あらすじ
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人気シリーズ「乙女の本棚」第21弾は谷崎潤一郎×イラストレーター・夜汽車のコラボレーション!
小説としても画集としても楽しめる、魅惑の1冊。全イラスト描き下ろし。
お前さんの命を貰った代りに、私はさぞ美しくなったろうねえ
刺青師の清吉には、いつか理想の美女の肌に刺青を入れたいという野望があった。
谷崎潤一郎の『刺青』が、ノスタルジーを感じさせる美しい作品で大きな話題を呼び、本シリーズでは坂口安吾『夜長姫と耳男』を担当するイラストレーター・夜汽車によって描かれる。
名作文学と現代の美麗なイラストが融合した、珠玉のコラボレーション・シリーズ。
自分の本棚に飾っておきたい。大切なあの人にプレゼントしたい。そんな気持ちになる「乙女の本棚」シリーズの1冊。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
乙女の本棚シリーズから、谷崎潤一郎さんと夜汽車さんのコラボ作品「刺青」です。夜汽車さんのイラストは、息をのむような甘美な世界を醸し出してくれます。
凄腕の刺青師清吉には、光輝ある美女の肌を得て、それへ己れの魂を彫りこむという夢があった…。なかなか、理想とする女性が見つからず悶々としていたが、ようやくその女性が現れた…。その女性を眠らせ、背中に蜘蛛の刺青を彫りこんでしまうのだが…激しい痛みに耐え抜いた女性は、清吉が求めた真の強さと美しさを身に纏ったのだった…。「お前さんの命を貰った代りに、私はさぞ美しくなったろうねえ」
なんともいえない妖艶な世界でした…。刺青についてこれまであんまり知る機会もなかったこともあって、興味深く読めました。でも最大の見せ場というか、読ませ場か…は、作中の女性の豹変ぶりですね!美しくなりたいという思いは留まる所を知らないようです。
Posted by ブクログ
理想の魔性の女に自分の魂を彫りたいという欲望があまり理解できないけど(理想の対象にわたしだったら傷をつけたくない)、ぞくぞくした。
理想の対象に魅了されるのはいいな。そんな相手に出会ってみたい。
Posted by ブクログ
7月30日は、谷崎潤一郎文学忌、谷崎忌
1910年明治43年 「新思潮」初出
商業雑誌デビュー作 一躍文壇の人となる
文庫でもレビューしているけど
冒頭の時代設定の文章が日本に中の時代を
想像させて心地よい
彫師の男の物語
いつか理想の女の肌に芸術を刻みたい――
そう夢見ていた男は、ついにその完璧な肌を見出す。
だが刃を入れた瞬間、支配していたはずの彼が、
すでに女の虜となっていた。
彫り上げられた女は 痛みとともに“美”を宿す
恐れや従順を脱ぎ捨て、受動的な存在から
支配する側へと昇華する。
イラストは夜汽車さん
美しいけれど 谷崎の幻想耽美には向いていないかもしれません
着物を美しく描いてくれてありがとうございます
Posted by ブクログ
文章は読みやすいし、絵はとても美しい。
特に瞳の境界線が淡いのが好き。
でも話はドン引き。
稀代の彫物師が5年前に見た、籠から少し出た女の片足に惚れて、たまたま巡り会えたお使いで来た芸妓の卵の彼女に「顔も雰囲気も最高に好み」と薬で眠らせて(!)勝手に背中に蜘蛛の刺青を入れる。
まじで彫物師の男の勝手な大暴走。犯罪だよ。
許可なく刺青を入れられて吃驚されたり、芸妓デビューに障るかも知れない。一晩帰ってこなかったから周りからの目もある。
彼女が激怒しなかったから話はまとまった感じだけど、昨今の飲み物に睡眠薬を入れて女の子を眠らせて無体をする男の話を思い出して、ムカムカした。
Posted by ブクログ
『刺青』4
毎回表紙を見てキュンとさせられる
ページをめくりキュンとさせられる
『乙女の本棚』シリーズにはキュンしかありません(〃ω〃)
本作も美しいイラストに、色鮮やかな着物、そして、蜘蛛の刺青
凄い!惹き込まれる〜(ノ´∀`*)
これで、『乙女の本棚』は6冊目が読み終わりました
で、改めて思いました
文豪たちの作品は難解!
『乙女の本棚』シリーズで読むことで理解できるかもって思ってましたけどムリ!
アタシにはムリ!(ヾノ・∀・`)
やっぱり難しいものは難しい!
なので、、、
宣誓!
アタシ、1Qオネェはこれからも『乙女の本棚』シリーズは内容をそっちのけでイラストを楽しむことをここに誓います!
★の評価はイラストの評価ですわ♡
Posted by ブクログ
「乙女の本棚」第21弾。
稀代の刺青師が、理想の女に出会い、自分の好み蜘蛛の刺青を施す話。妖艶な話。フェチシズム?のこと。
ま、好きずきではあるが、クスリつかって気絶させて勝手に刺青しちゃうって、スゲー話ではある。
幻想的小説であるんだろうけど、女の立場からしてみると気持ち悪っていう一言である。違う、そういうことじゃないってのも知ってるけど。
イラストは素晴らしい。美しくて素敵。
Posted by ブクログ
妖艶?耽美?いやいや言葉濁してるけどただのドS野郎とドMの話やん。ヤバいやつをこの美しい絵が中和していい感じに耽美さ、妖艶さを醸し出してるだけやん。それがでも物語初心者には大事よね。雰囲気はしっかり掴める、乙女シリーズいい仕事してる、と思
います!
2023.12.19
198
Posted by ブクログ
文豪の名作と人気イラストレーターがコラボしたという、乙女の本棚シリーズ。
魅惑のラインナップの中で、ちょうど谷崎の刺青が発刊されたばかりだったのでこちらから読んでみました。
清吉という凄腕の若き彫物師は、理想とする美しい女に自分の魂を彫りたいと切に願っている。
そして漸くその娘に出会え、眠らせて背中に女郎蜘蛛を彫ってしまう。
激しい苦痛に耐えて目覚めた娘は、臆病な心を捨ててすっかり妖艶に生まれ変わっており、清吉は真っ先に娘の肥料(こやし)となっていたのであった、という話。
いかにも谷崎らしい耽美さ。女の美しさを描写する際の、圧倒的美を前に屈服するかのような丹念な文章表現は、何度繰り返して読んでもうっとりしてしまう。
清吉が、駕籠から僅かに見えただけの娘の生足に一目惚れするシーンとか凄まじい。
《その女の足は、彼に取っては貴き肉の宝玉であった。拇指から起って小指に終る繊細な五本の指の整い方、絵の島の海辺で獲れるうすべに色の貝にも劣らぬ爪の色合い、珠のような踵のまる味、清冽な岩間の水が絶えず足下を洗うかと疑われる皮膚の潤沢。この足こそは、やがて男の生血に肥え太り、男のむくろを踏みつける足であった。この足を持つ女こそは、彼が永年たずねあぐんだ、女の中の女であろうと思われた。》
Posted by ブクログ
「お前さんの命を貰った代わりに、私はさぞ美しくなったろうねえ」
いや〜なんか谷崎潤一郎って女性に対する複雑な感情を文章にぶつけているような作風なんだなあと思った。
恐れ、憎み、愛しさ、崇拝、完全に拗らせてます。
美しい着物、刺青のイラストも良し!
Posted by ブクログ
乙女の本棚シリーズ。夜汽車さんのキレイなイラストと、彫物師のお話が良く合っています。
凄腕の彫物師が、理想の肌女の子に出会って…という話。いくら凄腕でも、こんなに強引に掘って良いの?と戸惑いました。
自分の魂を込めて掘った清吉。これ以降、清吉は彫り師を続けられたのかな?それとも肥料になって、終わってしまったのでしょうか。
何ともいえない味わいのある作品でした。
Posted by ブクログ
乙女の本棚シリーズの一冊。
なるほど、乙女の本棚的には清吉はこうなるのか。こんなふうにイメージしたことなかったな。清吉には誰が彫ったの、なんていうことは言ってはいけないのだろう。
絵が乙女度かなり高めなので、これは谷崎の世界とは違うという人はでてきそうだな。
Posted by ブクログ
乙女の本棚、谷崎潤一郎と夜汽車さんのコラボレーションです。
美しい者は強者で、醜い者は弱者とされた時代の物語。美しくあるために刺青がもてはやされていました。刺青師の清吉が見込んだ娘が背中に刺青をされた後の変貌ぶりに驚きました。
清吉の魂を刺青として打ち込まれ、痛みを知り、臆病さを失くした娘。自らの意思でやったことではないのに、最後に見せた堂々とした姿に圧倒されました。
夜汽車さんのイラストは、この物語の世界を美しく表現していると思いました。
Posted by ブクログ
すごく神秘的な物語に感じた。
昔の刺青って今よりもっと痛かったのだろか?
刺青には様々なものがあるが、刺青というものが神秘的に感じた物語でした。
Posted by ブクログ
絵は綺麗だし内容も変態で好きだけれど、背中に彫られた蜘蛛と、刺青が入れられたことによって女が本来の性分になったと分かるシーンのインパクトが少ないかなと思いました。
あと清吉は刺青も入れておらず身なりは普通なのにふとした瞬間顔が怖くなる系の男だと思ってるので、この絵本の挿絵みたいに自分も顔にまで刺青入れてる清吉っていう解釈も新しいなと思いました。
「帰る前にもう一遍、その刺青を見せてくれ」と言う清吉と、朝日が差す中刺青を見せる女の描写で終わるところが、すごく好きです。
Posted by ブクログ
もっともっともっーーーと妖しさを出して欲しかったなー
谷崎潤一郎の文章に夜汽車さんの絵がだいぶ負けてる印象がしちゃったんよね
いや、すんばらしかったのよ
スンバらしく素敵な絵だったんよ
あれ?なんかわいの要求が厳しくなってる?
でもほんと『乙女の本棚』シリーズ
良いわよ!文豪たちの入口にこれほどよい本棚はないわよ
なんでもっとみんな読まないのかしら(乙女というよりおネエ)
これちょっと谷崎作品読んでみたくなるもんな〜
他にどんな世界観あるのよってなるもの
ああああ!(どした急に)
わかった!夜汽車さんの絵によって谷崎潤一郎の毒がだいぶ中和されてるんだわ!
うん、やっぱここ入口に谷崎潤一郎の世界に行くのはやめた方がいいかも
”乙女”という解毒剤なしに進むのは命の危険があるかも!