谷崎潤一郎のレビュー一覧

  • 猫と庄造と二人のおんな

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    めちゃくちゃ面白かった。谷崎やっぱりすごい。解説で「愛とは他ならぬ”隷属”であり、幸福とは”隷属の幸福”以外にありえない」という表現があったが、まさに谷崎文学の本質の一つだという感じですし、やっぱり人はみな猫の可愛さの前では奴隷になるしかないのですよ。

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    2024年07月27日
  • 痴人の愛 アニメカバー版

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    再読。
    5、6年ぶりに読んだ。
    前読んだ時はなんだこのクレイジーな話はっていうおもしろさを感じた気がするけど、自分自身色んな恋愛をして、色んな恋愛を見てきて感じ方が変わった。
    愛情には色々な形があって色々な価値観がある。今でこそ「多様性」という言葉が多用されてる(この言葉についても色々と思うところはあるけど、いまはとりあえず置いておいて、、)けど、まさに世間に囚われない夫婦の在り方について書かれている。
    何よりすごいのは谷崎がこの話を1920年代に書いてること。当時はかなり受け入れられなかったのでは?

    ナオミは譲治というパトロンがいて初めて輝くのであり、譲治と住まう帰るべきアトリエがあって初

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    2024年07月26日
  • 人魚の嘆き・魔術師

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    今年の谷崎潤一郎。美しくてため息が出る。
    てっきり食べられちゃうのかと思ったし(人魚)、公園前の乱痴気騒ぎが異常すぎる(魔術師)。
    挿絵も多くてご褒美的な一冊。

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    2024年07月24日
  • 人魚の嘆き(乙女の本棚)

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    真珠のような美しい人魚と、両親を亡くし全てを手に入れ人生の楽しみを見失った美しい貴公子の少し切ない大人のお伽噺。

    由緒ある格式高い家門、若く美しい容姿、国中の美味い酒、彼に身を寄せる美しい女達。

    目も眩むような報酬を求め、様々な人間が貢物を持って行くが彼が気に入ることはなかった。

    貴公子は豊富な知識で口が達者な商人たちの贋作までも見抜いていくが、そんな中で珍しく一人の異質なオランダ人に大層釘付けになる。

    人の目を惹きつけるオランダ人は、貴公子に大変珍しい美しい人魚を連れてきた。
    たくさんの人がこの人魚を欲しがったが、対価がかなり高額なためもうあなたしか手に入れることはできないだろう。

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    2024年07月23日
  • 人魚の嘆き・魔術師

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    初めて谷崎潤一郎の小説を読んだ。
    美しい日本語と文章が印象深い。
    以前読んだ小説のエピグラフに「魔術師」が引用されていて、とても気になり手に取ってみたけれど読んで良かった。

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    2024年07月15日
  • 細雪(上)

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    題名は知っているが、読んだことがない名作の代表。
    だが、読まないのは勿体無い。

    谷崎潤一郎が、「源氏物語」全現代語訳という大作業を行わなければ、決して生まれなかった作品。
    現代に「源氏物語」の「もののあはれ」を甦らせる試みだ。
    この大作に取り組んでいた最中に、太平洋戦争が勃発、谷崎は発表の場を失う。
    しかし、彼は、発表する可能性があるかどうかもわからない作品を、戦時中、描き続けたのだ。
    本作には、戦争の影は全く無い。
    そこに、谷崎の矜持がある。

    読んだ、という人に、本当に読んだかどうか確認する方法がある。
    結末はどうだったかを尋ねることだ。
    女主人公の一人、雪子が、華族と見合いをするために

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    2024年07月11日
  • 春琴抄

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    美しく才のある盲目の女とそれに連れ添う男の、複雑に絡まった愛の物語。
    短めではあるが、全体を通して香しい印象があり、退屈せずに読むことができる。
    読者に干渉してくる作品ではなく、手記を読むような、寝かしつけるために昔話を話してもらうような作品。
    句点、句読点、改行が異様に少なく、古い文体に不慣れなのもあり多少の読みづらさを感じた。
    しかし、畳み掛けるような語り口は、1冊分の落語を聞いているような心地がするし、溢れんばかりの想いの描写において特に強い効果を感じた。
    ページの黒さが圧巻であるし、ある種この読みづらさが面白いので、こういう本があってもいいと思う。
    主従か、夫婦か、狂信か、愛としか言い

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    2024年07月06日
  • 痴人の愛 アニメカバー版

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    いやほんま天才むっちゃ笑えた。
    これは変態という漢字2文字で終わらせていいものか。
    男の弱い部分がありありと表現されていて、分かるぞ〜と思いながら読んでました。
    ジョウジの馬鹿さを反面教師にして生きていこうと思います

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    2024年07月02日
  • 陰翳礼讃

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    日本語が美しかった。
    光があるからこそ闇があり、
    日本人ならではの繊細な感性が美しいと思った。
    普段読まないタイプの本だったので、語彙が増えた。

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    2024年06月28日
  • 悪魔 乙女の本棚作品集

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    「堕落させたくないもの程、益(ますます)堕落させたいのです。」
    美しい顔をした悪魔はこう言って、涙を流した。

    美しいものはそのままにして愛でたい、という思いはあるのに、それを汚してしまいたいと思う己の醜さに悪魔は涙した。悪魔は、人を堕落させるのが仕事なのだろうから、そう思い悩んでしまう辺りが悪魔に似つかわしくなく、哀れんであげたい気持ちになった。

    大切にしたいけど、悲しませたい。
    清くいてほしいと思うけれど、真っ黒にしたい。

    この欲望はどこから来るのだろう。
    占有したい感覚、所有して支配したい気持ちは、どうして生まれてくるのだろう。
    どうして、美しいものほど、汚したくなるのだろう。

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    2024年06月24日
  • 痴人の愛 アニメカバー版

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    アプリ版青空文庫で読みました。主人公に全く共感できなくてもこんなにおもしろい本があるのかと新発見でした。最終的にナオミの支配下に置かれやりたい放題されている譲治がどうしようもなく哀れで、でも本人は満更でもなさそうで滑稽。どうぞお幸せに。

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    2024年06月13日
  • 美食倶楽部 ――谷崎潤一郎 大正作品集

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    耽美だ…
    基本的に谷崎ってあんまり共感できる情動や美的感覚ではないけど、「或る調書の一節」はなんか良かった。語り手の男はクズだけど、誰かが自分のために泣いてくれることで自分が救われる気がすることってのはあるかもしれない。でもその為に相手を殴るっていうクズっぷりがすごい。凡庸じゃない、ひとかどのクズで良い。
    「白昼鬼語」の終わり方も良かったし、「青塚氏の話」も狂乱爺がホラーすぎて良かった。
    後書きの解説にもあったけど、美女に限らず登場人物は大体2面性を持ってるから、それが剥がれたり変化したりするのは面白い。


    ◯あらすじ
    「善に対して真剣になれず、美しき悪業に対してのみ真剣になれるような、奇態

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    2024年06月06日
  • 痴人の愛 アニメカバー版

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    男と女ってのは面白いものだ。簡単に気狂いになれる。それを緻密に官能的に表現している。僕はなんだか、ナオミが嫌いになりそうだ。というか嫌いだ。だからこそこの作品は良いと言えるのだ。

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    2024年05月28日
  • 白昼鬼語~探偵くらぶ~

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    ネタバレ

    谷崎潤一郎の作品の中でもミステリ系のものを集めた一冊。

    以下特に好きだったものについて。

    『秘密』
    ありきたりな刺激では満足できなくなった男が女装して出歩いたりしているうちに、過去に関係があった女とたまたま出会い、道中目隠しをしたままで逢瀬を重ねるが…
    途中までの情熱とラストの呆気なさがとてもよかった。

    『途上』
    乱歩も好きだったという作品。
    プロバビリティーの犯罪。探偵が歩きながらする会話の中でじわじわ追い詰めていく様が好き。

    『私』
    学生寮で盗難が頻発し、主人公の「私」がどうも疑われているようだが…
    嘘はつかずにうまくミスリードさせているところと、人間や人生の不可解さがよく現れてい

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    2024年05月14日
  • 細雪(下)

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    上中下一気に読んだ。

    人の矛盾を孕んだ細やかな思考の流れを
    心地よいリズムで悠長に書きつけてあって
    日記を読んでいるような
    それでいて全て主語は三人称(主に次女の幸子)
    独特な中毒性のある、素敵な文章で読み始めたら止まらなかった

    雪子の見合いに始まり、
    雪子の結婚で終わる
    およそ五年?ほどの歳月を描いたストーリー

    人を着ているもの、体型肌艶、話し方雰囲気などで色々と考察する視点は
    SNSなどないし情報も少ない上で、
    結婚はもちろん人付き合いが生きる術となる時代に
    どれだけ重要視されていたのか思い知ったし
    その視点に今も学ぶことが多いと感じた
    板倉のことを若くて丈夫なのにどこか幸薄い相のあ

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    2024年05月12日
  • 二人の稚児(乙女の本棚)

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    わぁい!
    きれいな本! きれいな本!
    と思わず手にとってしまいました。
    たぶん、二人の稚児という作品は、挿し絵のない活字だけの本で何回か目にしています。
    作品への印象はかなり違います。
    実をいうと、登場する二人の稚児を一方は、世俗で成功し、一方は努力して信仰において成就したのだと、文字のみで読んだときにそう読んだのですが、どうも、そのようではないのではないか。
    そもそも、ふたりは身分に隔たりがある。
    こんな例って、他に何かあったろうか、と思ったら、そういえば、モーツアルトの歌劇「
    魔笛」では、王子のパミーノ(?)と鳥刺しのパパゲーノの対照的な結末があり、そこでは高貴とおもわれる夜の女王の娘のパ

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    2024年05月09日
  • 谷崎潤一郎犯罪小説集

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    「谷崎潤一郎」といえば、明治・大正・昭和の三つの時代に活躍した、『痴人の愛』『春琴抄』『細雪』などの代表作で知られる、文化勲章も受けた日本を代表する文豪のひとりでしたね。(1965年に鬼籍に入られています)

    本書『谷崎潤一郎 犯罪小説集』には、以下の4作品が収録されています。
    ・柳湯の事件(1918年)
    ・途上(1920年)
    ・私(1921年)
    ・白昼鬼語(1918年)

    本書を読んだことで、いわゆる「文豪」と呼ばれた作家たちとミステリー(犯罪小説、推理小説、探偵小説)作品の関係を調べていくと、非常に興味深いことが多く、そういう点でも、本と読書の魅力を改めて感じることが出来ました。

    谷崎潤

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    2024年04月14日
  • 細雪(下)

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    上中下通じて上方の上流階級の家族の日常が美しい絵巻物のように描かれている。
    その舞台の中で繰り広げられるゆっくりとした栄華の没落。そしてこいさんの破天荒ぶり。といったところが読みどころか。

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    2024年04月09日
  • 谷崎潤一郎犯罪小説集

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    谷崎潤一郎が実は推理小説、ミステリーらしきものをいくつもしたためており、しかもそれがどれも秀逸らしい、と知り手に取った一冊。
    収録されている4篇ともキャリアの序盤、100年と少し前に書かれたもので、やたらと"気違い"などという言葉が登場し、マイノリティやハンディキャッパー、あるいは女性に対する差別が顕在的かつ余りに露骨だなあ…と、今となっては半ば呆れてしまうところはあるが、読んでいるうちに我知らず、その時代に生きているかのような錯覚に陥る。
    それほどまでに、作品が持つ見えざる膂力は凄まじく、つまり、文章の美しさ、完成度が際立っている。
    プロットの方も、江戸川乱歩が文壇に現れ

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    2024年03月28日
  • 二人の稚児(乙女の本棚)

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    幼いときから稚児として寝食を共にしてきた千手丸と瑠璃光丸。成長とともに“煩悩”への向き合い方が変わって、それぞれの道へと分かれていく。女性の姿の描写が細かく丁寧で、谷崎さんの嗜好が現れているなあと…。どちらが正しいとか間違っているとも言えない難しいお話だったけど、“耽美”という言葉がピッタリな、“綺麗”なお話だと思った。

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    2024年03月23日