Posted by ブクログ
2022年07月01日
細雪。読んでよかった。
最後まで読んで、ただ仲の良い姉妹というだけでなく、小さなことから事件に至るまで様々な場面での会話や行動を通じて、良いところもそうでないところも知って、イヤだなと思うこともあったけれど、それも全部ひっくるめて彼女たちが好きで、鶴子、幸子、雪子、妙子、みんな幸せになってほしいな...続きを読むぁと心から思う。まるで、古くからの友人みたいな感覚。まだまだ読んでいたいし、時代としてはこれから戦争で大変なことになっていくはずだから彼女たちがとても心配。小説だからこれで終わりなんだけれど、ずっと彼女たちがコロンバンでお茶をしたり、手紙のやりとりをしたり、お花見をしたり、変わらずいきいきと生き続けているような気がしてならない。ラストは悲しい出来事もあったし、良かったと思えることもあったけど、結末ありきの小説ではないから、それは大きなことではない気もする。
幸子は谷崎純一郎の奥さまがモデルになっているのだとか。
それにしても、ここまで女性を描けるのはスゴイと思う。
この四姉妹が好きなのはすでにレビューした通りだけど、細雪の文章もとても好き。
読み終わってしまうのがとても惜しい。
退屈だなぁと思って読んだ上巻。今改めて読むととても楽しく読めそう。
下巻単体でいうと☆4かなぁと思うけど、トータルでは文句なしの☆5です。