あらすじ
教養とは、「過去を未来に生かす技術」です。
気候変動にパンデミック、データ経済とDX、人種・移民問題、米中新冷戦からポスト資本主義まで――。これからの世界を左右する6つのテーマについて、歴史やサイエンス、経済学の教養にもとづき、「そもそも」から講義形式でわかりやすく解説。累計46万部突破『おとなの教養』シリーズ(NHK出版新書)の最新刊。ニュースで取り上げられる問題の本質が見えてくる!
〈目次〉
序章 私たちは、どんな未来を生きるのか?
第一章 気候変動
第二章 ウイルスと現代社会
第三章 データ経済とDX
第四章 米中新冷戦の正体
第五章 人種・LGBT差別
第六章 ポスト資本主義
おわりに
文献案内
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Posted by ブクログ
2021年刊行。コロナ真っ盛りの時期で、本書の内容により知恵を授けられ、助けられた人も多かったろう。そして終章で紹介された故・宇沢弘文の提唱した「社会的共通資本」の考え方は、まさしく今の社会に必要なもの(かつ失われる危機に直面しているもの)だと思った。
Posted by ブクログ
今後の世界を左右するであろう6つのテーマを解説した本。
『おとなの教養』シリーズ3作目となる本書は、気候変動、ウィルスと社会、データ経済とDX、米中新冷戦、人種・LGBT差別、ポスト資本主義の6つのテーマについて、「そもそも」のところからわかりやすく書かれています。
教養を身につけるには、古典を読むだけではなく知識をアップデートすることも欠かせません。現代社会の問題点を理解することも教養の一環なのです。
Posted by ブクログ
相変わらず大変分かりやすいです。トマ・ピケティの書籍は色々なところで話題になっているにもかかわらず何が書いてあってなぜ話題なのかが示されていないことがほとんどでした。これについても限られたページ数で端的に説明しつつ、ポスト資本主義への言及が非常に力強いもので感銘を受けました。
Posted by ブクログ
現代において知っておくべき事柄を世界の視点でわかりやすく解説してくれる一冊。
文体も平易で読みやすく、とても勉強になった。さすが池上彰さんでした。
Posted by ブクログ
気候変動対策、感染症対策、米中新冷戦、デジタル化、新しい資本主義など現代の諸課題を、本当に平易な表現で分かりやすく論点整理されていて、読む側に考え、行動する視座を与えてくれているのがすごいと思います。読みやすかったので、サクッと読めました。
Posted by ブクログ
2022.6th
今作も非常に勉強になりました!
下に個人的に勉強になったことをまとめておきます。
「知らないと恥をかく」シリーズより因果関係が丁寧に説明されており、とても読みやすい(^^)
ありがとう!池上先生!
【勉強になったポイント!】
・なぜ温暖化で海面が上昇するのか?
→海水温度上昇による海水の膨張
・日本車が世界を席巻できた理由
→厳しい排ガス規制をクリアする企業努力によって、燃費が安く排ガスも少ない日本車ができた
・スペイン風邪が第二次
スペイン風邪で大量の死者が出て第一次大戦終了
→フランスがドイツに多額の賠償請求(アメリカのウィルソン大統領がスペイン風邪に感染して無茶な賠償請求を止められなかった)
→ドイツが紙幣を増刷し、ハイパーインフレ
→ヒトラーが政権を取り、第二次大戦に!
・DNAウィルスとRNAウィルス
→RNAウィルスの方が変異しやすい
・mRNAワクチン
→人工的にウィルスの遺伝子を作り、体内に注入
→抗体作りを促進(新型コロナワクチンはこれ!)
・ネット広告のオークション方式
→人気のキーワードで先頭に広告を出したい場合にはより高額な広告料を申請した企業が優先される
・GDPR(一般データ保護規則)
→プラットフォーマーのデータ濫用に歯止め
・米中新冷戦
→貿易戦争(関税課税の応酬)が一端
→ファーウェイ問題などのハイテク覇権争いが最大の要因
・トマ・ピケティの不等式
→r(資本収益率)>g(経済成長率)
・戦争は格差を縮め、平和な時代は資本主義によって格差が拡大する
・社会的共通資本の考え方
Posted by ブクログ
シリーズの第3弾です。
とは言いましても、巷に溢れる「教養本」に
あるように、「これを知っておきなさい」と
いう内容ではありません。
「今、世界はこうなっています。そこで君た
ちはどんな未来を目指しますか?」という問
いかけを与えています。
特にコロナ禍で執筆された本書は、未来とは
現在の延長ではないことがハッキリと示され
たのです。
未来は不確実であり、「どう生きるか」が大
切であると教えてくれる一冊です。
Posted by ブクログ
どの章も学びが大きいですが、とくにポスト資本主義の章がわかりやすかった。経済学者の宇沢弘文先生の「社会的共通資本」という考え方はこの本を読んで初めて知りました。宇沢弘文先生の本も読んでみたいと、刺激を受けました。
Posted by ブクログ
池上彰さんの本らしく、とても読みやすい。スラスラと読めてしまう。
テーマごとに分けられ、特にアイデンティティとこれからの資本主義のあり方について参考になる。
アイデンティティ政治が印象的で自分達のアイデンティティを、認めさせる事が大きな政治の要求になっている。
また、資本主義経済はどんどん格差を、広げている。今までは戦争、社会主義で格差を抑える要因になっていたのが皮肉なことだ。
しかし、現在の格差社会は資本主義経済の限界を露呈している。
富の分配、ベーシックインカムの導入も問われている。私は富を必ず分配すべきでしょう。資本主義ではなくもっと皆が楽しく暮らせる、共生を問うべきでは。
Posted by ブクログ
『おとなの教養』シリーズ第3弾。
今回は下記の6章で構成されている。
第1章 気候変動 - 地球はもう限界なのか?
第2章 ウイルスと現代社会 - 人類は感染症を克服できるか
第3章 データ経済とDX(デジタル・トランスフォーメーション) - 生活や仕事はどう変わるのか?
第4章 米中新冷戦の正体 - 歴史は何度も繰り返すのか?
第5章 人種・LGBT差別 - アイデンティティ政治とは何か?
第6章 ポスト資本主義 - なぜ格差や貧困はなくならないのか
どれも社会の動きに関する項目なので、大雑把には把握していた。しかし、本書に書かれていること、すべてを理解しているわけではない。
わかりやすい文章と、適度な文章量で、知識を補完するのに、ちょうどいい本だ。
池上氏はテレビでも解説をしているが、本を読んだ方が、時間も理解も早く、効率的である。
世の中の動きを理解したい人にお勧めしたい。
Posted by ブクログ
『知ら恥』シリーズを読んだので、本書のトピックはどれも馴染みがあった。教養という語からイメージする内容より、最近の時事問題についての解説といった感じ。この中ではDXと新型コロナについては、特に掘り下げた本を読みたい。台湾のように過去の失敗から学び、教訓を活かせる国になって欲しい。
Posted by ブクログ
コロナ後に出された第三弾ということで、コロナ禍で生まれた疑問や問題などにも対応していて、わかりやすい点では素晴らしい本だと思います。
しかしやはり教養というだけあって、どの章も導入感が強く、ここで興味を持って次のステップには自ら進んでくださいねという感じがしてしまいました。(たぶんそのような想定をされているので、致し方ない部分があるとは思いますが…)
Posted by ブクログ
気候変動、ウイルス、DX、米中新冷戦、人権・LGBT差別、ポスト資本主義についてが本書のテーマ。とても読みやすく、基礎知識や背景事情の概要を学ぶにはとても良い本。各テーマについて課題認識は示されているが答えはない。以下、印象に残った点。
・民主主義国家における感染対策では、人権とのバランスをとることが難しい。ある程度人権に踏み込んだ対策を行うためには政治に説明責任が求められるし、信頼される政治であることが不可欠(だが、日本はできていない)
・米中新冷戦はかつての冷戦のようにイデオロギーの対立ではなく、経済や安全保障、資源確保における対立。
・アメリカの黒人差別や移民の歴史について。独立宣言には黒人奴隷は想定されていなかった。また、南北戦争後も黒人は実質的に選挙に参加できなかったりと、差別行為が継続した。
・アメリカでは白人の低所得者が移民に職を奪われて不満が溜まり、トランプ支持につながった。
Posted by ブクログ
米中新冷戦、ポスト資本主義など、現在の国内外の問題について幅広く解説されている。
池上さんの他の著書同様、諸問題の導入としては良質な内容だと思った✨
Posted by ブクログ
オバマケアは、民間保険に加入する費用を補助するが、無保険状態の人も多い。
トマ・ピケティは、大金持ちが投資などによって得る利益のほうが、GDPの伸び率より高く、が拡大することを明らかにした。一人の大金持ちがお金を使うよりみんなに行き渡ったほうが経済は成長する。
Posted by ブクログ
池上さんの本はとにかく読みやすく世界情勢をあらかた知るのに手っ取り早いので、よく読んでいます。
この本は比較的「広く浅く」触れている気がします。
「知らないと恥をかく世界の大問題シリーズ」の方が、毎年更新されていて各章より深掘りされているので、最新の考察を追う時はこちらのシリーズを読んだ方が良いと思います。
今回は目次を読んで気になった
第三章 データ経済とDX
第五章 人種・LGBT差別
をピックアップして読みました。
DXに関してはメリットは勿論のこと、普遍的に広まることのデメリット(DX先進国で現在起きている問題)についての考察が興味深かったです。
DX先進国の中国やアメリカで起きている、個人データの取り扱いに関する問題や監視社会の問題、法律や人権の問題に触れています。
DX後進国の日本がこれから出来ることは、DX先進国の政策や柔軟性を見習いつつ、今起きている課題を自国なりに未然防止していくことが大事だと思いました。
「データが集まらないとデジタル化は進まない。しかし、データを簡単に集められるようになってしまうと、個人データの保護がおろそかになります?この二律背反を乗り越えるためには、国や企業と人々との間の信頼関係が必要です」
すごく難しく繊細な課題だと思います。
信頼関係をどう構築するか、データの使い道や個人データをどのようなシステムで保護するのか等、丁寧な説明を繰り返し訴えることも一手だと思います。
人種差別問題に関しては、特に昨今のBLM運動を中心に考察されます。アメリカの民主党、共和党のLGBTに関する姿勢の違いには驚きました。これほど真逆の対応とは。またアメリカでは今後白人が少数派になっていく未来があると知り、そのデータや宗教的観点の根拠説明を読み納得しました。
「多様性」が世界中で謳われていますが、アイデンティティを守りたい無意識のバイアスとどう向き合っていくかに焦点が置かれると思います。
「さまざまな人種や民族、性的指向の人など、多様な人々が自分のコミュニティに住んでいて、日常的に接する機会が増えれば、差別意識はかなり薄くなっていく可能性があります」
埼玉県蕨市のクルド人コミュニティの話も、以前メディアで観たことがあり興味を持ちました。
どういう経緯でクルド人コミュニティが蕨市に出来たのか、共生していく為にお互いがどのように歩み寄っているのか気になる所です。
Posted by ブクログ
未来をどう生きるかに焦点を当てた一冊。
コロナやデジタルトランスフォーメーション、アメリカの移民問題など話題は色々なありますが、1番、考えさせられたのが気候変動の問題でした。日本がかっては環境技術では最先端を行っていましたが、中国が先頭に立っていると言うのは驚きでした。考えてみると10億を超える人口や政治体制などを考えると、危機感が高いのが中国であるのは当然の結果と思いました。アメリカとの確執もあるかもしれません。
差別問題などで揺れる中国だけでなく、アメリカでも国人差別やトランプ政権の負の遺産の様なものも含めて問題は根深いですね。それでも人は学習しながら変化していくのでしょうか。
コロナ禍は富める者も、そうでないものも平等に目の前に現れる。そこでも、リモートワークができる者やそうでないものでリスクが異なってくる。
平等と言う理想は尊いですが、不平等であることが当たり前の社会になってきている事。ベーシックインカムの話がありましたが、仕事が限定されることで、仕事に就くものと就かないもので、格差はより大きくなるのではと感じました。
Posted by ブクログ
★今、知るべきことがちゃんと押さえられている。
気候変動、ウイルス、データ経済、米中新冷戦、人種・LGBT差別、ポスト資本主義
さすが池上さん、読みやすい。
Posted by ブクログ
私達はどんな未来を生きるか?をテーマに、6項目にわたり述べられている。興味深かったのは、
イデオロギーからアイデンティティの社会へ。
ベーシックインカムの導入。
アメリカ vs 中国。