あらすじ
きまじめなサラリーマンの河合譲治は、カフェでみそめて育てあげた美少女ナオミを妻にした。河合が独占していたナオミの周辺に、いつしか不良学生たちが群がる。成熟するにつれて妖艶さを増すナオミの肉体に河合は悩まされ、ついには愛欲地獄の底へと落ちていく。性の倫理も恥じらいもない大胆な小悪魔が、生きるために身につけた超ショッキングなエロチシズムの世界。
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Posted by ブクログ
君、君、盲人蛇に怖じずとは君のことだよ。そりゃあ成る程、君に取ってはこの女は世界一の宝だろう。だがその宝を晴れの舞台へ出したところはどんなだったい?虚栄心と己惚れの集団!君は巧いことを云ったが、その集団の代表者はこの女じゃあなかったかね?自分独りで偉がって、無闇に他人の悪口を云って、ハタで見ていて一番鼻ッ摘まみだったのは、一体君は誰だったと思う?西洋人に淫売と間違えられて、しかも簡単な英語一つしゃべれないで、ヘドモドしながら相手になったのは、菊子嬢だけではなかったようだぜ。
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どんどん魔性の女になっていく感じがしたけどこれはナオミ本来の性質なのか?
譲治さんもなかなか変態気質だなぁと思いつつ、
ですが書き方?が違うため読みにくいのはあるけれどそれもまた良い味を出してくれていると思います!
よかったら角川文庫の出している文ストの表紙の本が読みやすいかもしれません
Posted by ブクログ
「私はこれから、あまり世間に類例がないだろうと思われる私達夫婦の間柄に就いて、できるだけ正直に、ざっくばらんに、有りのままの事実を書いてみようと思います。」
2024年、新潮文庫プレミアムカバーだったという簡素な理由で買いました。最初の一文が惹き込まれる小説は面白いという、東進ハイスクール現代文講師の林先生の言葉が頭のどこかにあり、まさに、この本のことを言うのかもしれないと思いました。
私(主人公でもあり、読者である私)の見えないところで妻である艶美な女がどう生活しているのかを直接は書いていないが本文中の至る所に仄めかされている、読んでいて心臓がドクドクする緊張感。女の怖さ。それでいて淫靡に感じてしまう己の情けなさみたいなのを感じました。
とても読みやすい文だし、文学作品に抵抗がある私だったけれど楽しめました。
Posted by ブクログ
田舎の金持ち息子(28歳)が都会で見つけた自分好みの少女“ナオミ”(15歳)を手元に置いて最高の女に育て自らの妻にしようとしたのに、気がつくとナオミちゃんに振り回されまくって……というおはなし(たぶん合ってる笑)
令和に読んでも楽しい恋愛?小説→
前半の「昔の男あるあるー!でも当時だとだいぶんハイカラだよねー」という楽しみ方から、後半の「え?は?なんで??」の何を読まされている感を感じられる読書体験、ワタシ的に最高でした。
クライマックスあたり、もうほんま不可解すぎて面白かった。譲治ィィィ(爆笑)みたいな笑→
それにしても、作中に漂う西洋風への憧れが、「陰翳礼讃」を読んだ後の私には面白くてならぬ。
センセェ、若い頃はボンキュッボンもお好きだったんですね( *´艸`)みたいな(失礼)
歳を重ねるごとにほっそりチラリズム好きになったのかしら(さらに失礼)
細雪読むのが楽しみすぎるッ!!
Posted by ブクログ
主人公、河合譲治が語る夫婦の記録。妻はナオミ。
29才の男性(譲治)が、15才の少女(ナオミ)と一緒に住んで、自分好みの女性に仕立てようとする。2人は一線を越えて夫婦となるが、その後が波瀾万丈の展開。
この小説が映像化されたものは、見る気はしない。しかし、文章化されている世界が、品性を保っていることがすごい。決してイヤラしさだけの作品ではないということ。譲治とナオミの行く末を気にしながら、心理描写のうまさに、ついつい引き込まれて、するすると読み終わってしまった。
親にお金をせびれば貰える、お坊ちゃんの譲治。
ナオミの肉体美に取り憑かれ、社会性なんぞ放り出し、情欲丸出しの姿は目も当てられない。二股どころか、男性と野放図に関係を持つナオミに嫌気がさしても、どうしてもナオミから離れられない譲治。「男の憎しみがかかればかかる程美しくなる」この表現からしても、ずぶずぶの沼に入りこんでいる。
“目を覚ましなさい!”とバケツに水を入れて、バサーっと頭からかけてやりたくなる気分。
“恋は盲目”なんて遥かに超越して、病的に感じる依存状態。譲治のアップダウンする心情が、これでもかというぐらい伝わってくる。生々しい場面を、全感覚を総動員して表現する文章はお見事!
譲治の独白は、終盤では開き直ったような、どこかドヤ顔的で“こんな夫婦生活”はいかが?みたいな、ちょっと自信ありげの雰囲気。読者が高みの見物でいられなくなる、余韻を残す終わり方もスゴイ。
この小説では、譲治が夫婦関係を語ってきた。女性側のナオミが語ったらどうだろう?ナオミは魔性の女なので、本音を吐き出したら、背筋が凍る恐ろしさではないだろうか。
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惚れた弱みってやつを延々綺麗に整えているような作品
コイツアホだなぁと思って読んでましたが、拗らせ人間の話しか受け付けない私の肌にはとてもよく合いました
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男が理想の女を作り上げようとして、理想に食われていく話。
女のわがままと身体に溺れて破滅していく様子がまざまざと描かれていた。
最終的に譲治は、ナオミに完全に屈服しており、一つの愛情の究極の姿をみている風でもあった。
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平野啓一郎『私とは何か』講談社現代新書で言及されており、手に取った。
男性って、やっぱりわがままに振り回されるの好きなんだなあ、と改めて。おばかで可愛く愛おしい。
内容は狂ってるし、かなり気持ち悪いのに、耽美な文でむしろ読んでいて心地よかった。
Posted by ブクログ
この本を一言で表すなら、「白人好きドM野郎の性癖紹介」だと思った。これだけ聞くと読む気が失せそうだが、読んだ感想としては不思議なくらい面白かった。
私小説的なものを普段読まない自分にとってこの本は、こんな個人的な性癖を書いてもいいんだという驚きと、それを読ませる描写力の凄さへの感動に満ちた本だった。
ナオミと譲治の関係の結末は自分の趣向からは離れたものに感じたけれど、そこ至る過程では共感するところがたくさんあって、解説にあった「しかし、人間はマゾヒズムにおいてこそ、つまり何ものかのため自己を隷属させることによってこそ、はじめて自己を確認できるというのが、谷崎の思想だったといえるのである。」という言葉には多少の理解をした。
恋人との関係の中で、ふとした瞬間に恋人の悪いところだけが目についてそれについてあれこれ考えても、なんか可愛いから許してしまったり、あるいは譲治のように肉体的な蠱惑に魅せられてどうでもよくなったりした経験がある。このとき自分は、自身の単純さや浅ましさに対峙せざるを得なかった。このような経験は恋人との関係や自身の精神衛生上ネガティブな側面が強いと思っていたが、自己を確認する一つの方法だと思えばそれも悪くないかと思うことができた。
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色欲による清々しいほどの堕落と情けなさ。
どこまでも哀れな譲治に、しかしどこか憧れもある。
美の前に屈服してこそ男性性を全うしたと言えるのかもしれない。
Posted by ブクログ
これはもはや愛ではなくて依存では。
男は惚れた女にはこうも弱くなるもんなんだろうか。
全体通してあんまり共感はできなかった。
昔の有名な文豪と言われる人の作品って読みづらいイメージがあったけど、どうなるんだろうって気になるのもあってこれはスラスラ読めたな。
所々に出てくる脚注も読みながら進めてたらちょいちょい脚注でネタバレしてて、なんだか新鮮だった。
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自分の好みに育てた妻から裏切られる話。
何度も裏切られてるのにまだナオミ(妻)に執着してるのはもうどうしようもない。これは愛じゃなく執着だよ。でも、本人がそれで幸せなら他人がとやかく言うことじゃないね。
Posted by ブクログ
"美"への執着というか崇拝というか。
ただ、美しい人への崇拝の気持ちはよく分かる。
美しさは尊い。それに騙されたって構わない。
むしろ振り回される、それが快楽。
年齢を重ねるごとにそんな感覚も欲望も
なくなってくるし、もういい年なんだから、って制する自分もいるけど、美しい人を前にすると
そんな建前も飛んでいってしまう感覚。
それさえも尊い。
Posted by ブクログ
ナオミみたいな女に振り回されたい、、、って思いながらほんとに当事者になったら困る。というか清潔感無いのは嫌だな。いい身体してるんだろうな、ナオミ。
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譲治はナオミという偶像に恋してしまったから、彼女の中身を理解しようとも、対等に向き合おうともしなかった。結果、ナオミは育てられる存在から支配する存在へと変わっていった。
偶像じゃなく生身の人間として扱えていたら、ナオミもきっと別の姿を見せていたかもね。
Posted by ブクログ
河合さんのナオミへの愛が伝わって来て次はどうなるんだろうとページが進んだ。それにしても、その愛はナオミの外観に執着している。多分、その自由気ままで我儘な内面にも魅了されているんだろう。世の中には、こういう夫婦もいるんだろう。
このあとどうなるのかと思いながらページが進んだが、2人の関係に変化は無くというより、河合さんのナオミへの愛なのか外観への執着なのかわからないが、なるようになったんだと思う。
Posted by ブクログ
三島が活躍するには谷崎という先達が必要だった。MだろうがSだろうがなんだってありだ、文学に昇華しさえすれば。このカオスな文学の大海に漕ぎ出せば「自分は変態なんだ生きてる価値なんで無いんだいっそ死んだ方がましだ」と思うような狭い枠組みは、ただ自分の視野の狭さから生じていると気付くだろう。踏んでくれ、ナオミ!
Posted by ブクログ
特に後半にもなると2人にはただただイライラさせられるばかり。しかし不本意にも譲治の心理やナオミの蠱惑は節々に感じ取ってしまう。文学作品としての価値が高いのは間違いがない。あんまりこういう時代のを読まないもので、個人的には当時のハイカラ信仰や漢字づかいが学べたことが何より面白かった。
Posted by ブクログ
個人的な好みには当てはまらないけど、谷崎節がよく効いた本だった…!
そしてやはり最後の解説と評論に助けられた。
なんて言うんだろ、物語の起承転結ではなく主人公の視点とか(いわゆるエロティシズム)が興味深かったなーそんなに陶酔に浸るのが良い心地なのかどうかは私には理解できないし性欲に振り回されるの のも分かんないけど、その世界で確かに生きる人がいるということだよねえ、、!
勉強になる^_^
Posted by ブクログ
情けない男と激ヤバ女の話。
読んでいて恥ずかしくなってくるくらい主人公が情けない!着物をのせて足袋を手につけて一人でお馬さんごっこしている図、キモすぎてゾッとした
情けないし気色悪いのに、一周回って面白いから癪だな〜
ナオミはとんでもなく贅沢我儘破天荒で、それに憧れるなんてことは1ミリもないんだけど、その贅沢我儘破天荒が許される美しさがあるのはいいなぁと思ってしまう
Posted by ブクログ
三宅香帆氏の「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」にも紹介されていた大正時代に新聞連載されいたサラリーマン (男) 向けのエンタメ小説。川端康成、三島由紀夫より前。古いわりに違和感なくとても読みやすい。当時としては一般向けとして大分飛んでる話だろうが、現在の方が余程ぶっ飛んでいるのでそんな世界もあるだろうと思うレベル。ところどころ読者に語り掛ける文言が出てくるのが今読むと新鮮な感じ。
Posted by ブクログ
譲治の愚かさとナオミの股のゆるさに終始苛立つばかりですが、それが作者の目論見なのでしょう。読んでいて極めて不愉快だが、目を逸せない。愛は不合理であること、男女の仲はバランスゲームであることをまざまざと感じさせられました。
Posted by ブクログ
話題になってたから読んでみた
結局、惚れた方が負けってことなのかな..
最後の方は飽きてきて飛ばし読み
何十年も前の話とはいえ28歳と15歳の恋愛は少し気持ち悪かった
お風呂に入れてあげるシーンとか出てくる
そこまで生々しくはないけど、どうしても、、