谷崎潤一郎のレビュー一覧

  • 人魚の嘆き(乙女の本棚)

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    乙女の本棚シリーズ。
    生まれながらに巨万の富、才知、美貌を持ち、それ故に満たされない心を持った貴公子のお話。
    タイトルの人魚は後半にやっと登場します。人魚の描写が印象的で、人のようで違う、迫力のある美しさである事が伝わってきました。難しい言葉遣いの作品でしたが、どういったラストになるのか気になって、一気に読んでしまいました。貴公子の心の渇きは癒えたのか…気になります。

    儚げなイラストとピッタリ合っている、素敵な一冊でした。

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    2025年11月20日
  • 谷崎潤一郎フェティシズム小説集

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    ネタバレ

    谷崎潤一郎(1886-1965)の、フェティシズムを主題とするアンソロジー。収録作品は以下の通り。

     「刺青」(1910)
     「悪魔」(1912)
     「憎念」(1914)
     「富美子の足」(1919)
     「青い花」(1922)
     「蘿洞先生」(1925)

    「刺青」「富美子の足」「青い花」は、いずれも再読だが、やはり面白い。特に「青い花」では、女性の身体とそれを包む女性の衣装に対して男が抱いているフェティシズムが見事に言語化されていて、圧巻である。

    解題にドゥルーズ『マゾッホとサド』から次の言葉が引かれている。「否認と宙吊りの過程と定義されるフェティシスムは、本質的にマゾヒスムに属している

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    2025年11月09日
  • 痴人の愛

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    話題になってたから読んでみた

    結局、惚れた方が負けってことなのかな..
    最後の方は飽きてきて飛ばし読み

    何十年も前の話とはいえ28歳と15歳の恋愛は少し気持ち悪かった
    お風呂に入れてあげるシーンとか出てくる
    そこまで生々しくはないけど、どうしても、、

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    2025年11月01日
  • 刺青 痴人の愛 麒麟 春琴抄

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    一言で言うなれば魅力
    読みながらロリータの映画を思い出したので
    最後はそうなるのかと思ったけど
    全然そんなこと無かった

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    2025年10月27日
  • 悪魔 乙女の本棚作品集

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    イラストレーターのしきみさんが乙女の本棚シリーズで描いた作品を集めた画集。
    全部で6作品収録だが全文収録は芥川龍之介の「悪魔」のみ、他は抜粋して収録している。
    悪魔は初めて読んだが短い文章になんとも言えない感情を詰め込んだ作品。イラストの宣教師と悪魔との対比が良かった!

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    2025年10月08日
  • 春琴抄

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    「文豪の憂鬱な癖」を読んでから、昔の有名な方たちの本を読みたい熱が。
    まずは谷崎潤一郎から。
    そんな感じはしてましたが…まぁなんとハードルの高い本だこと。
    たった80ページほどの薄さなのに、なかなかの日数を要しました(ㆀ˘・з・˘)
    調べつつ読んだから尚時間がかかったのかもしれませんが…

    まだ私は未熟なんだと思い知らされました(_ _).。o○

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    2025年10月01日
  • 春琴抄

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    佐助の狂気的な愛情が客観的に描かれていた

    句読点は意識的に省かれているのだと思うが、読みにくく感じた。もっと言葉と背景知識を身に付けるとリズム良く読めるのかなぁ、

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    2025年09月30日
  • 人魚の嘆き・魔術師

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    挿画が目的で読みました。
    100年以上前の作品を、当時の挿画そのままに出版している中公文庫に感謝。楽しめました。

    半月ほど前に、別の文庫本で「魔術師」を読んだのがきっかけ。その際の感想は下記のとおり。読み直してよかった。表紙画、扉絵でもう気分が高揚します。ただ、挿画は「人魚の嘆き」の方が良かったかな。巻末に両作品の挿画を描いた水島爾保布の小伝が収録されているのも嬉しいです。
    「人形の嘆き」「魔術師」ともに衒学的で独特の文体ですが、描かれた背景などは中井英夫による解説に詳しいです。

    『魔術師』
    デビュー7年後の大正期の作品。西洋やオリエント等々への憧れを絢爛な文章で並べ立てた幻想文学。「乙女

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    2025年09月14日
  • 刺青・秘密

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    「春琴抄」に続き2冊目
    マゾ的な作品が多かったように思う。耽美というのはよくわからなかった。わからないものは近より難く、危ない、妖しいになる。

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    2025年09月13日
  • 新装版 細雪 上

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    ネタバレ

    雪子の態度にイライラしました。
    この時代は上から順番に嫁ぐのが「普通(当たり前)」だったんですね。
    妙子可哀想…って思ってしまった。
    途中、おおまかなあらすじをネットで読みました。
    それで2番目のお見合い相手にドン引き、雪子可哀想に…って思ったけど最後の最後にやっぱり雪子にイライラして終わりました。
    中下巻は気が向いたら読みます。

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    2025年09月11日
  • 鍵・瘋癲老人日記

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    鍵はインポテンツの50代の夫と40代の妻の日記。
    癇癪浪人は健康を害しているものの、性欲旺盛な老人の日記。
    両者に共通するのは晩年の性の観念。よくもここまで赤裸々に描いたものである。ともすればアンタッチャブルな性という概念に谷崎潤一郎は挑戦した作品。
    文体が読みにくいので文末の解説から読むのがいいだろう。余命が短くなったら再読してみたい。

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    2025年09月07日
  • 谷崎潤一郎マゾヒズム小説集

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    谷崎潤一郎のマゾヒズム関連作品を集めた短編小説集。石を投げればマゾヒズム小説に当たりそうな谷崎作品の中から厳選された下記6作品が収録されています。

    『少年』
    少年がマゾヒズムに目覚める物語。永井荷風が絶賛したとのこと。性の目覚めとマゾヒズムの目覚めがほぼ同時に訪れる点が早熟な谷崎潤一郎らしい。
    真っ白な右脚の脛を見せた光子の初登場に「この人が女王様だ」と思ったものだが(だいぶ谷崎の嗜好にやられてます)、弟の信一が最初のご主人様だった。やがて、夜の西洋館で覚醒した姉が女王様となる。
    夜の西洋館に忍び込む濃密な描写が秀逸。西洋館で待つのは洋服の美少女。もちろん素足。まだまだ“洋服“は特別な時代で

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    2025年09月02日
  • 痴人の愛

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    ちょっと好みの分かれる部分はあるかもしれませんが、教科書に載るような作品なので教養として読んで損はないと思います。
    結構すごい話でした。

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    2025年08月31日
  • 文豪たちの微妙な関係

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    新紀元社の文豪アンソロジー第三弾。『文豪誕生』、『文豪死す』に続いての今回は『微妙な関係』。
    ということで、切り口は
    (1)芥川と谷崎の「文芸的な、余りに文芸的な」論争
    (2)無頼派三人衆(座談会エピソードなど)
    (3)中原中也と周囲の友人達
    となっています。

    人物相関図や年表、代表作の紹介(あらすじに加えて、その作品の解説付き)なので、文豪に興味ある人の入門としてはとても良い本だと思います。

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    2025年08月20日
  • 人魚の嘆き(乙女の本棚)

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    谷崎潤一郎氏の描写はこれでもかっというぐらいたくさんの日本語で溢れている。全然意味が分からない言葉も妖艶に見えてくるし、長い文章でも続きが気になる。が今回は終わりがあっという言葉が出てくるぐらい幕が閉じた感覚になった。

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    2025年08月16日
  • 刺青(乙女の本棚)

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    「お前さんの命を貰った代わりに、私はさぞ美しくなったろうねえ」

    いや〜なんか谷崎潤一郎って女性に対する複雑な感情を文章にぶつけているような作風なんだなあと思った。
    恐れ、憎み、愛しさ、崇拝、完全に拗らせてます。
    美しい着物、刺青のイラストも良し!

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    2025年08月14日
  • 刺青(乙女の本棚)

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    乙女の本棚シリーズ。夜汽車さんのキレイなイラストと、彫物師のお話が良く合っています。

    凄腕の彫物師が、理想の肌女の子に出会って…という話。いくら凄腕でも、こんなに強引に掘って良いの?と戸惑いました。
    自分の魂を込めて掘った清吉。これ以降、清吉は彫り師を続けられたのかな?それとも肥料になって、終わってしまったのでしょうか。
    何ともいえない味わいのある作品でした。

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    2025年08月13日
  • 春琴抄

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    句読点がなくぬるっと大変なことが起こる
    ピュアというかエゴやんと思いましたが、書き方が面白かったです

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    2025年08月06日
  • 陰翳礼讃

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    写真集での再読。最後に吉野の人が食べる柿の葉鮨の作り方を書いてたのは記憶になかった。
    谷崎の時代は京都のわらじやは蝋燭の蝋台のもとで食事を供していたのかというのもまた発見。

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    2025年08月01日
  • 谷崎潤一郎フェティシズム小説集

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    今年の谷崎は変態集。若い頃に読んだ「刺青」は清吉ヤベェなくらいにしか思わなかったけど今読むと
    どっちも変態だ!になる(語彙の向上なし)
    「悪魔」が色々と怖気立つ。

    膝裏から脹脛、足首にかけての曲線が堪らなく好きで(聞いてない

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    2025年07月24日