谷崎潤一郎のレビュー一覧
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このタイトルなら、絶対前に読んでる!
でも、猫と、猫好きな飼い主と妻と元妻が猫を巡って一騒動~という、ざっくりした記憶しかなかったので、再読してみました。
これがめちゃ面白い!
笑える心理コメディになってます。
離婚して再婚したばかりの庄造。
元妻の品子から、今の妻の福子の所へ、「猫のリリーをくれ、それだけしか望まないから」という手紙が来る。
庄造の猫バカっぷりにイライラし始めていた福子は、猫を品子に渡すように迫ります。
福子も可愛がっているようだったのに?態度の急変に戸惑い、あたふたと逃げ腰の庄造。
人当たりは良いが、気が弱くて、怠け者な庄造です。
品子はしっかり者だけど、姑と折り合いが悪 -
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ネタバレ面白かった…。
三宅夏帆さんの新書(『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』p67-71)で紹介されて初めて知り、手に取りました。
ナオミズムが流行したとのことで、悪女ナオミに注目していたけれど、とてつもない存在感を発揮していたのは主人公の変態童貞紳士(愛を込めて)・ジョージでした。
カフェで見かけた15才の西洋人っぽい女の子を自分好みに育てようと引き取る変態さ。
結果、ナオミは良い子に育つわけでなく…。
人の悪口を平気で言うし、金遣いは荒いし、垢のついた服を放置するし、嘘をつくし、浮気はするしの自由奔放なティーンになり、ジョージはたびたび振り回される展開に。
なのに、ジョージはナオミをま -
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琴、三弦の名手であり、盲目の美女→春琴
男女関係があるも表に知られないようにし、最後まで師弟関係を貫き通した→佐助
春琴と佐助、2人の生き様と谷崎潤一郎の文章の妙に、非常に興味を掻き立てられました。こんな愛もあるのかー、とゾクゾク感ハンパなし!とても短い小説でありながら、深みがあります。文章が何しろ素晴らしいです。この小説は、句読点が結構な割合で省略されています。現在も筆でフォーマルな手紙を書くときには、句読点を省くのが通例ですので、谷崎さんは小説の原稿を筆で書かれていたのかな?と想像しました。
芸の道の厳しさ、春琴のわがままな性格と盲目である故の苦悩、佐助の徹底した春琴への敬愛、奉仕の精 -
台所太平記
全集でも読めますが、イラストは抜き。
読むなら単体のイラスト入りがおすすめ。
谷崎先生、卯年ではないはずなのですが、確か猪か鼠のはず。
聞き耳ずきんの意味か、バニーカチューシャをつけてるのが素敵。
うさ耳の方がわかりやすいか。
山口画伯のイラストばかり表紙なのはすこうし残念。
太平記なんだから尊氏役がいるはずなのですが、いまいちわからん。
いないなら太平記を使った理由も見えない。誰か教えてください。
お好みで。 -
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現在新築でマイホーム計画中で、今流行りの和モダンの雰囲気に惹かれているが、なぜ和の心地良さが自分が好きなのか言語化できないなとふと思い、日本人の暮らしの美学についてさまざまな角度から論究を進めた名著としてこの本を読み始めた。
ふわっとした日本の風情って心地いいなって感覚が綺麗に言語化されていて感性が研ぎ澄まされた気がする!
作者の谷崎潤一郎さんは明治〜昭和時代の方で、文体としては当時の表現のままのため、普段近代小説ばかり読んでる身としては最初読みづらかったが、
谷崎さんの表現がとても繊細で日本の雅致表現の幅に圧倒されて、途中から全く気にならずに読み切りました。
谷崎さんの日本の侘び寂び表 -
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しばらくレビューを休んでいましたが、少しずつ再開します。
今はコメントにお返事する余裕がなく、心苦しいので、しばらくコメント欄を閉じていますm(_ _)m
大きな事件ではハラハラもさせられるし、些細な日常のひとコマでさえも魅力がある。
どの場面を切り取っても面白くて、長い物語なのに全く飽きず、続きが早く聴きたくなる。
とにかく流れるように次々と出来事が起こり、一つの山場を越えると、すぐに次の事件がやってくる。そしてどの出来事も面白い。
これほど長く物語の中に浸っていると、登場人物たちがもう他人とは思えず、親戚のように身近な存在に思えてくる。
自分は3人兄妹の1番下なので、特に末っ子の -
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ネタバレ春琴のため自らの目まで潰す佐助。それは愛情である一方で己はここまで出来るという優越、春琴に捨てられたくないという執着でもある。
また、火傷により美貌を失いかつての勝ち気な性格も失いつつあった春琴の、ありのまま受け止めるのではなく、対等な関係を拒絶し一層自らを卑下し春琴を敬ったというが、それは、自分が好きだったかつての春琴を取り戻したい佐助の自己満足なのではないかとも思った。
共依存と執着の極地。これは愛の物語ではなく恐ろしいほどに深く強く結びつけられた共依存の話だ。
谷崎潤一郎の作品は時間が経っても心にこびりつくドロドロさがあって好きだな。
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中巻は、妙子のお話がメイン。
雪子は引っ込み思案で(でも、芯はある)、子供好き、良妻賢母タイプ。一方、妙子は自由奔放、人形製作だけでなく洋裁もはじめ、働く女性の、はしりのようでバイタリティーに溢れている。
幸子ねえさん、妙子の男性関係で(ボンボンの奥畑と写真家の板倉との関係、板倉の運命は可哀想過ぎでした)心労がたえません。幸子は姉でありながら、雪子や妙子を我が子を見るような眼差しです。
ドイツ一家の子供たちと、幸子の子(悦子)が遊ぶ様子、ほほえましい。おどり寿司を食べる場面もあり(私は食べたことありません。)本当に上流家庭の話なんだなあと思います。
雪子と妙子の今後はどうなる?幸子ねえ -
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はんなりとした文章が染み渡り、和を感じます。心地良くて、するする読めちゃいます。昭和10年代、関西の上流家庭のお嬢様、4人姉妹(鶴子・幸子・雪子・妙子)の物語。4人の個性が際立っていて面白いです。作者は男性なのに、よくぞまあ、女性の内面をこと細かく書けること!ちょっと怖いくらい。
上巻は、雪子のお見合い話です。“本家の意見を聞いた上で”とか“身元を調べる”とか.......
当時の結婚はハードル高いなあと感じます。
雪子さん、“婚期に遅れて困っている娘”という設定です。私も20代で結婚していないので、まるで自分のこと言われているようで親近感湧きます。ただ、私はお見合いをしたことなく、興味津 -
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ネタバレ本当に谷崎潤一郎は技巧がすごいし、着眼点も凄い、所作や話の記述の仕方もしなやかで。
春琴抄も例に漏れずとても感銘を受ける話だった。
一言に表すならば"純愛"
あまりにも行き過ぎた純愛だと感じた。どうして佐助がそこまで春琴に惹かれたのかを自分が本当の意味で知ることは出来ないけれど、それは容姿だとか琴の腕前だとかだけじゃなくてある種の使命のような服従の心もあったと思う。
この小説のキャッチコピーにはマゾヒズムを究極まで美麗に描いた〜、とあるけれど、自分にとっては純愛の物語だった。
できるだけ他の人の意見に左右される前に感想を描きたかったからまだ解説を読む前に書いてる。自分はそ -
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ブク友さん方が「読みやすくて面白い」とレビューされていたので、ずっと気になっていた一冊。
皆様のレビューに感謝です。
本当に読みやすくて面白い!
お見合いの話が出てきた頃から面白すぎて、いったん中断しても早く続きが聴きたくなる。
当時の名家のお見合いは「ここまでやるのか」と驚きの連続で、女性の生き方や結婚観など、今とは全く違うのですべてが興味深い。
性格の違う四姉妹の心理描写を聴いているうちに、それぞれの姿が頭に浮かんでくる。
言葉遣い、身だしなみ、作法、手紙、四季の行事、日常生活を整える美意識の高さ。
自分の知らない時代の古き美しき日本を体験しているようで、知るほどにこの時代に興味