谷崎潤一郎のレビュー一覧

  • 春琴抄

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    本自体に厚みはないものの、内容がとても厚くて素晴らしかった。昔の文体に多少読みづらさはあったけれど、理解できないことはなく、佐助の愛の深さと春琴の己の気高さに胸を打たれる作品。

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    2024年10月06日
  • 秘密(乙女の本棚)

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    谷崎潤一郎の『秘密』が、『百貨店ワルツ』などで知られる大人気イラストレーター・マツオヒロミによって、鮮やかに描かれる。

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    2024年10月04日
  • 卍(まんじ)

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    これほど人間の愛情という感情に切り込んだ小説を初めて読んだような気がする。
    物語は当事者である柿内未亡人の語りで語られるのもリアルさが増し、どんどん引き込まれた。
    ただ内容に引き込まれれば引き込まれるほど、気持ち悪い感情が出て来て、読むのを止めようかと思うけど辞められない麻薬のような物語だった。

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    2024年09月05日
  • 細雪(上)

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    昭和初期の婚活事情を面白く読ませてもらいました!
    谷崎潤一郎の他の作品に比べても非常に読みやすかったです!

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    2024年08月25日
  • 猫と庄造と二人のおんな

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    読みやすい本だった。猫を中心に嫉妬の感情がよく見られていたり人間の遠回しに何か行動をする様が面白かった。3人の大人達が色々と考えているところ猫のリーはいつも呑気に過ごしているのがすごくよい。

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    2024年08月14日
  • 秘密(乙女の本棚)

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    マツオヒロミの絵が好きで評価高め。もう少し絵が欲しかった。男の女装や仕草もみたかったなぁ。

    秘密は解明すると媚薬ではなくなり朝の顔が疲れて?見えて感情がなくなる。女はそれを知っていて目隠しで素性を知れないように永く恋愛が続くようにしていた。悲しい話だなぁ。

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    2024年08月11日
  • 二人の稚児(乙女の本棚)

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    イラストに酔わされて耽美さが強めにでてる。

    煩悩に悩める少年達。気持ちに素直に生きた1人と、信仰心を優先した1人。

    何を信じ何を軸にするかは人それぞれ。
    ここまで極端じゃなくても、欲か理性かは我々にも問われることがある。どっちを選んでも後悔はある。

    そんな当たり前のことをこんな耽美的な作品にしちゃうんですねぇ

    2024.8.10
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    2024年08月10日
  • 春琴抄

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    句読点がないが、勢いに任せてテンポよく読むことができたか。心理描写がないので、春琴や佐助の気持ちは読者が考えることとなる。

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    2024年07月27日
  • 猫と庄造と二人のおんな

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    めちゃくちゃ面白かった。谷崎やっぱりすごい。解説で「愛とは他ならぬ”隷属”であり、幸福とは”隷属の幸福”以外にありえない」という表現があったが、まさに谷崎文学の本質の一つだという感じですし、やっぱり人はみな猫の可愛さの前では奴隷になるしかないのですよ。

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    2024年07月27日
  • 痴人の愛 アニメカバー版

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    再読。
    5、6年ぶりに読んだ。
    前読んだ時はなんだこのクレイジーな話はっていうおもしろさを感じた気がするけど、自分自身色んな恋愛をして、色んな恋愛を見てきて感じ方が変わった。
    愛情には色々な形があって色々な価値観がある。今でこそ「多様性」という言葉が多用されてる(この言葉についても色々と思うところはあるけど、いまはとりあえず置いておいて、、)けど、まさに世間に囚われない夫婦の在り方について書かれている。
    何よりすごいのは谷崎がこの話を1920年代に書いてること。当時はかなり受け入れられなかったのでは?

    ナオミは譲治というパトロンがいて初めて輝くのであり、譲治と住まう帰るべきアトリエがあって初

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    2024年07月26日
  • 人魚の嘆き・魔術師

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    今年の谷崎潤一郎。美しくてため息が出る。
    てっきり食べられちゃうのかと思ったし(人魚)、公園前の乱痴気騒ぎが異常すぎる(魔術師)。
    挿絵も多くてご褒美的な一冊。

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    2024年07月24日
  • 人魚の嘆き(乙女の本棚)

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    真珠のような美しい人魚と、両親を亡くし全てを手に入れ人生の楽しみを見失った美しい貴公子の少し切ない大人のお伽噺。

    由緒ある格式高い家門、若く美しい容姿、国中の美味い酒、彼に身を寄せる美しい女達。

    目も眩むような報酬を求め、様々な人間が貢物を持って行くが彼が気に入ることはなかった。

    貴公子は豊富な知識で口が達者な商人たちの贋作までも見抜いていくが、そんな中で珍しく一人の異質なオランダ人に大層釘付けになる。

    人の目を惹きつけるオランダ人は、貴公子に大変珍しい美しい人魚を連れてきた。
    たくさんの人がこの人魚を欲しがったが、対価がかなり高額なためもうあなたしか手に入れることはできないだろう。

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    2024年07月23日
  • 人魚の嘆き・魔術師

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    初めて谷崎潤一郎の小説を読んだ。
    美しい日本語と文章が印象深い。
    以前読んだ小説のエピグラフに「魔術師」が引用されていて、とても気になり手に取ってみたけれど読んで良かった。

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    2024年07月15日
  • 細雪(上)

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    題名は知っているが、読んだことがない名作の代表。
    だが、読まないのは勿体無い。

    谷崎潤一郎が、「源氏物語」全現代語訳という大作業を行わなければ、決して生まれなかった作品。
    現代に「源氏物語」の「もののあはれ」を甦らせる試みだ。
    この大作に取り組んでいた最中に、太平洋戦争が勃発、谷崎は発表の場を失う。
    しかし、彼は、発表する可能性があるかどうかもわからない作品を、戦時中、描き続けたのだ。
    本作には、戦争の影は全く無い。
    そこに、谷崎の矜持がある。

    読んだ、という人に、本当に読んだかどうか確認する方法がある。
    結末はどうだったかを尋ねることだ。
    女主人公の一人、雪子が、華族と見合いをするために

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    2024年07月11日
  • 春琴抄

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    美しく才のある盲目の女とそれに連れ添う男の、複雑に絡まった愛の物語。
    短めではあるが、全体を通して香しい印象があり、退屈せずに読むことができる。
    読者に干渉してくる作品ではなく、手記を読むような、寝かしつけるために昔話を話してもらうような作品。
    句点、句読点、改行が異様に少なく、古い文体に不慣れなのもあり多少の読みづらさを感じた。
    しかし、畳み掛けるような語り口は、1冊分の落語を聞いているような心地がするし、溢れんばかりの想いの描写において特に強い効果を感じた。
    ページの黒さが圧巻であるし、ある種この読みづらさが面白いので、こういう本があってもいいと思う。
    主従か、夫婦か、狂信か、愛としか言い

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    2024年07月06日
  • 痴人の愛 アニメカバー版

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    いやほんま天才むっちゃ笑えた。
    これは変態という漢字2文字で終わらせていいものか。
    男の弱い部分がありありと表現されていて、分かるぞ〜と思いながら読んでました。
    ジョウジの馬鹿さを反面教師にして生きていこうと思います

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    2024年07月02日
  • 陰翳礼讃

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    日本語が美しかった。
    光があるからこそ闇があり、
    日本人ならではの繊細な感性が美しいと思った。
    普段読まないタイプの本だったので、語彙が増えた。

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    2024年06月28日
  • 悪魔 乙女の本棚作品集

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    「堕落させたくないもの程、益(ますます)堕落させたいのです。」
    美しい顔をした悪魔はこう言って、涙を流した。

    美しいものはそのままにして愛でたい、という思いはあるのに、それを汚してしまいたいと思う己の醜さに悪魔は涙した。悪魔は、人を堕落させるのが仕事なのだろうから、そう思い悩んでしまう辺りが悪魔に似つかわしくなく、哀れんであげたい気持ちになった。

    大切にしたいけど、悲しませたい。
    清くいてほしいと思うけれど、真っ黒にしたい。

    この欲望はどこから来るのだろう。
    占有したい感覚、所有して支配したい気持ちは、どうして生まれてくるのだろう。
    どうして、美しいものほど、汚したくなるのだろう。

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    2024年06月24日
  • 痴人の愛 アニメカバー版

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    アプリ版青空文庫で読みました。主人公に全く共感できなくてもこんなにおもしろい本があるのかと新発見でした。最終的にナオミの支配下に置かれやりたい放題されている譲治がどうしようもなく哀れで、でも本人は満更でもなさそうで滑稽。どうぞお幸せに。

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    2024年06月13日
  • 美食倶楽部 ――谷崎潤一郎 大正作品集

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    耽美だ…
    基本的に谷崎ってあんまり共感できる情動や美的感覚ではないけど、「或る調書の一節」はなんか良かった。語り手の男はクズだけど、誰かが自分のために泣いてくれることで自分が救われる気がすることってのはあるかもしれない。でもその為に相手を殴るっていうクズっぷりがすごい。凡庸じゃない、ひとかどのクズで良い。
    「白昼鬼語」の終わり方も良かったし、「青塚氏の話」も狂乱爺がホラーすぎて良かった。
    後書きの解説にもあったけど、美女に限らず登場人物は大体2面性を持ってるから、それが剥がれたり変化したりするのは面白い。


    ◯あらすじ
    「善に対して真剣になれず、美しき悪業に対してのみ真剣になれるような、奇態

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    2024年06月06日