【感想・ネタバレ】人魚の嘆き・魔術師のレビュー

あらすじ

南京に住む憂愁の貴公子が、北国の冷艶にして水中の妖魔たる人魚に激しい恋をする「人魚の嘆き」、妖麗な魔術師に魅せられ欲望のままに半羊神と化す「魔術師」。大正期の耽美的な幻想譚二編。水島爾保布による美麗な挿画二十余点、カラー口絵二葉を完全収載。
〈註解〉明里千章〈解説〉中井英夫/前田恭二「水島爾保布小伝」

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Posted by ブクログ

今年の谷崎潤一郎。美しくてため息が出る。
てっきり食べられちゃうのかと思ったし(人魚)、公園前の乱痴気騒ぎが異常すぎる(魔術師)。
挿絵も多くてご褒美的な一冊。

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2024年07月24日

Posted by ブクログ

初めて谷崎潤一郎の小説を読んだ。
美しい日本語と文章が印象深い。
以前読んだ小説のエピグラフに「魔術師」が引用されていて、とても気になり手に取ってみたけれど読んで良かった。

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2024年07月15日

Posted by ブクログ

2作品とも、どこか絵本や民話のようなお話。この世のものとは思えない美しさに魅入られる人間。
旧仮名文字のまま収録されていて、今はほぼ使われていないような美しい言葉にどきどきする。注釈はあるが自分で意味を予測しながら読むのも楽しい。
また、水島爾保布の挿絵が美しすぎる。水島氏に関する解説も丁寧なのでとても良い。谷崎はやっぱりおもしろい。

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2022年12月11日

Posted by ブクログ

挿画が目的で読みました。
100年以上前の作品を、当時の挿画そのままに出版している中公文庫に感謝。楽しめました。

半月ほど前に、別の文庫本で「魔術師」を読んだのがきっかけ。その際の感想は下記のとおり。読み直してよかった。表紙画、扉絵でもう気分が高揚します。ただ、挿画は「人魚の嘆き」の方が良かったかな。巻末に両作品の挿画を描いた水島爾保布の小伝が収録されているのも嬉しいです。
「人形の嘆き」「魔術師」ともに衒学的で独特の文体ですが、描かれた背景などは中井英夫による解説に詳しいです。

『魔術師』
デビュー7年後の大正期の作品。西洋やオリエント等々への憧れを絢爛な文章で並べ立てた幻想文学。「乙女の本棚」向きだなと思ったら、既刊でした。中公文庫版の「人魚の嘆き・魔術師」の挿絵が素晴らしいそうなので、今度見てみようと思う。

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2025年09月14日

Posted by ブクログ

かなり良かった。丁装と挿絵が美しいだけでなく、日本語の美しさも際立っていた。「人魚の嘆き」「魔術師」どちらのお話も主人公が美しさに魅せられるお話なので、どこをとっても美しい本、という感じだった。
谷崎潤一郎は「痴人の愛」を読んだことがあったのだが、文体が古い(固い)割にスルスルと読めるのが特徴だなと思う。
実際には本の1/3程が註解と解説なのだが大満足だった。

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2023年11月03日

Posted by ブクログ

水島爾保布によるカバー画・口絵・挿絵を収録した『人魚の嘆き・魔術師』(春陽堂、1919年)を文庫で再現したもの。

若くして莫大な資産を受け継いだ中国の貴公子がオランダ商人から人魚を買う『人魚の嘆き』、美貌の魔術師が操る魔術を見に行く『魔術師』は、どちらも耽美的な作風の大正六年(1917年)の短編。仰々しい漢語が多いのが少々読みづらい。ビアズリー風の水島爾保布の絵は作風にマッチしていて、とくに肉感的な人魚が印象的。巻末の水島爾保布小伝も興味深い。

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2023年05月19日

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