谷崎潤一郎のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
鍵も瘋癲老人日記も、描写より話で読ませる作品です。
一般人が書いた日記の体裁をとっているので、そりゃあいつもみたいに匂い立つような艶めかしい描写されちゃあびっくりですもんね。
もう断然、瘋癲老人日記の方が面白いです。
タイトルからしてイカれじじいの日記ですよ!?
金持ちでドMで足フェチのおじいちゃんが息子の嫁に欲情して、足をしゃぶらせてもらったり、泣きながらペッティングさせてと強請ったり、実の娘には2万を出すのも渋るくせに300万もする指輪(当時の価値では2~3000万位じゃないですか!?)を買ってやったり、ひっぱたかれて逆に興奮しちゃって血圧200オーバーしたり…
なんなの、このイカれじじい!?
遂には息子の嫁の足をかたどった墓石の下に入りたいだなんて、死んでまで踏みつけられたいんかいっ!!
いくら文豪とはいえ、こんな赤裸々でえげつないものを書いて、それが純文学なの?
田山花袋の布団も大概ですけど、もうこれエンタメなんじゃないですか?
とても愉快に読んだのですが、もしかするといつか、ものすごく嫌いな本になるかも知れません。
こういうのを受け付けなくなるかもしれません。
その位インパクトの強い本でした。
11.12.15 -
Posted by ブクログ
所謂"文豪"と呼ばれる人々の書にこれまで触れてこなかったが、三十路を迎え、読んでみることにした。
まず驚いたのは現代の小説に慣れ親しんでいる自分が、驚くほどするするとその文章を読むことができたことだ。知らないはずの当時の情景までも浮かぶ緻密な描写だった。
恥ずかしながら『刺青』~『幇間』において、面白さがわからず、文章の読み易さのままにだらだら読んでいたが、『秘密』と『異端者の悲しみ』は特に面白かった。特に後者に関しては主人公が「こういう奴クラスに1人はいるよな」と思い、インターネットで"チー牛"だの"親ガチャ"だのと騒いでいる人々に強く薦めてみたいと思った。
文章の良さについては解説にて永井荷風が絶賛した事柄が書かれているため、そちらを読むとよくわかる。
ただ、私には上にあげた2作のみしか刺さらなかったので、星3つとさせてもらう事にした。