谷崎潤一郎のレビュー一覧
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しばらくレビューを休んでいましたが、少しずつ再開します。
今はコメントにお返事する余裕がなく、心苦しいので、しばらくコメント欄を閉じていますm(_ _)m
大きな事件ではハラハラもさせられるし、些細な日常のひとコマでさえも魅力がある。
どの場面を切り取っても面白くて、長い物語なのに全く飽きず、続きが早く聴きたくなる。
とにかく流れるように次々と出来事が起こり、一つの山場を越えると、すぐに次の事件がやってくる。そしてどの出来事も面白い。
これほど長く物語の中に浸っていると、登場人物たちがもう他人とは思えず、親戚のように身近な存在に思えてくる。
自分は3人兄妹の1番下なので、特に末っ子の -
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ネタバレ春琴のため自らの目まで潰す佐助。それは愛情である一方で己はここまで出来るという優越、春琴に捨てられたくないという執着でもある。
また、火傷により美貌を失いかつての勝ち気な性格も失いつつあった春琴の、ありのまま受け止めるのではなく、対等な関係を拒絶し一層自らを卑下し春琴を敬ったというが、それは、自分が好きだったかつての春琴を取り戻したい佐助の自己満足なのではないかとも思った。
共依存と執着の極地。これは愛の物語ではなく恐ろしいほどに深く強く結びつけられた共依存の話だ。
谷崎潤一郎の作品は時間が経っても心にこびりつくドロドロさがあって好きだな。
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中巻は、妙子のお話がメイン。
雪子は引っ込み思案で(でも、芯はある)、子供好き、良妻賢母タイプ。一方、妙子は自由奔放、人形製作だけでなく洋裁もはじめ、働く女性の、はしりのようでバイタリティーに溢れている。
幸子ねえさん、妙子の男性関係で(ボンボンの奥畑と写真家の板倉との関係、板倉の運命は可哀想過ぎでした)心労がたえません。幸子は姉でありながら、雪子や妙子を我が子を見るような眼差しです。
ドイツ一家の子供たちと、幸子の子(悦子)が遊ぶ様子、ほほえましい。おどり寿司を食べる場面もあり(私は食べたことありません。)本当に上流家庭の話なんだなあと思います。
雪子と妙子の今後はどうなる?幸子ねえ -
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はんなりとした文章が染み渡り、和を感じます。心地良くて、するする読めちゃいます。昭和10年代、関西の上流家庭のお嬢様、4人姉妹(鶴子・幸子・雪子・妙子)の物語。4人の個性が際立っていて面白いです。作者は男性なのに、よくぞまあ、女性の内面をこと細かく書けること!ちょっと怖いくらい。
上巻は、雪子のお見合い話です。“本家の意見を聞いた上で”とか“身元を調べる”とか.......
当時の結婚はハードル高いなあと感じます。
雪子さん、“婚期に遅れて困っている娘”という設定です。私も20代で結婚していないので、まるで自分のこと言われているようで親近感湧きます。ただ、私はお見合いをしたことなく、興味津 -
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ネタバレ本当に谷崎潤一郎は技巧がすごいし、着眼点も凄い、所作や話の記述の仕方もしなやかで。
春琴抄も例に漏れずとても感銘を受ける話だった。
一言に表すならば"純愛"
あまりにも行き過ぎた純愛だと感じた。どうして佐助がそこまで春琴に惹かれたのかを自分が本当の意味で知ることは出来ないけれど、それは容姿だとか琴の腕前だとかだけじゃなくてある種の使命のような服従の心もあったと思う。
この小説のキャッチコピーにはマゾヒズムを究極まで美麗に描いた〜、とあるけれど、自分にとっては純愛の物語だった。
できるだけ他の人の意見に左右される前に感想を描きたかったからまだ解説を読む前に書いてる。自分はそ -
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ブク友さん方が「読みやすくて面白い」とレビューされていたので、ずっと気になっていた一冊。
皆様のレビューに感謝です。
本当に読みやすくて面白い!
お見合いの話が出てきた頃から面白すぎて、いったん中断しても早く続きが聴きたくなる。
当時の名家のお見合いは「ここまでやるのか」と驚きの連続で、女性の生き方や結婚観など、今とは全く違うのですべてが興味深い。
性格の違う四姉妹の心理描写を聴いているうちに、それぞれの姿が頭に浮かんでくる。
言葉遣い、身だしなみ、作法、手紙、四季の行事、日常生活を整える美意識の高さ。
自分の知らない時代の古き美しき日本を体験しているようで、知るほどにこの時代に興味 -
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ネタバレ短編なので、スラスラ読めました。
序盤、春琴は気が強く、佐助にあたりの強い印象を持ち、佐助は春琴の扱いに苦労する年上男子という印象でした。
ですが、佐助が歳を重ねるごとに、春琴への崇拝(というより忠誠心?)が深まっていくのがわかった。
針で目を突くことは絶対に痛すぎて、自分が佐助と同じ立場ならいくら相手に忠誠心があっても怖くて出来ないと思う。顔に火傷をして、それを見て欲しくないと言った春琴のために目を捨てる覚悟が出来ている佐助は、本当に春琴を愛していたんだと思う。
春琴の死後も佐助がひとり身を貫いたことも、これもひとつの愛の形なんだろうと考えさせられた作品でした。 -
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漆器がもたらす陰影について初めて思いを巡らせた
だから和食の吸い物椀は漆器なのか
たしかに和食は白い陶器では映えにくく
漆器に盛ると深みのある美味しそうな色に映る
白味噌や豆腐、かまぼこ、とろろ汁、白身のお刺身、白い肌の食べ物も周りを明るくしては引き立たない
ごはんも黒塗りの飯櫃に入れられて暗いところに置かれた方が見ても美味しく食欲も刺激される
深夜のコンビニのような白い蛍光灯ではなくて、暖色の灯りが美味しそうに見える
「私たちの料理が常に陰影を基調として、闇というものと切っても切れない関係にある」
!!!!!!
別の章だったか
トイレまでの廊下、寒々とした暗いトイレで思い出した
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「私はこれから、あまり世間に類例がないだろうと思われる私達夫婦の間柄に就いて、できるだけ正直に、ざっくばらんに、有りのままの事実を書いてみようと思います。」
2024年、新潮文庫プレミアムカバーだったという簡素な理由で買いました。最初の一文が惹き込まれる小説は面白いという、東進ハイスクール現代文講師の林先生の言葉が頭のどこかにあり、まさに、この本のことを言うのかもしれないと思いました。
私(主人公でもあり、読者である私)の見えないところで妻である艶美な女がどう生活しているのかを直接は書いていないが本文中の至る所に仄めかされている、読んでいて心臓がドクドクする緊張感。女の怖さ。それでいて淫靡に感 -
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最近読んだSM文学の中では谷崎潤一郎「春琴抄」がいちばんよかったです。奔放な春琴もひたすらに献身的な佐助も危ういし、露骨なことは何も書いていないのに、文章が身体感覚と情緒に触れて、ぞわぞわするあたりがとてもよかった。女でサブミッシブ気質のひとには是非ぞわぞわしてほしいです。
表向きは欲望する主と無欲な従者という構造でありながら、従者である佐助の献身が、主である春琴を依存させ、実質的には絶対的な支配権を持っていて。欲望の向きが権力関係を規定するのが興味深い。
山崎ナオコーラによる解説
「頭の中で好きな人を見る幸せを、こんなにも素晴らしく描き出した作品は他にない。」
これも刺さる。
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田舎の金持ち息子(28歳)が都会で見つけた自分好みの少女“ナオミ”(15歳)を手元に置いて最高の女に育て自らの妻にしようとしたのに、気がつくとナオミちゃんに振り回されまくって……というおはなし(たぶん合ってる笑)
令和に読んでも楽しい恋愛?小説→
前半の「昔の男あるあるー!でも当時だとだいぶんハイカラだよねー」という楽しみ方から、後半の「え?は?なんで??」の何を読まされている感を感じられる読書体験、ワタシ的に最高でした。
クライマックスあたり、もうほんま不可解すぎて面白かった。譲治ィィィ(爆笑)みたいな笑→
それにしても、作中に漂う西洋風への憧れが、「陰翳礼讃」を読んだ後の私には面白 -
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主人公、河合譲治が語る夫婦の記録。妻はナオミ。
29才の男性(譲治)が、15才の少女(ナオミ)と一緒に住んで、自分好みの女性に仕立てようとする。2人は一線を越えて夫婦となるが、その後が波瀾万丈の展開。
この小説が映像化されたものは、見る気はしない。しかし、文章化されている世界が、品性を保っていることがすごい。決してイヤラしさだけの作品ではないということ。譲治とナオミの行く末を気にしながら、心理描写のうまさに、ついつい引き込まれて、するすると読み終わってしまった。
親にお金をせびれば貰える、お坊ちゃんの譲治。
ナオミの肉体美に取り憑かれ、社会性なんぞ放り出し、情欲丸出しの姿は目も当てられな
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