あらすじ
きまじめなサラリーマンの河合譲治は、カフェでみそめて育てあげた美少女ナオミを妻にした。河合が独占していたナオミの周辺に、いつしか不良学生たちが群がる。成熟するにつれて妖艶さを増すナオミの肉体に河合は悩まされ、ついには愛欲地獄の底へと落ちていく。性の倫理も恥じらいもない大胆な小悪魔が、生きるために身につけた超ショッキングなエロチシズムの世界。
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Posted by ブクログ
「私はこれから、あまり世間に類例がないだろうと思われる私達夫婦の間柄に就いて、できるだけ正直に、ざっくばらんに、有りのままの事実を書いてみようと思います。」
2024年、新潮文庫プレミアムカバーだったという簡素な理由で買いました。最初の一文が惹き込まれる小説は面白いという、東進ハイスクール現代文講師の林先生の言葉が頭のどこかにあり、まさに、この本のことを言うのかもしれないと思いました。
私(主人公でもあり、読者である私)の見えないところで妻である艶美な女がどう生活しているのかを直接は書いていないが本文中の至る所に仄めかされている、読んでいて心臓がドクドクする緊張感。女の怖さ。それでいて淫靡に感じてしまう己の情けなさみたいなのを感じました。
とても読みやすい文だし、文学作品に抵抗がある私だったけれど楽しめました。
Posted by ブクログ
田舎の金持ち息子(28歳)が都会で見つけた自分好みの少女“ナオミ”(15歳)を手元に置いて最高の女に育て自らの妻にしようとしたのに、気がつくとナオミちゃんに振り回されまくって……というおはなし(たぶん合ってる笑)
令和に読んでも楽しい恋愛?小説→
前半の「昔の男あるあるー!でも当時だとだいぶんハイカラだよねー」という楽しみ方から、後半の「え?は?なんで??」の何を読まされている感を感じられる読書体験、ワタシ的に最高でした。
クライマックスあたり、もうほんま不可解すぎて面白かった。譲治ィィィ(爆笑)みたいな笑→
それにしても、作中に漂う西洋風への憧れが、「陰翳礼讃」を読んだ後の私には面白くてならぬ。
センセェ、若い頃はボンキュッボンもお好きだったんですね( *´艸`)みたいな(失礼)
歳を重ねるごとにほっそりチラリズム好きになったのかしら(さらに失礼)
細雪読むのが楽しみすぎるッ!!
Posted by ブクログ
主人公、河合譲治が語る夫婦の記録。妻はナオミ。
29才の男性(譲治)が、15才の少女(ナオミ)と一緒に住んで、自分好みの女性に仕立てようとする。2人は一線を越えて夫婦となるが、その後が波瀾万丈の展開。
この小説が映像化されたものは、見る気はしない。しかし、文章化されている世界が、品性を保っていることがすごい。決してイヤラしさだけの作品ではないということ。譲治とナオミの行く末を気にしながら、心理描写のうまさに、ついつい引き込まれて、するすると読み終わってしまった。
親にお金をせびれば貰える、お坊ちゃんの譲治。
ナオミの肉体美に取り憑かれ、社会性なんぞ放り出し、情欲丸出しの姿は目も当てられない。二股どころか、男性と野放図に関係を持つナオミに嫌気がさしても、どうしてもナオミから離れられない譲治。「男の憎しみがかかればかかる程美しくなる」この表現からしても、ずぶずぶの沼に入りこんでいる。
“目を覚ましなさい!”とバケツに水を入れて、バサーっと頭からかけてやりたくなる気分。
“恋は盲目”なんて遥かに超越して、病的に感じる依存状態。譲治のアップダウンする心情が、これでもかというぐらい伝わってくる。生々しい場面を、全感覚を総動員して表現する文章はお見事!
譲治の独白は、終盤では開き直ったような、どこかドヤ顔的で“こんな夫婦生活”はいかが?みたいな、ちょっと自信ありげの雰囲気。読者が高みの見物でいられなくなる、余韻を残す終わり方もスゴイ。
この小説では、譲治が夫婦関係を語ってきた。女性側のナオミが語ったらどうだろう?ナオミは魔性の女なので、本音を吐き出したら、背筋が凍る恐ろしさではないだろうか。
Posted by ブクログ
惚れた弱みってやつを延々綺麗に整えているような作品
コイツアホだなぁと思って読んでましたが、拗らせ人間の話しか受け付けない私の肌にはとてもよく合いました
Posted by ブクログ
男が理想の女を作り上げようとして、理想に食われていく話。
女のわがままと身体に溺れて破滅していく様子がまざまざと描かれていた。
最終的に譲治は、ナオミに完全に屈服しており、一つの愛情の究極の姿をみている風でもあった。
Posted by ブクログ
平野啓一郎『私とは何か』講談社現代新書で言及されており、手に取った。
男性って、やっぱりわがままに振り回されるの好きなんだなあ、と改めて。おばかで可愛く愛おしい。
内容は狂ってるし、かなり気持ち悪いのに、耽美な文でむしろ読んでいて心地よかった。
Posted by ブクログ
この本を一言で表すなら、「白人好きドM野郎の性癖紹介」だと思った。これだけ聞くと読む気が失せそうだが、読んだ感想としては不思議なくらい面白かった。
私小説的なものを普段読まない自分にとってこの本は、こんな個人的な性癖を書いてもいいんだという驚きと、それを読ませる描写力の凄さへの感動に満ちた本だった。
ナオミと譲治の関係の結末は自分の趣向からは離れたものに感じたけれど、そこ至る過程では共感するところがたくさんあって、解説にあった「しかし、人間はマゾヒズムにおいてこそ、つまり何ものかのため自己を隷属させることによってこそ、はじめて自己を確認できるというのが、谷崎の思想だったといえるのである。」という言葉には多少の理解をした。
恋人との関係の中で、ふとした瞬間に恋人の悪いところだけが目についてそれについてあれこれ考えても、なんか可愛いから許してしまったり、あるいは譲治のように肉体的な蠱惑に魅せられてどうでもよくなったりした経験がある。このとき自分は、自身の単純さや浅ましさに対峙せざるを得なかった。このような経験は恋人との関係や自身の精神衛生上ネガティブな側面が強いと思っていたが、自己を確認する一つの方法だと思えばそれも悪くないかと思うことができた。
Posted by ブクログ
凄まじいの一言。
人間(男性)の愚かな情念を極限まで描き出した怪作。
陰鬱な雰囲気を纏ったカフェ店員のナオミが、譲治が愛情を注ぎ甘やかしていく内に、男性達の心を弄ぶ悪魔へと変貌していく様に戦慄する。ナオミは小悪魔系であるとネットで見たことがあるが、土台“小”悪魔どころではない。
P368の、譲治がナオミに絶対服従を誓うシーンは、滑稽でありつつも笑えない自分がいた。憎めば憎むほどナオミを美しく神秘的に思い、最後は肉体の魅力に抗えず屈服する譲治の姿は、彼固有のものではあるまい。
ある種の人間の“愚”の本質を捉えた、不朽の名作と言えるであろう。
Posted by ブクログ
大人向けの本。割と読みやすいと感じた。
三島と同じく読みやすい。高校生なら読めると思う。
高校生が読んだらおもろいと思う。
高校生以上の大人なら楽しめる本だと思うので、手に取ってみてはいかがだろうか。
分からない単語が出てきた時はGoogle先生に聞いて頂くといい。
まず、
痴人って何だ?と思う人は、そこから調べてもよい。
Posted by ブクログ
ナオミかわいすぎる!!「よう!よう!」←これかわいーーー後半ナオミこわすぎる!!主人公は一貫してキモくて好き 英語のシーンの怒り方ダルすぎる
ジョージとナオミのイチャイチャシーン、カップル垢見てるみたいなリアルな居たたまれなさと愛らしさがあって表現うますぎ
Posted by ブクログ
色欲による清々しいほどの堕落と情けなさ。
どこまでも哀れな譲治に、しかしどこか憧れもある。
美の前に屈服してこそ男性性を全うしたと言えるのかもしれない。
Posted by ブクログ
"美"への執着というか崇拝というか。
ただ、美しい人への崇拝の気持ちはよく分かる。
美しさは尊い。それに騙されたって構わない。
むしろ振り回される、それが快楽。
年齢を重ねるごとにそんな感覚も欲望も
なくなってくるし、もういい年なんだから、って制する自分もいるけど、美しい人を前にすると
そんな建前も飛んでいってしまう感覚。
それさえも尊い。
Posted by ブクログ
ナオミみたいな女に振り回されたい、、、って思いながらほんとに当事者になったら困る。というか清潔感無いのは嫌だな。いい身体してるんだろうな、ナオミ。
Posted by ブクログ
譲治はナオミという偶像に恋してしまったから、彼女の中身を理解しようとも、対等に向き合おうともしなかった。結果、ナオミは育てられる存在から支配する存在へと変わっていった。
偶像じゃなく生身の人間として扱えていたら、ナオミもきっと別の姿を見せていたかもね。
Posted by ブクログ
大正時代に、これほどまで“狂った恋愛”が描かれていたとは。谷崎潤一郎『痴人の愛』を読んで、そんな驚きを感じました。
主人公が自らの庇護下に育てた“ナオミ”という存在。はじめは支配していたはずが、気づけばその関係は反転し、彼女に支配される側へと転じてい。コントロール欲、嫉妬、愛憎、執着、被虐性。さまざまな感情が生々しく交差しながら、物語は破滅と再生の道をたどります。
男性視点の恋愛依存・執着がここまで丁寧に描かれるのは希少で、尾行や探偵的な行動など、今の時代にも通じる不穏さがリアルです。恋愛をしてこなかった人が、大人になってから溺れる危うさというテーマにも共感しました。
個人的には、裏切ったり裏切られたりしてきた過去の体験をフラッシュバックさせるような描写も多く、胸に刺さる読後感がありました。
令和版の『痴人の愛』があるのならば読んでみたい。そんな想像が膨らむ一冊でした。
Posted by ブクログ
中盤までは、ナオミは嫌な女だなーとか、譲治も早くナオミを捨てればいいのにとか、ある種イライラしながらもなんとなく読んでいた。それなのにいつの間にか、ナオミが魅力的に見えたり(クズ度合いは一層増しているのに)、譲治が壊れていく様にちょっと共感できてしまったり。当事者にはなりたくないクズと馬鹿の話だけど、不思議な魅力で読む手が止まらなくなってしまった。
Posted by ブクログ
河合さんのナオミへの愛が伝わって来て次はどうなるんだろうとページが進んだ。それにしても、その愛はナオミの外観に執着している。多分、その自由気ままで我儘な内面にも魅了されているんだろう。世の中には、こういう夫婦もいるんだろう。
このあとどうなるのかと思いながらページが進んだが、2人の関係に変化は無くというより、河合さんのナオミへの愛なのか外観への執着なのかわからないが、なるようになったんだと思う。
Posted by ブクログ
人のあらゆる感情をどこまでも言語化できるのが怖かった。恋愛って純粋にお互いの好きを楽しむものだと思っていたけどここまで上手くできすぎていると宗教みたいだなって思った。ナオミがもう後半からは主人公を欲を満たす相手と使っていても主人公がナオミの手によってだんだんと壊されてしまっていたからそれを愛だと勘違いしてしまうのが少し切なかった。けど主人公はそれでも大いに満足していたしナオミもナオミで都合いい人間として扱ってて結果的にはどちらにとっても望んでたものなのかなと思った。愛には多くの形があるんだなってよく分かった。
Posted by ブクログ
やはり文学作品とあって起承転結というか物語の緩急があり、私の考えていた生ぬるい筋書きではなかった
女性の魅力から抜けられなくなっていく怖さとともに共感するところもあって、自分も将来こうなってしまうのでないかという恐怖がありました
この作品は主人公は満足しているのになぜ胸糞な感じが残ってしまうのか?
私の考えではやはり最後にナオミはまだ他の男と関係を持っている所だろうなと思います。ここに私自身の純白主義の考えが出ており最初ぐらいで止まっておくべきだったと後悔するとともに、改めて私がNTRなどが嫌いということがわかりました。
ただ、音声作品にもあるお貢ぎ系や管理系もこんな感じなのかと俯瞰できたように感じます。
この作品を教訓とし、自身の生き方や人との関わり方そして女性への対応を見つめ直していこうと思いました。
Posted by ブクログ
譲治くんの崩壊が恐ろしい。
執着が身を滅ぼしている
ナオミの描写はかなり過激?だけど詳細で美しさを捉えてはいる。病的な執着が感じられた。
初めのうちは良かったのだけれど、なんだか不穏になってくるところで一度読むのを諦めかけちゃった。なんとか読み切れて良かった。
Posted by ブクログ
女中 メイド
ハイカラ 西洋風でおしゃれ
女怖い。
ナオミが幼い頃から育て上げ、結婚するために色々尽くしてきた主人公。
しつけを怠った結果、わがままな女に育っていき最終的には数々の不倫が起こった。
Posted by ブクログ
個人的な好みには当てはまらないけど、谷崎節がよく効いた本だった…!
そしてやはり最後の解説と評論に助けられた。
なんて言うんだろ、物語の起承転結ではなく主人公の視点とか(いわゆるエロティシズム)が興味深かったなーそんなに陶酔に浸るのが良い心地なのかどうかは私には理解できないし性欲に振り回されるの のも分かんないけど、その世界で確かに生きる人がいるということだよねえ、、!
勉強になる^_^
Posted by ブクログ
情けない男と激ヤバ女の話。
読んでいて恥ずかしくなってくるくらい主人公が情けない!着物をのせて足袋を手につけて一人でお馬さんごっこしている図、キモすぎてゾッとした
情けないし気色悪いのに、一周回って面白いから癪だな〜
ナオミはとんでもなく贅沢我儘破天荒で、それに憧れるなんてことは1ミリもないんだけど、その贅沢我儘破天荒が許される美しさがあるのはいいなぁと思ってしまう
Posted by ブクログ
三宅香帆氏の「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」にも紹介されていた大正時代に新聞連載されいたサラリーマン (男) 向けのエンタメ小説。川端康成、三島由紀夫より前。古いわりに違和感なくとても読みやすい。当時としては一般向けとして大分飛んでる話だろうが、現在の方が余程ぶっ飛んでいるのでそんな世界もあるだろうと思うレベル。ところどころ読者に語り掛ける文言が出てくるのが今読むと新鮮な感じ。
Posted by ブクログ
譲治の愚かさとナオミの股のゆるさに終始苛立つばかりですが、それが作者の目論見なのでしょう。読んでいて極めて不愉快だが、目を逸せない。愛は不合理であること、男女の仲はバランスゲームであることをまざまざと感じさせられました。
Posted by ブクログ
話題になってたから読んでみた
結局、惚れた方が負けってことなのかな..
最後の方は飽きてきて飛ばし読み
何十年も前の話とはいえ28歳と15歳の恋愛は少し気持ち悪かった
お風呂に入れてあげるシーンとか出てくる
そこまで生々しくはないけど、どうしても、、