、要因によって動かさせるのか、政府が何を考え、どのような財政政策、金融政策を行うのか、外交でどのように考えるのかなど、理解できるとより深く考えられる。自分はただなんとなく聞いて流れがわかっているふりをしているだけだと認識する。経済を理解しようとすれば、世界での諸問題の環境、資源、人口や、各産業についてもグローバルな視点で考えることができると思う。
他の書籍も読みながら経済学を勉強しニュースなどを見ながら自分で考え、アウトプットしていきたい。
Posted by ブクログ
ミクロマクロ共通して、初版が2010年代前半のため、各種データが古い点はあるものの、instant economistという観点では、色褪せていない。
例えが平易で非常にわかりやすい。
自分の場合、恥ずかしながら大学でも経済を学ばず、診断士試験で初めて学んだレベル。
合格のための知識ということで、偏ったインプットを解消すべく読んでみたが、幅広に、かつ小難しくなく書かれている。タイトル通り入門書。
---------
・経常収支が黒字であることの1つの理由は、国民の貯蓄率が高いこと。
・新古典派は、供給が需要を生むという主張。供給が増える→売れて会社と従業員にお金が入る→そのお金が消費に回る。
・ケインズ派は需要がそれ自身の供給を生むという主張。なぜなら不況になっても潜在的な供給力は低下しないため。なので、財政政策で需要を増やす。
・供給は比較的安定しているが、需要はアニマルスピリットによる非合理的な判断が介在することで、不規則に揺れ動く。
・デフレによってもたらされた不況には、金融政策が効かない。例えばデフレ率が5%の状況で、仮に名目金利を0%にしたとしても、0-(-5)で実質金利が5%までしか下がらないため。
Posted by ブクログ
ミクロ編では、企業間の競争や技術の発展によって、市場がどのように動いているかを学んだ。マクロ編では、経済成長や国際収支など国レベルに範囲を広げて、市場と政府の関係について述べられている。ミクロはより身近な話題を、マクロではニュースなどで議論される内容を取り扱う。
経済成長のためには、金利やインフレ・貿易による資金の移動など様々な原因が絡み合っており、誰もその動きを完璧に読み解くことはできない。しかし、その傾向を知ることはできる。
お金の価値は、儲けが出ることを見越して、投資される。それは、銀行を通すことで行われるのでデータ上で金銭の移動が発生する。そして、貸した側はリターンを利子付きで返済してもらうことで、お金の量は増えていくのである。そのような取り組みが結果的にインフレやデフレとなり、経済成長に変化を起こすのである。
インフレ率が高くなりすぎると、物価が上がりすぎてしまい、商品を買うことがでいなくなってしまう。そのときは、金利を引き上げることで投資の意欲を引き下げる。すると、インフレの上昇を食い止めることができる。
また、国レベルでの投資が行われると、投資された国は資金ができる反面、儲けを出さなければならない。この現象が如実に表れているのがアメリカである。アメリカは財政赤字を減らすか、国民に貯蓄をしてもらうなどして投資されることによる赤字をいずれ減らす必要がある。
また、経済の発展および縮小についての一定の傾向であるセイの法則、ケインズ派というものがある。セイの法則は供給が需要を生む、ケインズ派は需要が供給を生むとされる考え方である。ただ、実際では短期的にはケインズ派、長期的にはセイの法則が重要になるとされている。
Posted by ブクログ
アメリカを中心にマクロ経済についてわかりやすく解説されている。ただ内容がどうしてもアメリカ経済についての内容が多いため、そこは日本の状況と照らし合わせて理解する必要がある。
Posted by ブクログ
マクロ経済政策の4つの目標
1.経済成長
2.失業率の低下
3.インフレ率の低下
4.持続可能な国際収支
これらの関係性を考えるためのフレームワークが、総需要・総供給モデル
3.失業率
賃金が均衡点よりも高い位置に固定され、そのため労働の供給量が需要量を上回っている状態。
企業側も、給料を下げることを出きるだけ避けたい。なぜなら、従業員のやる気を削ぐため。特に、優秀な人は他の会社に行く可能性大。
そこで、新卒採用減らしたり、仕事できない人をリストラしたり。。
Posted by ブクログ
学部で学んだ以来に経済学を復習しようと思って読みました。経済学履修者にとっては、グラスを用いたモデル分析とかも全く出てこないし数式とかも殆ど出てこないので読んでて全くもって新しい・難しいということは無いと思います。ただ、より一般の社会生活にどのような影響があるかといった実用性のところに重きが置かれているので、読み直す分には価値があると思います。財政・金融政策、インフレとデフレ、経済成長、自由貿易などマクロ経済の主要テーマを幅広く扱っているので、ふと気になった時に該当するチャプターだけ読んでもいいかも。
ただ、例えが殆どアメリカ経済に関することなので、日本経済の現状とかも併せて知りたい人にはお勧めできません
Posted by ブクログ
ミクロ編に続くマクロ編。
GDPや銀行、貿易に関する内容で、国の借り入れや収支など
どう計算するか、どういう考えかわかりやすく書いてある
インフレ率と年収の増加比率の関係性や、消費者がどう感じるかなど
わかりやすく書かれてあるので、興味がある人は一読すると良い
個人的にはミクロ編の方が面白かった
Posted by ブクログ
スタンフォードで経済学の講義を行う著者のマクロ経済に関する講義をまとめた一冊。
経済成長や政府が行う財政政策、各国の中央銀行が行う金融政策や為替や貿易など国家単位での様々な経済についての知識が本書で身に付きました。
本書で基本的や知識が身に付いたほか、どんな政策をとってもいい面もあれば、悪い面もあるということ、またアメリカでの話が中心となっているので日本とはまた経済の視点が違うことに面白さも感じました。
経済はインフレやデフレ、総需要や総供給、新古典派やケインズ派、保守派やリベラル派など相反する事象や思想のバランスをとるシーソーゲームのような一面があると感じ、政府や企業や金融機関や消費者といった様々な人達の思惑から形成されているのが今の経済状況でそこからバブルや金融危機が生み出されているということを本書を読んで理解できました。
本書を読んで長期的な視点と短期的な視点の両面からみて、今はどのような方向性に動いているのか考えることができる経済政策についての理解力がついた一冊でした。