谷崎潤一郎のレビュー一覧
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ネタバレ新潮文庫のカバー裏に盛大にネタバレが書いてあって、ここまで読んできたのになんてことをしてくれんねん!と少しだけ怒ってたんだけど、そのこいさんの子は結局死んでしまうし、雪子ちゃんも結婚決まったけどお腹ピーピーになって、だ、大丈夫かな…ってなるまさかのドタバタエンディングだった。この先もこの姉妹には色んなことが起きる暮らしが続いていくんだろうな〜っていうのが想像できて、はい、とにかく雪子ちゃんは結婚できてめでたしめでたし。の感じじゃないのが逆にリアルで個人的には良かったけど、こういう最後を望まない人もいそうだなとは思った。賛否が分かれそうというか。
それにしても、谷崎潤一郎の作品は痴人の愛とこの細 -
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陰翳礼讃
著:谷崎 潤一郎
出版社:KADOKAWA
角川ソフィア文庫 L 203 1
戦後間もない時期に書かれた随筆、日本人であることを意識させられるような内容である
木と和紙によって和らいだ夜の灯りを、谷崎潤一郎は、陰翳と表現しています。
あゝ、日本人は、いつからか、そのような陰翳のある世界から、乾ききった、ゼロ・イチの世界に迷い込んだのか。
気になったのは、以下です。
われわれは西洋紙に対すると、単なる実用品という以外に何の感じも起こらないけれど、唐紙や和紙の肌理を見ると、そこに一種の温かみを感じ、心が落ち着くようになる
日本の漆器の美しさは、そういうぼんやりした薄明りの中におい -
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ネタバレこの本を一言で表すなら、「白人好きドM野郎の性癖紹介」だと思った。これだけ聞くと読む気が失せそうだが、読んだ感想としては不思議なくらい面白かった。
私小説的なものを普段読まない自分にとってこの本は、こんな個人的な性癖を書いてもいいんだという驚きと、それを読ませる描写力の凄さへの感動に満ちた本だった。
ナオミと譲治の関係の結末は自分の趣向からは離れたものに感じたけれど、そこ至る過程では共感するところがたくさんあって、解説にあった「しかし、人間はマゾヒズムにおいてこそ、つまり何ものかのため自己を隷属させることによってこそ、はじめて自己を確認できるというのが、谷崎の思想だったといえるのである。」 -
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凄まじいの一言。
人間(男性)の愚かな情念を極限まで描き出した怪作。
陰鬱な雰囲気を纏ったカフェ店員のナオミが、譲治が愛情を注ぎ甘やかしていく内に、男性達の心を弄ぶ悪魔へと変貌していく様に戦慄する。ナオミは小悪魔系であるとネットで見たことがあるが、土台“小”悪魔どころではない。
P368の、譲治がナオミに絶対服従を誓うシーンは、滑稽でありつつも笑えない自分がいた。憎めば憎むほどナオミを美しく神秘的に思い、最後は肉体の魅力に抗えず屈服する譲治の姿は、彼固有のものではあるまい。
ある種の人間の“愚”の本質を捉えた、不朽の名作と言えるであろう。
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ネタバレ細雪、全然事件起きないし日常〜って感じだと思ってたんだけど、中巻めっっっちゃ色んな事件起きた。上巻は雪子ちゃんの話だったけど中巻はこいさん中心の話だったな…。水害事件ではこいさんを心配に思って幸子姉ちゃんが泣き出すところでわたしももらい泣き…。そして最後は板倉までも…死ぬとは思わなかった…うそでしょ…。
「予想もしなかった自然的方法で、自分に都合よく解決しそうになったことを思うと、正直のところ、有難い、と云う気持が先に立つのを如何とも制しようがなかった。人の死を希うような心が、自分の胸の奥の何処かに潜んでいると考えることは、不愉快でもあり浅ましくもあるけれども、どうやらそれは事実なのである。」 -
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ネタバレ文中に出てきた「ビアズレエ」というのが何なのか分からず調べてみた。ヨハネの首を持ったサロメの絵が出てきた。オーブリー・ビアズリーという若くして亡くなった男性が描いた、オスカーワイルド著サロメの挿絵になったらしい。サロメは美しくも恐ろしい魔性の女として語られているし、フランス語で「お前の口に口づけしたよ」という言葉が記されていて、人魚の描写にはこれ以上ないくらいぴったりだと思った。終わり方が想像に任せる美しい締めで、この後貴公子と人魚がどうなったのか本当に最後まで知りたかった。この絵を知った後では口づけはしたのではないかと思った。商人の男が「気の毒に」と心配して去ったように、幸せとは言えないよう
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購入済み
台所太平記
体験談に基づく随筆風小説。
単一版全集には載ってません。
惜しむらくはイラストが添付されていないこと、
中公版ではイラスト付きで、谷崎先生モデルの作家さんが何故かうさ耳の被り物をしている。
谷崎先生はウサギ歳ではない、聞き耳を立ててる様をうさ耳に表してる。
テキストはとても楽しい話、鹿児島県の西側を走りたくなる、
最南端は東側なので、東側は走ったことあるけど
007のロケ地とかあって風光明媚なのは西側らしい。
食い物もうまいそうです。
お好みで。
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