谷崎潤一郎のレビュー一覧

  • 痴人の愛

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    感情表現が苦手だから、自分の気持ちや欲望に素直に生きる二人が只々羨ましかった。譲治みたいに「逃がすもんか!」精神で真っ直ぐに生きられたらもっと人生楽しめそう。感情を押し殺しそうになったらまた読みたい。

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    2026年07月12日
  • 細雪(下)

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    ネタバレ

    長かった……
    なんだか4姉妹が自分の知り合いのように思えてくる不思議な作品。
    それにしても幸子の下痢で終わるとは酷いラスト…
    死産も可哀想で妙子は自分の我を通すけどなかなか報われないなあ…現代人の僕からしたら最も感情移入できる人ではあるけどね。

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    2026年07月04日
  • 刺青・秘密

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    ネタバレ

    ※昭和32年発行の谷崎潤一郎全集で読みました。

    「刺青(しせい)」
    谷崎先生の処女作ですね。短いお話ですが、谷崎先生のフェティシズムがダイレクトに現れている作品であります。登場人物は 刺青を入れるための理想の女を何年も追い求める若く腕利きの刺青師の清吉とその眼に叶った若い女。私としては、短すぎて人物の心理描写が十分になされていないので 刺青を彫られただけで女がまるで人が変わったかのように自信をつけた意味がよくわからず釈然としないまま読み終えました。冒頭の「其れはまだ人々が「愚」と云ふ貴い徳を持って居て…」という一文は銀魂の冒頭のようで好きです。

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    2026年07月03日
  • 人魚の嘆き(乙女の本棚)

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    初めての乙女シリーズ
    表紙やイラストの美しさに思わず手に取った。
    読めない漢字もたくさん出てくるが
    耽美な雰囲気はさすが谷崎潤一郎。。
    お話としてはもっと人魚や南蛮人、
    この先を知りたかった。
    ビアズリーのサロメの挿絵も調べて
    なるほど通ずるものがあると思った。

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    2026年06月29日
  • 春琴抄

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    変わらず、谷崎作品。
    近年、再販されたものではないせいか、読みにくいところがあった。
    盲目の美少女、春琴と春琴のお世話を甲斐甲斐しくする佐助のお話。
    純愛物語と書いてあったりするけど、そうなのだろうか…
    盲目になってしまったこともあり、わがままで傲慢な春琴。30代にさらなる悲劇が春琴を襲うけど、自業自得とも思える。
    佐助との子供も決して佐助との子だとは認めず、さらには養子にだす。
    佐助との主従関係はずっと崩さず、結局佐助は自ら失明してしまう。
    子供達は全て養子にだし、死ぬまで主従関係を貫き、盲目になり…それでも佐助は昔の美しかった春琴を思い出し幸せに浸る。佐助は歪んだ愛でも幸せだったんだろーな

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    2026年06月27日
  • 春琴抄

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    ネタバレ

    映画春琴物語の一場面を目にした記憶がある。現代文の授業で流れたのか、国語便覧に載っていたのかは覚えていないが、着物の男性と針が映っていて目を背けた気がする。

    春琴抄はあくまで伝記というか、本人たちの台詞や心理描写がされるわけではないのでいささか思ったのとは違った。句読点のない文体に慣れるまでが非常に読みにくく、最初の数十ページがしんどかった。

    春琴と佐助がメインになってからはスルスルと情景が入ってきた。何故佐助がここまで春琴に心酔しているかが書かれず、ショーケースの中を見ている気持ちだった。

    春琴は火傷事件のあと、人が変わったようになってしまったのは少し心が痛んだ。それほどの振る舞いをし

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    2026年06月19日
  • タナトスの蒐集匣 -耽美幻想作品集-(新潮文庫nex)

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    『男はもはや孤独を怖れる必要がなかったのです』
             桜の森の満開の下 坂口安吾
    『誰かが後にいて、じっとその視線を彼女の上に集注しているような心もちである』 影 芥川龍之介
    『そこの二階の六畳は、二人にとって唯一の世界であった』       芋虫 江戸川乱歩
    『那時あの妓ーは緋の長襦袢を着て居ました。月夜のような群青に、秋草を銀で刺繍して』
             浮舟 泉鏡花
    『この美しい若衆はもて囃されていた』
              身毒丸 折口信夫
    『落盤に鎖された真暗な隧道の中で、十四郎は恐怖のために変貌を来たしてしまい』白蟻 小栗虫太郎
    『この足こそは、やがて男の生血に肥え太り

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    2026年06月19日
  • 新装版 細雪 下

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    とうとう雪子が嫁に…
    幸せになれるかな?良い夫婦になれるかな?
    妙子はどうかな…?
    色々と先が気になるところで終わってしまった。

    それにしても、まるで蒔岡一家の姿が目に浮かんでくるくらいリアルに物語が描かれていた。
    谷崎の文章は美しく、コテコテの関西弁もまた美しく、世界観に引き込まれた。

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    2026年06月15日
  • 痴人の愛 アニメカバー版

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    ネタバレ

     無垢なナオミを自分好みに育てているうちに、いつの間にか自分の方が従えられる立場になった譲治目線の物語。ナオミの浮気癖に激怒しながらも、結局はナオミの魅力に負けて受け入れてしまう譲治が心に残った。

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    2026年06月09日
  • 文豪たちの微妙な関係

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    やはり芥川、太宰、オダサクは面白いね。スルスル読めちゃう。安吾、中也は初見読みづらいが読み込むと面白さが出てきそう。初心にたちかえり、この辺の小説を読み返したい。汚れちまった自分にもまだ響くのだろうか。しかし文豪は短命が多い。タバコ吸いで、ストレスまみれで、寝不足で、酒飲みでないと文章は生まれないのかな。

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    2026年06月04日
  • 谷崎マンガ 変態アンソロジー

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    もんくなく面白いです。本オフの割引セールの時に
    ぶらぶらしていて発見し、回収した。
    『谷崎万華鏡』の文庫版で、もちろん万華鏡は持っているが
    文庫特別付録がついていたので、それはもう回収せねばなるまい。
    しかも、138円(そこからの割引)
    おまけは対談山口晃×近藤聡乃
    インタビュー古屋兎丸/中村明日美子
    裏話マンガ榎本俊二などなど
    谷崎マエストロ、学生時代に私ももれなくドハマりして
    読み耽り読み漁り、さらに再読しまくった。
    アオハルやねぇ。
    私の中では谷崎三島川端は青春と耽美のシンボル(どんな青春よ)
    もちろん、他に好きな作家で読込み入れ込んだ作家もおったし、
    なんならメイン研究対象は漱石だった

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    2026年06月02日
  • 卍(まんじ)他二篇

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    巻末の解説(千葉俊二氏)に「ひとりの性的不能者からはじまった異常性愛の連鎖がひとつの破局にまで至る過程をほとんど数学定正確さをもって緻密に描き出したこの「卍(まんじ)」は、谷崎文学の極北を示した傑作ということができよう」とあった。
    この作品が書かれた当時の社会、慣習、常識、文化、文芸などの背景から、その内容、描写スタイルなどから、退廃的、耽美的と評された事は理解出来た。
    ただ、同性愛を描いた耽美的作品、とのイメージから、勝手に煽情的な描写、世界が展開されているものと想像していたが、扱う内容はそうでも、描写は流石にそんなものではなかった。

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    2026年05月11日
  • 春琴抄

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    ネタバレ

    今年はこういう作品をたくさん読もうと思う。
    谷崎潤一郎といえば、私の中では、昔読んだ『痴人の愛』の異常な愛欲に、共感はできずとも鮮烈さを残した。
    『春琴抄』やはりその異常なところを残しつつ、さらに磨きのかかった美しい珠のような愛のお話。

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    2026年05月10日
  • 谷崎マンガ 変態アンソロジー

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    一流の漫画家さんたちが独自の解釈で谷崎潤一郎の小説をマンガにしている。なんて面白そうな企画!と飛びついた。
    とても面白いのもあれば、個人的には微妙、、というのもあった。
    この前に台所太平記を読んで、その挿絵がたまらなく良かったのでこっちを読んだってのもあるので。
    谷崎の作品は、直接的に政治的な意図とかはほぼ感じない気がする。けれど行間を汲み取り、書いている時の谷崎の心境を想いながら読むことで見えてくるものがあって。いろいろ言われたりめんどくさいことが嫌だったのかな。グロかったり怖い女を書いてるけど、なんかしらカラッとしてて恨みごとが見えない谷崎潤一郎の小説がやっぱり好きだなと。
    マンガっぽいよ

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    2026年05月07日
  • 卍(まんじ)

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    登場人物は、徹頭徹尾大阪弁の文字なので慣れないとしんどいです正直。タイトルの意味は、美貌しか魅力がない光子を中心とする、園子との同性愛と、園子の夫の孝太郎と、光子の情夫の粘質な綿貫が絡む相互不信のこころ模様をまんじになぞらえたと思われる。とにかく常識人の私は光子に腹が立ちますが、しかしすべての人がその光子に振り回されて止められない事実こそ耽美主義の根幹です。ラストにへんなかたちでキーパーソンとなる女中の5人が登場します。中身はもろ少女漫画で、何度も映画化された魅力はわかりますが、実在の人物で光子を演じさせるのは非常に難しいと思います、私のイメージだと真田広之を不倫に走らせた葉月里緒奈のような女

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    2026年05月05日
  • 春琴抄

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    第三者が日記を解説する形で進む形式であることや解説も充実していることなどがあり内容が理解しやすかった。

    初めは句読点がないことに苦戦していたが読み進めるうちに慣れてきてスラスラ読めるようになってきた。

    自分が敬っている師匠とはいえあれほどの忠誠を誓えるのは凄いと感じた。
    手厳しい稽古などは耐えられたとしても顔を見られたくないという春琴の思いを汲み取り自ら針で目を指し失明するという行為をとれる人はそういないだろう。

    視力を失っても春琴と同じ世界を過ごしたかったという佐助の思いの強さには感動した。

    春琴と佐助が最期に共にすごした空に向かって真っ直ぐに飛んでいく雲雀の行方を盲目の2人が聴覚だ

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    2026年04月27日
  • 新装版 細雪 中

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    前作よりも妙子についてのお話が多く、なかなかは波乱に満ちた内容だった。

    谷崎潤一郎は人の心境や考えを詳細に文章化してくれていて、登場人物の細やかな心の変化がよくわかる。
    個人的には、雪子や妙子の気持ちがもっと知りたいけれど、これは読者側が推測するものなんだろうなぁ。

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    2026年04月23日
  • 魔術師(乙女の本棚)

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    乙女の本棚シリーズ。
    魔術師というタイトルですが、魔術師の目線や心情の描写は一切無し。中心人物は主人公の男性とその彼女。

    主人公の男性は、怪しげで退廃的な物に美しさを見出す人物であるとされているんですが、物語の中の印象では主体性が無く感じられ、周囲に流されやすい人?という印象を受けました。(あえてそういう描写をしているのか?)
    結末も、流されやすさ故なのか。でも物語の冒頭は、主人公らしき人物の回想で始まっているので、一時的な物だったのか…。どう受け取って良いのか分からず、モヤモヤする作品でした。

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    2026年04月16日
  • 春琴抄

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    盲目の美しい三味線師匠・春琴と、彼女に仕える奉公人・佐助が、被虐性愛(マゾヒズム)に傾倒しながらも、それすらをも超える究極の耽美主義と壮絶な愛を描く。『鵙屋春琴伝』という小冊子や、周囲の証言をもとに二人の人生が掘り下げられていくモキュメンタリー作品となっている。フィクションだと分かっていながらも、本当に二人は実在したのではないか、本当にその本が存在するのではないかと錯覚してしまう。昭和初期の文章であるがゆえ、読みづらさは否めないが、それでも情景がはっきりと浮かび上がってくるので、一気に読み終えてしまった。

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    2026年04月04日
  • 作家と猫

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    ネタバレ

    松田青子さん 選ばれし者になりたい
    「皆好きな巨猫に食べられたらいい。私はもちろん巨猫のグーちゃんに食べられたい。そしてグーちゃんの一部になりたい。私の心もちょっとだけグーちゃんの中に残ったらいい。グーちゃん、そしたらゴジラみたいに、あいつとあいつとあいつ、それからあいつも踏んづけに行こうね。あいつとあいつ、バリバリ食ってやろうね。」

    が好きです。

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    2026年04月02日