谷崎潤一郎のレビュー一覧
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(Audibleにて、ナレーター:斉藤範子)
Audibleを初体験するのに何が良いかと思いつつ選んでみたが、なかなか良かった。ナレーターさんの関西弁は多少不自然だったが、耳当たりが良く楽しく鑑賞できた。
本で読むのとはだいぶ印象が変わるのかもしれないが、改めて読むつもりはないのでそれはわからない。
ハズに色々とバレたあたりからのドンデン返しのような展開は予想を超えていて呆気にとられた。え?そんなことになるん?すっかりモブキャラと思ってたハズさんの豹変にびっくり。それまでの長々とした筋書きは手の込んだ仕込みだったとは。
純粋なのか異常なのか、「先生」はどう思ったのでしょうね。 -
Posted by ブクログ
まず装画が怪しげで綺麗!いわゆるジャケ買い
あとタイトル『疵の迷楼』別世界へと誘い込まれるような魅惑的な感じに加え、名だたる文豪たちの作品に興味を引かれてしまう。
まだ、このとき耽美という言葉の意味を理解していなかった。ただ「美しい」くらいにしかとらえていなかったので読んでみたら本当の意味を思い知らされ、常軌を逸した世界への入り口だった。
なかなか普通の感覚では理解、共感し難い作品ばかり。どの作品も何かに心を奪われていたり、病的にのめり込んでいたりと現実からかけ離れていて危うい空気が漂っている。
抗いがたい好奇心や欲望、まるで[パンドラの箱]を開けてしまったようなそんな感じだ。
収録されて -
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ネタバレ引き続き面白い〜淡々とした日々なんだけど、普通に続き気になるし、面白いんだよなあ。。下巻もこのまま続けて読んでしまう
社会の情勢はそろりそろりとよくなくなり、隣人のドイツ人一家も引き上げてしまう。上は三女の雪子が中心だったけど、中は四女の妙子へスポットライトが多く当たる。
まさか板倉とああなるとは、大水の際には思いもせなんだでしたが、進んでみればそうなるのも当然のような経緯で、とはいえ板倉が死んでしまうし(驚き!)、これが下巻でどうなっていくのか。。
以下好きだったところ。
…彼女(幸子)と二人の妹達の間柄は、ちょっと普通の姉妹の観念では律し難いものであった。彼女はしばしば、貞之助のことや -
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ネタバレ谷崎は敬遠しがちなんですが、みんな細雪面白いって言うから(?)、朝ドラみたいだよと言われたのを契機に手に取りました。朝ドラみたい…!面白い…!全然クセがなくて、これは好きかも笑。元祖「あの子は貴族」だと思った。
太平洋戦争中に執筆して批判されるのもわかるが、これは在りし日への懐古と、精一杯の軍国主義への抵抗だよなあとおもいつつ読みました。途中途中不穏な形で入る情勢も、実際にこんな感じでみんなおそるおそる、だったのだろうし。
自分はずっと関東にいて、親も標準語しか喋らないので、言葉がどれだけ古い感じ・お上品な感じがするのか肌感がなくて、悔しい〜〜〜
雪子の「ふん」という返答どういう感じか分から -
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美しい写真とともに日本の美について綴られた随筆
すっかり明るい室内に慣れてしまった現代人からすると伝統ある寺社仏閣の薄暗さは不便であるように感じるが、そこに蟠る陰こそが障子越しの柔らかな光を、揺らめく灯火の明かりを、それに合わせて鈍く輝く螺鈿や波打つ金箔を、
奥行きのある美しさとして表現している。
特に金箔や螺鈿の美しさは、煌々と全てを照らす電灯の元では充分に発揮されないのだろうと気が付かされました。
文体は硬くなく、添えられた写真が綺麗なので引っかかることもなく読み進められます。
日本家屋に潜む闇は、野外の闇よりもザラザラとした手触りがる、そのような一文がありましたが、昔祖父母の家の片隅に蹲 -
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ネタバレ我儘で気の強い春琴と崇拝にも及ぶ愛を持った佐助の物語。
私は「愛するということは、その人のために自分の命をも捧げられるということ」と定義している。
佐助は春琴のために「視力」を捨てて、彼女と同じ苦痛(彼等にとっては苦痛ではなかったが)を受け入れた。春琴が私のために死ねと言えば、彼は自分の左目を針で刺したように、自分の命でさえも春琴を想い、満足を感じながら捧げたであろう。
春琴は佐助が盲目になって以降も、依然心を開いていたのは彼に対してだけであり、「ほんとうの心を打ち明けるなら今の姿を外の人には見られてもお前にだけは見られとうないそれをようこそ察してくれました。」というセリフからも、佐助への気持 -
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7月30日は、谷崎潤一郎文学忌、潤一郎忌
1917年大正6年 雑誌「改造」初出
幻想と耽美の短編
富豪の若き貴公子――南京随一の美男子。
両親の死後、莫大な財産を背景に放蕩にふけり、美貌を武器に美女を漁る日々。
あらゆる快楽に飽き果てたころ、ヨーロッパから来た人魚に心奪われる。
水槽越しに募る恋情。
ついには人魚の種族に堕ち、自らも異形となることを願うように。
しかし人魚は、西洋の海を恋い慕う。
その願いを叶えようとする貴公子――
彼もまた、人魚とともに西洋へと旅立っていく
イラストはねこ助さん。耽美な物語に添えられた繊細なイラストが、世界観を一層引き立てていました。ただ、個人的にはもう