谷崎潤一郎のレビュー一覧

  • 谷崎潤一郎犯罪小説集

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    江戸川乱歩「D坂の殺人事件」で紹介されている谷崎潤一郎「途上」1920年T9年発表。こうすれば相手を殺しうるかも知れない或いは殺し得ないかも知れないそれはその時の運命に任せるプロバビリティー犯罪物としての日本初。ある会社員が私立探偵に前妻の死についていろいろと聴かれる2人だけの会話小説なのに谷崎潤一郎の文章になると凄いことに。

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    2021年07月18日
  • 白昼鬼語~探偵くらぶ~

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    大正期~昭和初期に活躍した作家の探偵小説を纏めた《探偵くらぶ》シリーズ刊行開始、ということで第一弾は谷崎潤一郎です。
    似たような方向性の文庫シリーズに、ちくまの『怪奇探偵小説傑作選集』があったのですが、とうの昔に品切れになり、古本価格も高騰している中、こういったシリーズの新規刊行は嬉しい限り。

    谷崎はミステリ色の強い作品が活動初期の作品内に多いですが、今回のこの文庫も500ページ近いボリュームで読み応えバッチリ。探偵小説好きとしてもとても満足な一冊でした。どれも面白いのですが、やはりタイトルにもなった「白昼鬼語」が良いですね。

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    2021年07月08日
  • 細雪(上)

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    昭和初期大阪上流階級の4姉妹がテンポの良い関西弁で淀みなく喋る、喋る。読んでいて気持ち良くなるくらいよく喋る。

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    2021年07月04日
  • 魔術師(乙女の本棚)

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    ネタバレ

    「乙女の本棚」シリーズ。谷崎潤一郎『魔術師』とイラストレーター・しきみ、編。
    恋人と公園の魔術師の小屋を見に行って、二人して半羊神になっちゃった話。幻想的な小説。正直、よくわかんないけど。イラストがなかったら、全然理解できないかも。ただ文章はやはり美しくて、街の描写とか面白いよね。基本、昔の文学って、そういうのを楽しむもんだと思っている。

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    2021年06月03日
  • 卍(まんじ)

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    あまり読み慣れない文体(関西弁、昔の言葉)だったので、最初の方は読みづらかったが、慣れるとテンポよく読めた。
    1回2人が離れたとき、このまま夫と幸せになれと思ったがそうもいかず(笑)、まさか夫まであんなことになろうとは…。

    私も、園子と同じように、最初は光子さんは好きで綿貫と付き合っているのかと思ったけど、綿貫のことが分かってきてから状況が一変。
    光子さんはどこまで計算していたのか、本当は園子とその夫のことをどう思っていたのか…。
    光子さん側の独白も見てみたかった。

    物語には関係ないが、2人が園子の夫のことを「ハズさん」と呼んでいるのが可愛くていいなと思った。

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    2021年05月16日
  • 細雪(中)

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     大阪の名門、蒔岡家の四女(こいさん)妙子は活動的。28 歳で人形作家として一角の人物になっているだけでなく、日本舞踊にも熱心、さらに洋裁を習い、将来は洋裁で身を立てたいと密かに思っている。 
     自称妙子の許嫁である、同じく大阪のお坊ちゃん、奥畑啓三郎は(蒔岡家から正式に許嫁と認められていないが)、妙子が洋裁なんかで身を立て、職業婦人となることを辞めさせてくれと、仲あんちゃん(次女)幸子に掛け合う。
     幸子が妙子に聞いてみると、啓三郎は、ぼんぼん育ちで、財産をすぐ使い果たしてしまうことは分かっているので、自分が家計を支えたい。そのためにフランスへ行って洋裁の勉強をしたいという。戦前に、妙子はな

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    2021年05月15日
  • 魔術師(乙女の本棚)

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    <乙女の本棚>シリーズの谷崎潤一郎第2弾。今作の絵師はしきみ。妖しい、妖しい。惹きつけられる。そして、狂おしい。これでは魔術師の意のままに操られてしまう。自分も魔術にかかったか。

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    2021年05月13日
  • 吉野葛・盲目物語

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    『吉野葛』は随筆形式の旅行記。秋の澄んだ空気と光が差すみずみずしい果物と紅葉、吉野は実際に訪れた場所なので、美しい古典文体で思い出の情景に深みが増したのが良かった。歴史探訪から亡き母の面影を巡る話へと繋がる話。『盲目物語』はお市の方につかえた盲目の按摩師を語り部にした歴史小説。盲目ゆえの五感でお市の方の心情を感じ取ることができ、それが細かな心理描写に見られる。壮絶な人生に感情移入してしまい、今とは時勢も倫理観も違うけど、自分の生き方死に方を考えてしまった。両作とも母親像が描かれており、めっちゃ谷崎って感じ。

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    2021年05月10日
  • 作家と猫

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    ネコあるあるが、作家の極上の言葉で表現され「うんうん」うなずいてばかり。こんな事も気づかれていたか!って、当然でしょう、長いネコと人間の歴史から見れば。「大勢集まって騒ぐより、ひとりコツコツ。ネコのわがままが好きで、だから自分もわがままなのだろうと思う」マルのオヤジ。

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    2021年05月05日
  • 細雪(上)

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     まことさんのレビューを見て、読んでみました。
     大阪船場の旧家、薪岡家の四姉妹、鶴子、幸子、雪子、妙子。両親は何年か前に亡くなり、長女鶴子夫妻が本家として一家を仕切っている。本家の旦那(婿養子)は、三女の雪子や四女の妙子に疎ましがられているので、雪子、妙子は本家よりも、芦屋の幸子夫婦の家に居着いている。
     時代は昭和の初め、戦争前。雪子(30歳くらい)と妙子(25歳くらい?)はまだ独身。妙子には結婚を約束している恋人がいるが、姉の雪子を追い抜いて先に嫁ぐ訳にはいかない。雪子は美しく、年齢よりもかなり若く見えるが、何故か縁遠く、結婚がなかなか決まらない。良家のお嬢様であるので、条件が難しく、良

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    2021年05月03日
  • 猫と庄造と二人のおんな

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    ぱってページを見たときは、うわ…読めるかな…って気持ちになるのだけれど、この上なく読みやすい。
    セレクトされてることば言葉が、これしかない気がする。
    正直、登場する人物たちの心情とかは、ひとつも(わたしの経験と共感てきに)分からなかったのだけれど、それでもすいすいと言葉が入ってきた。
    登場人物たちの、いろんなものにふりまわされて生きている感じがとても滑稽でおもしろかった。
    あとは、出てくる今はほとんどお目にかからない大和言葉たちを知れるのが楽しい。

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    2021年04月30日
  • 卍(まんじ)

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    ひと昔前の昼ドラを思わせる、衝撃の展開。
    四人の感情が複雑に絡まりあっていく。

    独占したくて、欺く。
    信じるがゆえ、欺かれる。

    光子が本当に愛したのは誰だったのか。

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    2021年04月24日
  • 細雪(下)

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    特に起承転結はなく淡々と進むお話
    但し、終わった後の余韻と喪失感は、所謂名作の印何だと思う

    相変わらず「文」が素晴らしく、文学というものは文でも魅せられることを改めて認識させる本

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    2021年03月10日
  • 細雪(上)

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    海街diaryを読んで、姉妹の話ということでずっと気になってたこの本を手に取りました。
    大学が休みの間、時間をかけて全巻読もうと思います。
    雪子はPerfume のかしゆかでイメージしてます。

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    2021年02月07日
  • 秘密(乙女の本棚)

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    マツオヒロミさんは前々から作品を拝見していて、素敵なイラストを描かれる方だと思っていたので読む前から素晴らしい作品だろうとは予想していたが、その予想以上に谷崎潤一郎の世界観にぴったりと合っていた。
    馴染みがなく、最近の文章と比べると読みにくく感じる文体だが、絵のおかげで挫折せず読むことができる。

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    2021年02月07日
  • 陰翳礼讃

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    松浦弥太郎さんのセンス入門を読んだ時から気になっていた1冊。
    陰翳礼讃を含めた短篇集であったが、全てを通じて言えることは、今一度我々の国、日本と言うものの文化の優美さや趣深さを再認識することが出来るということである。

    今回はとくに陰翳礼讃について書こうと思う。

    近現代となるまさに転換期、様々な西洋の文化が輸入される時代背景の中でこのような文章を書けること自体がまず私にとって衝撃であった。
    モダニズムの流行による光の捉え方の変化、それに対して、"影"こそに日本古来の本当の良さを見出す感性に感服である。
    これは私事であるが、今まで西向きの角部屋で生活しており、日当たりの悪さ

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    2021年02月03日
  • 卍(まんじ)

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    「卍」は吉祥の徴と聞いていたのだけれど、この作品に限っては、捩れた情愛の兆だったようです。
    正直、「その三十」に来るまでは、「なんでこのタイトルにしたんだ?三つ巴くらいがちょうどじゃない?」と思っていました。
    「今まで読んだ谷崎より全然気持ち悪くないや」と侮ってさえいました。
    それが、「その三十」を読んだ途端。
    それまで確かに見ていたはずのたおやかな大阪弁たちは曖昧に去り、気づけば、赤地にぬめりと刷り込まれた「卍」が頭の中を埋め尽くして。
    男女四人の情愛が、崇敬が、執念が、ぐるぐるぐると、「卍」のように誰もが誰にも追いつけないまま回っているような。
    それでいて、誰かと誰かは繋がり合っているよう

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    2021年02月01日
  • 細雪(中)

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    上巻は雪子の縁談が軸であったものの、二度の頓挫の後は新たな話も出て来ず。
    その代わりに本巻では姉妹の内で最年少の妙子の恋愛が主題になる。
    結婚において家同士の格式を重んじる槙岡家だけれど、妙子は当人同士の意思が第一と考え、女性もこれからは手に職を持つべきと、進歩的な存在として描かれる。
    その彼女が家同士が同格の許嫁であった奥畑の遊蕩ぶりに愛想を尽かし、水害の折助けに来てくれた奥畑家の丁稚であった板倉との関係を深めていく。
    緩やかな物語が劇的・悲劇的な展開に。
    けれどその格の違う恋愛が、実は雪子を縁遠くしていたという。

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    2021年01月06日
  • 細雪(上)

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    かつて富貴を誇っており、今は没落しつつある槙岡一家の美人三姉妹の生活を描いたもの。
    本家にはもう一人長姉がいるけれど、今のところ影は薄い。
    分家の長であり、槙岡家の次女の夫である貞之助が考えている通り、三姉妹には時間の感覚が希薄。
    そのせいで周りがやきもきすることもあるけれど、その緩やかさによって雪子のお見合いという現実的な主題にも関わらず、平安文学を読んでいるような気にさせられる。
    一文一文が長く、しかも優雅な言葉が遣われているのも、その感覚に寄与しているかも。
    花見の描写は、近現代のものとは思えない美しさ。

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    2021年01月03日
  • 秘密(乙女の本棚)

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    マツオヒロミさんの絵が好きで買った本なんだけど、絵と物語の世界観がものすごく合ってる!
    色っぽくて儚い感じがとても好き。

    谷崎潤一郎は初めて読んだけど、面白かった。
    秘密って、秘密だから魅力的なんだなー。
    主役の男の人はこの先どんな体験をするんだろう?

    他の谷崎作品も読んでみようと思わせてくれた1冊でした。



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    2021年01月01日