谷崎潤一郎のレビュー一覧

  • 細雪(下)

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    上中下巻やっと読めました。すごく良かった。

    没落気味ではあるが、まあまあ裕福な関西の華やかな四姉妹。ほぼほぼ三女の見合いと四女の恋愛ゴタゴタの話です。下の二人の姉妹と同居している次女と旦那の貞之助夫婦が一番常識人であるゆえに苦労している。

    世間体をめちゃめちゃ気にするし、見合い相手の親族は徹底的に調べる。今の時代からするとやり過ぎでは?と思う箇所が沢山あります。

    昔の話なので注釈か多いですが、注を無視しても意味は割と理解できます。一文が長めなので、一気に読めた感じがします。方言多めで、口に出すとやっぱりたおやかで映像化作品も見たい。

    最後の終わり方は、ここで終わるの?と思いました。大人

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    2026年08月16日
  • 新装版 細雪 中

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    当時の女性たちが何に重きを置いて生きていたのか、よく分かって面白い。現代的感覚を持った末っ子は異端児扱い。とすると現代の異端児は未来のスタンダードかも。

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    2026年08月13日
  • 春琴抄

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    大傑作だ…!!!美の極北!文章や物語の美しさは言わずもがな、マゾヒズムとサディズムという極めて内向的な性癖を巧妙に春琴と佐助の箱庭的な世界観に繋げており、構成の巧さに舌を巻く。そのうえハウダニット的な面白さもあるので本当に完成度がすごい。面白かったです。

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    2026年08月08日
  • 刺青・秘密

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    谷崎潤一郎ってすごいなあ!と思う一冊
    『耽美の祖』と言われてるのかぁ!
    確かに確かに。
    短編のひとつひとつがまったく違う世界を
    醸し出している
    表現が美しく、穏やかで、引き込まれていく
    夢物語、幻想物語、怪しげな色気たっぷりの
    作品たちに酔ってしまう。

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    2026年07月27日
  • 新装版 細雪 下

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    谷崎は文章が上手い。
    どんなに一文が長くなっても大丈夫。

    男性なのに、女性の心理の動きをこと細かに描き出せることと、源氏物語の訳に何度も携わった経験は関係していると思う。

    後半になるに連れてどんどん引き込まれる話だった。
    最後は少し物足りない、もう少し続きを読みたい気もしたが、これぐらいの方がいいのかもしれない。

    貞之助、最初は影が薄かったけど、後半頑張ってて、存在感増した。幸子の人となり、家族の関係性を明確にし、ストーリーの展開を進めてくれた。

    旧家のしきたりの中で生きる上の三姉妹、鶴子、幸子、雪子と、近代的自我を追い求める妙子の対比。
    消えゆく旧来の感覚、古き良き日本の風物を描き切

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    2026年07月25日
  • 人魚の嘆き・魔術師

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    なによりも挿絵が好きすぎる。うっとりする

    大正の唯美主義の、ただこの奇妙で不気味でおぞましい世界の美しさに浸るだけが目的の本が好きだ
    これでもかと散りばめられた難読熟語のことごとくが、なにかの美しさを表すことば
    美しさを表すことばってこんなにたくさんあるんだ

    宝物みたいな本だ

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    2026年07月23日
  • 痴人の愛

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    純文学にしては非常に読みやすくスラスラ読めてまるで映画を見ているようだった。
    ナオミに対する描写があまりにも繊細でリアルスティックで谷崎潤一郎の筆の巧さを全身で感じ、戦慄さえも走った。
    一言で表すと女性の肉体は男にとって蜜であり毒であるのだ。一度舐めてしまったら毒とは気づかず君主の体は蝕まれていく。
    実際にそれは武器となり現代社会では欠かせないものになってる。

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    2026年07月18日
  • 蓼喰ふ虫

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    ネタバレ

    夫婦仲が冷え切っている斯波要と美佐子を主人公にした小説。ベタベタな恋愛小説や、あるいは逆につねにケンカするなど険悪すぎる恋愛関係を描いた小説はよくあるが、この「離婚しそうでしない宙ブラリンな状態」を描いた作品は個人的に記憶になく、なかなか新鮮に感じた。なにせ、物語の冒頭から夫婦仲が冷め切っており離婚に向かっている様子が描かれているにもかかわらず、終盤になってもなかなか具体的に進展せず、けっきょく作中では離婚せずに終わってしまうのである。ぶじに離婚が成立して大団円を迎えると思っていたため、そうはならずに虚を衝かれたような思いがしたが、しかしあるいはコレもまた「恋愛小説」なのかもしれない。そして、

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    2026年07月14日
  • 痴人の愛

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    出版された時、ナオミズムという言葉が流行るくらいには強烈な女性像だったらしい
    現代でも強烈だと思うが。

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    2026年07月04日
  • 人魚の嘆き・魔術師

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    男女共に魅了する美しいが書かれていた2作品だった。聞き馴染みのない単語も多いけれど、言葉選びや表現がとても綺麗。

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    2026年06月22日
  • 春琴抄

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     大まかなあらすじを知った状態で読んだことも理由だろうが、近代文学の名作にしては読みやすく、純粋に面白かった。
     佐助と春琴のつながりは、主従・師弟・相弟子・実質上の夫婦と、複雑かつ奇妙である。そして、春琴の嗜虐性は度を超えた恐ろしいものとして傍目には映る。しかし、佐助は春琴との関係に心底喜びを感じているようであり、例の事件後には自ら双眼から光を奪うことで、「此の世が極楽浄土にでもなったように思われお師匠様と唯二人生きながら蓮の台の上に住んでいるような心地」となるのだった。
     このような、当人にしか分からない関係や感情というのは、谷崎の『痴人の愛』や凪良ゆうの『流浪の月』にも見られると思う。人

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    2026年06月17日
  • 人魚の嘆き・魔術師

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    東洋を舞台ながらもエギゾチックに彩られた谷崎潤一郎の耽美小説
    ワイルドのサロメの挿絵師ビアズリーによく似た水島爾保布氏のイラストはストーリーの浮世離れした幻想的な世界を彩るのに一役を買っている
    また作者の作風から欧州コンプレックスを匂わせる描写も少なくなく、そのような当時の欧州への憧憬の世情や傾向を垣間見せる作品としても単なる和製耽美小説以上に重要なキーとなる作品とも言えると思う

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    2026年06月13日
  • 猫と庄造と二人のをんな

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    やっぱさ、猫っていつもこうなんだよね。ただそこら辺にいてゴロゴロくつろいでたり、気が向いた時に人間の相手してやったり、気まぐれにニャアとひと鳴きすれば喜ばぬものは居らぬように、存在そのものがあまりにも格別で魔性なんですよねえ。

    文豪・谷崎潤一郎が「限界猫飼い達の狂おしき日々」を軽妙且つチラリと覗く変態性でもってあんまりにもどこかで聞いた事がある感じで認めているものだから、ややもしたら実録エッセイなんじゃないのかというぐらいにゲラゲラ笑って読めた一冊。
    とにかく猫がやりたい放題してて凄く良いし、振り回されて右往左往する人間の姿がこれまた良い。

    表題作に加えて《ドリス》という残念ながら未完で終

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    2026年06月13日
  • 春琴抄

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    春琴のほうが佐助の存在にズブズブなんじゃないか
    何にも見えない世界で、佐助、と名前を呼べば、いや、呼ばなくても、すぐに察して、手を取ってくれる存在が幼い頃からずっといるんだぞ。どこまでも甘えていい存在が、安心がそばにある。
    春琴にとっての佐助、依存どころか世界そのものでしょ

    春琴ってファムファタール的な存在として語られるんだろうけど、どっちかというと絶対離れられない麻薬みたいな男を得てしまった女の子のように思う

    あまりの高貴ゆえ素直に愛を捧げられない乙女

    世界の全てだった男が自分のために世界から目を閉ざしたことの重さ

    ハッピーエンドなようなそうでも無いような
    佐助は盲目になったことで春

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    2026年06月11日
  • 陰翳礼讃

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    ネタバレ

    自身の美意識に新しい見方が加わった一冊だった。この本を読んで学校の授業で豊臣秀吉の金の茶室のことを聞いた時のことを思い出した。当時は天井から柱まで全て金箔なんてむしろ下品だし、成金趣味も甚だしいとか思ったものである。しかし、当時は、今の様に全体を明るく照らすライトなんかではなく蝋燭のゆらゆらとした明かりが茶室の美しい明暗を作り出していたのだ。そう考えると確かに全体が金でも下品にならなかったのも頷ける。また、現代まで西洋の影響を受けず、道具が独自の発展を遂げていたらとの考えが面白かった。途中途中の写真に癒され、さくっと読めるのでとても良い。何度も読み返したくなる本。

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    2026年06月04日
  • 新装版 細雪 下

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    桜の園の日本版というのがわかる気がする。父親が亡くなってだんだん貧乏になっていく4人姉妹、長女が養子を迎えて家督を継いでいる。3女のお見合いを軸に話が進んでいくんだけれど、経済的な不如意も戦争の気配(二次大戦直前、日中戦争は始まっている)もなんのその、家の格とかを気にする娘たち。
    話の筋は雑誌連載だったというだけあって面白い。当時のベストセラーだったそうな。
    (実は下巻にたどり着くまで、お見合いを繰り返す三女ってちょっと知恵遅れかと思っていた。)

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    2026年06月02日
  • 鍵・瘋癲老人日記

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    日記を盗み読み合う夫婦。子どもの心理も面白い。

    老人ここまでのエロさは狂気!すごい!

    文章上手い!

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    2026年05月23日
  • 卍(まんじ)

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    100年くらいの前の小説に心を動かされた。
    百合の美しくも儚い作品かと思いきや、男の登場で人間の内なる悪の部分を凝縮した完璧な純文学。
    ラストは必見。

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    2026年05月15日
  • 痴人の愛

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    再読。色々とそれらしい解説はあるんだろうけど、素人としては、谷崎潤一郎の性癖大公開スタイルはほんと愛せるワ〜って感じ。潔い。
    「己は絶対無条件で彼女の前に降伏する」
    やっぱり格が違うというか、ホンモノすぎてちょっと笑ってしまう。ほんとうにすべてを捧げて崇拝する感じ。愚かだと鼻で笑ってやりたい気もするけれど、愚かさに抗えない感じがこの作品のすきなところだなあ。歪んだもの同士でも、くっつけたらぴったりはまっていい感じになるかもしれない。この場合は、ぴったりはまるように片方が努力しなきゃいけないんだけど、でもたぶんそれさえも悪くないはず。それにしたって、谷崎潤一郎はほんとうに文章が読みやすくてきれい

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    2026年05月09日
  • 台所太平記

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    めちゃくちゃ面白いし、とにかく明るい気持ちにさせてくれるし、平和やし、こんなに素敵な本なのに。
    評価が分かれてしまうのは、ザ文豪!谷崎潤一郎っぽさが無いからかなぁ。
    爆笑できる場面もあるし、最後はほっこり。ほぼ実話みたいなものなんやろうけど、谷崎潤一郎が女中さんを雇っていた時代はこんな感じだったんだろうな。みな個性的で、雇う側と雇われる側が対等になる瞬間が読んでて本当に楽しい。
    漫画みたいな小説だけれど、挿絵も可愛くて大好き。

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    2026年05月04日