谷崎潤一郎のレビュー一覧

  • 細雪(上)

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    あらすじ
    1936年(昭和11年)秋から1941年(昭和16年)
    春までの大阪の旧家を舞台に、4姉妹の日常生活の悲喜こもごもを綴った作品。阪神間モダニズム時代の阪神間の生活文化を描いた作品としても知られ、全編の会話が船場言葉で書かれている。上流の大阪人の生活を描き絢爛でありながら、それゆえに第二次世界大戦前の崩壊寸前の滅びの美を内包し、挽歌的な切なさをも醸し出している。作品の主な舞台は職住分離が進んだため住居のある阪神間(職場は船場)であるが、大阪(船場)文化の崩壊過程を描いている。
    感想
    没落商家の四姉妹、ある人からフランス語で発行された本をよんで描写が良かったと言われ日本語版を読んでみた。

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    2021年08月27日
  • 谷崎マンガ 変態アンソロジー

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    谷崎潤一郎の小説を様々な漫画家がコミカライズした作品を集めたアンソロジー。「変態アンソロジー」という副題が期待値を下げさせるが、読んでみるとこれが思いのほか面白かった。古屋兎丸としりあがり寿が飛び抜けてつまらない以外どれも良い。特に画家の山口晃が漫画に挑んだ「台所太平記」と、近藤聡乃の「夢の浮橋」が素晴らしい。「台所太平記」は未読なので原作の方も読みたくなった。「夢の浮橋」はかなりアレンジが加えられていてほとんどオリジナルに近い感じだがなんとも怖い。あと、榎本俊二の「青塚氏の話」、高野文子「陰翳礼讃」も良い。高野文子は如何にも高野文子という感じ。

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    2021年08月22日
  • 秘密(乙女の本棚)

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    <乙女の本棚>シリーズに谷崎潤一郎がついに登場。これまで登場してこなかったのが不思議だ。そして絵師は、これまたシリーズ初登場のマツオヒロミ。美麗かつ妖艶。文章も絵も、耽美でデカダン。
     「本」としての出来栄えは秀逸すぎる。ただ、お値段が高い。オールカーラーで判型も特殊だからしょうがない。

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    2021年05月09日
  • 痴人の愛

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    沼 あたしだって異性に翻弄されて、気違いになって、自分がぐちゃぐちゃになる事たくさんあるよ。もどかしいけど、共感してしまう。

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    2025年12月16日
  • 陰翳礼讃

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    1933年に出版された書
    建築、インテリア、照明を専門とする者においては今なおバイブル的な存在である
    日本的な美のあり方を陰翳を軸に語られている
    改行が少なく読みにくい文体ではあるが丁寧に読み進めると、文章の美しさから情景が浮かび上がってくる

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    2021年04月23日
  • 陰翳礼讃

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    インテリアや照明に携わる職業の方々に幅広く読まれている本書。日本家屋についてだけではなく、すぐれた日本人論としても読める珠玉の一冊。

    日本人が好む美しさとは、省略の美であるということ。空白を持って画面を構成する日本画もそうであるし、無駄な言葉や描写のない小津安二郎、北野武の映画も実に日本的な美と言える。宮崎駿さんが「アニメーションは三歩あるいて十歩あるいたように見せなければ意味がない」というような主旨のことを何処かて語っておられたが、それも日本の美なんだなあと強く思った。また、世界で評価されているのはまさにそれら省略の美そのものなのだ。

    その点では若者の流行言葉の略語なども日本独自の文化な

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    2021年04月18日
  • 秘密(乙女の本棚)

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    女装が美しい男の人は、ちょっと憧れる。
    昔に付き合った美しい女性と再会して少し嬉しくなったのだろうと思う。
    美しい人同士の恋愛。
    良いけど、
    不倫ってこと?
    秘密はそのままにできない魔力があるのかも。
    好きで知りたかったから行動したのか?
    仕方がないと思う。
    辛いけどさようなら。

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    2021年04月13日
  • 卍(まんじ)

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    ネタバレ

    主人公 園子の大阪弁による一人語りで物語は展開される。美術学校で出会った両性愛の女性 光子に、関係する男女が翻弄されていく。昭和初期の作品ではあるが、一風変わった愛のカタチとして、三浦しをん著『きみはポラリス』の1編として加えてもいいかも。。。

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    2021年03月17日
  • 細雪(下)

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    ネタバレ

    「細雪」回顧によりますと、谷崎潤一郎はこの作品を書き始めたのは太平洋戦争の勃発した翌年、昭和十七年であり、書き終わるまで六年かかったそうです。
    また「細雪」には源氏物語の影響があるのではと人に聞かれたそうです。
    最初の三年は熱海で書き、次に岡山県、平和になってから京都と熱海で書かれたそうです。
    長かったから肉体的に疲れたそうです。

    三十三歳になる三女の雪子の姿かたちの描写が美しいと思いました。映画では吉永小百合さんが演じられたそうです。
    でも、今の時代なら、お姉さんやお嬢さんでも、まだ通る年齢ですがこの作品の時代では年増とよばれるのですね。
    雪子の左の眼の縁にあるシミが何度も問題にされますが

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    2021年02月27日
  • 細雪(中)

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    ネタバレ

    四女の妙子の出番が多い巻でした。

    妙子は奥畑という「船場の坊」と駆け落ちしようとしたことがありますが、今度は阪神間に記録的な水害が起こり、川の氾濫で今にも溺れ死にそうなところに駆けつけてくれた、板倉という丁稚上がりの写真家と恋仲になります。
    そして妙子は今までやっていた人形作りをやめて、洋裁の道に進み、洋行してあちらで手に職をつけたいと望むようになります。

    幸子らは反対して、欧州の動乱により洋行は中止になります。
    そして、板倉は耳の病気が元で細菌が体に回り、片脚を切断され、しばらくして亡くなってしまいます。

    神戸の鮨屋の「与兵」に幸子、夫の貞之助、雪子、妙子で食事にいく場面の新鮮なお鮨の

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    2021年02月25日
  • 細雪(上)

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    随分前から積読してあった本です。
    何度も途中で挫折してこれは大人になったら面白さがわかる本なのか(十分大人なんですが)と思ったら『世界は文学でできている』で楊逸さんが中高生にお薦めしていたので、慌てて読んでみました。
    読んでいるうちに、だんだん面白くなってきて、読むスピードが上がっていきました。


    『細雪』というタイトルですが、雪の降る場面はどこにもないそうです。
    昭和十年代の大阪船場に古いのれんを誇る蒔岡家の四人姉妹、鶴子、幸子、雪子、妙子、そして幸子の娘の悦子の五人の女性の物語です。
    大変雅やかな文章です。
    三女の雪子は姉妹のうちで一番美人ですが、縁談がまとまらず、三十歳を過ぎ独身で、幸

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    2021年02月23日
  • 春琴抄

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    ネタバレ

    耽美的な春琴の美しさが素晴らしい。
    結局、佐助は春琴のために盲となり、佐助の中で春琴は永遠に美しいままとなる。
    佐助の中で、すべてが完結する。
    誰にも邪魔されぬことはない、誰にも壊されることのない、もっとも幸せな在り方ではないかと思わされる。

    続けざまに三味線を操るのを辞めぬような語り口、圧倒的な文章力によって、こちらの考えをやさしく侵蝕してくる……

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    2021年02月14日
  • 春琴抄

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    知人にすすめられて。ずっと読みたいと思っていたものの、長らく積読になっていたので消化できて良い機会だった。
    句読点のすくない文章は読みにくいなんてことは全く無く、無駄が削ぎ落とされていて張り詰めた高揚感をもたらしてくれた。

    盲目の鵙屋琴(春琴)と、彼女に献身的に仕える温井佐助。
    二人の主従関係は周囲の人間の理解からは遥か手の届かないところにあって、でもその倒錯した愛はたまらないほど耽美でため息がもれる。ただ二人だけのための二人きりですべてが満たされ完結する世界。
    わりに私も己の観念のみで人を愛せるタイプなので、春琴の身に起きた悲劇を追うように全盲となってからの佐助の胸中は痛切に感じた。
    こん

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    2021年02月03日
  • 細雪(上)

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    上流の家系に生まれた4姉妹の物語。
    上から鶴子、幸子、雪子、妙子で、主に次女の幸子視点で語られる。
    三女の雪子が齢30にしていまだ未婚であり、家族のつてで縁談(お見合い?)を組んではいるものの、なかなかまとまらずにいる。
    雪子は無事に嫁げるのか?が物語の主軸でしょうか?

    雪子は家族や姪っ子とは快活に話せるのだが、一歩外へ出てしまうと、他人と話す時に必ずしどろもどろになってしまう。本文には買いてないけどコミュ障である。
    自分の意見を積極的に言うタイプではなく本当はいやなのに我慢して何も言わない、と言うシーンが多かった(そのせいで家族との意思疎通にたまに齟齬がでる。)

    自分は性別は違いますが、

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    2021年01月06日
  • 秘密(乙女の本棚)

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    序盤は、文字間隔や背景の色などで読みにくいのが気になった。
    でもこの文章も装丁の内であって、文章だけちゃんと読みたい人は普通の小説を読めば良い訳だから、と自分に言い聞かせながらページをめくっていく内に、マツオヒロミさんの絵にすっかり魅了されてしまった。
    これは絵本の域を超えていると思う。漫画、小説、映画など、一つの作品を味わうのに色々なジャンルがあるけれど、まだ名前のない新たなジャンルを体験しているのではないかという気がした。
    お話の方はすごく谷崎らしいのだけれど、今まで主人公を谷崎の顔で想像してしまっていたのがこのイラストに挿し変わるだけで、こんなに世界が変わるのか、と思ってしまった。

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    2020年11月10日
  • 細雪(中)

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    上巻では旧家の姉妹たちのはんなりとした暮らしぶりが淡々と語られるに終始していたが、中巻になると雪子の縁談の難航や、幸子の身に悲しい出来事が起きたり、妙子が水害に見舞われるなどが語られ、ゆるゆる続くかと思われた物語に起伏が生じる。
    これらが蒔岡家の行末の暗さを象徴するように感じられ、上巻から続く季節や姉妹の美しい描写に切なさが帯びてくる。

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    2020年08月09日
  • 陰翳礼讃

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    文章が美しく、正に声に出して読みたい日本語という感じ。陰翳礼讃は、闇や暗がり、影と言った、通常好まれないものに対する別の見方を与えてくれる。特に、漆器や黄金の闇との調和から見た美しさ、日本人の肌の色から生じた微妙な影から来る独特の美しさなどの記述は、それ自身が美しい。
    懶惰の説、旅のいろいろ、ねこ、なども谷崎のノスタルジックな見方を伝えてくれる。内容もさることながら、文章そのものの美しさが心地よく、何度も読んでしまう。

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    2020年07月19日
  • 少将滋幹の母

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    この話の始まりは、色好みの平中こと兵衛佐平定文の色ごとからなる。
    時の左大臣は、政敵菅原道真を追い落とした藤原時平(通称しへい)。時平は年老いた叔父国経の若く美貌の北の方に目を付け、自分のものにしようとしていた。かの北の方は、かつて平中も国経の目を盗み忍んだ相手だ。
    時平は、国経を持ち上げ追い込み、ついには「我が宝」と呼ぶその北の方を堂々と連れ去ってしまう。
    その様子を平中は苦々しく思っていた。平中は色を好むが、相手につれなくされれば燃え上がり、泣き真似が読まれていたり相手の汚物を手に入れようなどとユーモラスかつ粋な恋の駆け引きを楽しむ。そんな彼にとって、見せつけるようにしてその妻を奪うという

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    2019年12月29日
  • 谷崎潤一郎フェティシズム小説集

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    ネタバレ

    谷崎潤一郎のフェティシズムをテーマにした短編集。

    時には残酷に時にはマゾになる登場人物たちが魅力的。
    この作品を読んでいるとサドとマゾは表裏一体なのだなと思わせられる。

    そして、女性の体の「そんなところまでみているのか」と逆に感心させられてしまうほどの執拗な描写は谷崎のこだわりを感じさせられる。

    やらしいのにやらしく感じさせないのが素晴らしい。

    特に、「富美子の足」などは足の描写だけでよく、こんなにもページをさけたな!と思えるほど
    谷崎が足フェチを炸裂させている。

    登場する女性たちもみんな無自覚小悪魔といった感じで「ふーん、なるほど谷崎はこんなタイプが好きなのか」
    とニヤリとしながら

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    2019年11月09日
  • 猫と庄造と二人のおんな

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    猫が一番!女房はそれ以下!!何という男よ。谷崎の短い長編だが、田辺聖子さんか?と思うくらい軽快でユーモア垣間見えるナイスな一冊。小心者でろくでなし男、庄造。策略家で我の強い元妻・品子。小金持ちの娘でふしだらな現妻・福子。こんな三角関係の絶対的トップに君臨するのはリリーちゃん。美しきメス猫。庄造は恋人のようにリリーを愛することから、不穏な元妻と現妻。そんなドタバタ話だが、とにかくリリーが可愛すぎ。猫を飼ったことがない私にも、猫の魅力が存分に伝わる描写が流石。で、ラスト、ここで終わるの!?という唐突さに驚き。

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    2019年09月24日