谷崎潤一郎のレビュー一覧
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細雪を読んでいる間中、ずっと不思議だったのですが、どうして、延々とひとつの家庭の毎日を眺めるだけなのがこんなに面白いのでしょうか。さすが文豪。
上巻のときに、もしや…と思っていたことが本当になりました。4人姉妹(といっても長女はほとんど出てきませんが)の中だったら妙子が結構好きだなーと思ってたのですが、前言撤回です。身内にさえ秘密主義というか、腹黒いというか、どこか信用のおけない感じが苦手です。
逆に、上巻ではなにを考えているのか全然だった雪子が、中巻だと少しだけその心理を吐露してくれて、意外と男前だなという印象に。
妙子は、自称サバサバ系というか、内心がすごくドロドロしているのが苦手な -
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中巻では、隣に住んでいたドイツ人が帰国するなど、戦争の跫音が次第に大きくなってくる。もっとも、蒔岡家は世間に比べればその影響は決して大きくないように見え、それでいて後に崩壊することが予期されるような不思議な穏やかさを纏った生活が描かれている。季節ごとの風流な行事も鮮やかで、起きている事件の哀しさや激しさと不思議な共存を成し遂げている。
そんな中でも一番の事件は四女妙子と写真家板倉の悲恋だろう。板倉は家柄が悪いために、三女幸子は二人の交際を快くは思うことができない。『ロミオとジュリエット』のように(・・・といっても未だに読んだことがないのだけれど)、読者は「身分違いの恋」=応援したくなる存 -
購入済み
いつ読んでも…
いつ読んでも飽きない。和紙を眺めるときのように心が和むし、示唆に富んでいて、読みながら様々なことに思いを馳せらせてしまう。私ごときが言うまでもないことですが、名著です。
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猫が家族な人、家族にしたいけどできない人…もうとにかく猫が好きな人!みんな読むべし!猫の描写がたまらん!猫とのやり取りがたまらん!これは猫が大好きで猫をよーく観察している、そして猫を愛でている人にしか書けない本だ。心当たりがあり過ぎるセリフにクスクスどころか、大笑い。いつの時代もどこの家も同じことしてるんだなぁ。個人的に飼い猫の名前がリリーなのが我が家のリリーと重ねて読めて更に面白かった。元は打算があったにせよ、最後に品子がリリーに傾倒していくのが、これぞ猫の持つ魔力のような魅力なんだよな…と。意外と知られてない作品のようで残念。書店にて「猫」に関する本の特集をしていた中から見つけた。こういっ
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美しい。
フェティシズムって誰のなかにでもあるんじゃないだろうか?そして、フェティシズムにうっすらと隣接しているのはサディズムでありマゾヒズムである。
堂々と美しく人間の変態性を書く谷崎先生に好感をもつ。きっと妄想が好きなんだろうな。小説家故当たり前なんだろうけど、妄想と変態性が谷崎先生に活力を与えている気がする。わかる!とちょっと叫びたくなる箇所がいくつか。
読んでいて、現在恋をしている相手の姿が脳裏をかすめる。髪とか身体とか、気の強さとか。
私は足への執着は特にないし、あんなにも怪しい経験をしたことはおそらくないのだけれど、共感するところが多々あって、我ながら危険だと思う。
強いて言えば『 -
Posted by ブクログ
薄い本です。後半に入っている、他愛もない掌篇のいくつかが、僕は一番好きでした。
軽くてふわふわ、何のムツカシサも無く、のどごしまろやか爽やかで。薄味で腹に貯まらぬ胃にやさしい。
肩の力も腰くだけな脱力感の中に、ほのめいた品位。群れない孤高と、「へ~なるほど」と。何ともくだらなおかしいユーモアだなあ、と思っていたら読み終わる。
読むたびに心地いい谷崎潤一郎さん。そしてこの本を作った編集者さんに、パチパチ。
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谷崎潤一郎さんの、まあ、エッセイ集です。
無論の事、最近になっていろいろな掌編を集めて作った本ですから、編集具合は谷崎さん本人はあずかり知らぬことでし -
Posted by ブクログ
ネタバレ文学と現代小説の境界線にある本を読んだような気分。
「鍵」
お互いに本当の気持ちを隠した夫婦の日記が交互に綴られてて、下世話だけどドキドキして引き込まれた。
懐疑や嫉妬という負の感情は昔から人の心のエネルギーだったんだな、と思い知らされました。
淡々とした日記の文章の裏に潜む妻の陰湿で獰猛な本性が艶かしくて怖ろしい。
「瘋癲老人日記」
「痴人の愛」の主人公がナオミを思い通りにしようとして敵わず最後は軍門に降ったのに対して、この作品の主人公の老人は最初から息子の嫁・颯子に振り回されるのを喜びと感じちゃってるので、哀れむというよりは「どうしようもないなー」と呆れるような気持ちで楽しく読めた。
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