谷崎潤一郎のレビュー一覧

  • 痴人の愛

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    ネタバレ

    初読。一冊通して筆者の思想と言ってもいい様な性癖を丁寧に見せつけられたような気になりました。ナオミという浮気で愚かでそれでも抗えない魔性を持つ女性と、酷い裏切りを経験して怒り呆れても、自分のプライドが瑣末なものになるほど彼女に溺れた主人公。どんどん堕落していくナオミと縋る河合を見て、魔性の女に滅ぼされることに対する崇拝のようなものを感じました。

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    2025年04月10日
  • 陰翳礼讃

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    古めかしい物好きの古い人が書いた文章だと思っていたが、読み進めると日本人なら誰しも説得感を感じる表現でなんだかそうだなぁと感じてしまった。
    昼下がりの窓から入る光、少し薄暗い空間がなんだか好きだし、御手洗いは暗い方が確かに落ち着く。
    ただ、欧州にもバーは薄暗い方が良いと感じる空間はあるし、どれがメジャーなのか、、という違いか。
    他国に影響を受けて今の混交としている日本も好きだが、筆者の言う影響を受けずに独自に発展を遂げた日本の姿にも興味をそそられた。

    初めて谷崎潤一郎さんの本を読んでいるが、色々と自分でも考察をしながら読み進めており、少しハマった。
    この本には陰翳礼讃以外にも収録されているの

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    2025年03月30日
  • 卍(まんじ)

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    う〜ん、そう来たか。。。
    中程まで面白く読み進められたけど、
    途中から読んでるだけ感が強くなってきたよ。

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    2025年03月19日
  • 痴人の愛 アニメカバー版

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     最近は多様性や個別性が重視されて性の境が曖昧になってきてるけど、やっぱり男、女ならではのそれぞれの魅力があることは否定できないね。

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    2025年03月19日
  • 春琴抄

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    初めて読んだ時は何だこの気持ち悪い愛情表現はと思っていたが、この前改めて読み直すと谷崎さんの素敵な文字選びと2人の不器用な愛がなんとも愛くるしい
    これが谷崎ワールドなのかもしれない!!!!
    洗脳!!!

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    2025年03月19日
  • 春琴抄

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    恋は盲目でかたづけられぬ狂気の愛

    ある種、愛の極致と言うべき作品。

    目を潰す描写が生々しかった。

    春琴の何処に惹かれるのか分からないくらい、傲慢で高飛車な様相で周りもほとほと手を焼いているという風に描かれている。

    佐助は盲目の春琴の世話をすることに自分の喜び(価値)を感じて(見出して)いたのだろう。

    共依存の関係も、穿った見方をすれば生涯をかけた愛という美しい話にかくもなりき。

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    2025年03月11日
  • 作家と猫

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    猫好きにしかわからないお話の数々

    うんうん、そうだよね〜という話もあれば
    えっ?そんな猫がいるの?という話も。

    猫の魔力に引き寄せられた作家さん達の短編集

    特に印象的だったのは

    佐野洋子さん、伊丹十三さん、三谷幸喜さん。

    続編もあるので読んでみたいな

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    2025年03月10日
  • 陰翳礼讃

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    文章はさすがに美しい、んだけど、著者の人間性にあまり共感できなくて、それを知る前に読むべきだったと思う。
    本の内容とは全く関係ないけど、作者の人間性と芸術性は関係を考えさせられました。

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    2025年03月05日
  • 谷崎潤一郎フェティシズム小説集

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    “フェティシズム”という括りで集められた6編の短編ですが、「刺青」「富美子の足」「青い花」以外はフェチと言うより精神分析の話のように思えました。

    「刺青」
    谷崎潤一郎のデビュー作。
    初めて読んだのはおそらく中学時代。感想は当時とあまり変わらない。よく言えば様式美、悪く言えば頭でっかちな印象を与えるフェティシズム小説。
    晩年の「瘋癲老人日記」まで足フェチを貫き通す大谷崎先生に大変失礼な感想だが、そう思ってしまったのだから仕方がない。

    「悪魔」
    後半は確かにフェティシズムの話なんだけど、前半の電車恐怖症とでも言うべき主人公の症状が気になってしまいます。今で言えばパニック障害?いや脅迫性障害?。

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    2025年02月28日
  • 痴人の愛 アニメカバー版

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     大正時代の若い娘との恋愛を描いたものであるが、なんだかとても現代的であると感じた。現代であれば、これほど女性に貢いだり市内のかもしれないが、精神的には女性に支配されている状態は同じだと思った。

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    2025年02月10日
  • 悪魔 乙女の本棚作品集

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    しきみさんのイラストは、シンプルだけど可愛くて、怪しさもあり、どこか不安も感じる。しきみさんのイラストを見ながら古典文学が読める「乙女の本棚」シリーズは贅沢でとても良い企画だと思います(もちろん他の方がイラストの本も素晴らしいです)。

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    2025年01月13日
  • 痴人の愛 アニメカバー版

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    【2025年1冊目】
    二十八歳の時、私こと河合譲治は運命的な出会いをしてしまう。カフェでウエイトレスの卵として働く十五歳のナオミに、夢中になってしまったのだ。ナオミが希望するまま、音楽と英語を学ばせ、新しい家にまで引っ越した譲治。彼女を自分好みに育てる過程で、二人は夫婦の誓いを交わすが――。

    源氏物語をちゃんと読んだことはないんですが、失敗した光源氏みたいな話やないかと思いました。贅沢の限りを尽くさせ、堕落しないわけがないというか。そこに天性の魔性さを遺憾無く発揮させたんでしょうね、という感じ。馬鹿だなぁという気持ちよりも、生物として、多分最初から負けていたんじゃないでしょうかという推測。恐

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    2025年01月03日
  • 細雪(下)

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    4ヶ月かかって、ようやく読み終わりました。
    両極端な妹たちに振り回される幸子さん、がんばれって応援したくなりますね。

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    2024年12月18日
  • 盲目物語 他三篇

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     1931(昭和6)年から1935(昭和10)年に初出の作品集。
     おなじ中公文庫で『盲目物語』のみが入ったのをずっと前に読んで持っているのだが、他の作品を含めて編み直し出版したらしい。
     谷崎潤一郎の文章は極めて流麗で美しく、しばしば文章そのものがエロティックな妖しさをも帯びるのがとても好きだ。『盲目物語』はさらに、極めて恣意的な「ひらがな化」が試みられている。さっきは漢字表記だったのが何故かひらがなで出てきたりする。ひらがなばかりで読みにくい(文意が瞬間的に認知できない)ところがたくさんある。谷崎はここで、字面の視覚的なリズム書法をでも試みたのだろうか。しかし、ここまで徹底した作品は他に無

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    2024年12月15日
  • 刺青(乙女の本棚)

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    ネタバレ

    絵は綺麗だし内容も変態で好きだけれど、背中に彫られた蜘蛛と、刺青が入れられたことによって女が本来の性分になったと分かるシーンのインパクトが少ないかなと思いました。
    あと清吉は刺青も入れておらず身なりは普通なのにふとした瞬間顔が怖くなる系の男だと思ってるので、この絵本の挿絵みたいに自分も顔にまで刺青入れてる清吉っていう解釈も新しいなと思いました。
    「帰る前にもう一遍、その刺青を見せてくれ」と言う清吉と、朝日が差す中刺青を見せる女の描写で終わるところが、すごく好きです。

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    2024年12月11日
  • タナトスの蒐集匣 -耽美幻想作品集-(新潮文庫nex)

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    好きな作品集まってて、その中で泉鏡花、小栗虫太郎、折口信夫の話は未読だったので多分これらも好きだろうとウキウキで読んだけど結局これら全部ななめ読みで終わってしまった。むずいまだオレには
    夢十夜、第一夜だけ一人歩きしているから第二夜以降新鮮な気持ちで読めた。
    芋虫が本当に好きで何度も読み返しているのでここでも読めてよかった。

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    2024年11月30日
  • 猫と庄造と二人のおんな

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    ネタバレ

    関西弁の会話が心地いい。
    猫のリリーにデレデレの庄造と、それに振り回されながら庄造を取り合う品子と福子のお話。
    もとはと言えば庄造のダメ男っぷりが根元なのだけれど、庄造って人は、何故か憎めない、のらりくらりの愛すべきへなちょこ 笑
    品子の言葉を借りれば、
    「子供を一人歩きさせているような、心許ない、可哀そうな感じ」
    「そしてもともと、そう云う点にへんな可愛気のある人」
    「妙にあたりの柔かい、優しい肌合があるものだから、だんだんそれに絆されて…」
    なのだ。

    作品冒頭にある手紙作戦が功を奏し、まずはリリーを手元に呼び戻すことに成功した品子。
    これに釣られて庄造も呼び戻す算段だったけれど、リリーの

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    2024年11月24日
  • 刺青・秘密

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    ネタバレ

    性癖の目覚めの話。

    苦手意識から長らく忌避していたけど、やっぱりあまり自分に合う分野ではなかった。

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    2024年11月24日
  • 人魚の嘆き(乙女の本棚)

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    ネタバレ

    話としては、まず、語彙力と言葉の選び方がすごい。
    前半、すべてを手にした貴公子のつまらない日々について書かれていて「人魚全然出てこない…」って思ってたら、中盤、謎の魅力的なオランダ商人が人魚を売りにやってくる。
    オランダ商人から人魚を買ったあと、怒涛のスピードで人魚を地中海に返して物語が終わる。
    作者は途中で書くの飽きたのかな、と思うぐらい人魚と貴公子の生活ストーリーがほぼなかった。あと、七人の絶世の美女たちの特徴について、最初の4人ぐらいはちゃんと書いてるのに、3人ぐらい端折っててちょっと笑った。
    人魚が本当に貴公子のことを恋しく思ってたとは思えず、上手く騙して地中海に帰ったんだと思うけど、

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    2024年11月22日
  • 春琴抄

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    盲目の琴の名人春琴と丁稚の佐助、二人の恋物語。容姿端麗で琴の腕も名人並の春琴だが盲目になったことで性格も意地悪くなるが、そんな春琴の身の回りの世話をしていたのが佐助。彼女の傲慢な要求にも誠実に応える佐助。ある日春琴は何者かによって火傷を負わされ誇っていた綺麗な顔が醜いものへと変貌してしまい、その姿を佐助に見られたくないと言う。それに対して佐助は自らの眼球を針で刺し盲目となることで彼女の綺麗な姿を頭の中に留めることにする。
    思ったりよりも読みやすかった。佐助の愛が凄すぎる。自分じゃ到底できない。盲目になってから見える世界があると佐助が言ってるのがまたいい。

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    2024年11月17日