谷崎潤一郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
一流の漫画家さんたちが独自の解釈で谷崎潤一郎の小説をマンガにしている。なんて面白そうな企画!と飛びついた。
とても面白いのもあれば、個人的には微妙、、というのもあった。
この前に台所太平記を読んで、その挿絵がたまらなく良かったのでこっちを読んだってのもあるので。
谷崎の作品は、直接的に政治的な意図とかはほぼ感じない気がする。けれど行間を汲み取り、書いている時の谷崎の心境を想いながら読むことで見えてくるものがあって。いろいろ言われたりめんどくさいことが嫌だったのかな。グロかったり怖い女を書いてるけど、なんかしらカラッとしてて恨みごとが見えない谷崎潤一郎の小説がやっぱり好きだなと。
マンガっぽいよね。 -
Posted by ブクログ
登場人物は、徹頭徹尾大阪弁の文字なので慣れないとしんどいです正直。タイトルの意味は、美貌しか魅力がない光子を中心とする、園子との同性愛と、園子の夫の孝太郎と、光子の情夫の粘質な綿貫が絡む相互不信のこころ模様をまんじになぞらえたと思われる。とにかく常識人の私は光子に腹が立ちますが、しかしすべての人がその光子に振り回されて止められない事実こそ耽美主義の根幹です。ラストにへんなかたちでキーパーソンとなる女中の5人が登場します。中身はもろ少女漫画で、何度も映画化された魅力はわかりますが、実在の人物で光子を演じさせるのは非常に難しいと思います、私のイメージだと真田広之を不倫に走らせた葉月里緒奈のような女優がぴったりだと思います、なので翻案した漫画を読むのが一番いいのではないかなと
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Posted by ブクログ
第三者が日記を解説する形で進む形式であることや解説も充実していることなどがあり内容が理解しやすかった。
初めは句読点がないことに苦戦していたが読み進めるうちに慣れてきてスラスラ読めるようになってきた。
自分が敬っている師匠とはいえあれほどの忠誠を誓えるのは凄いと感じた。
手厳しい稽古などは耐えられたとしても顔を見られたくないという春琴の思いを汲み取り自ら針で目を指し失明するという行為をとれる人はそういないだろう。
視力を失っても春琴と同じ世界を過ごしたかったという佐助の思いの強さには感動した。
春琴と佐助が最期に共にすごした空に向かって真っ直ぐに飛んでいく雲雀の行方を盲目の2人が聴覚だけを頼りに追うというシーンはなんとも魅力的だった。他者には分からない2人だけの幸せを最期に共有できたのはさぞ嬉しかったことだろう。
冒頭の春琴の墓を尋ねる場面も哀愁が漂ってきて個人的に好きだった。 -
Posted by ブクログ
長く読まれ続けている文章に触れてみたくて手に取りました。
子供の様に若い女性を、どの場所に伴わせても遜色のない妻にする様、大人の男が教育という名目で自分の生活に引き入れるお話。その粗筋の歪さが気になり読み始めました。
いざ隣り合うと、手玉に取りきれず、男側が魔性の女の底深さに少しずつ呑み込まれてゆく様は、ある場所においての普遍的なリアリティを感じました。
女に勝てない男という構図に終始した小さな世界の物語で、そこに至るまでのお互いのやり取りが、客観的に読み進めると、人間の陳腐さの枠からはみ出しておらず、それ故の生々しさも感じます。滑稽でくだらないです。 -
Posted by ブクログ
平中の恋に始まり、国経の妻を権力によって奪う時平、時平に妻を与え苦しむ国経、そして母を乞う滋幹へ。
平中と時平の造形は古典に現れる記事をことごとく渉猟して書かれているが、単なる焼き直しではなく、多数の記事から総合的に見えてくる人物として作者の想像を交えながら再構築されている。
心理や性格までしっかりと再構築されており、古典に材をとりつつれっきとした近代文学として練り上げられている。
滋幹の物語もある日記に取材していると明言されているがこれはフィクションで、典拠を捏造して作者が母恋いのテーマを創造する形。
変幻自在に古典を操っている。
滋幹が最後に母の顔に自分の顔を近づける描写は、国経がかつて妻と同衾していたときの描写を思い起こさせる。
そうでなくても国経は老人なのに幼子のように声をあげる描写がくりかえされているので、国経の妻恋いと滋幹の母恋いは重ね合わされているのだろう。
そもそも滋幹が母に再会したときにはすでに当時としては高齢とされる年齢になっているので、国経も滋幹も幼児返りのように滋幹の母を慕っているのである。
谷崎もこの小説を書いたときは国経ほどではないとはいえ高齢だったので、老いからの幼児返りと母性への執着は彼のリビドーだったのだろう。 -
Posted by ブクログ
読み進める中で、佐助の心理描写が無くていまいち入り込めないな〜と思っていた。第三者的な視点で淡々と描かれているし、内面に言及があるとしても春琴についてであることが多かった。丁稚として仕えているのは分かるけど、なぜここまで従順に春琴に付き従うのだろう?という疑問が拭えないまま読んだ。
だけど、失明してから怒涛の描写で少しだけ圧倒された。句読点がほぼ無く繋がっている文章(めちゃくちゃ読みにくい!!!!途中で慣れたが読みにくい!!!!)であることも相まって、佐助の春琴に対する崇拝に近い想いが強く伝わる。傷ついた想い人を見ないようにするため自発的に失明するというのはどこかで聞いたことがあるような気がしたが、前後の経緯が分かりやすい上に春琴の変貌っぷりも相まって終盤はぐいぐい読んでしまった。
とはいえ子供時代の佐助が春琴を強く想っていた理由や経緯は分からず。そもそもそこが重要ではない、と言われれば同意せざるを得ないけど、なんとなくスッキリしない感覚。ただキャラクターの心理や価値観を分かりやすく深堀るのが良い、というのは意外と最近の作品の考え方で、案外絶対的なものではないよな…?とこの文を書きながら感じてもいる。春琴抄でいえばそこがないからこの短さで話がまとまっているわけだし。著者の中にキャラクターの価値観は存在してて、それを作品の中で深堀ることで読者にも分かるように表していくのだとすると、深堀りは読者への解説サービスのようなものかもしれない。「深堀りがない!キャラクターの価値観が分からないじゃないか!」と文句を言うのは自分勝手な文句のようにも思える。
「マゾヒストが多かった」を「ジャン・ジャック・ルソーが多かったのかもしれない」と表現している文が、著者がシンパシーと嬉しさを覚えて若干テンションが上がっているように感じられて気持ち悪くてよかった。
谷崎は被虐趣味というか女性に屈服して服従したいんだろうな〜と痴人の愛同様春琴抄でも感じた。よく言われる文章の美しさは今回も理解できず。細雪読んだら分かるかな〜と思いつつ、3作あるからなかなか手を出す気になれない。 -
Posted by ブクログ
愛が重い…
10トンくらいありそう笑
ouiさんにご紹介いただいた1冊。
多分私が手にした文庫本の中でもダントツに薄いんだけども、古文を読んでいるかのような古い文体に最初苦労した。
佐助の愛が金10トンだとしたら、春琴の愛は鉛10トンみたいな、どっちがいいとかじゃなくて種類の違うめっちゃ重すぎる愛…
むしろもう怖いよ。
怖すぎて一周回って面白くなってくる。
なんだろ、誰か第三者が語っているから本人たちの気持ちが一切分からないっていうのがまたね。
いやあすごいもの読ませてもらいました。
長女が今読んでる本(自負と偏見)読み終わったら読んでみようかな。だって笑