谷崎潤一郎のレビュー一覧

  • 刺青・秘密

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    大正7年(※)、新進作家の谷崎潤一郎は麻生市兵衛町に新築されたばかりの永井荷風亭を訪ねた。小さな庭に設えた巴里のカフェに模した丸卓で相向き乍ら、祝いに持参した葡萄酒を注ぎ合った。昨年「中央公論」に発表した『異端者の悲しみ』に現れた妹と父母との遣り取りはどこまで真実なんだい、などと荷風は問い、全部真実です、などと潤一郎は答えた。

    「勿論、世之介のように、遊び人の心情に即して描いた小説がなかったわけじゃない。でも君は今にも死にそうな肺病病みの妹を心で罵り、友人の借金を踏み倒し、家にも帰らない穀潰しの貧乏長屋の学生を嬉々として描いた。また新しい文学を描いたね」
    「そう先生に褒めて頂けると、耻を忍ん

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    2023年09月13日
  • 秘密(乙女の本棚)

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    乙女の本棚シリーズ♪
    谷崎潤一郎さん×マツオヒロミさん

    読んでみたかった谷崎潤一郎さん。
    こういう感じの文章を書かれる方だったんですね〜!
    うわ〜読みにク、、、( ̄b ̄)シーッ!
    難しい漢字がたくさん出てきたりして、なかなか勉強になりました笑笑

    読みにくさはあったけど、なんとも色気を感じる様な美しさのある文章と、マツオさんの妖艶で美しい装画がほんと絶妙にマッチしてて、めちゃくちゃ良かった〜!!
    でも正直、この装画がなかったら初谷崎さん、ここまで楽しめなかったと思う。

    日常に飽きてしまい刺激を求める男。
    そんな男が見つけた「秘密」。
    「秘密」というのは、秘密であるからこそ想像を掻き立てさせ

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    2023年08月31日
  • 谷崎潤一郎マゾヒズム小説集

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    サービスのS、身勝手のM。なるほどね。今まで深く考えたことはなかったけど、そういうことか。

    幇間はわかってしまった…

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    2023年08月28日
  • 痴人の愛 アニメカバー版

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    近代文学には苦手意識があったがとても読みやすかった。
    「艶かしい」って、こういうものを表現するときに使う言葉なんだろうなと思った。

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    2023年08月24日
  • 痴人の愛 アニメカバー版

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    ネタバレ

    内容とは関係ないが角川文庫のこの表紙は好きじゃない。ナオミの髪が紫なのも気になるが、それよりも主人公の男がこんなイケメンな訳がない。顔面至上主義か。

    女性に振り回される、という構図がリアルに描かれていて理解しやすかった。
    え、あんな若い女性がこんなおっさんと付き合ってんの!?と思うことはたまにあるが、そういう時にはいつも若い女性が冷たい目線を向けられて苦労するのだろうな、と思っていた。しかしこの本では「おっさん」側の視点で描かれていて、あ、こういう関係だとおっさんも世間体の問題で苦労するんだなと気付いた。

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    2023年08月17日
  • 鍵・瘋癲老人日記

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    『谷崎潤一郎=渡辺千萬子往復書簡 』(中公文庫)を読んだ後、『瘋癲老人日記』を読む。
    谷崎の最晩年と作品とが怪しく重なる。

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    2023年08月11日
  • 刺青・秘密

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    谷崎潤一郎文学忌 1886.7.24.〜1995.7.30
    谷崎忌 潤一郎忌

    「刺青」しせい
    1910.10 デビュー作のようです。
    人々が「愚か」という貴い徳をもっていて 世の中が今のように激しくきしみ合わない時分でした。
    この一文から始まる刺青は、小説の時代背景を希薄にして、美しい事が全てという世界観を容認させてしまいます。そして、美しい事、強さがある事は、これからの作品に継承されていきます。

    元浮世絵職人の彫師。自分の望む美女に魂を込めて、掘りたい画題がある。彼は、偶然見知った、足の美しい女に「肥料」と題したその絵を掘り上げる。多くの男達の死骸を見つめる桜の木の下に佇む女の絵。女は

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    2023年07月30日
  • 春琴抄

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    最初はなよい男とうざい女の話かと思っていたが、ここまで徹底した愛になるともうすごい。本当に彼女を理解し彼女につくした強い男だった。文体も流れるようで面白い。

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    2023年07月16日
  • 吉野葛・盲目物語

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    旅エッセイ風の小説「吉野葛」と、お市の方を描いた歴史小説「盲目物語」の中期二篇。
    「母」に「主」‥‥初期のマゾヒリズムとは少し趣が変わっていても、「従属する」という部分で変わらない作者の嗜好を感じてしまった。好きだ〜っ

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    2023年07月14日
  • 谷崎潤一郎フェティシズム小説集

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    人間っておもしろい
    が率直な感想

    明治から大正にかけて書かれた作品なのに、こんなにも鮮やかですっと入ってくる
    人間の本質的な部分ってずっと変わらないしそこもおもしろい

    「フェチ」なんてかわいいもんだなと思う
    この作品全て強烈なのにほんとにすがすがしく書かれているので恥ずかしくならない
    「それでなに?」感があって読んでて楽しい

    サドマドも同時に感じられてとてもおもしろかったです

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    2023年06月27日
  • 細雪(上)

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    「若草物語」を読み終わったところで、そういやこれも四姉妹の話だったなと、本棚の奥にいたのを引っ張り出してきた。
    意外にもさらさら読める。
    何より東京生まれの谷崎が、ここまで関西人の、特に若い女性の趣味や性格を詳細に把握できていたことに驚いた。
    松子夫人というモデルがあるにしても、まるで神の視点を持っているかのようにありありと描き出すのだから不思議だ。
    新潮版は注釈も素晴らしく、昭和初期の感じをこまかく想像できて楽しい。

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    2023年06月09日
  • 猫と庄造と二人のおんな

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    谷崎の作品を読んだのはこれが初めてだと思うが、筆力にうならされた。ある読書会が課題本として挙げていたので読んでみたのだが、粗筋をみてそのストーリーの小ささに、果たして読み通せるだろうかと危惧していた。しかし、それぞれの登場人物にとっての道理、そして人情のゆれが描かれ、飽きさせない。現代人の生活に、同じような密な道理や人情が働いているのかは疑問としても、自分のなかにあるものを描いてくれていると思う。

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    2023年05月05日
  • 卍(まんじ)

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    知人と「パートナーがその同性と浮気したらどうする」という話になった。「なんか、敵わないよね」という結論に至った気がする。本書はそんな昔話を思い起こさせる。
    ただ、設定としての同性愛や中村光夫が解説で使う「変態性欲」というキツめの言葉、触れ込みの「淫靡で濃密な愛憎」を真に受けると谷崎は誤読すると思う。
    見えてくるのは周囲を誤魔化してでも崇拝される者たろうとするエゴに満ちた悪魔的人間と、跪かざるを得ない凡夫たちだ。悪魔はそのまま谷崎的な女性崇拝につながるのだろう。
    物語はその関係性を構築するため緻密に稼働する。まるで悪魔に奉仕するかのように。

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    2023年05月03日
  • 細雪(中)

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    戦争の足音が忍び寄り、時代の流れには抗えない様相になる中でも、日本の文化的行事や生活様式を変わらぬ価値観で貫いて生きる四姉妹とその家族。我々が生きる現代の日本を思うと、歴史的に見ればほんの数年の第二次世界大戦を経て日本の文化や価値観が劇的に変わったのだと実感する。敗戦とはこう言う事なのかと。。
    結婚一つ決めるのも本家の許可が必要とか、戦後仕事も結婚も自由に選べる今を思えば生きづらい世の中だったとも思いますが、引き換えにならない程の今はなき良き日本もたくさんある。
    神戸の大水害が実際にあった事とは初めて知りましたが、家のしきたりに逆らい奔放に生きる四女妙子がこの大水害にも巻き込まれて九死に一生を

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    2023年04月30日
  • 細雪(上)

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    初めての谷崎潤一郎。
    昭和初期から第二次世界大戦勃発前まで、明治時代より続く上流階級の一族が衰退を辿りながらも、その生活様式や価値観を失わず生活する四姉妹の様子が、優雅で実に美しい。
    四姉妹が京都で花見をする場面は、目の前に満開の桜が咲き誇る景色が見えるようで、その文章の美しさに浸ってしまい、文庫の紹介文に書かれていた小説絵巻とは良く言ったものだと感心してしまう。
    結婚話がなかなか決まらない大和撫子を絵に描いたような三女雪子、自由奔放な四女妙子の行方が気になる中巻下巻。

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    2023年04月30日
  • 谷崎潤一郎犯罪小説集

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    江戸川乱歩の「D坂の殺人事件」での会話で谷崎潤一郎の「途上」を完全犯罪と言っていたので見てみたがほんとに偶然に偶然を重ねた必然的な事件で驚いた。
    こんな執念深さをもつことに恐怖すら感じた。

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    2023年04月04日
  • 痴人の愛 アニメカバー版

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    さすが谷崎先生、変態でみっともなくて好きです。人間こうなったら終わりと思いながらも共感できるところもあったりして、男という生き物の哀しさ、情けなさにグッと来ました。

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    2023年03月26日
  • 秘密(乙女の本棚)

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    ネタバレ

    最初は理解して読めたものの女性の登場からよくわからなくなってしまった。
    つまり、よからぬ関係だったということ?
    それとも本当に別世界に迷いこんでたのかしら?
    なんにせよ秘密まみれの作品。
    イラストがすごく綺麗でみとれました。

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    2023年03月22日
  • 谷崎潤一郎マゾヒズム小説集

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    レジに持っていくのをためらうタイトルとは反対に、ポップな装丁。
    楽しめる人と拒絶する人に分かれそう。
    谷崎が好きなら問答無用で受け入れるか。
    「少年」のエスカレートしていく感じがやばい。

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    2023年02月19日
  • 陰翳礼讃

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    名文に寄せる静かな写真。

    紙を取り入れた建築の柔らかみ、温かみ。厠の風流。闇と燭台あっての漆器、金屏風。

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    2023年02月12日