谷崎潤一郎のレビュー一覧

  • 人魚の嘆き(乙女の本棚)

    Posted by ブクログ

    中央公論新社版で読んでいるもの。現代の若者向けの美麗なイラストを添えたシリーズで。このイラストも素敵だけど、中央公論新社版の水島爾保布さんのイラストの方が原作の纏う雰囲気をあらわしててよかったかな。現代の子にはこちらの方が受けそうだけど。

    0
    2024年11月26日
  • 細雪(中)

    Posted by ブクログ

    風邪をひいたので、あまり事件が起こらない「細雪」を少しずつ読むのはちょうどよい。
    大人になって読む「細雪」は妙子への印象が違う。家父長制の犠牲者だなあと思う。
    谷崎は松子賛歌として「幸子」を描いているのね、というのもよくわかる。自慢なのね。

    0
    2024年11月03日
  • タナトスの蒐集匣 -耽美幻想作品集-(新潮文庫nex)

    Posted by ブクログ

    耽美幻想文学のアンソロジー。いくつか読んだことのあるものもあり、名前はよく聞くものの実際読んだことのなかったものもある。
    やはり、桜の森の満開の下は断トツで好きなのでこれが冒頭に来てしまうと後がちょっと弱い気がする。いや、あくまで個人的にはだが。江戸川乱歩は「蟲」の方が好きだしな~。みたいな個人的にこのテーマで耽美幻想文学を編むなら何を入れるかみたいなのを考えるのも楽しいかもしれない。あと太宰治の「駈込み訴え」がガチ恋同担拒否反転アンチの詰んでるヲタク描写すぎて解像度高ぇ~ってなった。

    0
    2024年11月03日
  • 陰翳礼讃

    Posted by ブクログ

    日本の美学は光と陰のコントラスト。
    まわりとの協調をはかるのもここから来ているのか?
    昔から白を貴いとするのはなぜなんだろう。

    西洋の美学に関する本も読んでみたいと思った。

    0
    2024年10月23日
  • 人魚の嘆き(乙女の本棚)

    Posted by ブクログ

    勝手知ったる自分の文化圏の贅沢に飽きた主人公が、未知で慣れない異国と異形に触れた瞬間、途端にその表現が精緻に活き活きとしてくる。 
    慣れすぎて辟易すらする自国の美女の媚態や宝物のきらびやかさよりも、得体の知れない人魚の容姿、肌の冷たさが細かく美しく描かれている。
    パッと見知らぬものへの興味、興奮で視界が広がる主人公と同じ感覚を味わえるような文章。
    しかし、その行く末は、何だか恐ろしい気がする。
    ある世界で巨万の富をもち、称えられる美貌や若さをもっていたとしても、世界が変わった途端に唾棄される存在に変わる。
    極東から、白人が多数派の欧州。
    そのきっかけが人に破滅をもたらすとも噂される人魚。美しく

    0
    2024年10月19日
  • 新装版 細雪 上

    Posted by ブクログ

    由緒正しき旧家の四姉妹の様子を記した本作は普遍的ホームドラマのようでもあり、文学染みた堅苦しさなどを感じさせず読み易い。特に関西言葉による会話部の描写は活き活きとしていて思わず惹き込まれる。中巻以降の展開が愉しみだ

    0
    2024年10月10日
  • 人魚の嘆き(乙女の本棚)

    Posted by ブクログ

    巨万の富を手にして地上の美味と美色とに飽き、支那の国でひたすらの退屈を持て余した、孟世燾という名の貴公子。
    噂を聞きつけた阿蘭陀人が、そんな彼のもとに連れてきたのは遠い熱帯の海で生き捕らえてきたという、世にも艶やかに照り輝く眩しさの人魚。

    「私は此れ迄、心私かに自分の博い学識と見聞とを誇っていた。昔から嘗て地上に在ったものなら、いかに貴い生き物でも、いかに珍らしい宝物でも、私が知らないということはなかった。しかし私はまだこれ程美しい物が、水の底に生きていようとは、夢にも想像したことがない。私が阿片に酔っている時、いつも眼の前へ織り出される幻覚の世界にさえも、この幽婉な人魚に優る怪物は住んでい

    0
    2024年10月02日
  • 人魚の嘆き(乙女の本棚)

    Posted by ブクログ

     乙女の本棚シリーズから、谷崎潤一郎さんとねこ助さんのコラボ作品『人魚の嘆き』です。ねこ助さんのイラストは、息を飲むほど素敵…繊細で緻密、そしてどこか怪しげな印象です。

     ストーリーは、家柄もよく巨万の富を手に入れた上に、容姿にも恵まれ博識でもある中国南京の貴公子が主人公です(天は二物を与えずとは言いますが、二物どころではないですよねぇ…)。世の贅沢を味わいつくした貴公子、やがてそれが魅力的なこととは感じられなくなってしまいます。そんな時、人魚を伴ったオランダ人の商人が貴公子の元を訪れます。法外とも言える対価で人魚を手にいれた貴公子は…。

     なんとも、読みにくい!!読めない漢字ばかり…多分

    0
    2024年09月23日
  • 細雪(上)

    Posted by ブクログ

    最初は飽食家庭の小さな悩みを読まされて苦痛だった。
    時代背景が把握できてからは、戦争に移ろう生活感の変化に興味が湧いた。
    最後の10ページからは、雪子の縁談がどうなるのか気になり勢いで読んだ。

    医療、結婚、文化、生活、土地、全てが今とは異なるが、いつの時代も万人が雪子に情を持たずにはいられない。

    0
    2024年09月20日
  • 台所太平記

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    谷崎潤一郎の、文豪、磊吉の家で働く代々の、個性豊かな女中たちを描いた話。
    癇癪までもが結婚で治るなど、女性の幸せは結婚で決まる的な、古い考え方満載だが、当時の捉え方、地域による文化や考え方の違いなどがよくわかる。

    磊吉夫妻は、迎えた女中たちの結婚の仕度など面倒をみたり、後々まで彼女たちのことを気にかけたりしてくれる雇い主で、彼らのもとで働けるのは女中たちにとってはラッキーだったことと思う。

    0
    2024年09月14日
  • 陰翳礼讃/吉野葛 〈大活字版〉

    Posted by ブクログ

    読んでいて、実は文字通りとっていいのか、迷う。
    伝統的な日本家屋の美的ありかたと新しい利便性を生かすそれぞれのものが、調和しがたく全体の調和にそぐわない、ことになりがちなことは理解する。
    誰も、閑とした青い畳の床の間にパソコンのケーブルが大量にのたうっていて、それを差してこれが私たちの慣習で理想的な和室のありかただと胸を張る気持ちにはなれないだろう。
    しかし、それが日本人の肌の浅黒さや、闇と光の室内における受け入れかたの西洋との違いによるとなるとどうも感覚的にそぐわない。
    そして、書き手は、どうもそんなことはわかって書いている感触がある。
    白人たちが一層肌を白く見せるために、黄粉をぬり、例えば

    0
    2024年09月07日
  • 人魚の嘆き(乙女の本棚)

    Posted by ブクログ

    絵的に不穏な物語か?と思ってましたが、美しくて切ない物語だった。
    美しい姿の人魚を人魚が神に呪われた(私の感じたこと)と思っていたのはとても印象的。
    美しいは人間の感情であって美しいとされる人魚はそうでもないんだなと…。

    0
    2024年09月05日
  • 夢の浮橋

    Posted by ブクログ

    結局。糺の云う「それを望んでいた」という父と継母の思惑は都合の良い解釈でしかないけど、読者ならチラリと頭をよぎる母の居ない悲しさを感じさせないためだと二十になってからの行為は説明出来ず、じゃあ大がかりな「おままごと」だったんじゃ、という可能性も武という存在のせいで説明出来ない。
    あらすじでの母恋との説明も安直すぎて納得出来ないのだ。
    もっと崇高な感情からの行為なのか、本能的なものによる行為なのだろうか。

    0
    2024年09月01日
  • 盲目物語 他三篇

    Posted by ブクログ

    完全な古文ではもちろんなく現代文ナイズドされているが、それでも久しぶりに錆びついた古文力を動員させられた。

    0
    2024年08月19日
  • 二人の稚児(乙女の本棚)

    Posted by ブクログ

    2人の稚児、1人は煩悩に誘惑されもう1人は打ち勝つが最後は死んだのか??理解できなかった。

    昨年読んでいたのを再読。やはり同じ感想だった。読力、理解力が全然進歩していない。

    0
    2025年08月16日
  • 人魚の嘆き(乙女の本棚)

    Posted by ブクログ

    はい30オネエです
    コンプリート間近です

    潤一郎です
    ほんと潤一郎にしか書けない文章だな〜って思いました
    まず漢字がムズい(いや絶対そこじゃないだろ)

    読めない漢字多すぎないか潤一郎よ
    なんとなく音は想像つくけど意味がさっぱりわからん熟語とか多すぎないか潤一郎よ
    あれか?ちょっとした意地悪か?
    それとも当時の読者はみな難なく読めたんか?
    難なく意味も分かったのか?

    いや、絶対そんなわけないね
    絶対読めない人が多数いたはずだね
    絶対なんて読むの?って聞かれて早口でゴニョゴニョって言って誤魔化した人が多数いたはずだね

    くそう潤一郎め!インテリぶりやがって

    でもなんかね
    何だかその読めない

    0
    2024年08月01日
  • 魔術師(乙女の本棚)

    Posted by ブクログ

    谷崎潤一郎文学忌、潤一郎忌

    1917年の作品

    お耽美
    美こそ至宝
    夢か幻想か
    魔術師の小屋ある公園
    そこはエキゾチックな多国籍
    集まる観客の人種さえもわからない
    魔術師はあらゆる種族の美を併せ持ち
    中性的な小悪魔的魅了
    美しい者による洗脳
    彼の美への生贄
    自ら生贄となる者達

    コラボはしきみさん
    いーね!
    谷崎潤一郎は、とにかく綺麗がお好きなのだ

    0
    2024年07月30日
  • 刺青・秘密

    Posted by ブクログ

    7つの短編集
    特に前半は、アブノーマルな性癖がテーマで、覗いてはいけない世界観を覗いた感覚。私には、表現の美しさよりも描写の気持ち悪さが印象に残ってしまった。


    0
    2024年07月20日
  • 卍(まんじ)

    Posted by ブクログ

    エスがもつ特有の愛のカタチ。周りからは理解されないかもしれないけれど、男尊女卑が激しかった当時では、女性同士の絆というものは特別に固かったかなと考える。進んでいくにつれて新情報がたくさん出てきて振り回され、読み終えるまでが早く感じた。普通に面白かった。

    0
    2024年07月12日
  • 二人の稚児(乙女の本棚)

    Posted by ブクログ

    難解な仏教用語がたくさん出てきます。
    観行を積まれたとか五濁の世界とか兜率天とか菩提心とか当たり前に出てくるし。
    でもそういった難しいところは読み飛ばしても、物語自体はシンプルでわかりやすいので面白く読めました!

    なにより乙女の本棚の最大の魅力であるイラストの美しいこと!
    谷崎潤一郎の知られざる短編にスポットライトが当たり、その素晴らしさを再確認できるのは何より嬉しいです!
    本棚に置いておきたい素敵な一冊!

    0
    2024年07月11日