谷崎潤一郎のレビュー一覧

  • 新装版 細雪 上
    とても良い。国語教材としても申し分ない、ストーリー構成と豊かな語彙に感動しました。
    神戸が舞台なのも楽しく、阪急電車沿線に揺られながら、有川浩さんの阪急電車もサブ本に、2冊の小説をポケットにさくら夙川のベンチで読みたくなる小説だった。
    叶えよう。近々。

    ポケットのなかにーは、
    小説がふたつ♪
  • 春琴抄
    本作は「痴人の愛」と違って春琴の容色が衰えた後の話もあるんですね。悲しくなっちゃったよ、佐助どんが絶対に絶対に関係性を変えることを認めなくて。現在の春琴を受け入れることを拒否していて。
    佐助が目を潰して2人でおいおいと泣いたその時は春琴にとってどんなにか嬉しかったか知らない。だけれどもそれは春琴を思...続きを読む
  • 痴人の愛
    初谷崎!おもしれ〜文章がうまくて読みやすぅ〜
    ナオミみたいに愛されたいわ女だもの
    譲治の容姿とナオミの美が失われた後に起こりうる悲劇は置いといて
  • 作家と猫
    猫好きな人は変わった人が多いですよね。
    まさにその通り。
    私は伊丹十三の話がとても好きでした。
    皆さんはどんなタイプの猫好きですか?
  • 痴人の愛 アニメカバー版
    最近終盤になるとなんだか飽きてしまって最後までわ読み終われないことが多かったんやけど、
    癖になって2日で読み進めてしまった100年前の小説ってすごくない?
    その時代の男女の役割とか性差別的価値観が知れて興味深かった。100年後の今でも本質的な問題は変わってないよね。
  • 痴人の愛
    読み進めていく内に、譲治もナオミも正常なんではないかと思えてくる。歪ではあるし周りからは理解されないだろうけれど、互いに足りないものを得ようとしているだけなのかも。ナオミは精神的な幸せを感じられるのか?現代に置き換えても考えれるし、色褪せることない名著ですね!
  • 痴人の愛 アニメカバー版
    中盤まで読んで、譲治もナオミも酷すぎてだいぶ読み進めるのが嫌になってきた。それなのに、気づいたらスルスルと最後まで読んでしまい、自分の中ですごい本だという評価に変わった。まさに、油絵の具を塗り込めるように描写が重なることによって、生々しく目の前に見えてくるようで、怖くて面白くて目が離せない。
  • 痴人の愛 アニメカバー版
    ナオミみたいと皮肉を言われ読んだ
    ナオミの自由奔放さと男を手玉にとる様子が面白く、女の身体を艶かしく表現していてうっとりとした。
  • 卍(まんじ)他二篇
    春琴抄がとても良かったので、谷崎文学に触れたくて、書影が妖しく美しい本作を手に取った。
    古風な関西弁の一人語り。セリフが、改行無しで羅列される独特の文章。
    な、な、何だ?これは?面食らう。こんな文体、有りなの?谷崎文学の2作目として選んだのは失敗だったかな、と思いきや、中盤から不可思議な展開に目が離...続きを読む
  • 痴人の愛 アニメカバー版

    大正モダンの頂き女子

    ⚫️頂き女子「ナオミ」の成功譚であり、女の色香に惑溺された男「譲治」の失墜譚でもある。まあよくある話だ。⚫️男の自分としては、男の側の気持ちが分からなくはない一方、女の側に好感を持てるはずもない。とはいえ、バブル期のミツグ君やアッシー君について、世間が特に厳しく批判したワケでもないし、当人同士が納得...続きを読む
  • 刺青・少年・秘密
    ◾︎刺青
    耽美派と言われてイメージする作風そのもので,知識人のいう「純文学の味わい」とはかくなるかという印象を受けた.
    あるファッションモデルが服を着ることで魂をインストールするといった旨のことをどこかで書いていた気がするが,そういった描写をこんなにも艶かしく描けるものかと.

    ◾︎少年
    個人的に最...続きを読む
  • 少将滋幹の母
    ▼かなり以前に読んだんですがその時に感想を書き忘れたもの。だいぶ忘れていますが。

    ▼平安時代、初老の中級貴族?が、歳の差婚の若妻を、権力者の藤原ナントカさんに、奪われるんです。でこの若妻は当然評判の美人である。初老貴族は屈辱に震えます。悔しい。惨め。この若妻との間に子供がいて、これがのちの少将滋幹...続きを読む
  • 痴人の愛
    初谷崎作品。反吐が出そうなほど不快で、美しかった。物語の運びも、心情描写も途中で描写もある通りずっと陶酔しているような、何か抜け出せない居心地のいいような悪いような状態。不思議。
  • 痴人の愛
    伯母からもらった古い講談社文庫版の『痴人の愛』。実は谷崎の長編を読むのは初。いくつか読んできた短編でもその淫靡な世界は堪能できてたけど、やはり長編だと全体の構成や描写される心情や行動の変化が細かくて倒錯的ではあっても共感や理解ができる描写はやはり天才的。
  • 春琴抄
    丁稚の佐助がその師匠春琴への忠と愛の極致に至福を見出す物語。

    物語態というのが目新しく、原典の記述に著者があれこれと考察を加えながら進んでいく。句点が意図的に省かれている効果か、非常に読みやすい。

    一通り読むと、冒頭の墓の情景がより美しく映じられる。春琴に侍り彼女の生活の一切に如才なく気を配る佐...続きを読む
  • 作家と猫
    猫が好きすぎる本。
    足先白い靴下みたいな猫が好きです。
    夢は、
    猫飼ったら「くつした」て名前にすることです。
  • 春琴抄
    爆笑しながら読むくらいおもろいナオミ最後^_^
    ナオミが浮気してるかも?!ってハラハラする場面何回かあったけど毎回おもろいの凄い、にやにやして読むの止まらんなる
    譲治の振り回されようが滑稽、男を手玉に取って弄ぶナオミ、それを分かりきってるのに服従せずには済まない譲治の堕落っぷりが良い
    最後に馬乗りに...続きを読む
  • 痴人の愛
    後期の大学の授業で扱うので購入し、読みました。『刺青』『春琴抄』『卍』に続いて4冊目、久しぶりの谷崎でした。以前、先生が大学の授業で扱ったときに「こんな小説をわざわざ授業でやるなんて信じられない」と他学部の生徒に言われたという、『痴人の愛』。なるほど、かなり衝撃的だった。読めば読むほど、わがままで粗...続きを読む
  • 台所太平記
     初版は中央公論社、1963年。「夢の浮橋」が後の潺湲亭のオモテ側を美しく描いた作品とすれば、こちらはその舞台裏とも言うべき小説。大所帯だった谷崎家の暮らしを支えた女中さんたちの「活躍」が列伝風に書き込まれる。

     ほんとうに久しぶりの再読だったが、谷崎が女中部屋を「鹿児島県人会」と呼ぶほど、鹿児島...続きを読む
  • 卍(まんじ)
    いやはや恐ろしい女よ光子は。これはこれは全員光子の沼にハマっていく様子が面白かったわぁ
    4人全員の絡み合いを描いた作品の題名が卍って谷崎潤一郎のセンスの良さひかりすぎている。最後にかけて本当にページを捲る手がとまらなくなった。そんで持って夫まで死ぬんかい!!で園子は生き残るかい!!驚愕のラストでした...続きを読む