谷崎潤一郎のレビュー一覧

  • 少将滋幹の母

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    夕食の席で柿を齧りながら「谷崎はどうも苦手です。私は芥川が好きなんです。」と言ったら、先輩のYさんが自室から引っ張りだしてきて貸してくだすった。『少将滋幹の母』か、あんまり聞いたことないな。題名から考えるに、王朝物という共通項を見込んでの選択だろうか。と首を傾げつつしゃくしゃくと柿を咀嚼し飲み込む。「あたしは谷崎でこれが一番好き。貸したげる。」とYさんが笑った。

    自分の四畳半に帰って、読んだ。
    どろどろとした性的な描写に嫌悪感があって敬遠していた谷崎だが、この作品はそれほどでもなく、落ち着いて読むことができた。さすが先輩の推薦だけのことはある。おかげで、これまで気づかなかった谷崎作品の良さが

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    2012年12月27日
  • 谷崎潤一郎マゾヒズム小説集

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    巨匠と呼ばれるレジェンド作家のマゾヒズムに絞った短編集。

    谷崎潤一郎ってそういう人だったんだ!そんな衝撃と共に、読み進めていった。一つ一つがライトなものからややヘビーなものまで。
    シチュエーションは違えど、モダンな雰囲気は全作品に漂っています。

    巻末には解説があり、短編の関連や裏付け、谷崎潤一郎自身のことにまで触れており、全く知らない人でも理解できるつくり。企画として面白い。

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    2012年08月11日
  • 鍵・瘋癲老人日記

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    妻を愛して愛して止まない夫と、その夫を貞女として従うことをたしなみとしながらも心では気持ち悪いと思っている妻の、交換もされない日記。お互い盗み読みを想定しているのに、実はどちらも読んでいないっていうのも面白い。内容は、変態。しかし、だれしもこのような一面を持つのかも。

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    2012年07月31日
  • 谷崎潤一郎全集〈第21巻〉

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    「私の貧乏物語」
    自分がいつもお金に困っていて,常にお金のために書かなくてはいけないとぶつぶついっている.

    「東京をおもふ」
    関東大震災を機に関西に移住した著者が震災後10年たって書いた東京の悪口.ほとんど言いがかりのような文章だが,背後には自分が生まれ育った江戸の面影を残した下町が震災復興の名の下に大きく失われていったことがある.でもここまで書かなくてもという感じは残る.

    「文章讀本」
    古典から英語までを引用して谷崎流の文章の書き方を解説している.最後の「品格について」を読むと今の日本語が完全に失ってしまったものを見ることができる.自分で書くのに参考になるところは多くないが,谷崎潤一郎の

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    2015年06月05日
  • 少将滋幹の母

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    ネタバレ

    百人一首にも名がある中納言敦忠の母をとりまく男たちの話.左大臣藤原時平の豪快さも印象的だが,時平に妻を差し出す国経の孤独が身にしみる.不浄感を得ようと修行をする姿はなんとも痛々しい.もちろん,著者は最後の幻想的な桜のシーンを描きたくてこの作品を書いたのだろう.

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    2011年12月17日
  • 谷崎潤一郎犯罪小説集

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    4編の短編集。恋愛小説ばかり書いてるのかなと思っていたけどミステリも書かれていたとは。叙述トリックありどんでん返しありで楽しめました。
    中でも「途上」がよかった。道すがら話しながら徐々に犯人を追い詰めていく心理戦が面白い。ぬるぬるフェチとか、殺人現場を覗き見して興奮したりとか、やっぱり根底に流れるのはどM精神と変態性欲なのですね。歪みねぇな!
    あの妖しくて猟奇的な感じ、乱歩が影響を受けたというのも頷けます。

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    2016年12月24日
  • 谷崎潤一郎マゾヒズム小説集

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    表紙がすっごい可愛い。
    やっぱりこの人の絵、好き。

    谷崎潤一郎って、名前は知ってたけど、まさかこんなマゾヒズム文学を書いているとは全く知らなかった。
    昔に書かれたお話だから、もう漢字が難しくて。
    タイトルから最早分からない始末。もっと勉強しなきゃね。

    個人的には、「魔術師」が好きかな。
    あの不思議な感じに惹かれます。
    「少年」も、マゾとかサドとかの性癖に目覚める前の子供達の、本能的な性趣向を描いていて面白い。

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    2012年05月27日
  • 金色の死

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    谷崎潤一郎が、こんな幻想的怪奇的な趣の作品を書いてたということが、この短編集を読んだ最大の発見だ。

    人格が抹消された非人称的・匿名的な"何か"、或いはそれに触媒されて自我が溶解・侵犯されてしまうことへの憧憬と恐怖が、様々な意匠を通して繰り返し語られているように感じた。

    「青い花」
    男が抱く女体・女性装への物神崇拝の心理をみごとに表現した傑作。十年前に以下の文章に出会っていたら、狂喜乱舞して谷崎信奉者になっていただろう。

    "………じっと見ていると、岡田にはそれが手だとは思えなくなって来る。………白昼――銀座の往来で、この十八の少女の裸体の一部、――手だ

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    2011年03月27日
  • 谷崎潤一郎マゾヒズム小説集

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    なんつーかドMだよね。
    かわいい表紙に騙され谷崎を買ってしまったが、いやいやMじゃないですか。って題にもマゾヒズムと書かれているので文句を言う筋合いはないのだが。

    一話目が一番おもしろいかな。
    少年たちが何も知らない状態から本能的なものを嗅ぎわけ、そして背徳の喜びへと・・・といった運びがすばらしい。
    あれ?なんだか気持ち、いい?・・・そんな感じ。

    そのほかの話はなんだか言い訳くさい感じがして好きになれんかった。
    魔術師の話が特に微妙かなぁ。
    終盤・結末は好きなのだが、そこに至るまでがマゾヒズムに浸る言い訳がましい。

    気のせいか?

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    2019年01月16日
  • 吉野葛・盲目物語

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    作者が必死に練りこんで書いたというよりも、長年温めてきた題材をたまたまこの時にふと思いついて作品にしてみたのでは、と思えるような、心にじんわりと刻み込まれるような2つの中編。『盲目物語』は織田信長の妹であり淀君と徳川秀忠御代所の母であるお市の方の半生を描いた作品です。

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    2010年11月28日
  • 吉野葛・盲目物語

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    あらすじは、お市の方に長年仕えた盲目の男の独白。浅井家に奉公し、お市の近くに仕え、やがて浅井が滅亡し、お市が柴田勝家に再縁して、その柴田も滅び、豊臣も滅び……といった歴史が男の視点から語られる。私の脳内では長政が完全に無双のサラサラ金髪でトンガリのアレなのでニヤニヤしながら楽しめた。

    「吉野葛」での時間遡行や追想が伝説や創作の域を出なかったのに対し、「盲目」は、作者(谷崎)が資料で知ったことが、作中では男の体験として語られる。「蘆刈」のようにある女性を貴びながら物語るのだけれど夢幻の彼方には行かず、男は現世にとどまり続ける。
    というよりは取り残される。

    男にとってはお市に仕えることが何より

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    2010年07月10日
  • 鍵・瘋癲老人日記

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    谷崎さんは細雪、痴人の愛、春琴抄あたりが好きなのですがこれは微妙。
    『鍵』は最初この夫婦二人がまわりくどいバカップルで娘と木村に呆れられている話かと思ったら、どんどん雲行きがあやしくなっていきます。
    結論は4人とも馬鹿だった。ってか、黒幕は誰? という話。

    寝とられ系の話が苦手な私にはきつかった。
    奥さんは、谷崎さん好みのあるいは妄想の結晶した女性なのかもしれないけれど、まったく共感できない。エロスってそういうこととじゃないだろ、とどん引きです。
    最初の方の、旦那への愛憎入り混じる描写が良かっただけになんだかなあ。ただの男好きじゃん、としか思えなかった。
    ラストもよくわからない。結局なにがし

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    2010年03月01日
  • 少将滋幹の母

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    いろいろなテーマが盛り込まれていると思いますが、残念ながらわたしには平中による恋の駆け引きが一番印象に残っています。

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    2009年11月14日
  • 夢の浮橋

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    登場人物みんな、自分のエゴを捨てているようでゴリ押ししているような。

    義母のお乳吸ったりに悪い意味で鳥肌立ちそうでした。
    男性にはもれなくマザコンの気があると言われてはいますが、女性は自分の息子が己に寄せるそれ以外については厳しい意見を持っているので私もそれに当てはまったのでしょう。私の欠片ほどの母性も拒否反応。

    風景描写から女性の描写に写った途端、文章が活き活きしてくるのにはびっくりした。
    さすがやね!

    08.12.29

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    2009年10月04日
  • 少将滋幹の母

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    一つ一つのシーンが美しい絵画のように脳裡に浮かび上がる。個人的には主人公が夜中に父親の後をつけるエピソードが好きです。

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    2009年10月04日
  • 吉野葛・盲目物語

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    盲目物語を読んでみたくて借りた。4歳のときに両目の視力を失った語り手が、信長の妹で、浅井長政の妻お市の方の悲劇的生涯を中心に、戦国時代を生きた人間を書き出している。この文章はひらがなが多いが、それは語り手の教養の低さをあらわしているのかなと思う。だけど、ひらがなが多くて若干読みにくい。

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    2009年10月04日
  • 決定版 谷崎潤一郎全集

    000

    購入済み

    文章読本が不在

    流石のラインアップだが、全集と呼ぶにはちと弱い。
    三島由紀夫や丸谷才一がお手本にしたのが川端さんや谷崎先生のそれであることは
    間違いがないのだが、何故かない。
    頑張って追記することをお願いしたい。
    お好みで。

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    2025年01月12日
  • 春琴抄

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    究極の愛いい!!

    究極の相手もいい!!サディズム マゾヒズム!!気高すぎる盲目のお嬢様とその奉公人の少年!ずっと仕えて 愛し合ったのに それを愛と認めなくて 何て切ない 主人と下僕の究極の愛だ!!

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    2023年11月30日
  • 卍まんじ 1

    ネタバレ 購入済み

    綿貫はいんぽふのう

    という設定が無視されてます
    画はきれい
    こんなにいやらしいはなしだったのね

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    2022年09月30日
  • 痴人の愛【電子限定かきおろし漫画付】<デジタル版>

    購入済み

    ひたすら憤りを感じる作品

    時代遅れも甚だしい内容。

    谷崎潤一郎がその昔評価された有名な小説家だとしても、「浮気は男の甲斐」なんて言葉がまかり通っていた時代の小説を基にして、「心が動かなくちゃ浮気にならないでしょう」なんて戯言を受けに言わせて、どんなに真実の愛の何たるかを語っているように見せかけたとしても、実際にやってることは愛されていることを逆手にとって攻めに諦めと我慢を強要していることに他ならない。
    自分の非を認めずに、自分の可哀そうな過去を持ち出してきてまで浮気を正当化するズルいやり口が気に入らない。

    早い話、愛という名の下に受けが性に奔放な生活を押し通し、攻めがそれを「受け入れた」形の話。恩を仇で返

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    2021年05月10日