谷崎潤一郎のレビュー一覧

  • 新装版 細雪 下

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    紆余曲折を経た雪子の縁談が功を奏す。大戦の気配を暗に感じながら、当時の上流階級の生活や価値観が文学性高い筆致で描かれている。全編通して緩い関西弁のやり取りが、良い世界観を作り上げていて飽きずに読み進められました。

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    2020年02月24日
  • 鍵・瘋癲老人日記

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    どちらも老境にありながらも性に固執する(老境にあるからこそ?)哀しい男のサガの話。鍵はよくできてるなーと感心。そして陣痛に耐えながら死にゆく瘋癲老人の話を読み終わるタイミングの妙。。

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    2019年12月12日
  • 谷崎潤一郎犯罪小説集

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    ネタバレ

    短編アンソロジーである。谷崎潤一郎の耽美性が満ち満ちている。『柳湯の事件』、『白昼鬼語』が特に好きだ。読者はもてあそばれて、魅せられる。読む前は実在の犯罪をもとに書かれた作品だと感じてたが、そうではなかった。潤一郎ワールドが甘美に展開されていた。纓子にくるおしい思いを遂げてしまった園村はさすが潤ちゃんである。『痴人の愛』のナオミを思い起こした。「犯罪小説」の話から脱線してしまった。

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    2019年06月19日
  • 谷崎潤一郎犯罪小説集

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    谷崎の小説を読むのは、これが初めてだ。一般には、『細雪』『痴人の愛』『春琴抄』あたりから入り、氏独特の耽美的な、官能的な、あるいは変態的な世界を楽しむのだろう。そしてその世界は、谷崎をもってすれば、わざわざ「犯罪」という要素などなくとも、純文学の世界で十分描くことができる。
    この本を手にしたのは、したがって、読み手である自分が単に「ミステリーが好き」ということにのみ由来する。が、読んでみて損はなかった。
    解説で渡部直己も言及しているが、最初に感じたのは、いずれの物語も(本書には四編の話が収録されている)実にポー的であるということだった。筆名をE・A・ポーからとった江戸川乱歩に大きな影響を与えた

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    2019年04月19日
  • 谷崎潤一郎

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    『春琴抄』『痴人の愛』『瘋癲老人日記』『陰翳礼讃』といった傑作・佳作が収められてないのがおおいに不満である。谷崎潤一郎の全集としてはお薦めできない本だ。筑摩の日本文学全集の方をお薦めする。『蘆刈』『吉野葛』の掲載は評価できる。これも再読だが、『厠のいろいろ』で知人が名古屋は「なかなか文化が進んでいる、市民の生活程度も大阪や京都に譲らない、自分はそれを何に依って感じたかと云えば、方々の家へ招かれて行った時に、厠の匂を嗅いでそう思った」とあるのは苦笑する。さすが潤一郎さんだ。おそらく潤色ある記述でおもしろい。

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    2019年03月20日
  • 吉野葛・盲目物語

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    吉野葛 良質の紀行文かしらと思いつつ読んでいくと
    これから結婚を申し込みに行く娘を
    恋しい母親、見た記憶すらも淡い母親のように
    育てていこうと言うくだりがあって
    あら源氏物語みたいなのね、と気づかされる。

    盲目物語・大河ドラマに良く出てくる戦国時代
    お市、茶々のことを知り語るあんまの弥一。
    あんまですから触覚に頼る彼の語る
    お市、茶々の肉感はなまめかしい。

    両作とも「女のために」○○をする男と言う話し。
    谷崎ならではで、ところどころセクシーで
    かつ名文で、そのバランスが下品さをなくしていて
    ほんと文章ってすごい。

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    2019年03月14日
  • 春琴抄

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    知人の筑前琵琶奏者の
    演目の一つが、この
    「春琴抄」
    コンサートに向けての
    「ポスター」と「文字」制作のために
    今一度 読み直す

    今でも
    読み継がれている
    その理由(わけ)
    があるのだろうけれど…

    こういう形の
    「愛」は
    さぁて
    どう位置付けられて
    いくのでしょうね

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    2019年02月21日
  • 猫と庄造と二人のをんな

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    ネタバレ

    30歳マザコン・ニートの男が、追い出した元妻に飼っていた猫を譲ったものの、元妻と結婚する前から飼っていた猫で思い出もいっぱいあるし、歳とった猫だし、虐待されていたりしないかと気をもんでウジウジし、その挙句、元妻の留守宅に入り込んで猫の様子を見ると猫は「あんた誰?」という反応。という猫文学。

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    2018年12月30日
  • 細雪(中)

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    上巻は雪子の縁談が中心で、差し当たり大きな事件はなかったけれど、本巻では妙子の恋愛を中心に物語が展開される。昭和13年の阪神の豪雨の様子なども、こと細かく記されている。この豪雨が妙子に大きな変化をもたらすのだが、読んでいてとても臨場感があった。

    その他に隣家のドイツ人一家や妙子の弟子のロシア人の家族との交流なども描かれている。妙子は見るからに活動的だが、おとなしい雪子のしたたかさが垣間見られた。

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    2018年11月21日
  • 谷崎潤一郎フェティシズム小説集

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    僕はどちらかというとフェティシズムとエロティシズムは思っているより違うものだという印象を受けた。密接に関連はしているけれど、それぞれへのこだわり方というのは全く性質が違っている。やはりフェティシズムは自分の心の中に求めるものがあって、それと比べるとエロティシズムはずっとフィジカルなものという気がする。

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    2018年09月28日
  • 新装版 細雪 上

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    本格的に戦争に突入する前の時代、兵庫の芦屋に暮らす家族の物語。幸子や貞之介の細かい心理描写から、当時の慣習、価値観がわかって面白い。
    社会的身分が結婚、仕事、その他いろいろな場面で影響するところや、一族のメンツを保つためなら多少の犠牲は厭わない空気など、現代に生きる身としては辛いものがある。生き方にもっと余白がほしい。

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    2018年07月16日
  • 鍵・瘋癲老人日記

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    息子の嫁に脚を舐めさせてもらって大興奮!
    谷崎小説にだいぶ洗脳されてきたのか、このジジイに嫌悪感を感じないどころか、最も親しみを感じます。
    異常に見えるけれど、みんな人に言えない闇を持っている。

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    2018年06月14日
  • 谷崎潤一郎犯罪小説集

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    短編集。以前半分ほど読んで放置していたような気がする。

    女性の描写が破滅的ですごく良い。後半半分ほどを占める「白昼鬼語」がやはり最も読んでいて面白かった。理想の美女に殺されるのも悪くないと思ってしまった。

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    2018年05月22日
  • 春琴抄

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    ネタバレ

     思った以上に時間をかけて読んだ。春琴の人生が主軸だけれど、春琴の人生の中では手曳きの役割を与えられた佐助と2人で過ごす時間が圧倒的に多いし、佐助以外は地になっているような印象。そして、佐助もまた春琴に従順で、痛みや悲しみもよろこびに変えてしまう。マゾっていうよりは依存?麻痺?マゾとは違うんだよなあ……。
     主従関係だから、結婚という形には収まらなかった事が途中から納得できた。春琴に尽くすことが全てである佐助にとっても、佐助はあくまで手曳きであり従者にすぎないとしている春琴にとっても、上下でしか成り立たないんだな。それでも、佐助が事件の後に盲目になったところで春琴が涙をしたのは嘘ではないだろう

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    2018年01月28日
  • 谷崎潤一郎犯罪小説集

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    江戸川乱歩に影響を与えたものがあるときいてはじめて谷崎潤一郎を読んでみました。
    女性関係のものが多いと思っていたので推理小説もあったとは…。

    素人探偵と助手のような関係のコンビが出てきたり、読者を騙したり焦らせたりするような話があったりとミステリの基礎みたいなものが詰め込まれてました。
    文章も巧みで読みやすかったです。
    でもやはり谷崎がえがきたかったのはミステリではなくて女の人がメインだったんじゃないかなという感じがしました。耽美。

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    2018年01月18日
  • 文芸的な、余りに文芸的な/饒舌録 ほか 芥川vs.谷崎論争

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    芥川は、小説から構造を廃すべきと言ったわけではない
    ただ小説の前提には作家の個性がなければならず
    作家は、その自己表現を面白く読ませるための技法として
    構造を用いなければならない
    もちろんまた一方では個性が技法となり
    二代目○○、三代目○○と積み重ねられていきもするわけだが
    それを扱って作品とするのはあくまでも個人だ
    そうでなくては、詩はスローガンに
    小説はプロパガンダに堕していくしかないだろう

    それに対する谷崎は
    東京と大阪の文化性の違いなど挙げて
    要は受け手の個性が作品を完成させるという立場を取っているようだ
    もちろんそれもひとつのあり得べき解釈である
    しかしやがては
    スノビスト達の鼻持

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    2017年11月11日
  • 谷崎潤一郎犯罪小説集

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    これは面白い短編集でした! 「柳湯の事件」、「途上」、「私」、「白昼鬼語」の4編収録。ここまでガチでミステリ書いてくれてるとは思わなかったよ。

    「白昼鬼語」が良いですね。「柳湯の事件」で全面に出してきたヌラヌラフェチを封印して、謎の女の妖艶さとそれに惹かれる男の駆け引きに振り回される友人の私、という構図。谷崎作品の中でポーの黄金虫や、ホームズ、ワトソンなんて単語が出てくる作品があるとは。乱歩が谷崎ファンだったのも納得でした。

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    2017年10月28日
  • 春琴抄

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    佐助は一途で健気ではあるが、どこか女々しい。春琴は本当にいや〜な奴。しかし谷崎潤一郎の小説って、何故こんなにも嫌味な女と女々しい男が出てくるんだろう。
    そして好感度の低い登場人物の織りなす世界が、何故こんなに面白いのだろう。

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    2017年09月09日
  • 夢の浮橋

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    ネタバレ

    読書会の課題本。前半の実母への恋慕や関わりは、自分の子どもの幼いころを思い出して共感しつつ読んだが、後半の継母との関わり、父子二代に渡っての想いの共有、妻澤子を迎えるくだり、「母に仕えることを唯一の生き甲斐にして、外に何の幸福も要らぬ」「お母さんを仕合わせにするためには、お前が嫁をもらう必要がある」あたりは、やはり前回読んだ谷崎本同様、若干ひいてしまう。
    一緒に収録されているエッセイの方が私にはむしろ面白く読めた。元々、エッセイが好きということもあるが、家族への想い、自分への評価などがつづられた「親不孝の思い出」、自身の病状とそれに対する心もちをつづった「高血圧症の思い出」、関わりのあった秋声

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    2017年12月30日
  • 春琴抄

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    谷崎の物語には必ず愛がある。
    春琴抄を読んで思ったのは、こんな風に愛されたいってこと。

    恋は盲目。まさに。

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    2017年02月19日