谷崎潤一郎のレビュー一覧

  • 春琴抄

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    この話のように何か大きな事故が無かったとしても、時間や環境が変わると、人間の容姿や性格変わっていくものだと思う。相手の好きなところ、好きな姿を最高のところでストップしてしまいたい、ストップしてほしいって、すごい欲だなと思った。
    生きている時から夢の中で会っていたって、すごい表現。

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    2023年04月22日
  • 台所太平記

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    初は「いけすかない爺さん」と主人に言い放ち、銀は大恋愛に猪突猛進、百合は昭和の大女優をもたじたじとさせ…。文豪の屋敷でのびのび働く女中さんを、愛情とユーモアを込めて描く。

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    2023年04月20日
  • 刺青(乙女の本棚)

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    皆が美しくなろうと考えた結果、刺青が流行った。
    刺青会で人気の清吉という若い刺青師がいた。
    彼は自分が求める美しい肌をもつ女に出会う。

    谷崎潤一郎の文章に匂いたつようなエロさを感じた。
    書いてある内容は普通なのに表現が耽美。

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    2023年04月17日
  • 卍(まんじ)

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    これから語られる二組の男女の複雑な愛憎劇の当事者の女性が、大阪弁で告白する形式で書かれています。一人の語りだけで、これだけの物語を読ませ、引き込むという流れが高度だなぁと。
    園子(語部)は絵画教室で知り合った美貌の光子の小悪魔的な振舞いに夢中になっていく。そこに光子の元婚約者のイケメン男性が入り込む。彼は三人の関係を均衡を持たせようとする。そして、弁護士である園子の良人までも巻き込んでいく。夫は、理性的な人間だったが、光子の奔放な妖艶さに妻と共に支配され始める。光子が思いのまま振る舞い策略していく様子は、恋愛サイコかな。真面目な夫が、どこか真面目な感じに狂っていく様子が救えない。最後は、なかな

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    2023年04月07日
  • 谷崎潤一郎犯罪小説集

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    ネタバレ

    短篇4作。現代仮名遣いになっているので読みやすい。純文学のイメージだったので意外な面白さ。

    「柳湯の事件」は幻想風味もあるがドロドロした感触が伝わってくる。
    「途上」探偵がじわじわと追い詰めていく様子がスリリング。
    「私」は信用出来ない語り手。アクロイドより前に書かれたというから驚いた。
    「白昼鬼語」は探偵と助手ものの趣きがあって面白かった。美女の描写にとても力が入っている。
    オチはそうか、となるけれど興味をそそられる謎が散りばめられている。

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    2023年03月31日
  • 魔術師(乙女の本棚)

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    乙女の本棚シリーズ。
    或る怪しい公園に小屋を出した若い美しい魔術師に会いに『私』は恋人を伴って行く。

    物語が唐突に終わるのでこんな幕の下ろしかた有りなの?と呆けた。

    初めて谷崎氏の作品を読んだが耽美の一言に尽きる。

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    2023年03月14日
  • 美食倶楽部 ――谷崎潤一郎 大正作品集

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    ネタバレ

    谷崎潤一郎のイメージというと、耽美、エログロナンセンスあたりが思い浮かびます。

    私も若いころ「痴人の愛」「卍」「細雪」らを読んで、驚嘆した覚えがあります。いわゆるフェティシズムのはしりといえるかもしれませんが、明治生まれの人があそこまで極端な性癖を文章として露出できることに感激したものです。といっても内容は概ね忘れてしまいましたが。

    ・・・
    さて、本作「美食倶楽部」は、表題作を含め7作品を収録しています。

    個人的に面白いと感じたのは「白昼鬼語」「美食倶楽部」「友田と松永の話」あたりです。

    「白昼鬼語」は語り手の私が、神経症的な友人園村の「これから、殺人が起こる。一緒に見に行こう」という

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    2023年02月19日
  • 疎開日記 谷崎潤一郎終戦日記

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     1950(昭和25)年に刊行された『月と狂言師』に、「越冬記」「都わすれの記」「A夫人の手紙」および永井荷風、吉井勇との戦時の往復書簡を加えたもの。最後の資料を除いてどれも日記か随筆であり、小説とされている「A夫人の手紙」は他人の手紙をほとんどそのまま写したようなもので、創作の部分はほぼ存在しないらしい。
     実は中公文庫版『月と狂言師』を私はずっと前に買って持っており、これが同書のリメイク版だということを知らずに買ってしまったのである。タイトルとなっている、戦時の日記である「疎開日記」も、同書に入っていたことを、私は完全に忘れていた。なので、大半のものが再読になる。
    「疎開日記」「越冬記」は

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    2023年02月02日
  • 谷崎潤一郎犯罪小説集

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    なんか乱歩っぽいなと思ったら、乱歩が感銘を受けた作家なんですね。 登場人物の心理描写が秀逸で、文章もとても美しくて一気読みでした。 他にも小説集があるようなので読んでみたいと思います。

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    2023年01月03日
  • 谷崎潤一郎マゾヒズム小説集

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    マゾヒズム…どちらかと言うと、なかなか理解し難い分野。「谷崎文学がドM度を高めるのは、これらの短編を書いてからもう少しあとのこと」とみうらじゅん氏が解説されてるので、初心者の私にはちょうど良かったのかもしれない。 『少年』はいきなり独特の世界観に思えたけど、その他の作品はハッキリとした行動が出てこないので、とても読みやすく、マゾヒズムに分類されるんだろうけど、谷崎氏にかかると文学的というか結構好きな感じの文章でした。

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    2023年01月03日
  • 作家と猫

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    色な作家の猫に関する話や詩など。
    ひとつひとつが短いので読みやすい。

    石牟礼道子さんの「愛猫ノンノとの縁」の中の「猫が猫ぎらいのように、人間も人ぎらいなところがあって、花やら樹やら、犬猫たちに助けてもらって、なんとか生きてゆける。」という文章が一番印象に残った。

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    2022年12月30日
  • 谷崎潤一郎フェティシズム小説集

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    「刺青」「富美子の足」は、描写も美しく文学的・耽美的でフェティシズムの世界がすんなり心に落ちてきた。それに比べ「悪魔」「憎念」は写実的で、当時穢いといって攻撃されたというのに頷ける。人にはそれぞれに癖と言うものがあるけど、この2話に出てくる癖はいただけないなぁと。でも、この短編集全てを読み終えた今、全ての主人公に共感している私がいます。「フェティシズムの快楽は、現実的な肉体の満足以上に想像力によるところが大きい。」私は手(指)フェチだと言ってきたけど、まだまだフェチなどと公言できるレベルではないですね。

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    2022年12月25日
  • 鍵・瘋癲老人日記

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    瘋癲老人日記のおじいちゃんが強烈でした。
    そこまでの執着、生き甲斐を感じにくい私には、羨ましい話とも思います。そして、嫌いでもありませんでした。

    昨今の推し、萌えを生々しく肉付けすると、このようになるのかと想像します。谷崎潤一郎氏はとんでもない先駆者ですね。

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    2022年11月18日
  • 刺青・秘密

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    秘密 がよかった。
    大概いい暮らしをしながら、それに飽きて女装を始める。女装した自分のクオリティがそれなりに高いというのもアレだが、それを超えてくる女の子に対して、女として嫉妬するところがキマってる。
    その上異国で引っ掛けた女の子だと。
    まーあこの主人公のような人は、手に入れるまでの過程に快感を覚えるタイプの変態。好奇心の向き方が変わってんだよな。
    次は田畑へ行って何を見つけるのか知らんが、そういう主人公の欲望のアリカを追う物語は面白いですね。

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    2022年10月23日
  • 刺青・少年・秘密

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    8編の短編集が収録されてます。 全編通して似たような話はなく、どれも全然毛色が違う話で、さすがと納得しました。 人によってだいぶ好みが別れそう作品ばかりでしたが、個人的には刺青が一番綺麗で好き。 神童と異端者の悲しみ、はなんと捉えて良いのやら悩みます。たぶん、思春期に読むと良かったんだろうなと思えました。

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    2022年12月01日
  • 白昼鬼語~探偵くらぶ~

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    探偵くらぶと題しているが、犯罪心理を扱った話や怪奇譚を集めたアンソロジー。

    以前に読んだことのある「秘密」「人面疽」「途上」以外で面白かったのは、

    劇中劇が入り組む「呪われた戯曲」
    同じ寮に暮らす同級生から窃盗を疑われる「私」
    殺人現場をのぞき見る「白昼鬼語」
    銭湯で奇妙なものと出くわす「柳湯の事件」
    日英で類似した事件を紹介する「日本に於けるクリップン事件」。

    犯罪心理については、生まれついての性質や失陥(そしてそれを自覚している)を扱うものが多い。

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    2022年09月21日
  • 刺青・少年・秘密

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    ネタバレ

    新潮文庫には未収録の「悪魔」「続悪魔」「神童」を読む。

    「悪魔」は陰鬱とした作品。
    神経衰弱の佐伯は汽車や地震を極度に恐れ、そのために死ぬのではないかと怯えている。上京して叔母の家で下宿を始めるが、そこには鈴木という陰気な書生がいて、佐伯の従姉妹の照子と婚約をしていると主張する。しかし照子と佐伯は次第に親しくなっていき、鈴木に恨まれるようになる。最後は照子の鼻水がついたハンカチを佐伯がこっそり舐めるシーンで終わる。

    「続悪魔」は、佐伯と照子の関係がさらに進み、最後は鈴木に刺されてしまう。
    谷崎は「続悪魔」を執筆するにあたって、「悪魔」の結末部分(ハンカチの場面)をないものと思って読んでもら

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    2022年09月11日
  • 刺青・秘密

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    虐げられ、笑われ、堕落していく快楽が描かれる初期作品集。

    少年期の暴力的な遊びを描いた「少年」は被虐が加虐に鮮やかに転換し、後のナオミに繋がる。そのほか、身を落としてまで笑われることに喜ぶ「幇間」、女装をして夜の街を徘徊する「秘密」、まだ見ぬ浮世と女人に懊悩する「二人の稚児」が面白い。

    「異端者の悲しみ」は自叙伝的作品で、「母を恋うる記」は母親が亡くなった二年後に書かれた潤一郎版「夢十夜」のような作品。

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    2022年09月11日
  • 春琴抄

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    再読。
    歪んでるなぁ、これが愛なのか何なのか私には分からなかった。好きな人というよりお互いにとって都合のいい人にも思えた。
    あと年々バイオレンスな描写が苦手になってることに気づいた。たった数行読みたいのに心臓がバクバクしちゃって脳の酸素が薄くなってく感じがした。

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    2022年08月26日
  • 猫と庄造と二人のおんな

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    飼い猫リリーをめぐって、猫を可愛がる庄造と、猫を利用して庄造の心を惹こうとする前妻と後妻。前妻の品子は庄造と復縁するときのための保険として好きでもない猫を引き取るが、次第に愛着を持ち、猫も品子に気を許すようになる。こっそり会いに来た庄造には一瞥をくれただけだった。

    猫のために駆け回る庄造の姿は滑稽で風刺的。猫は人間の言葉を解さないだけにより崇高で、タイトルの順はそのまま価値の順で、そのまま崇拝、隷属の対象になっている、と解説より。

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    2022年08月18日