谷崎潤一郎のレビュー一覧

  • 卍(まんじ)

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    戦前の小説のわりに、ストーリーに起伏があって二転三転する。作者は事実そのままを描く自然主義には反対の立場だったらしい。

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    2022年04月21日
  • 盲目物語 他三篇

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    ★3.5「三人法師」
    歴史的事実や昔の物語をベースにしたものなので、あらすじはどうってことのないお話が4つ収録されているだけなのだが、読ませる文章に仕上げているのはさすが。

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    2022年02月22日
  • 吉野葛・盲目物語

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    白州正子の『かくれ里』に谷崎の『吉野葛』の話が出てきたので吉野葛目当てに買ってみた。

    奈良には行ったことがあるが、吉野には行ったことがない。行ってみたい土地だ。谷崎の美しい文章で吉野の地が広がる。とはいえ行ったことのない土地は想像が付きづらいので、Googleマップやネットを駆使して実際の情景を見ながら読むのもまた一興。
    『盲目物語』は浅井長政の奥さんであるお市の方に仕える座頭による語り。ひらがなが多くて正直読みづらいため、若干うっとなってしまうが、読み始めるとこれが滅法面白い。時は戦国時代。織田信長、浅井長政、豊臣秀吉、明智光秀など錚々たる面々が登場するが、座頭はただ1人お市の方の身を案じる。一昨年、麒麟がくるでちょうどこの時代をやっていたこともあり登場人物が大河メンバーで想像できてしまった笑 戦国時代は裏切りで出来ている。死を覚悟する浅井長政や柴田勝家が本当に切ない。

    盲目物語を読んで、谷崎の書く歴史小説の面白さを知った。吉野葛では材料負けで書けなかったとあるが、南朝時代の自天王の話も読んでみたかったなあ。

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    2022年01月30日
  • 細雪(中)

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    あらすじ
    1936年(昭和11年)秋から1941年(昭和16年)
    春までの大阪の旧家を舞台に、4姉妹の日常生活の悲喜こもごもを綴った作品。阪神間モダニズム時代の阪神間の生活文化を描いた作品としても知られ、全編の会話が船場言葉で書かれている。上流の大阪人の生活を描き絢爛でありながら、それゆえに第二次世界大戦前の崩壊寸前の滅びの美を内包し、挽歌的な切なさをも醸し出している。作品の主な舞台は職住分離が進んだため住居のある阪神間(職場は船場)であるが、大阪(船場)文化の崩壊過程を描いている。
    感想
    没落商家の四姉妹、ある人からフランス語で発行された本をよんで描写が良かったと言われ日本語版を読んでみた。時代背景が違いすぎるが今も昔も
    姉妹は変わらないかなって思う。

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    2021年12月09日
  • 魔術師(乙女の本棚)

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    或る繁華な街区の果ての、物淋しい一廓に存在する妖しい見世物小屋では、魔術師による魔術を披露する舞台が公演されている。
    そういうものに惹かれる好奇心旺盛な彼氏にくっついて、どこまでも添い遂げるつもりの彼女がいじらしくて可愛かった。恋してる乙女はたしかにこんな感じなのかもなぁ。

    〈「わたしにはあなたという恋人があるためなのです。恋の闇路へ這入った者には、恐ろしさもなく恥かしさもない。」と云うでしょうか。〉

    そうやって盲目状態のまま二人で永遠になれたら、それはそれである種の恋の完成なのだと思う。

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    2023年06月26日
  • 夢の浮橋

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    過去分

    橋は何かと何かを、結びつけるものだが、この浮橋は生母と継母を結びつける橋と主人公と母を結びつける両方の意味があった。

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    2021年10月02日
  • 台所太平記

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     前から本書が中公文庫に入っていたのは知っていたのだが、今般の改版の機会に購入、読んでみた。
     晩年に近い作品だし、日常雑記的な題材を、ユーモアを混じえた平易な文章で書いているので、とても読みやすい。

     昭和11年夏に千倉家に雇われた「初」から始まり、昭和37年の千倉磊吉(本書では谷崎のこと)、数えで喜寿の祝いをするまでの間の、同家で働いた女中たちの中から、忘れることのできない人物の姿、性格、働き方などが、様々なエピソードと共に紹介されていく。

     日本がまだまだ貧しくて、特に田舎の学歴もない女性には女中奉公のような仕事しかなかった時代ではあるが、磊吉が忘れることのできない人たちと言うだけに、個性豊かな女中さんたちの仕事振りやいろいろな奮闘振りが印象的だ。
     結婚して初めて一人前とされていた時代だけに、終盤は各人の見合いや恋愛の末の結婚から家族へという姿が描かれ、喜寿の祝いでの久方振りの再会という形で大団円を迎える。

     あくまで磊吉たち使う側からの視点で描かれているので、使われる側がどのような気持ちで働いていたかは見えないし、時代的背景が今とはだいぶん違うから、笑ってばかりでは読めないかもしれない。でも、彼女たちのたくましさには、読んでいて気持ち良くなる。

     今回、山口画伯の挿絵が相当な数挿入されている。谷崎により描かれた人物像と、画伯の絵を見比べながら読むことができるのも、贅沢な楽しみである。

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    2021年09月26日
  • 作家と猫

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    さまざまな作家たちによる猫づくしのアンソロジー。
    猫とともに生きることの喜びをあらためて感じて、ほっこりする作品ばかり。

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    2021年09月11日
  • 夢の浮橋

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    「夢の浮橋」は非常にエロティックなお話である。「文壇昔ばなし」で、谷崎潤一郎と泉鏡花が一緒に鍋を食べた時、食べるのが早い谷崎氏に食べられないように、食べるのが遅い泉氏が仕切りを作っておくのに、結局食べられてしまうというエピソードに笑った。

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    2021年05月22日
  • 新装版 細雪 中

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    体面ばかり気にする旧家の人々の行動や言動が理解出来ずにイライラするのだが、続きが気になって読み進めてしまうのは何故だろう。

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    2021年05月15日
  • 新装版 細雪 上

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    共感できる主人公とか出てくるわけでも、面白い出来事が起こるわけでもないが、なんとなく読み進めてしまう物語。文章は美しい。

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    2021年05月12日
  • 谷崎潤一郎フェティシズム小説集

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    もし谷崎潤一郎氏が生きていたら、現代の女性の美はどのように礼賛されるのでしょうか。綺麗なことな綺麗なのだが、安っぽいと言われてしまうのか。
    そしてやはり、どのように現代女性に屈服してみたいか、どんな作品を書いてみたいかをお伺いしてみたいです。

    しょっちゅう理解不能かもしれませんが。

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    2021年05月01日
  • 痴人の愛【電子限定かきおろし漫画付】<デジタル版>

    購入済み

    深いんだろうな

    原作を読んでみたくなりました。
    あの時代にこの内容だと、そら世間は騒いだんだろうな、とか思っちゃいました。
    ちゃんと読むと深い内容なんだろうけど、BL慣れしてないせいか、いまいち入り込めなかったです。

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    2021年04月29日
  • 魔術師(乙女の本棚)

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    年中お祭りのように騒がしい公園、夢の中のやうな重苦しい感じ。
    大きな赤鬼の頭のような入り口の魔術師の劇場。
    その中では、王のような魔術師がいて(イケメンだという)魔術師の暗示で観客全体に錯覚がおき、時間短縮の妖術をかけられる。
    魔術師は人の姿を変える術が使える。
    観客の女性がクジャクに変えられてしまう。
    主人公の彼も彼女と一緒に半羊神にされてしまう。
    怖いが美しい文章と美しいイラストに引き込まれた。
    日本の名作に今時のイラストがついた「乙女の本棚シリーズ」他の作品も読んでみたい。

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    2021年03月23日
  • 谷崎潤一郎犯罪小説集

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    いわゆる犯罪小説とはちょっと異なる。内容的には淫靡で倒錯的でちと残酷なのだが、なぜかカラッとしている。

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    2021年03月04日
  • 谷崎潤一郎犯罪小説集

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    四編収録されている中編集。谷崎潤一郎は「細雪」ぐらいしかちゃんと読んだ事はなかったのでこういう犯罪小説を書いていたのを知って読んでみた。全体的にミステリというよりも犯罪小説といった方がいいのは確か。だいぶ昔の犯罪小説というだけあって犯罪小説としては容易にオチがわかるものばかりだったが、それでもその筆力によって現代の読者でもぐいぐいと先を読ませてくれる話はやはり大作家といえると思う。気に入ったのは一番現在のミステリに近い「途上」かな。

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    2021年02月28日
  • 少将滋幹の母

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    芥川龍之介に、「好色」という有名な短編がある
    今昔物語を原作にしたもので
    とある平安貴族が、惚れた女につきまとったあげく
    精神を疲弊して死んでしまうという
    考えてみれば、なんだか変な話であるが
    対話ではわかりあえない男女関係の絶望を
    女性上位でユーモラスに描いたものと言えるだろう

    「好色」の主人公は平中(へいちゅう)という男で
    どうも実在の人物だったらしい
    漁色にばかり熱心な、ぐうたら役人であったが
    それゆえ、女好きな一部の上司とは非常にウマが合った
    谷崎潤一郎は、この平中を軸にして
    平安における色男たちの小さな年代記を作り上げた
    それがこの「少将滋幹の母」である
    平中を軸にとは言ったものの、タイトルを見ればわかるように
    必ずしも平中が中心の話ではない
    彼は序盤の、どちらかといえば狂言回しにすぎず
    本題はむしろ少将・藤原滋幹、すなわち
    平中の上司の妻が前の夫とのあいだにもうけた子供、にある
    滋幹(しげもと)の、生き別れた母親に対する思慕が
    最終的に語られていくのだが
    おそらくは谷崎自身、母親との関係が
    自分の女好きな人格形成に大きな影響を与えていると
    認識していたのではないか
    その点、母親の狂気を恐れていた芥川とは明確に世界観が異なる

    女の糞を見れば、彼女への愛も冷めるはず
    そんな発想を逆手にとられ
    フェティシズムの罠にかけられた平中は
    卑屈のあまり糞すら愛そうとしている自分に気付いて絶望した
    そして死んだ
    しかしそういう理屈を理解したとしても
    フェティシズムを快楽と捉える人には
    平中の死を実感できないだろう
    そこんとこの断絶を埋めるために
    会えない母への恋しさを持ち出したのだと思う
    つまり、人は総て母の体内から出た不浄のようなものであるから
    むしろ不浄は懐かしむべきものだという考え方である
    それに焦点を当てて明らかになる芥川と谷崎の差異が
    ここでは平中と滋幹の差異に擬せられているわけだ
    生は不浄であり、死は浄化である
    この作品を書くことで
    ある意味谷崎は、芥川の死を浄化しようとしたのではないか
    僕はそう思う
    だとすれば、逆に谷崎も本音のところで
    死は不浄だと認めていることになるけれど

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    2021年02月02日
  • 猫と庄造と二人のおんな

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    いつの時代も猫は正義笑
    本人達はいたって真面目だけど、側から見ると滑稽な様子が面白い。谷崎潤一郎の文章はやっぱり読みやすくて好きだ。

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    2020年09月12日
  • 春琴抄

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    読者諸賢は首肯せらるるや否や

    って最後にあるけれど

    …首肯しないっすねー笑


    佐助さんホラーだよ純愛って一歩先は執念だなあ
    見えないからこそ幸せになっていくってどんなだよ…

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    2020年09月11日
  • 細雪(中)

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    姉妹の中で末の妙子は、他の旧式な考えと違い進歩的である。そこが家庭に様々な気苦労や事件を巻き起こすことになる。結婚に対する家の考え方、気遣いを特に家族に対して行動するのが常識とされた昭和初期。医師のステータスも随分異なる。2020.9.5

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    2020年09月05日