今日マチ子の作品一覧
「今日マチ子」の「るすばん猫きなこ」「おりずる」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「今日マチ子」の「るすばん猫きなこ」「おりずる」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
東京藝術大学、セツ・モードセミナー卒。ブログ連載していた1ページ漫画『センネン画報』が話題となり、2006年から2年連続で文化庁メディア芸術祭の審査委員特別推薦作品に入選する。代表作に『みかこさん』『cocoon』『アノネ、』など。
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Posted by ブクログ
泣きながら読み終わりました…。胸がいっぱいです。
角野栄子さんの「トンネルの森1945」の続編です。「トンネルの森」は戦時中に、小学生くらいの主人公イコが、東京から千葉(だったっけ?)に疎開し、たくさんの辛い経験をしながら成長する物語…だったけど、こちらは戦後です。
さぁ、戦後…!新しい社会がつくられていく時代に、感受性豊かで芯が強く、好奇心旺盛な…でもある意味、ごく普通の女の子のイコが、どんな風に成長するのか…って考えただけでもドキドキする。
イコは、勉強は特に得意ではない。数学はてんでダメで、戦後、進駐軍のお金持ちの家の中をのぞいてみたい(っていうか実際にのぞく)、英語で話してみたい、外国の映画を観てみたい…などの好奇心から、英語の勉強だけは頑張ろうとする。
この小説の魅力的なところは、それでイコが勉強を頑張って劇的に英語を話せるようになるとか、そういう感じではなく、いつまでたってもイコの才能が開花するなんてことはなく、ずっと迷い続け、やろうやろうと思いながらも、心に決めた1冊の原書をちゃんと読み終えることすらせず、人間の弱さがそのまま描かれているところだ。
ただ、タイトルに「イコ・トラベリング」とあるように、あるときイコは学校の英語の授業で「現在進行形、ing」を習った時に、「現在進行形って、なんかいいな!私も進行形でいこう!」みたいなことを心にとどめて、ずっとそういう感じで、興味があるものに対して前のめりに進んでいくのだ。
そしてまた、特に自立心がある女性、という描き方でもないのだが、何かに興味をもって、やってみたい!行ってみたい!と思うとき、それは「一人で」やったり、行ったりしたいのだ。
戦後すぐのその時代、庶民が外国に行くことはできなかった。それでも「外国に行きたい」と思い続けている彼女に、ちょっと恋仲になりかけた男性から「僕が連れて行ってあげる」みたいなことを言われるんだけど、そのセリフにイコは「ふくらんでいた風船が急にしぼむような感じ」を覚える。
彼女ははっきりと、自覚するのだ。「行くなら、一人で行きたい」と。
このシーンはとても印象的だった。
物語の終盤、無事に大学を卒業し、魅力的な人たちに出会い、就職して生き生きと働くイコ。でも、外国に行きたいという気持ちを押さえられない。
残りページ数が少なくなるとともに、頻繁にお父さんがまた登場し始める。子どものころのお父さんとの思い出の回想。帰りが遅くなっていくイコを無言で心配するお父さん。読者は、イコに世界に羽ばたいて欲しいと思うが、お父さんの気持ちを考えたら切なくなる。
1948~のこの時代、娘に「好きなように生きろ!外国にでもどこへでも行ってこい!」と言える庶民の親はなかなかいないと思われる。
2人の気持ちを考えながら読み進めていて、最後の方は涙が止まりませんでした…。また読み返したいです。
Posted by ブクログ
日常を描く作品もありますが、沖縄、アウシュビッツ、長崎、広島、貧困少女などをテーマとして描く作者の最新作は震災。作中で固有名詞は出ていませんが、テーマは15年前に発生した東日本大震災なのは明らかです。
震災を扱った漫画はいくつかありますが、「るすばん猫きなこ」でも他の漫画のように悲惨さはもちろん描かれますが、本当に描きたいテーマが「救い」だと思われます。
実際に亡くなってしまった2万人もの人、残された人、そしてペットたち。彼らの想いが柔らかいタッチで描かれた漫画の中で浄化されるかのようです。
もう15年、まだ15年。人によって捉え方は様々ですが、年々風化していることは事実でしょう。そんな中で何度も現地に足を運び、今、描き続ける作者の姿勢に脱帽しかありません。
とここまで書くと硬い話のようですが、漫画の中の「ここな」と「きなこ」の小学生1年生と子猫は愛らしくかわいい姿に溢れていて、癒されたり笑ったり、その部分も最高なんです(推し猫はゴンタ!)
こういう傑作漫画がちゃんと売れてアニメ化されてより広がることを願います。