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若くして死んだ母そっくりの継母。主人公は継母へのあこがれと生母への思慕から、二人の存在を意識のなかでしだいに混乱させてゆく。谷崎文学における母恋物語の白眉。ほかに晩年のエッセイ四篇を収載。初文庫化。
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Posted by ブクログ
テイストは、『鍵』や『老人瘋癲日記』に近い。いかにも谷崎すぎて、ちょっとやりすぎでは、とも思うが、谷崎的なものを求めて読み始めた者にとっては、期待を裏切らない作品である。
結局。糺の云う「それを望んでいた」という父と継母の思惑は都合の良い解釈でしかないけど、読者ならチラリと頭をよぎる母の居ない悲しさを感じさせないためだと二十になってからの行為は説明出来ず、じゃあ大がかりな「おままごと」だったんじゃ、という可能性も武という存在のせいで説明出来ない。 あらすじでの母恋との...続きを読む説明も安直すぎて納得出来ないのだ。 もっと崇高な感情からの行為なのか、本能的なものによる行為なのだろうか。
過去分 橋は何かと何かを、結びつけるものだが、この浮橋は生母と継母を結びつける橋と主人公と母を結びつける両方の意味があった。
「夢の浮橋」は非常にエロティックなお話である。「文壇昔ばなし」で、谷崎潤一郎と泉鏡花が一緒に鍋を食べた時、食べるのが早い谷崎氏に食べられないように、食べるのが遅い泉氏が仕切りを作っておくのに、結局食べられてしまうというエピソードに笑った。
タイトルから察せられるように、近代版源氏物語といった感じ。 やや、気色悪めだが、ストーリーは普通に面白い。
登場人物みんな、自分のエゴを捨てているようでゴリ押ししているような。 義母のお乳吸ったりに悪い意味で鳥肌立ちそうでした。 男性にはもれなくマザコンの気があると言われてはいますが、女性は自分の息子が己に寄せるそれ以外については厳しい意見を持っているので私もそれに当てはまったのでしょう。私の欠片ほどの...続きを読む母性も拒否反応。 風景描写から女性の描写に写った途端、文章が活き活きしてくるのにはびっくりした。 さすがやね! 08.12.29
読書会の課題本。前半の実母への恋慕や関わりは、自分の子どもの幼いころを思い出して共感しつつ読んだが、後半の継母との関わり、父子二代に渡っての想いの共有、妻澤子を迎えるくだり、「母に仕えることを唯一の生き甲斐にして、外に何の幸福も要らぬ」「お母さんを仕合わせにするためには、お前が嫁をもらう必要がある」...続きを読むあたりは、やはり前回読んだ谷崎本同様、若干ひいてしまう。 一緒に収録されているエッセイの方が私にはむしろ面白く読めた。元々、エッセイが好きということもあるが、家族への想い、自分への評価などがつづられた「親不孝の思い出」、自身の病状とそれに対する心もちをつづった「高血圧症の思い出」、関わりのあった秋声、鏡花、芥川ら多くの文豪との交わりを書いた「文壇昔ばなし」など、どれも非常に面白かった。
随筆がだいぶおもしろかった。谷崎氏の血圧が240を超えたあたりでついつい笑ってしまう。他の文豪の話も噂話を聞いてるようでおもしろい。 表題の話は乳吸うあたりで生理的にかなり気持ち悪い。
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