谷崎潤一郎のレビュー一覧
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【2025年1冊目】
二十八歳の時、私こと河合譲治は運命的な出会いをしてしまう。カフェでウエイトレスの卵として働く十五歳のナオミに、夢中になってしまったのだ。ナオミが希望するまま、音楽と英語を学ばせ、新しい家にまで引っ越した譲治。彼女を自分好みに育てる過程で、二人は夫婦の誓いを交わすが――。
源氏物語をちゃんと読んだことはないんですが、失敗した光源氏みたいな話やないかと思いました。贅沢の限りを尽くさせ、堕落しないわけがないというか。そこに天性の魔性さを遺憾無く発揮させたんでしょうね、という感じ。馬鹿だなぁという気持ちよりも、生物として、多分最初から負けていたんじゃないでしょうかという推測。恐 -
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1931(昭和6)年から1935(昭和10)年に初出の作品集。
おなじ中公文庫で『盲目物語』のみが入ったのをずっと前に読んで持っているのだが、他の作品を含めて編み直し出版したらしい。
谷崎潤一郎の文章は極めて流麗で美しく、しばしば文章そのものがエロティックな妖しさをも帯びるのがとても好きだ。『盲目物語』はさらに、極めて恣意的な「ひらがな化」が試みられている。さっきは漢字表記だったのが何故かひらがなで出てきたりする。ひらがなばかりで読みにくい(文意が瞬間的に認知できない)ところがたくさんある。谷崎はここで、字面の視覚的なリズム書法をでも試みたのだろうか。しかし、ここまで徹底した作品は他に無 -
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ネタバレ関西弁の会話が心地いい。
猫のリリーにデレデレの庄造と、それに振り回されながら庄造を取り合う品子と福子のお話。
もとはと言えば庄造のダメ男っぷりが根元なのだけれど、庄造って人は、何故か憎めない、のらりくらりの愛すべきへなちょこ 笑
品子の言葉を借りれば、
「子供を一人歩きさせているような、心許ない、可哀そうな感じ」
「そしてもともと、そう云う点にへんな可愛気のある人」
「妙にあたりの柔かい、優しい肌合があるものだから、だんだんそれに絆されて…」
なのだ。
作品冒頭にある手紙作戦が功を奏し、まずはリリーを手元に呼び戻すことに成功した品子。
これに釣られて庄造も呼び戻す算段だったけれど、リリーの -
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ネタバレ話としては、まず、語彙力と言葉の選び方がすごい。
前半、すべてを手にした貴公子のつまらない日々について書かれていて「人魚全然出てこない…」って思ってたら、中盤、謎の魅力的なオランダ商人が人魚を売りにやってくる。
オランダ商人から人魚を買ったあと、怒涛のスピードで人魚を地中海に返して物語が終わる。
作者は途中で書くの飽きたのかな、と思うぐらい人魚と貴公子の生活ストーリーがほぼなかった。あと、七人の絶世の美女たちの特徴について、最初の4人ぐらいはちゃんと書いてるのに、3人ぐらい端折っててちょっと笑った。
人魚が本当に貴公子のことを恋しく思ってたとは思えず、上手く騙して地中海に帰ったんだと思うけど、 -
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盲目の琴の名人春琴と丁稚の佐助、二人の恋物語。容姿端麗で琴の腕も名人並の春琴だが盲目になったことで性格も意地悪くなるが、そんな春琴の身の回りの世話をしていたのが佐助。彼女の傲慢な要求にも誠実に応える佐助。ある日春琴は何者かによって火傷を負わされ誇っていた綺麗な顔が醜いものへと変貌してしまい、その姿を佐助に見られたくないと言う。それに対して佐助は自らの眼球を針で刺し盲目となることで彼女の綺麗な姿を頭の中に留めることにする。
思ったりよりも読みやすかった。佐助の愛が凄すぎる。自分じゃ到底できない。盲目になってから見える世界があると佐助が言ってるのがまたいい。 -
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勝手知ったる自分の文化圏の贅沢に飽きた主人公が、未知で慣れない異国と異形に触れた瞬間、途端にその表現が精緻に活き活きとしてくる。
慣れすぎて辟易すらする自国の美女の媚態や宝物のきらびやかさよりも、得体の知れない人魚の容姿、肌の冷たさが細かく美しく描かれている。
パッと見知らぬものへの興味、興奮で視界が広がる主人公と同じ感覚を味わえるような文章。
しかし、その行く末は、何だか恐ろしい気がする。
ある世界で巨万の富をもち、称えられる美貌や若さをもっていたとしても、世界が変わった途端に唾棄される存在に変わる。
極東から、白人が多数派の欧州。
そのきっかけが人に破滅をもたらすとも噂される人魚。美しく -
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巨万の富を手にして地上の美味と美色とに飽き、支那の国でひたすらの退屈を持て余した、孟世燾という名の貴公子。
噂を聞きつけた阿蘭陀人が、そんな彼のもとに連れてきたのは遠い熱帯の海で生き捕らえてきたという、世にも艶やかに照り輝く眩しさの人魚。
「私は此れ迄、心私かに自分の博い学識と見聞とを誇っていた。昔から嘗て地上に在ったものなら、いかに貴い生き物でも、いかに珍らしい宝物でも、私が知らないということはなかった。しかし私はまだこれ程美しい物が、水の底に生きていようとは、夢にも想像したことがない。私が阿片に酔っている時、いつも眼の前へ織り出される幻覚の世界にさえも、この幽婉な人魚に優る怪物は住んでい -
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乙女の本棚シリーズから、谷崎潤一郎さんとねこ助さんのコラボ作品『人魚の嘆き』です。ねこ助さんのイラストは、息を飲むほど素敵…繊細で緻密、そしてどこか怪しげな印象です。
ストーリーは、家柄もよく巨万の富を手に入れた上に、容姿にも恵まれ博識でもある中国南京の貴公子が主人公です(天は二物を与えずとは言いますが、二物どころではないですよねぇ…)。世の贅沢を味わいつくした貴公子、やがてそれが魅力的なこととは感じられなくなってしまいます。そんな時、人魚を伴ったオランダ人の商人が貴公子の元を訪れます。法外とも言える対価で人魚を手にいれた貴公子は…。
なんとも、読みにくい!!読めない漢字ばかり…多分
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