谷崎潤一郎のレビュー一覧

  • 谷崎潤一郎犯罪小説集

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    何だか初期の江戸川乱歩を読んでるような感覚に陥ったので情報整理。谷崎の生年が1886年で乱歩が1894年。収録されている作品は乱歩デビューの1923年より前の1918年から21年に発表されている。

    僕は浅学で知らなかったけど、裏表紙の紹介文によると、収録されている4編は日本における犯罪小説の原点となった作品だそうです。

    『柳湯の事件』
    ちょっと古い探偵小説のような入りなんだけど、段々と話が怪しくなってきて、現と幻の境目が混沌としてくる。さすが谷崎潤一郎(笑)。後半は探偵小説というよりも怪奇小説です。ぬらぬらのてんこ盛り。

    『途上』
    これまたちょっと古い探偵小説のような入り。執拗に触感を書

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    2025年02月19日
  • 卍(まんじ)

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    有名な話なのであらすじは知っていたのだが、読んでみると面白くて。話の展開が上手くて、若奥様の語りが魅力的。
    巻末の中村光夫の解説には「変態性欲」の話で、約十年後に書かれた『細雪』に比べると劣るみたいなことが書いてあって身も蓋もないが、いやいや大したものだと思った。『細雪』読んでないので比べられないけど。
    「変態性欲」なんて書かれるとエロ本みたいだが、エロ本と違うのは「行為」は書かれていないところである。それを書かずにここまで異様な盛り上がりが描けるのはすごいと言うしかない。何度も映像化されて、エロ的に消費されがちな設定ではあるが、映像と文学は違うのである。
    映像で描ききれないのは、語り手と作者

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    2025年02月15日
  • 細雪(下)

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    結婚は墓場と言うけれど、それを女性で具現化した様な本だ。
    特に最後はそれを象徴したような表現になっている。

    慣習や人間関係に縛られ読者を「もどかしさ」という感情によって、家族関係の内に引きずり込んだ。
    沢山の子が居る人も、分家の人も、独り身も、放蕩も、皆幸せを獲ていない。
    女性の人生における、母体という「呪い」を私は感じました。

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    2025年02月03日
  • しりあがり寿版 瘋癲老人日記

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    谷崎の瘋癲老人日記、久々に読み返す。

    瘋癲老人日記といえば、棟方志功の挿絵。
    今回は、しりあがり寿さんの挿絵での新装版。

    ここ二、三十年の漫画は、ほとんど存じ上げておらず、しりあがりさんのも読んだことはない。
    但し、京都での「ドラえもん展」で、しりあがりさんのシュールなドラえもん動画は観ており、すごぶる面白かった。
    思わず、Tシャツも買ってしまった。。。

    で、しりあがりさんの瘋癲老人日記の挿絵。
    この奇妙さと滑稽さが表裏一体な、ひとりのジイさんの物語にピタっとハマっている。
    ※棟方志功の挿絵だと、棟方しか浮かんでこない....

    何回読んでも、このカタカタ文章、これがなんか怖いよね。

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    2025年01月23日
  • 刺青・秘密

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    表題の「刺青」や「少年」などはまさに谷崎氏らしいエロティックな作品ですが、「母を恋うる記」は凄まじく綺麗な風景描写が心に残りました。作者でなければ書くことのできない美しい表現を用いて風景が描かれており、そこに感動しながら読んでいるとお決まりの?谷崎氏らしい人物描写も登場し、短い話ですがたいへん読み応えがあり、大好きです。ぜひ読んで欲しい作品です。
    ただ、「異端者の悲しみ」や「二人の稚児」は途中までは面白いのですがオチが突然すぎてあまり脈絡なく感じたのが残念でした。(解説を読んで作者がなぜ書いたのかは納得はしました。)
    しかし「母を恋うる記」がよすぎてこれだけでこの本は買いだ!となりました。

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    2025年01月21日
  • 人魚の嘆き(乙女の本棚)

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    乙女の本棚。イラストと物語両方に、耽美、退廃、がかなり濃厚に詰まっております。
    美しいものが美しいものを求めるのは世の常なのでしょうか。
    甘ったるぅぅぅい悪い酒を飲まされたような後味。
    良い酒でないから残る、残る。

    2025.1.19
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    2025年01月19日
  • 痴人の愛 アニメカバー版

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    自分が立場が上だと思い掌で転がしているつもりがいつの間にか、相手の手中にいると言う怖さ。客観的に捉えながらもハマっていってしまう主人公の感情が切実に描写されていた。

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    2025年01月13日
  • 痴人の愛 アニメカバー版

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    ナオミのような、蠱惑的な魅力を持った女性って実際にもいるんだろうなって思った
    まだ幼い頃のナオミと、自分の美しさを知ったナオミの違いが怖い
    それまで「君子」と呼ばれてた男性の理性でも制御出来ずに、情欲に溺れるの怖かった
    肉体の描写がすごい

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    2025年01月03日
  • 人魚の嘆き(乙女の本棚)

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    やはり絵と物語が合っていて良い……。
    人魚に魅了されて、貴公子よかったね。一生涯夢中になれるものに出会えない人生は味気ないものだと思うから。

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    2024年12月31日
  • 谷崎潤一郎マゾヒズム小説集

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    エロティシズムとしてのM性に訴えてくるのは、最初に収録されている「少年」くらい。後はモチーフや設定としてマゾをとりあげてはいるが、それに由来する人間の心理の複雑さであったり、耽美の追求であったり、マゾヒズムとは何かという解説であったり、どちらかというとマゾヒズムという「世界観」を冷静に描写しているという感じ。一方で「少年」には、おふざけの遊戯の成り行きから年上の少女に支配される行為の蠱惑さそのもの、つまり萌芽ではあるがエロの官能そのものが描かれていて、これを恋愛として昇華すれば谷崎なんだろうけど、これをさらに人として超えてはならない猟奇や変態として追求すれば江戸川乱歩だなぁと思った。この2人の

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    2024年12月26日
  • 二人の稚児(乙女の本棚)

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    時代は平安
    比叡山の二人の稚児
    二人共幼い頃から山に預けられ
    俗世を知らぬまま 15と13に
    二人は美しく成長して 15になり出家を前にした稚児は煩悩に苦しむ
    彼は「女人の危険」を知る為に山を降りる
    外面似菩薩、内心如夜叉

    山に残った稚児は殿上人の息子
    俗世に降りた友人の誘いを断り仏門に専念して
    来世への功徳を決意する
    しかし15になった稚児は やはり煩悩に苦しみ始める その煩悩を苦行で乗り越えようとするが
    本当に乗り越えられたのは 前世からの想いを繋ぐ鳥との邂逅

    稚児が男性として成長する時の煩悩との戦い


    夜汽車さん 稚児は美しくすぎるのではないのか
    女人達が怪し過ぎるのではないか と

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    2024年12月24日
  • 二人の稚児(乙女の本棚)

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    いやー相変わらず潤ちゃんムズい漢字使い過ぎだわ
    いや分かるけども!
    覚えたてで使いたくなるの分かるけども!(絶対そういうことじゃない)

    というわけで谷崎の潤ちゃんですわ

    うーん、あれ?
    「女人こわい」ってこと?
    「まんじゅうこわい」みたいなこと?(絶対違う)

    実はめっちゃ好きってこと?(違うって)

    そだよねー
    女人いいよねー
    分かるわー潤ちゃん分かるわー

    それにしても非常に『乙女の本棚』向きのお話であった
    夜汽車さんがめちゃくちゃ気合い入れてかわいい女の子描いてはった

    つまり『二人の稚児』の主題は「女人いいよねー」だ!

    間違いないよ
    だって潤ちゃんなんか3回も結婚してるもの
    それ

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    2024年12月24日
  • 二人の稚児(乙女の本棚)

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    三毒に満ち満ちた汚濁の現世と、欺瞞と上辺と建前と虚栄の法で飾り立てた信仰の山。
    どっちにしろまともな救いは望めない…と思ったところに現れる第三の道。
    最後の最後が美しい。

    kawaiiと仏教曼荼羅のごとき装飾が一体となった夜汽車氏のイラストも豪華絢爛。
    シリーズのなかでは『秘密』にならんで絢爛な絵だった。

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    2024年12月23日
  • 春琴抄

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    読後、本の説明を読んで、これマゾヒズムだったのかと……
    そう思わずに純愛だと思って読んでた
    確かに説明するなればサドマゾの関係ではある
    でもあくまでも他者から見た異常性に名前をつけるならばマゾであって、本質的にはやっぱりマゾとは思えないなぁ
    2人は離れ難かった
    心の深いところでお互いを思い合っていた
    共依存
    危うい関係性、だけどそこには確かに愛がある お互いがお互いを想い合うのであればそれでいいじゃないかと思わせられる文章だった

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    2024年12月07日
  • 少将滋幹の母

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    酔ってたのに急にしゃっきりして、左大臣に妻を差し出す場面、夕桜の下で老母に再会する場面が良かった。侍従のおまるの話はちょっと・・

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    2024年11月16日
  • 台所太平記

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    ネタバレ

    一応、千倉磊吉(ちくららいきち)という作家の家で働く女中さんの話というフィクションの態を取っているけど、これは谷崎純一郎宅で働いていた女中さんたちの話。
    すべてがすべて完全実話じゃないかもしれませんが、この突拍子もなさは多分ほとんど実話。
    だからとても愉快に読んだ。

    今のご時世、女中さん(お手伝いさん)を雇っている家となれば大金持ちでしかありえないけれど、昭和の初めころのそれは、わりとよくある職業の一つだった。
    何せ原作マンガのサザエさんでさえ、ご近所のお手伝いさんとして働いていたことがあるのだから。

    しかしさすがは文豪谷崎潤一郎。
    彼の家には複数人の女中さんたちが入れ代わり立ち代わり雇わ

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    2024年11月14日
  • 細雪(中)

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    「上からダラダラ名家の生活読まされてつまらないなァ」と思ったけど中の後半から一気に面白くなった。
    時代の移ろいを妙子という自立した女で激しく書いている。

    それぞれの姉妹が、それぞれの強さを持っていて好きになってきた。

    「運」という言葉は、科学や医療が未発達だからこそある言葉なのかもしれない。

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    2024年11月14日
  • 陰翳礼讃

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    小説なのかと思いきや評論だった。ひたすら日本の陰影文化の良さについて語った作品。プリクラとか逆光動画が嫌いなので共感した。やっぱ写真や動画は編集しない方がいいよ。

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    2024年11月11日
  • 猫と庄造と二人のおんな

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    多かれ少なかれ人間なんて所詮、愛の奴隷なのだなぁ。未練がましくあたふたとする人間たちを横目に、気ままに暮らす猫の姿のなんと対照的なこと。アイロニーたっぷりで読みやすい作品でした。

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    2024年11月10日
  • タナトスの蒐集匣 -耽美幻想作品集-(新潮文庫nex)

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    妖しげな姫様(?)の絵が好みでジャケ買い。近代文学史に名を残す文豪たちによる怪作集。「桜の森の満開の下」「芋虫」「夢十夜」は以前読んだことがありましたが、今回も変わらずおもしろくて好きな作品です。個人的には「白蟻」のいい意味で「何を読まされているんや…?」という気持ちになり印象的でした。

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    2024年11月05日