谷崎潤一郎のレビュー一覧

  • 少将滋幹の母

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    なんだろうこれ、どうしよう。

    びっくりするくらいあちこち歪んでいて、でも描写があんまり綺麗なもんだからくらくらする。
    特に北の方が時平に引っ張り出されてきた時、滋幹にはっきり顔を見せた時、その情景がどうしようもなく儚くて美しい。

    美女のせいで男がどんどん狂ってしまって一人も幸せになれないし、渦中の美女の心境は読みにくい、というかちっとも分からないし、こんなの絶対いい話じゃない。語り口だって結構突っぱねてるし。

    それなのに、でも、やっぱり、だ。

    08.12.11


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    2009年10月04日
  • 少将滋幹の母

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    主人公ではないけれど、平中が、好きな女性の「おまる」を奪ってしまうあたりの描写が、一番(作者が)楽しそう。元になった古典と照らしあわせると面白い。こういうセンスは、私は芥川よりよっぽど谷崎の方が好き。

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    2009年10月04日
  • 吉野葛・盲目物語

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    「吉野葛」は大好きな作品です。主人公の男が吉野に旅をする、というだけの話なんですけど。「盲目物語」は少し読みにくい文章になっています。これは語り手の教養の低さを表すためにわざと平仮名を多用しているせいなのですが、漢字と平仮名が両方あっての日本語なんだなあ、と思わせてくれます。日本語の表記をローマ字だけにするなんて却下です!

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    2009年10月04日
  • 細雪(下)

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    何度か中断しながらも下巻まで読み終えた。
    戦前の慌しい世の中、関西上流階級の四姉妹の心の変化、考えなどその時代を知ることもできた。
    特に、雪子、妙子の性格面の対比や結婚観の違いなど、感情の動きに合わせて読み進めるのが面白かった。

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    2026年07月11日
  • 痴人の愛

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    確かにとっても面白い。けれど、恋人の愚痴を周りに披露しまくるわりに、こっちが心配したり、別れた方がいいよ!とアドバイスしたら「でもいいところもあってぇ〜」って絶対に別れることはしない友だちと話してるみたいな時間(笑)もう好きにして(笑)

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    2026年07月09日
  • 痴人の愛

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    ネタバレ

    一番興味深かったのは譲治。
    なぜそこまで愛せるのか…。
    ここまでやっても大丈夫なら、ナオミはもう無敵なんじゃないか。

    じゃあ逆に、何をしたら譲治はナオミのことを嫌いになるのか?
    それは、ナオミが普通の奥さんになった時なのかも。そう考えると、案外ナオミも楽ではないのかもしれない。

    私は息子がいるので、譲治の母親のことも気になってしまった。
    真面目で倹約家だった息子の変化に、母親は気づいていたと思う。
    私だったら心配で聞かずにはいられない。
    それでも何も聞かなかった母親は、何を思っていたんだろう…。

    ナオミの肌や髪の質感、匂いまで伝わってきそうな描写。
    他の作家が書けば下品になりそうな内容な

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    2026年07月07日
  • 痴人の愛

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    河合は自分の事を「君主」と言ったり、女性に対しても勉強が出来ることや品行方正を求めている割に
    ナオミの性格や下品な言動に不平不満を漏らしつつナオミの美しい容姿や魅力的な肉体に翻弄されてしまい、ナオミにお金を使われたり数多の男と不倫されても離れられないところになんだか 男 を感じた
    ナオミも自分の魅力が男にとって魔力になると理解していて、自由奔放に我儘に生きながら時には猫みたいに擦り寄って非常に打算的で女として良い生き方だなーと思った

    男に憎まれれば憎まれるほど女は美しくなるという一節が印象的。その通りだと思う

    ナオミは色んな男と関係を持っているけど、そこに関して性描写も無いし、そういう表現

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    2026年07月02日
  • 卍(まんじ)

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    夫の良い男ぶりが良い。女を大して知らず謙虚で優しいけど妻を守る強さもある。現代だったらもう大人気だと思う。様々な策略でこの男を裏切り続ける園子は本当にもったいない。

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    2026年06月30日
  • 新装版 細雪 上

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    関西出身なこともあって4姉妹の会話が落ち着く。
    一文がすごく長いからつらつら話してるひとの言葉を聞いてるみたいでゆるゆる読める感じ
    時代背景もあってか時々ん?て思うこと(雪子の顔のシミの話とか)はあるけどそれも含めておもしろいし、角川の表紙が1番好きだったからこれ買った

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    2026年06月29日
  • 痴人の愛 アニメカバー版

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    面白かったー。

    最近読んだ小説は人が傷つく話が多くてやりきれなかったけど、この本は人が傷つく話ではあるけど、次元が違う。なんというか、バカバカしいといえばバカバカしいし、尊いといえば尊いし。

    ナオミはとんでもなく困った女だけどなんか清々しいし、讓治は蟻地獄に落ちた蟻のようなのに、それでも結局幸せだし。

    本当ならもっとドロドロしててもいいのに、なぜか重くないので楽しく読めちゃう。

    作者の次元が違うと思った。

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    2026年06月26日
  • 谷崎潤一郎犯罪小説集

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    4つの短編がどれも選ばれし傑作。谷崎はこんなミステリーやサスペンスも書いていたんですね。

    読みやすいしサクッと読める。それでいて谷崎文学の被虐的な喜びや耽美は確かに感じられて余韻がたまらんです。

    「途上」「白昼鬼語」が特に好き。江戸川乱歩感もある。集英社文庫シリーズの表紙もかわいい。

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    2026年06月24日
  • 陰翳礼讃

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    谷崎潤一郎の“美“に対する拘り、センス、それらを言語化する能力。そして、それらを映像化する大川さんの力量。素晴らしい。

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    2026年06月22日
  • 細雪(中)

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    ネタバレ

    中弛みのとこもあったけど、事件が多くて割と飽きずに読めた。
    板倉が死んだのはかなりびっくり。ひそかに応援していたので気の毒だった。

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    2026年06月21日
  • 痴人の愛

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    えっちではある。毛を剃るシーンとかね!
    ナオミが出奔して、美しくなって帰ってくるところは夢があるよね。舞踏会で、ナオミの性根の悪さ、下品さに辟易するシーンが良かった。こういうカップルいるよね。側から見ると振り回している女性の方にはあまり魅力があるとは思えないけど、当事者からしたら天使なんだろうね。恋とは牢獄みたいなものである。

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    2026年06月18日
  • 細雪(上)

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    読みやすい。姉妹の会話がテンポ良くて良い。
    それぞれの心理描写が丁寧なおかげで全員に感情移入して読める。

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    2026年06月10日
  • 痴人の愛

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    あらすじには小悪魔ってあったのに、ただの色欲魔じゃんと思っていたら、後半畳み掛けるように小悪魔ムーブ(最早"小"ではない)。
    男を落とすためには①簡単にヤらせないこと②でもワンチャンあるかも、、?と期待値は残してあげること。→これ普遍的すぎ。
    改めて勉強になりましたナオミ姐さんっ...!!

    そしてサレ夫の独白ストーリーだけで読ませる文章力、実体験かと思う解像度、谷崎潤一郎ネ申です。

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    2026年06月04日
  • 陰翳礼讃

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    他の本を読んでいて、この陰翳礼讃に触れられていたので、ふと読んでみたくなっただけだったのだが、大変面白かった。文豪の書いた随筆ということで、もっと真面目な難しいものを想像していたのだが、昭和初期から戦後すぐ位までのものとは思えないほど現代にも通じるものがある。また、厠について一家言あるというかしょっちゅう出てきていて、なんとも面白いというか。あこんな人だったんだなと思った。 オススメ。

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    2026年06月02日
  • 人魚の嘆き・魔術師

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    谷崎潤一郎の、耽美的な短編2作。
    どちらも大正6年(1917年)の作品。
    発表当時の水島爾保布の挿画を完全収載。これが時代色もあり、妖艶な魅力で雰囲気を増しています。

    「人魚の嘆き」
    若くして莫大な財産を相続した主人公の若者は、眉目秀麗で優秀と、何ひとつ不足がなかった。
    その貴公子、当初は仲間と遊蕩にふけったが、数年で飽きてしまった。
    贅沢な屋敷に選り抜きの美女を集めて側室とし、日々その特技を披露させ、それでも退屈してしまう。
    最高に美しいもの、世にも珍しいものを求め続けるのだったが‥
    中国は清朝の時代、最盛期だった乾隆帝の次の皇帝の御世というあたりも、爛熟頽廃の気配を漂わせる設定ですね。

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    2026年05月31日
  • 痴人の愛

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    歳上の男性の「自ら騙されにいく」姿勢が嫌いになれない、
    男の器、と言うと違うかもしれないがそれを良いと感じてしまう自分が少し恥ずかしいなと感じた。
    初めて読んだ谷崎潤一郎作品でした。

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    2026年05月26日
  • 痴人の愛

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    男の浅はかさと愚かさばかりが物語が進むにつれて大きくなっていったな。ナオミの魅力がどこにあるのかは女性には全くわからなくって不潔感すら感じるのに、まぁおそらくその妖艶な身体の為なのか、結局男性は性欲からは逃れられない生物なんだなぁとまざまざと感じた。
    裕福な男と時代背景もあってこそ成り立つおままごと恋愛ではあるけれど、それを描くのが非常にうまい谷崎さすが。

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    2026年05月23日