【感想・ネタバレ】ニッポン 未完の民主主義 世界が驚く、日本の知られざる無意識と弱点のレビュー

あらすじ

首相交代は「禅譲」、コロナ禍の判断は専門家に頼り切り、日本学術会議の会員任命拒否の説明は支離滅裂……。大丈夫か、この国は。これじゃまるで、〝未開国〟。それもそのはず。なぜなら、戦後、ニッポンの民主主義は、世界の潮流をよそに独自の生態系に「進化」してきたのだから……。なぜ、検察を正義と誤認するのか。なぜ、「右」から「左」まで天皇制を自明のものとするるのか。世界も驚く日本型民主主義の実態を徹底分析。

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Posted by ブクログ

池上彰さん、佐藤優さんが相手だと、リミッターが外れてより鋭くなるような感じがする。想像するに、そういう読者層が読む本(著者)だからそれに合わせているのかもしれないな。内容的にはなるほどと思う箇所多数。

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2024年12月07日

Posted by ブクログ

二人が持つ広く深い知識に裏打ちされた問題意識を共有し、我々一般人に問題提起している。基本的に似たような問題意識を持った二人ではあるが、佐藤優が提起して、池上彰が噛み砕いて整理して読者に届けることで意識を高めるという設定がとても上手くはまっていると思う。
民主主義が絶対的なものではなく、意識して育て、守っていかないと全体主義の方向にスライスしていく可能性を多分に含んでおり、コロナ禍における各国の対応に表れたように、その傾き、ズレは少しずつ生じている。
日本は、民主主義を勝ち取ってきた国とは少し状況が異なるが、だからこそ日本型民主主義を守り、育てていかないといけないのだろう。
終戦直後に書かれた民主主義関連の本も読んでみようと思う。

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2024年04月14日

Posted by ブクログ

池上さん佐藤さんの対談はかみ合っている。
理路整然とした語り口で感情的な発言もないので、考えていることが素直に頭に入ってくる。
池上の「いかがなものか?」的な振りに、佐藤が池上に迎合することなく自分の意見を述べる。
お互い、発言内容を補足する情報を加えたり、反対意見を紹介したりと、読者が聞きたいことの答えが的確に返って来る。

右にも左にも寄り過ぎず、どちらの意見も否定せず、視点の違いと共に共通認識の部分も示してくれる。

政治や社会問題については、「権力者のご機嫌を伺いながらの発言しかしない」か「何でも批判しかしない」有識者・評論家が多い。
池上さんや佐藤さんも、気に食わない制度や人間に攻撃的な発言をするが、事実を言っているので否定できない。

佐藤さんは逮捕された恨みもあるのか、検察を「正義の味方」とは見ていない。
近年検察は不起訴の理由を明らかにしないことが多く、政権に忖度しているとも言っている。
検察には何らかの策略があって、(見せしめの)人を選んで処罰するという倫理観を疑う品性が見えるのも確かである。

池上さんも、安倍晋三の思想や人間性を皮肉る発言が目立つ。
安倍晋三にかぎらず、最近の政治家や組織のトップが、
「五輪が開催される東京の夏は温暖で、アスリートが最高の状態でパフォーマンスを発揮できる理想的な気候です」
「福島第一原発の汚染水は「アンダーコントロール(管理下にある)」状況にある」
「人類が新型コロナウイルス感染症に打ち勝った証しとして、完全な形で東京五輪・パラリンピックを開催する」
など、誰が聞いても嘘だとわかることを国民や全世界に平然と発信してしまう羞恥心のなさに呆れている。

政治や行政で嘘ばっかり聞かされ、指摘すれば下手な言い分けばかり聞かされ、次第に情報発信もしなくなっている。
政治家や評論家の嘘八百も「また言ってるよ」とスルーして終わりにする風潮が出来上がっている。

特に近年の日本は、政治に限らず議論を尽くし、理解し合う努力が足りないように感じる。

「開かれた民主主義のもとでは、政治において下される決定は透明性を確保し、説明を尽くし理解してもらうことが必要です。」
これは、コロナ禍での演説で当時ドイツのメルケル首相が国民に向けて発した言葉です。

この発言の数日後に「ガースーです」発言で叩かれた日本の菅総理は、コロナ禍での対策や意思決定のあり方が不健全でした。
行動の自粛を呼びかけながら「Go To」を推進する。要するに自己責任で行動せよという対策を国民に押し付けた。
真面目に国民に向き合った政治をしない態度に頭に来てましたよ!

この本で、「ポピュリズム」の精神を知った。
民主主義は話し合いを通じて物事を決める。その根本精神には個々の人間の尊重がある。
どの意見に従うかを決める手段として多数決という方法がある。
民主主義では少数意見も尊重する。
多数決で51%とったら「総取り」で、49%の反対者は無視していいという考え方がポピュリズム。
小泉純一郎、安倍晋三、橋本徹やトランプがポピュリストの代表。
橋下徹は大阪都構想をめぐる住民投票で反対が50.4%で否決されると、賛成の49.6%の民意をあっさり捨てて政界を引退した。

小泉政権以来、自民党の政治は民主主義ではなくポピュリズム路線になった。
池上さんと佐藤さんの共通認識は、
「投票率の低下に民主主義の危機を感じる。」
「政治への無関心は「深刻」のレベルにある。」
だ。

投票率が50%では、25%+1人の支持を得れば過半数で、残りの75%弱の意見は無視できる。
民意との乖離がかなりある、民意に背く政治が行われているのが今の日本。

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2023年08月26日

Posted by ブクログ

民主主義主義と自由は相反するもの。
一つの問題で決定を迫るポピュリズム、51対49でも多数決となり決定される。
そんな危うさも民主主義である。
分断が進み、知識の共有と参加が失われた社会になった場合、民主主義の未来は個人の力で守ることはできるのだろうか。

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2021年09月03日

Posted by ブクログ

コロナで分断がより進んでいる。
少数の意見は排除される。それではいけない。
謙虚に相手の話を聞き、とことん議論を尽くして物事を決める。時間はかかるがそれが民主主義だと思う。

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2021年07月25日

Posted by ブクログ

安定の佐藤・池上対談の一冊。
最新のトピックスを通して、日本と世界の政治情勢が語られる。
また、敗戦後すぐの時期に文部省が取りまとめた民主主義の教科書を取り上げ、民主主義とは何か理解するとともに、現在の民主主義の危機について理解できる構成となっている。
最後に取り上げられる民主主義に必要な「忍耐」についてはぜひ多くの人と共有していきたい。

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2021年07月10日

Posted by ブクログ

この2人の知識量はどこからきているのでしょうか。
日本の似非的民主主義はどこかで修正しなければなりません。
バイデン大統領のwe peopleの本義は面白いですね。

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2021年05月10日

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