谷崎潤一郎のレビュー一覧
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大正7年(※)、新進作家の谷崎潤一郎は麻生市兵衛町に新築されたばかりの永井荷風亭を訪ねた。小さな庭に設えた巴里のカフェに模した丸卓で相向き乍ら、祝いに持参した葡萄酒を注ぎ合った。昨年「中央公論」に発表した『異端者の悲しみ』に現れた妹と父母との遣り取りはどこまで真実なんだい、などと荷風は問い、全部真実です、などと潤一郎は答えた。
「勿論、世之介のように、遊び人の心情に即して描いた小説がなかったわけじゃない。でも君は今にも死にそうな肺病病みの妹を心で罵り、友人の借金を踏み倒し、家にも帰らない穀潰しの貧乏長屋の学生を嬉々として描いた。また新しい文学を描いたね」
「そう先生に褒めて頂けると、耻を忍ん -
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乙女の本棚シリーズ♪
谷崎潤一郎さん×マツオヒロミさん
読んでみたかった谷崎潤一郎さん。
こういう感じの文章を書かれる方だったんですね〜!
うわ〜読みにク、、、( ̄b ̄)シーッ!
難しい漢字がたくさん出てきたりして、なかなか勉強になりました笑笑
読みにくさはあったけど、なんとも色気を感じる様な美しさのある文章と、マツオさんの妖艶で美しい装画がほんと絶妙にマッチしてて、めちゃくちゃ良かった〜!!
でも正直、この装画がなかったら初谷崎さん、ここまで楽しめなかったと思う。
日常に飽きてしまい刺激を求める男。
そんな男が見つけた「秘密」。
「秘密」というのは、秘密であるからこそ想像を掻き立てさせ -
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谷崎潤一郎文学忌 1886.7.24.〜1995.7.30
谷崎忌 潤一郎忌
「刺青」しせい
1910.10 デビュー作のようです。
人々が「愚か」という貴い徳をもっていて 世の中が今のように激しくきしみ合わない時分でした。
この一文から始まる刺青は、小説の時代背景を希薄にして、美しい事が全てという世界観を容認させてしまいます。そして、美しい事、強さがある事は、これからの作品に継承されていきます。
元浮世絵職人の彫師。自分の望む美女に魂を込めて、掘りたい画題がある。彼は、偶然見知った、足の美しい女に「肥料」と題したその絵を掘り上げる。多くの男達の死骸を見つめる桜の木の下に佇む女の絵。女は -
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知人と「パートナーがその同性と浮気したらどうする」という話になった。「なんか、敵わないよね」という結論に至った気がする。本書はそんな昔話を思い起こさせる。
ただ、設定としての同性愛や中村光夫が解説で使う「変態性欲」というキツめの言葉、触れ込みの「淫靡で濃密な愛憎」を真に受けると谷崎は誤読すると思う。
見えてくるのは周囲を誤魔化してでも崇拝される者たろうとするエゴに満ちた悪魔的人間と、跪かざるを得ない凡夫たちだ。悪魔はそのまま谷崎的な女性崇拝につながるのだろう。
物語はその関係性を構築するため緻密に稼働する。まるで悪魔に奉仕するかのように。 -
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戦争の足音が忍び寄り、時代の流れには抗えない様相になる中でも、日本の文化的行事や生活様式を変わらぬ価値観で貫いて生きる四姉妹とその家族。我々が生きる現代の日本を思うと、歴史的に見ればほんの数年の第二次世界大戦を経て日本の文化や価値観が劇的に変わったのだと実感する。敗戦とはこう言う事なのかと。。
結婚一つ決めるのも本家の許可が必要とか、戦後仕事も結婚も自由に選べる今を思えば生きづらい世の中だったとも思いますが、引き換えにならない程の今はなき良き日本もたくさんある。
神戸の大水害が実際にあった事とは初めて知りましたが、家のしきたりに逆らい奔放に生きる四女妙子がこの大水害にも巻き込まれて九死に一生を
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