谷崎潤一郎のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
乙女の本棚シリーズの一冊。
谷崎もこんな作品を書いていたんだね。
乙女ではない者からいくつか言わせてもらうと、まずは現代の読者が読むのに、難しい言い回しがある。なんとなく意味はわかるものも多いので、このままでもいいといえばいいのだけど、これは新字体にしたほうがいいのではないかなとか、ルビをふったほうがいいのではないかなとか、読んでいる間にちょっとだけ気が散ってしまう時間ができてしまったかと。
二つ目。表紙で魔術師の容姿を見せてしまうのはどうなのか。魔術師という言葉から受ける印象と、実際に魔術師を見たときのギャップも、登場人物の心理に関わっているはず。読者にもそのギャップを感じさせたほうがよかっ -
Posted by ブクログ
ネタバレ耽美とは何なのか未だ理解できていないが、収録作から思うに愛憎、背徳、情念、倒錯、フェティシズム、幻想、狂気etcが入り混じったものか。そこにタナトス≒死への衝動が加味された、名だたる文豪らによる10編。
「桜の森の満開の下」(坂口安吾)や「瓶詰地獄」(夢野久作)は本書のコンセプトをまさに体現している作品か。作家のフェチ全開「刺青」(谷崎潤一郎)、美しくニューロティックな幻想「夢十夜」(夏目漱石)、サスペンスからの意外な結末「影」(芥川龍之介)もそこに沿ったものかと。
"美"という点では泉鏡花の「浮舟」、折口信夫「身毒丸」なのだろうが、個人的には独特の文体含め作品世界にハ -
-
Posted by ブクログ
古めかしい物好きの古い人が書いた文章だと思っていたが、読み進めると日本人なら誰しも説得感を感じる表現でなんだかそうだなぁと感じてしまった。
昼下がりの窓から入る光、少し薄暗い空間がなんだか好きだし、御手洗いは暗い方が確かに落ち着く。
ただ、欧州にもバーは薄暗い方が良いと感じる空間はあるし、どれがメジャーなのか、、という違いか。
他国に影響を受けて今の混交としている日本も好きだが、筆者の言う影響を受けずに独自に発展を遂げた日本の姿にも興味をそそられた。
初めて谷崎潤一郎さんの本を読んでいるが、色々と自分でも考察をしながら読み進めており、少しハマった。
この本には陰翳礼讃以外にも収録されているの -
Posted by ブクログ
“フェティシズム”という括りで集められた6編の短編ですが、「刺青」「富美子の足」「青い花」以外はフェチと言うより精神分析の話のように思えました。
「刺青」
谷崎潤一郎のデビュー作。
初めて読んだのはおそらく中学時代。感想は当時とあまり変わらない。よく言えば様式美、悪く言えば頭でっかちな印象を与えるフェティシズム小説。
晩年の「瘋癲老人日記」まで足フェチを貫き通す大谷崎先生に大変失礼な感想だが、そう思ってしまったのだから仕方がない。
「悪魔」
後半は確かにフェティシズムの話なんだけど、前半の電車恐怖症とでも言うべき主人公の症状が気になってしまいます。今で言えばパニック障害?いや脅迫性障害?。 -
Posted by ブクログ
【2025年1冊目】
二十八歳の時、私こと河合譲治は運命的な出会いをしてしまう。カフェでウエイトレスの卵として働く十五歳のナオミに、夢中になってしまったのだ。ナオミが希望するまま、音楽と英語を学ばせ、新しい家にまで引っ越した譲治。彼女を自分好みに育てる過程で、二人は夫婦の誓いを交わすが――。
源氏物語をちゃんと読んだことはないんですが、失敗した光源氏みたいな話やないかと思いました。贅沢の限りを尽くさせ、堕落しないわけがないというか。そこに天性の魔性さを遺憾無く発揮させたんでしょうね、という感じ。馬鹿だなぁという気持ちよりも、生物として、多分最初から負けていたんじゃないでしょうかという推測。恐 -
Posted by ブクログ
1931(昭和6)年から1935(昭和10)年に初出の作品集。
おなじ中公文庫で『盲目物語』のみが入ったのをずっと前に読んで持っているのだが、他の作品を含めて編み直し出版したらしい。
谷崎潤一郎の文章は極めて流麗で美しく、しばしば文章そのものがエロティックな妖しさをも帯びるのがとても好きだ。『盲目物語』はさらに、極めて恣意的な「ひらがな化」が試みられている。さっきは漢字表記だったのが何故かひらがなで出てきたりする。ひらがなばかりで読みにくい(文意が瞬間的に認知できない)ところがたくさんある。谷崎はここで、字面の視覚的なリズム書法をでも試みたのだろうか。しかし、ここまで徹底した作品は他に無
表示されていない作品があります
セーフサーチが「中・強」になっているため、一部の作品が表示されていません。お探しの作品がない場合は、セーフサーチをOFFに変更してください。