谷崎潤一郎のレビュー一覧
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昭和初期に書かれた、日本における光の意味を教えてくれる本。
ほどほどのあかりで、見るべきではないものはそのままに。
当時の光の増大に対する違和感は、現代で言うところの、情報量の増大と似ていると思った。
西洋人は闇を排除し隅々まで明るく照らし、光による闇の討伐を目指した。一方で、日本人は闇と共存し、ある意味、一体化していた。
しかし、日本人は、親しい闇を、西洋文明の流入により、追いやった。
見るべきではないものを突きつけられ、どう対処すべきか、悩まされる。実は、悩む必要などなく、対処すべき事でもない。それとは、ずっと前から無意識に共存してきたのである。
鎖国によって生じた文明の遅延に対する劣等感 -
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再読。
5、6年ぶりに読んだ。
前読んだ時はなんだこのクレイジーな話はっていうおもしろさを感じた気がするけど、自分自身色んな恋愛をして、色んな恋愛を見てきて感じ方が変わった。
愛情には色々な形があって色々な価値観がある。今でこそ「多様性」という言葉が多用されてる(この言葉についても色々と思うところはあるけど、いまはとりあえず置いておいて、、)けど、まさに世間に囚われない夫婦の在り方について書かれている。
何よりすごいのは谷崎がこの話を1920年代に書いてること。当時はかなり受け入れられなかったのでは?
ナオミは譲治というパトロンがいて初めて輝くのであり、譲治と住まう帰るべきアトリエがあって初 -
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真珠のような美しい人魚と、両親を亡くし全てを手に入れ人生の楽しみを見失った美しい貴公子の少し切ない大人のお伽噺。
由緒ある格式高い家門、若く美しい容姿、国中の美味い酒、彼に身を寄せる美しい女達。
目も眩むような報酬を求め、様々な人間が貢物を持って行くが彼が気に入ることはなかった。
貴公子は豊富な知識で口が達者な商人たちの贋作までも見抜いていくが、そんな中で珍しく一人の異質なオランダ人に大層釘付けになる。
人の目を惹きつけるオランダ人は、貴公子に大変珍しい美しい人魚を連れてきた。
たくさんの人がこの人魚を欲しがったが、対価がかなり高額なためもうあなたしか手に入れることはできないだろう。 -
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題名は知っているが、読んだことがない名作の代表。
だが、読まないのは勿体無い。
谷崎潤一郎が、「源氏物語」全現代語訳という大作業を行わなければ、決して生まれなかった作品。
現代に「源氏物語」の「もののあはれ」を甦らせる試みだ。
この大作に取り組んでいた最中に、太平洋戦争が勃発、谷崎は発表の場を失う。
しかし、彼は、発表する可能性があるかどうかもわからない作品を、戦時中、描き続けたのだ。
本作には、戦争の影は全く無い。
そこに、谷崎の矜持がある。
読んだ、という人に、本当に読んだかどうか確認する方法がある。
結末はどうだったかを尋ねることだ。
女主人公の一人、雪子が、華族と見合いをするために -
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「堕落させたくないもの程、益(ますます)堕落させたいのです。」
美しい顔をした悪魔はこう言って、涙を流した。
美しいものはそのままにして愛でたい、という思いはあるのに、それを汚してしまいたいと思う己の醜さに悪魔は涙した。悪魔は、人を堕落させるのが仕事なのだろうから、そう思い悩んでしまう辺りが悪魔に似つかわしくなく、哀れんであげたい気持ちになった。
大切にしたいけど、悲しませたい。
清くいてほしいと思うけれど、真っ黒にしたい。
この欲望はどこから来るのだろう。
占有したい感覚、所有して支配したい気持ちは、どうして生まれてくるのだろう。
どうして、美しいものほど、汚したくなるのだろう。
多