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エスカレートする遊びの中で、少年と少女が禁じられた快楽に目覚めていく「少年」、女に馬鹿にされ、はずかしめられることに愉悦を感じる男を描く「幇間」、関東大震災時の横浜を舞台に、三人の男が一人のロシア人女に群がり、弄ばれ堕ちていく「一と房の髪」など、時代を超えてなお色鮮やかな、谷崎文学の真髄であるマゾヒズム小説の名作6篇。この世界を知ってしまったら、元の自分には戻れない。
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Posted by ブクログ
語注が少なくて読むのに少し手こずったけど、面白くってどんどん読みました。 『少年』はたしか古屋兎丸先生のコミカライズがあった気がします。光子ちゃんがこれまた嗜虐的で妖しい魅力のある女の子なんですわ。登場人物の年齢が皆まだ幼いという点も、個人的には刺さる部分があったりします。 『幇間』に登場する三平...続きを読むはまさしくprofessionalで、よくぞ収録してくれた! と勝手に快哉を叫んでいました(笑)。 『麒麟』は、言わずと知れた孔子が登場する『論語』での一篇を、谷崎なりに解釈した作品。これぞ魔性の女! 愉悦に浸りながら囚人の惨憺たる様相を眺める南子夫人の獰猛な美しさを孕んだ瞳は、ものすごい誘惑だったと思います。 『魔術師』は、谷崎のエキゾチックな趣味が全開の傑作です。舞台装置から何から何まで劇的で、「嘘っぽい」と批判してしまえばそれまでですが、このごちゃごちゃした、けれども魅力的な世界観こそ、谷崎文学の真骨頂だとも思います。 『一と房の髪』もエキゾチック趣味が見え隠れしています。当時流行った活動写真などの風情すら感じますが、個人的にはそこまで響きませんでした。 『日本に於けるクリップン事件』は本文中に「マゾヒスト」と触れられているように、谷崎自身のマゾヒズム解釈が含まれていて興味深かったです。蓋し芥川龍之介は、谷崎文学のこのような面を否定したのですけれどもね。締めにはちょうどいい作品でした。
ドMを文学に昇華した谷崎潤一郎は偉い! マゾヒストは一種の演じ手であると語っているあたり、そうだなぁと深く共感するし、空想を伴うこの行為が作家にいい刺激を与えたに違いない。 特に好きなのは「幇間」「日本に於けるクリップン事件」の2つ。女性に虐げられたい男の快楽と真のマゾヒストの心理を語っている物語に...続きを読む、谷崎のマゾヒスト的考え方、空想の楽しさを垣間見れて、なんだか嬉しくなった。 そして最後にみうらじゅん氏の鑑賞がある。共感するところが多々あるので、やっぱり私は変態かもしれない。
やっぱり 谷崎の 惹かれるところは どうしても ここ。 谷崎にふれたことが ない人にも ぜひ 読んでほしい一冊。
全ての作品が、本当のことのように感じました。 フィクションであるとは、感じません。 その原因は、行動・心理の、近さ、と言いますか、そこで起こること起こること、考えること考えることに違和感を感じないのです。 あの『一と房の髪』での露西亜人に対する描写のなんと麗らかなことでしょう。私にはその露西亜人の体...続きを読むの全てが、手に取るようにわかります。 三人の男の心理も同様に、私には理解ができます。 それと、『一の房の髪』の◯◯の部分はなんですか!超気になります。読めないんですかね。 『魔術師』について、ちょっと思うところを書いておこうと思います。 あの魔術師は、手品師であると同時に催眠術師である。つまり、手品師+催眠術師=魔術師になりうるのです。 どういうことかと申しますと、ご存知の通り、催眠術師は、人を自由に操り、猿だの、象だの、何か動物などに変えて、その人を操ることができてしまいます。 しかし、それを外から見ている人間は、催眠術にかかっていませんから、当然、その人が、滑稽な真似事をさせられているように感じます。 ここで、観衆全てに催眠術をかけられたらどうでしょうか。 催眠術を、「メインに」かけられる人、と「サブで」かけられる観衆。この構図では、術師以外のすべての人間が、催眠術にかかってしまいます。 メインにかけられる人は、「◯◯になりなさい」と、暗示をかけられ、サブにかけられる(実際の催眠の深度としては、とても深く、催眠深度としては、メインをも超越しなければならないと思います。ここで言う、「サブ」とは役割のことです)観衆は、「あの暗示をかけられている人間は、◯◯だ」という暗示をかけられるのです。 ここまでの深い催眠を、あの情景のような、大きな場所で、大人数に対して一斉にかけるというのは、いささか不可能のように感ぜられるでしょう。 しかしながら、それを、可能にするための、まさしく「ギミック」が、「手品」なのです。 手品では、催眠状態なしで、不思議な事が、現実に起こります。 それを信じてしまう観衆は、もはや催眠導入にはもってこいの状態になるのです。 更に、言えば、術師の美貌や、劇場の場所(木々が怪物に見えるなど、すでに軽い催眠状態であります)も重要で、それを、術師は完全に計算し尽くしていたと思えます。 谷崎はどういうつもりで、これを書いたのでしょう。とても催眠・催眠状態のことを知らない人間が書いたとは思えないのですが……。
エロティシズムとしてのM性に訴えてくるのは、最初に収録されている「少年」くらい。後はモチーフや設定としてマゾをとりあげてはいるが、それに由来する人間の心理の複雑さであったり、耽美の追求であったり、マゾヒズムとは何かという解説であったり、どちらかというとマゾヒズムという「世界観」を冷静に描写していると...続きを読むいう感じ。一方で「少年」には、おふざけの遊戯の成り行きから年上の少女に支配される行為の蠱惑さそのもの、つまり萌芽ではあるがエロの官能そのものが描かれていて、これを恋愛として昇華すれば谷崎なんだろうけど、これをさらに人として超えてはならない猟奇や変態として追求すれば江戸川乱歩だなぁと思った。この2人の作家の関連性を調べてみたら、なんと完全な同世代作家同士でどうやらお互いにリスペクトする間柄だったようだ。純文学作家のイメージの谷崎潤一郎と娯楽小説作家の江戸川乱歩の境界は原初的にはないも同然で、官能小説の中には純文学のような感情の機微を描いたものもあるだろうし、純文学もエロ目的で読めないこともないのと同じだなと思った。
サービスのS、身勝手のM。なるほどね。今まで深く考えたことはなかったけど、そういうことか。 幇間はわかってしまった…
レジに持っていくのをためらうタイトルとは反対に、ポップな装丁。 楽しめる人と拒絶する人に分かれそう。 谷崎が好きなら問答無用で受け入れるか。 「少年」のエスカレートしていく感じがやばい。
比較的初期の短篇を6篇集めたもの。他の文庫なら、タイトルは普通に「少年・幇間」などとするところを、あえて『谷崎潤一郎マゾヒズム小説集』と銘打った。これで新たな読者を開拓しようとの目論見だろうが、『フェティシズム小説集』とともにまずは成功か。ただし、これだと例えば篇中の「少年」等をマゾヒズムの枠組みに...続きを読む固定してしまうことで、他の要素から遠ざけてしまうという欠点も併せ持つ。「少年」、「幇間」、「魔術師」などは耽美、幻惑、哀しみに満ちており、谷崎の筆法は冴えに冴えている。それぞれの短篇は長編に優に匹敵する密度だ。
「幇間」、何度読んでもいい。あの最初の舟と河岸のにぎやかさ、あれを味わうために「幇間」を何度も読む。最後の一文も徹底してていい。 確か新潮文庫だと「刺青」に入っていたはず。 「麒麟」は初めて読んだ。中国を舞台にした(孔子とか)作品で、南子夫人の悪さがいい。
「マゾヒズム」っていうワードと表紙に惹かれての衝動買い(●^o^●) もやもやっとしたまだ「芽」のようななんとも言えない感じがいい。 一番最初の少年たちの話は読んでてかなりどきどきした^^ ・・・これって、やばいかなぁ(^_^;)
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