谷崎潤一郎のレビュー一覧

  • 細雪(上)

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    改行や言葉遣いに慣れるまで読みづらいが、慣れれば読めるようになるのが不思議
    この作品の時代に女性目線で書かれていることが斬新なのかなと

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    2026年08月25日
  • 細雪(中)

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    中巻になってようやく作品世界に馴染めた感じ。
    戦前の、車も電車も走っているのに、女性を取り巻く社会の感じとか、社会階層とか。
    相変わらず一番翻弄されているのは雪子で、抗って乗り越えていこうとしている四女の妙子(こいさん)と次女の幸子が主人公か。
    板倉さんは可哀想だった。

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    2026年08月24日
  • 春琴抄

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    美しい。が非常に重い。元気じゃないと読めない。引きずる。

    春琴の視点で考えてみると
    なにを言っても、どんな態度をとっても、
    この人は絶対に自分を嫌いにならないだろうという人に大柄な態度を取ったり傷つけることを言ってしまうのは、想像できなくもない。
    しかし私の顔を見ないでと言ったら自ら目を潰した男に何を思ったのだろう。
    佐助は寄り添いたいゆえの自己犠牲だったのか
    火傷を負い美しくなくなった春琴は見たくなかったのか。

    盲目になった後も佐助は春琴の痒いところに手が届くように春琴を労り、春琴は「私の身の周りの事は眼明きでは勤まらない長年の習慣ゆえ佐助が一番よく知っている」と言う。
    もう見える見えない関係なく佐助にやってほしいんだよね。
    素直に「うちら主従関係だけど身分の違いなんてどうでもいい、好きになってしまったものは仕方ない、結婚しよう」と言えたらどんなによかっただろうよ。

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    2026年08月16日
  • 魔術師(乙女の本棚)

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    ネタバレ

    男は恋人に誘われ、不可思議な魔術師の見世物を見に行く。
    魔術師の元へ行くまでの道のりが長く、不思議な公園内の様子が描かれる。

    「秘密」もそうだったが、主人公が碌でもない男だと思う。恋人の女は魔術師に魅了されないのに、主人公は魅了されて人外になる。

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    2026年07月30日
  • 秘密(乙女の本棚)

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    ネタバレ

    非日常を味わえる「秘密」を楽しみ女装するようになった男は、ある日、以前旅行中の船上で関係を持った女と再会し、その女と逢引するようになる。

    非日常を彩る「秘密」というスパイスを楽しんでいるだけの男は、女の「秘密」が明らかになった途端に興味をなくす。自分勝手な男だ。
    女の方はそんな男の性質をわかっていたから自分の素性を隠した。
    p84〜p87の見開きイラストが関係の終わりをイラストで表していて、その表現が良かった。

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    2026年07月28日
  • 台所太平記

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    1日ズレてしまった!!
    大谷崎(と私)の誕生日に読み終わったのに登録し忘れた!
    谷崎家の女中さんたちをモデルにした話。
    そもそも女中ってどんな…?って所から。
    挿絵が多くて(しかも似ている!)読みやすい。

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    2026年07月25日
  • 谷崎マンガ 変態アンソロジー

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    どれも振りきってておもしろかったけど、いちばんは高野文子「陰翳礼讃」
    あの人だからね。フツーのマンガではない。板張りの廊下、卓袱台、石灯籠などをただちまちま描いてるだけ。
    しかもセレクトしたのは「厠」つまりトイレの章。
    この章は数年前に某中学の入試問題でも出てた珠玉の章。
    あとほやはりしりあがり寿「瘋癲老人日記」かな。
    これがヘミングウェイ「老人と海」とミックスされた不思議な作品になってる。
    …この時代の方が表現は自由だったのね。

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    2026年07月21日
  • 刺青(乙女の本棚)

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    名手ともてはやされる若き彫青師『清吉』の宿願は、理想とする女の肌に己の魂を彫りこむことであった。年月を経て、清吉の下を追い求めた娘が訪ねてくる。
    「乙女の本棚」シリーズ第21弾。

    何というか、妖艶な話。
    正に命を削るかのように刺青を彫り生気が抜けたような清吉と、無垢な少女のようだった娘ががらりと変わる様が皮肉に映る。

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    2026年07月18日
  • 痴人の愛

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    今のようにSNSなんてものが無い時代に、ナオミズムという流行語を作り出してしまうほど強烈な女性像。率直に、ナオミは私が嫌いなタイプの人間だと言う印象が強かった。シンプルに嫌な奴じゃないか?と思いながら読破。これが当時の男性の言う魔性の女性だったのか、、。
    私の感性ではなかなか理解できぬ部分が多かった。

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    2026年07月16日
  • 細雪(下)

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    ネタバレ

    長かった……
    なんだか4姉妹が自分の知り合いのように思えてくる不思議な作品。
    それにしても幸子の下痢で終わるとは酷いラスト…
    死産も可哀想で妙子は自分の我を通すけどなかなか報われないなあ…現代人の僕からしたら最も感情移入できる人ではあるけどね。

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    2026年07月04日
  • 刺青・秘密

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    ネタバレ

    ※昭和32年発行の谷崎潤一郎全集で読みました。

    「刺青(しせい)」
    谷崎先生の処女作ですね。短いお話ですが、谷崎先生のフェティシズムがダイレクトに現れている作品であります。登場人物は 刺青を入れるための理想の女を何年も追い求める若く腕利きの刺青師の清吉とその眼に叶った若い女。私としては、短すぎて人物の心理描写が十分になされていないので 刺青を彫られただけで女がまるで人が変わったかのように自信をつけた意味がよくわからず釈然としないまま読み終えました。冒頭の「其れはまだ人々が「愚」と云ふ貴い徳を持って居て…」という一文は銀魂の冒頭のようで好きです。

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    2026年07月03日
  • 人魚の嘆き(乙女の本棚)

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    初めての乙女シリーズ
    表紙やイラストの美しさに思わず手に取った。
    読めない漢字もたくさん出てくるが
    耽美な雰囲気はさすが谷崎潤一郎。。
    お話としてはもっと人魚や南蛮人、
    この先を知りたかった。
    ビアズリーのサロメの挿絵も調べて
    なるほど通ずるものがあると思った。

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    2026年06月29日
  • 春琴抄

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    変わらず、谷崎作品。
    近年、再販されたものではないせいか、読みにくいところがあった。
    盲目の美少女、春琴と春琴のお世話を甲斐甲斐しくする佐助のお話。
    純愛物語と書いてあったりするけど、そうなのだろうか…
    盲目になってしまったこともあり、わがままで傲慢な春琴。30代にさらなる悲劇が春琴を襲うけど、自業自得とも思える。
    佐助との子供も決して佐助との子だとは認めず、さらには養子にだす。
    佐助との主従関係はずっと崩さず、結局佐助は自ら失明してしまう。
    子供達は全て養子にだし、死ぬまで主従関係を貫き、盲目になり…それでも佐助は昔の美しかった春琴を思い出し幸せに浸る。佐助は歪んだ愛でも幸せだったんだろーなぁ。

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    2026年06月27日
  • 春琴抄

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    ネタバレ

    映画春琴物語の一場面を目にした記憶がある。現代文の授業で流れたのか、国語便覧に載っていたのかは覚えていないが、着物の男性と針が映っていて目を背けた気がする。

    春琴抄はあくまで伝記というか、本人たちの台詞や心理描写がされるわけではないのでいささか思ったのとは違った。句読点のない文体に慣れるまでが非常に読みにくく、最初の数十ページがしんどかった。

    春琴と佐助がメインになってからはスルスルと情景が入ってきた。何故佐助がここまで春琴に心酔しているかが書かれず、ショーケースの中を見ている気持ちだった。

    春琴は火傷事件のあと、人が変わったようになってしまったのは少し心が痛んだ。それほどの振る舞いをしていたし、読んでいて春琴のどこが良いんだとも思っていたが、美貌と琴三弦の腕前、高慢で加虐嗜好とも取れるほどの厳しさ全てを含めて人を惹きつける魅力がある。
    しおらしくなったお師匠様は佐助の崇拝した春琴ではなかった。

    ある男女の師弟を超えた、愛、依存、崇拝、そういった関係を俯瞰してなぞっていく物語だと感じた。

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    2026年06月19日
  • タナトスの蒐集匣 -耽美幻想作品集-(新潮文庫nex)

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    『男はもはや孤独を怖れる必要がなかったのです』
             桜の森の満開の下 坂口安吾
    『誰かが後にいて、じっとその視線を彼女の上に集注しているような心もちである』 影 芥川龍之介
    『そこの二階の六畳は、二人にとって唯一の世界であった』       芋虫 江戸川乱歩
    『那時あの妓ーは緋の長襦袢を着て居ました。月夜のような群青に、秋草を銀で刺繍して』
             浮舟 泉鏡花
    『この美しい若衆はもて囃されていた』
              身毒丸 折口信夫
    『落盤に鎖された真暗な隧道の中で、十四郎は恐怖のために変貌を来たしてしまい』白蟻 小栗虫太郎
    『この足こそは、やがて男の生血に肥え太り、男のむくろを蹈みつける足であった』 
               刺青 谷崎潤一郎
    『この美しい、楽しい島はもうスッカリ地獄です』
           瓶詰地獄 夢野久作
    『あの人は、誰のものでもない。私のものだ』
           駆け込み訴え 太宰治
    『「何がって、知ってるじゃないか」と子供は嘲けるように答えた』  夢十夜 夏目漱石

    美しい日本語に触れたくて読み始めましたが、十作のどれも不思議な世界にどっぷり浸かってしまいました

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    2026年06月19日
  • 新装版 細雪 下

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    とうとう雪子が嫁に…
    幸せになれるかな?良い夫婦になれるかな?
    妙子はどうかな…?
    色々と先が気になるところで終わってしまった。

    それにしても、まるで蒔岡一家の姿が目に浮かんでくるくらいリアルに物語が描かれていた。
    谷崎の文章は美しく、コテコテの関西弁もまた美しく、世界観に引き込まれた。

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    2026年06月15日
  • 痴人の愛 アニメカバー版

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    ネタバレ

     無垢なナオミを自分好みに育てているうちに、いつの間にか自分の方が従えられる立場になった譲治目線の物語。ナオミの浮気癖に激怒しながらも、結局はナオミの魅力に負けて受け入れてしまう譲治が心に残った。

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    2026年06月09日
  • 文豪たちの微妙な関係

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    やはり芥川、太宰、オダサクは面白いね。スルスル読めちゃう。安吾、中也は初見読みづらいが読み込むと面白さが出てきそう。初心にたちかえり、この辺の小説を読み返したい。汚れちまった自分にもまだ響くのだろうか。しかし文豪は短命が多い。タバコ吸いで、ストレスまみれで、寝不足で、酒飲みでないと文章は生まれないのかな。

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    2026年06月04日
  • 谷崎マンガ 変態アンソロジー

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    もんくなく面白いです。本オフの割引セールの時に
    ぶらぶらしていて発見し、回収した。
    『谷崎万華鏡』の文庫版で、もちろん万華鏡は持っているが
    文庫特別付録がついていたので、それはもう回収せねばなるまい。
    しかも、138円(そこからの割引)
    おまけは対談山口晃×近藤聡乃
    インタビュー古屋兎丸/中村明日美子
    裏話マンガ榎本俊二などなど
    谷崎マエストロ、学生時代に私ももれなくドハマりして
    読み耽り読み漁り、さらに再読しまくった。
    アオハルやねぇ。
    私の中では谷崎三島川端は青春と耽美のシンボル(どんな青春よ)
    もちろん、他に好きな作家で読込み入れ込んだ作家もおったし、
    なんならメイン研究対象は漱石だったが(笑)
    谷崎は考察しまくって、レポートだしまくったねぇ
    筆が進む、課題でもなんでもないのに考察したり
    書評書いたりしまくった(あははははは)
    そう、私のヲタ部分をアクチベイトしまくる。
    そして、今もたまに読むが、
    あの頃の、なんていうか、
    わーーーーってなるような心の動きはないし
    なにかにつけ沈静化している(自分)が
    ふつふつと別の感想が湧くんですよねぇ。
    それがまた面白いっちゅうね。
    ということで、ン十年来の推し作家
    そらまあ、全部集めたいですわな(笑)

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    2026年06月02日
  • 卍(まんじ)他二篇

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    巻末の解説(千葉俊二氏)に「ひとりの性的不能者からはじまった異常性愛の連鎖がひとつの破局にまで至る過程をほとんど数学定正確さをもって緻密に描き出したこの「卍(まんじ)」は、谷崎文学の極北を示した傑作ということができよう」とあった。
    この作品が書かれた当時の社会、慣習、常識、文化、文芸などの背景から、その内容、描写スタイルなどから、退廃的、耽美的と評された事は理解出来た。
    ただ、同性愛を描いた耽美的作品、とのイメージから、勝手に煽情的な描写、世界が展開されているものと想像していたが、扱う内容はそうでも、描写は流石にそんなものではなかった。

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    2026年05月11日