谷崎潤一郎のレビュー一覧

  • 細雪(上)

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    海街diaryを読んで、姉妹の話ということでずっと気になってたこの本を手に取りました。
    大学が休みの間、時間をかけて全巻読もうと思います。
    雪子はPerfume のかしゆかでイメージしてます。

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    2021年02月07日
  • 秘密(乙女の本棚)

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    マツオヒロミさんは前々から作品を拝見していて、素敵なイラストを描かれる方だと思っていたので読む前から素晴らしい作品だろうとは予想していたが、その予想以上に谷崎潤一郎の世界観にぴったりと合っていた。
    馴染みがなく、最近の文章と比べると読みにくく感じる文体だが、絵のおかげで挫折せず読むことができる。

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    2021年02月07日
  • 陰翳礼讃

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    松浦弥太郎さんのセンス入門を読んだ時から気になっていた1冊。
    陰翳礼讃を含めた短篇集であったが、全てを通じて言えることは、今一度我々の国、日本と言うものの文化の優美さや趣深さを再認識することが出来るということである。

    今回はとくに陰翳礼讃について書こうと思う。

    近現代となるまさに転換期、様々な西洋の文化が輸入される時代背景の中でこのような文章を書けること自体がまず私にとって衝撃であった。
    モダニズムの流行による光の捉え方の変化、それに対して、"影"こそに日本古来の本当の良さを見出す感性に感服である。
    これは私事であるが、今まで西向きの角部屋で生活しており、日当たりの悪さ

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    2021年02月03日
  • 卍(まんじ)

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    「卍」は吉祥の徴と聞いていたのだけれど、この作品に限っては、捩れた情愛の兆だったようです。
    正直、「その三十」に来るまでは、「なんでこのタイトルにしたんだ?三つ巴くらいがちょうどじゃない?」と思っていました。
    「今まで読んだ谷崎より全然気持ち悪くないや」と侮ってさえいました。
    それが、「その三十」を読んだ途端。
    それまで確かに見ていたはずのたおやかな大阪弁たちは曖昧に去り、気づけば、赤地にぬめりと刷り込まれた「卍」が頭の中を埋め尽くして。
    男女四人の情愛が、崇敬が、執念が、ぐるぐるぐると、「卍」のように誰もが誰にも追いつけないまま回っているような。
    それでいて、誰かと誰かは繋がり合っているよう

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    2021年02月01日
  • 細雪(中)

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    上巻は雪子の縁談が軸であったものの、二度の頓挫の後は新たな話も出て来ず。
    その代わりに本巻では姉妹の内で最年少の妙子の恋愛が主題になる。
    結婚において家同士の格式を重んじる槙岡家だけれど、妙子は当人同士の意思が第一と考え、女性もこれからは手に職を持つべきと、進歩的な存在として描かれる。
    その彼女が家同士が同格の許嫁であった奥畑の遊蕩ぶりに愛想を尽かし、水害の折助けに来てくれた奥畑家の丁稚であった板倉との関係を深めていく。
    緩やかな物語が劇的・悲劇的な展開に。
    けれどその格の違う恋愛が、実は雪子を縁遠くしていたという。

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    2021年01月06日
  • 細雪(上)

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    かつて富貴を誇っており、今は没落しつつある槙岡一家の美人三姉妹の生活を描いたもの。
    本家にはもう一人長姉がいるけれど、今のところ影は薄い。
    分家の長であり、槙岡家の次女の夫である貞之助が考えている通り、三姉妹には時間の感覚が希薄。
    そのせいで周りがやきもきすることもあるけれど、その緩やかさによって雪子のお見合いという現実的な主題にも関わらず、平安文学を読んでいるような気にさせられる。
    一文一文が長く、しかも優雅な言葉が遣われているのも、その感覚に寄与しているかも。
    花見の描写は、近現代のものとは思えない美しさ。

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    2021年01月03日
  • 秘密(乙女の本棚)

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    マツオヒロミさんの絵が好きで買った本なんだけど、絵と物語の世界観がものすごく合ってる!
    色っぽくて儚い感じがとても好き。

    谷崎潤一郎は初めて読んだけど、面白かった。
    秘密って、秘密だから魅力的なんだなー。
    主役の男の人はこの先どんな体験をするんだろう?

    他の谷崎作品も読んでみようと思わせてくれた1冊でした。



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    2021年01月01日
  • 猫と庄造と二人のおんな

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     猫のリリーの、何と妖艶なこと。

     谷崎潤一郎は、女の魅力をテーマに据えることが多いが、今回の「女の魅力を持つ女」は、主人公の妻でもなく元妻でもなく、リリーただ一匹。

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    2020年12月26日
  • 秘密(乙女の本棚)

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    絵の力!そしてレイアウト。
    まるで映像を見ているみたい。こんなに小説の世界が立体的になるなんて。
    そして落ち着いた文章はやっぱりいいなぁ。
    この続きがあるのなら、世間知らずの甘えん坊坊ちゃんが、本当の闇の世界に足を踏み入れて落ちていく章を読んでみたい。
    これは小さい男の子のちょっとした冒険譚みたいなお話。
    他の作品も読んでみたい、素敵シリーズ。

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    2020年12月06日
  • 春琴抄

    A

    購入済み

    複雑なのか単純なのか

    込み入っているわけでもなく
    とくに難しいわけでもなく
    文章としても読みやすく
    いってみれば解りやすい内容とも言えるものなのに
    そうとは言いきれない何かを感じる本でした。
    単に、自分の人生経験が足りないのだろうか、
    折り返し地点も過ぎたというのに。

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    2020年11月21日
  • 猫と庄造と二人のおんな

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    品子の目線からの猫の描写がとにかく愛おしく、何度も読み返してしまった。福子と品子の庄造へのいらだちと隠しきれない愛情(や未練)の描写が、いい意味で"男性が描く女性"らしくて良かった

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    2020年11月03日
  • 谷崎潤一郎犯罪小説集

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    ネタバレ

    これが書かれたのが100年も前だなんて。
    谷崎潤一郎は、ミステリもいけるのだ、さすが大谷崎…!
    さて。谷崎潤一郎と言えば、耽美とか悪魔主義とか…あとは女性の美しさを余す所なく表現するとか…まぁちょっと変態っぽさもある。あと足フェチ。

    そういうイメージを取っ払って読んで欲しい。偉そうに言うけど、ちゃんとミステリ。謎解き要素もある。
    4つの短編が収録されているが、どれを読んでも読者は各話の主人公と同じように、謎解きの世界に巻き込まれていくが……ちゃんと谷崎潤一郎の作品だ。
    と言うのは、先に述べた谷崎作品のイメージが、がっっっつり入っているのだ。

    女の悪魔的な美しさ。そして痛めつけられた女の独特

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    2020年10月06日
  • 少将滋幹の母

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    ネタバレ

    少将滋幹の母
    (和書)2010年02月16日 19:39
    1953 新潮社 谷崎 潤一郎


    美しい女をめぐる人々の間の関係がとても上手く織りなされている。年月の流れ、和歌、種本などなかなか興味深い内容で読み応えはあった。

    ふと自分の過去の情景が頭をよぎる。

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    2020年09月25日
  • 吉野葛・盲目物語

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    ネタバレ

    吉野葛・盲目物語
    (和書)2010年02月14日 22:39
    1951 新潮社 谷崎 潤一郎


    思っていたより随分良作だった。

    二作品ともとても良くオススメします。

    吉野葛の取材日記というかなんと言ったら良いか分からないが不思議な感じに感動。

    盲目物語の歴史小説もなかなか戦国の中での盲目である語り部の取り合わせが絶妙だと感じた。

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    2020年09月25日
  • 猫と庄造と二人のおんな

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    ネタバレ

    猫と庄造と二人のおんな
    (和書)2010年02月12日 19:23
    1951 新潮社 谷崎 潤一郎


    最近、谷崎潤一郎が好きになって猫も大好きなので楽しみにしていました。

    猫との関係がとても面白い。

    良かったです。

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    2020年09月25日
  • 金色の死

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    ネタバレ

    金色の死―谷崎潤一郎大正期短篇集
    (和書)2010年02月10日 22:49
    2005 講談社 谷崎 潤一郎


    良い短篇集だった。以前に読んだことがあるのが何作かあった。

    「小さな王国」は柄谷行人「日本精神分析」に入っていてそこで読んだことがある。

    「金色の死」は印象深い作品だった。

    それぞれ良い作品で、はずれがなく楽しめた。

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    2020年09月25日
  • 鍵・瘋癲老人日記

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    ネタバレ

    鍵・瘋癲老人日記
    (和書)2010年01月27日 19:30
    1968 新潮社 谷崎 潤一郎


    随分前に読んだ本で、柄谷行人が「瘋癲老人日記」について触れていて、その時から読んでみようと思っていたのです。

    カタカナと言うところが、読めるかどうか心配だったけど、この作品に関しては非常に読み易く良かった。

    「鍵」「瘋癲老人日記」のエロティシズムがとてもユニークで面白い作品だった。

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    2020年09月25日
  • 卍(まんじ)

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    ネタバレ


    (和書)2009年10月31日 14:52
    1951 新潮社 谷崎 潤一郎


    関西の言葉で書かれた女性の同性愛の話だけど、解説にあったように素人の言葉遣いがとても色気を感じさせて女性の感覚がとても面白く読めました。

    谷崎潤一郎の他の本も読んでみたい。

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    2020年09月25日
  • 卍(まんじ)

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    これさー、90年前の作品だよね?ってくらい、面白かった。
    谷崎潤一郎のこういう話、めちゃくちゃ面白いよね。痴人の愛的な感じでよかった。

    ただ、あまりにも倒錯的、悪魔主義的だなと思うので、私は痴人の愛の方が好きだな

    光子×園子、光子×孝太郎…
    最後に服薬自殺を3人で図って、生き残ったのは園子なんだけど、園子が「自分だけ生き残ったのが悔しくて」って言ってたけど、それが光子の策略なのではと思うみたいなことで、死してなお、光子は園子の心を縛り続けるのか、と……すごい女だな。園子・孝太郎夫妻に薬を飲ませて続けたりとか……

    こんな女、現実にいたらめちゃくちゃ怖いよね

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    2020年08月08日
  • 猫と庄造と二人のおんな

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    深謀遠慮、権謀術策、邪推の果て。

    ふたりの女という題名が生々しさを際立たせる。

    およそ愛玩動物、ペットは飼い主をはじめとしたヒトの感情、無意識に抑圧された欲求・願望・葛藤を投影させる。

    その意味では、現実と心性の中間領域たる存在だろうと思う。

    正造とふたりの女、都合3名だがそれぞれ、猫のリリーに自身の感情を投影させる。

    嫉妬心、愛して欲しいという欲求、自由でいさせてほしいという葛藤がこの物語では投影される。

    個人の感情を投影する対象として、リリーは機能しているようだ。

    他方で、ある場合には愛玩動物は夫婦仲を取り持つ機能を果たす。

    夫婦とはいえ、別々の個人、主観をもつヒトであるか

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    2020年07月13日