谷崎潤一郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
長く読まれ続けている文章に触れてみたくて手に取りました。
子供の様に若い女性を、どの場所に伴わせても遜色のない妻にする様、大人の男が教育という名目で自分の生活に引き入れるお話。その粗筋の歪さが気になり読み始めました。
いざ隣り合うと、手玉に取りきれず、男側が魔性の女の底深さに少しずつ呑み込まれてゆく様は、ある場所においての普遍的なリアリティを感じました。
女に勝てない男という構図に終始した小さな世界の物語で、そこに至るまでのお互いのやり取りが、客観的に読み進めると、人間の陳腐さの枠からはみ出しておらず、それ故の生々しさも感じます。滑稽でくだらないです。 -
Posted by ブクログ
平中の恋に始まり、国経の妻を権力によって奪う時平、時平に妻を与え苦しむ国経、そして母を乞う滋幹へ。
平中と時平の造形は古典に現れる記事をことごとく渉猟して書かれているが、単なる焼き直しではなく、多数の記事から総合的に見えてくる人物として作者の想像を交えながら再構築されている。
心理や性格までしっかりと再構築されており、古典に材をとりつつれっきとした近代文学として練り上げられている。
滋幹の物語もある日記に取材していると明言されているがこれはフィクションで、典拠を捏造して作者が母恋いのテーマを創造する形。
変幻自在に古典を操っている。
滋幹が最後に母の顔に自分の顔を近づける描写は、国経がか -
Posted by ブクログ
読み進める中で、佐助の心理描写が無くていまいち入り込めないな〜と思っていた。第三者的な視点で淡々と描かれているし、内面に言及があるとしても春琴についてであることが多かった。丁稚として仕えているのは分かるけど、なぜここまで従順に春琴に付き従うのだろう?という疑問が拭えないまま読んだ。
だけど、失明してから怒涛の描写で少しだけ圧倒された。句読点がほぼ無く繋がっている文章(めちゃくちゃ読みにくい!!!!途中で慣れたが読みにくい!!!!)であることも相まって、佐助の春琴に対する崇拝に近い想いが強く伝わる。傷ついた想い人を見ないようにするため自発的に失明するというのはどこかで聞いたことがあるような気がし -
Posted by ブクログ
愛が重い…
10トンくらいありそう笑
ouiさんにご紹介いただいた1冊。
多分私が手にした文庫本の中でもダントツに薄いんだけども、古文を読んでいるかのような古い文体に最初苦労した。
佐助の愛が金10トンだとしたら、春琴の愛は鉛10トンみたいな、どっちがいいとかじゃなくて種類の違うめっちゃ重すぎる愛…
むしろもう怖いよ。
怖すぎて一周回って面白くなってくる。
なんだろ、誰か第三者が語っているから本人たちの気持ちが一切分からないっていうのがまたね。
いやあすごいもの読ませてもらいました。
長女が今読んでる本(自負と偏見)読み終わったら読んでみようかな。だって笑
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Posted by ブクログ
"それはまだ人々が「愚」と云う貴い徳を持って居て、世の中が今のように激しく軋み合わない時分であった。"
という書き出しが抜群に好きです。
谷崎特有の狂気じみたエロス、フェティシズムが、蝋燭の火のようにゆらゆらと妖しくゆれる。作中にも記されるように、美しきものが強者、醜きものが弱者、まさしく耽美主義を宣言するような作品である。
ただし本書のレビューとしては純粋に谷崎の刺青についてではなく、夜汽車さんのイラストとのコラボレーションとして論じなければならない。イラストは間違いなく美しい。個人的には、朱色の帯と、和紙の巻物が絡み合うところに、一条の光が射す、そのページが特に美しい
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